~昔々とある世界のとある町~

ある日、唐突に俺の世界は終わりを告げた

市民「キャーーーー!!」

町にこだまする悲鳴

市民「うわーーーーー!!」

それはけして聞いて心地いいものではないだろう

悪魔「はははははっ!!壊れろ、壊れろ!!」

それは本能のまま町を壊していく

市民「助けてっ!!」

悪魔「イーヤ♪」

キャーーーーーーーーーーーーー!!

俺は見ていることしか出来なかった

今考えればあの時何か出来たんじゃないか?

いや、無理だろう

第一考えた所で意味が無い・・・

解っているのだが

町は真っ赤に燃え上がる

悪魔「ふぅ~、こんなもんかぁ」

しばらくして悪魔はもう興味は無いと言わんばかりに溜息をつく

そして

オレは一人震えていた

俺「・・・・・」ガクガク

悪魔「よぉー、坊主」

オレは家族と町に出掛けていた、それだけだった

幸せな時間だった

悪魔「綺麗だろ?」

母も父も姉も気づいたら殺されていた

悪魔「おまえもオレと同じだぁ、いつか闇にのまれる」

悪魔はこちらに手をのばす

悪魔「オレと一緒に来い」

俺「・・・どうして」

俺「どうしてこんな事・・」

俺「返してよ、返してよ!」

オレは泣きながら訴えた

悪魔「・・・はぁ、もういいよ、死ね!」

迫る恐怖そして

一瞬の出来事だった、世界が歪んで気付いたら

オレは傷だらけで異世界に居た

最初は戸惑ったが頭が悟っていた、ここはもうオレの居場所じゃない、と



~ローマでの物資調達から一週間~

-俺の部屋 朝-

小鳥のさえずりが聞こえる

俺「・・・・・・・」

朝だがとても気持ちの良い目覚めとは言い難い

俺「・・・なんで」

なんでオレだけ生き残ったのか・・

あの世界はどうなったのか解らない

壊されたのはオレのいた町だけだったのか

それとも・・・

俺「くそっ!!」バサッ

枕に拳を入れる

オレは考えるのを止める

いや、考えたくも無い・・・

オレはあの後世界を渡り続けた一つの世界には長くいないように

そう心にきめて・・・

死ぬ勇気なんてなかった

どんなに親切にされてもオレはその人の前から姿を消した

いや、逃げたんだ

失うのが怖かったんだ日常が壊れてしまうのが・・・

なのになぜこの世界には残ったのだろうか?

最初は気まぐれだったでも、今は・・・

宮藤「オレさ~~~ん、ご飯ですよ~」

俺「・・ああ、わかった!」

今はこの毎日が好きになってしまったのかもしれない

だから・・・もう逃げない

俺が一人で終わらせるよ



-朝ごはん-

エイラ「・・・」ちらっ

俺「・・・」モグモグ

エイラ「・・・」ちらっ

俺「・・・」ゴクンッ

え?・・・な、なんなんだ?

坂本「どうしたエイラ、俺の方を気にして?」

エイラ「べ、別に気にしてなんか!」

そう言ってエイラは顔を赤くする

サーニャ「・・・・」クスッ

----「へぇ」「俺やる~」「ふふっ」

俺『・・・なぜこっちを見る?』

またエイラになんかしたかな?



エイラ・サーニャの部屋

サーニャ「ねぇ、エイラ」

エイラ「・・・」ボーーー

サーニャはもう一度強く呼びかける

サーニャ「エ・イ・ラ!」

エイラ「ふぇ!?、な、なんダ?」

エイラは大きな声に驚く

サーニャ「エイラ、俺さんのこと好きなの?」

エイラ「な、なに言ってんだ、なんでアンナやつ・・」

エイラ『な、なんでばれてるんダ?』

サーニャ「顔が真っ赤よ、エイラ」

エイラ「/////・・・でも」

サーニャ「?」

エイラ「ムリダナ」

エイラの声に力は感じられない

サーニャ「どうして?」

エイラ「アイツこの前ローマにデー・・物資調達行った帰りから、私のこと避けてるみたいで」

そう言ってエイラは顔を伏せる

サーニャ「大丈夫」ナデナデ

サ-ニャはエイラの頭を優しく撫でる

エイラ「・・・そうかナ?」

サーニャ「最後まで諦めないのがエイラでしょ?エイラは私を守ってくれた」

だから大丈夫、サーニャはそう言った

エイラ「・・・うん!、なんだか出来る気がしてきたゾ」

そしてエイラは声を上げる

エイラ「覚悟しろ俺――!!」



-ミーティングルーム-

最近エイラとの距離感が解らなくなってきたなって

俺「くしゅんっ!」ズズズ

あ~、鼻がむずむずする

エーリカ「風邪~?」

俺「いや、違うと思うけど」

エーリカ、居たのか・・・

エーリカ「宮藤に見てもらえば?」

俺「いや、大丈夫だって」

エーリカ「じゃあさー」

俺「んー?」

エーリカ「エイラの事好きなの?」

俺「ゴホッゴホッ!?」

な、なぜバレてるんだ?

エーリカ「そんなに動揺しなくても」

俺「し、してないよ」

紳士に言ってみる

エーリカ「声裏返ってるよ~」

紳士~~!!

俺「・・・ピ、ピアノ!」

オレは別の話題にシフトすることにした

エーリカ「?」

俺「ピアノあるけど誰か弾くの?」

エーリカ「うん、サーニャがね」

俺「そ、そっかぁ」

エーリカ「俺、知ってたでしょ?」

俺「・・・」

知ってました

エーリカ「でさぁ・・」

俺「・・・よし、遊ぼう!ルッキーニ誘ってくる!!」

ダダダダダダダ

エーリカ「・・逃げられたか」

すると俺と入れ替わりでバルクホルンが入ってくる

バルクホルン「見つけたぞハルトマン!」

その表情からは若干の怒りが見える

エーリカ「どしたのぉ?トゥルーデ・・」

バルクホルン「部屋の掃除をしろー!」

エーリカ「えーーー」ズルズル


俺「そろそろだよな・・・」

オレはルッキーニの部屋には行かず基地内をウロウロしていた

俺「・・・・・」

すると見知った顔に出会った

ミーナ「あら、俺さんどうかしたの?」

俺「あ、いえ別に」

ミーナ「そう?この前はローマの町をよく守ってくれたわ」

俺「いえいえ、あの4人のおかげです」

ミーナ「これからもよろしく頼むわね」

そう言ってミーナさんは去って行った

俺「・・・これから、か」

しばらくそこに立ち尽くしたあと

俺「部屋、戻るか・・・」



-とある場所-

サーニャ「・・・わかりました」

エーリカ「よしっ、作戦開始!!」

水面下で進む計画に二人はまだ気付かない

-----

俺「・・・!」
エイラ「・・・!」

な、なんだ?今、寒気が・・・





-俺の部屋前-

俺「ふぅー、今日はのんびりするかって・・」

エーリカ?なんでこっちに走ってんだ?

エーリカ「わーゴミ捨てに行こうと思ったら俺が居たー」

俺「めっちゃ棒読みじゃねーか!?」

エーリカ「わーーーー」

状況を整理しよう

1・わざとらしくこけるエーリカ

2・飛んでくるゴミの山

3・立ち尽くすオレ

ガッシャーーーーン

俺「わぁぁぁぁぁぁぁ!?」

----
---
--

俺「・・・罰ゲーム?」

あらま大変ゴミまみれー

エーリカ「ごめんね!俺!」

俺「・・・怒っていい?」

いいよね?

エーリカ「お風呂行ってきたら?」

俺「・・・怒っていい?」

だめかな?

エーリカ「俺―!」

俺「・・・・・なんだ?」

エーリカ「変な臭いするー!!」

俺「お前のせいだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

怒っちゃった・・・



-サーニャ・エイラの部屋-

サーニャ「ねぇ、エイラ」

エイラ「どーしタ?」

エイラは先ほどからタロット占いをしている、恋人のカードが出るのを
待っているようだ

サーニャ「サウナに行かない?」

エイラ「うん、いいゾ」

サーニャ「じゃあ先に行ってるね」

サーニャはそういい残して去っていく

エイラ「へ?待てって、サーニャ!!」



-サウナ-

俺「ったくエーリカの奴・・・」

エーリカ『まぁまぁ、ゆっくり浸かってきなよ
      あ、あとサウナってあるんだよ?
      絶対!行った方がいいよ!!』

以外にサウナとやらもいいもんだ

俺「まぁ・・・・いいか」

するとサウナの戸が開く

ガチャッ

エイラ「サーニャお待た・・・」

俺「・・・・・」

しばらくの沈黙のあとエイラはドアに手をかける

しかし

エイラ「あれ、開かないゾ?」

俺「なんですと!?」

おいおい!鍵なんかあったっけ?



-ドアの外-

サーニャ「いいんですかここまでして?」

エイラ「いいのいいのあの二人は奥手だからね♪」



-サウナ内部-

エイラ「ま、まさか!」

俺「まさか?」

エイラ「トントか?」

俺『誰だーーーーーー!?』

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--

          • どうしようもなくとにかく腰掛けるエイラ

というかオレはタオルを持っているからいいが

エイラ「こ・・こっち見んなよナ/////!!」

俺「わ・・解ってるって////!!」

オレは腰に巻いているタオルとは別に、肩にかけていた

タオルをエイラに渡す

エイラ「・・・アリガト///」

俺「あはは・・・」

エイラはそれを腰に巻く

上?バカ!!見たら殺されるって!!

しばらくしてエイラが口を開く

エイラ「あのサ・・」

俺「?」

エイラ「えと、最近ワタシのこと、いや501のみんなの事避けてないカ?」

俺「・・・いや」

      • 別に避けてるわけじゃない

エイラ「みんなのこと、ワタシのこと嫌いカ?」

エイラの声のトーンが下がる

違う、そんなわけない!

俺「・・・・・」

だめだった、覚悟したつもりだった・・・

黙って消えよう、そう、思ったのに

俺「オレはさ・・・」

やめろ!やめろ!信じてくれるわけが無い!

俺「オレは、この世界の人間じゃないんだ」

エイラ「・・・・・」

エイラはただ静かにオレの言葉に耳を傾ける

俺「オレにはもう家族なんていない、誰も残ってない!」

俺「臆病で!何も出来なくて!逃げて、逃げて!!」

オレの言葉は止まらなかった


どの世界でもオレに良くしてくれる人はいた

でもアイツの、悪魔の恐怖が消える事はなかった

オレを追ってくるんじゃないか?また日常を壊されるんじゃないか?

そんな気持ちがいつもオレを付きまとった

俺「もう・・限界だよ」

喋り出したら止まらなかった
とうとう言ってしまった・・・嘘だと言われるだろうか?それならそれでいい

エイラ「そっか」


でも彼女は違った

俺「・・・!」

エイラ「つらかったナ」

俺「な・・・なんで?」

信じてくれたのか?こんな話・・・!

エイラ「よく頑張ったな今まで」

俺「・・・・・」グスッ

エイラ「・・オイ!泣くなっテ・・」

流れ出した涙はしばらく止まらなかった

感情が溢れ出した

オレは心から泣いた

エイラ「・・・・はァ」

エイラ「・・今日だけだかんナ」ギュッ

エイラは俺の肩を優しく抱きしめた


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-医務室-

俺「・・・・アレ?」

そこには見慣れない天井が広がっていた

俺「確か、サウナに・・・」

サーニャ「起きましたか?」

オレの横にはサーニャが立っていた

俺「あれ、サーニャ?オレはなんで・・」

いくら記憶を辿っても思い出せない

サーニャ「あの後ハルトマンさんと一緒にサウナに行ったら
      エイラと俺さんが倒れてて」

サーニャ『本当は二人であの後お風呂入ってしばらくして戻ってきたら
      鍵なんてしてないのに二人ともまだ入ってて、なんて言えないよ・・』

俺「そっか・・・」

エーリカ「それで、サーニャと一緒に医務室に引っ張って行ったんだ」

俺「・・・ありが」

エーリカ「途中で俺の腰に巻いてたタオルがとれそうで大変だったんだよ!」

サーニャ「///////」

俺「あははは・・・」

なんてっこったい・・・



-夜 医務室-

俺の横のベットではエイラが寝ていた

あの後からずっと、だそうだ、命に別状はないとの事なので

疲れも溜まってたんだろう

エイラの頭を優しく撫でる

俺「エイラ、寝てるか?」

エイラ「・・・・スースー」

可愛らしい寝息が聞こえる

俺「・・聞いてくれるか?」

オレは寝ているエイラに話を続ける

俺「オレさ、この世界もしばらくしたら出て行くつもりだったんだ」

俺「でもさ、みんなの光が眩しくてオレもその光に触れたかった」

俺「オレとあんま年変わんないのに戦ってさ、強いなって」

俺「オレも一緒にいたら変われるかなって」

俺「今度こそ逃げずに戦えるかなって」

俺「エイラ、オレの事は・・忘れていいからな」

オレはエイラの傍を離れ医務室を出ようとする

オレは笑ってこう告げる

俺「・・・初めて恋をした人がエイラでよかった」
――――ありがとう

バタンッ


そう言い残して少年は一人で向かう


続く



最終更新:2013年02月02日 12:48