俺の部屋
バルクホルン「ハルトマン! いるか!?」
エーリカ「あれ、トゥルーデよくここにいるってわかったねわかったね」もぐもぐ
バルクホルン「最近お前は大体この部屋にいるからな……って何食べてるんだ?」
エーリカ「アップルパイ。俺が作ってくれたやつ。食べる?」
ハルトマンはアップルパイの乗った皿をバルクホルンに近づける。リンゴとシナモンのいい匂いがする。
バルクホルン「……色々作れるなあいつは。っとまあ相談があってきたんだが……」
エーリカ「相談~? 何でわたしに?」
バルクホルン「なんだかんだで長い付き合いだからな。ミーナは今忙しいようだし」
エーリカ「別にいいけど……トゥルーデがわたしにする相談ってなにさ」もぐもぐ
バルクホルン「あ、ああそれはだな……」
エーリカ「ふんふん。つまりミヤフジとの仲を進展させたい、と」
バルクホルン「いや、今のままでもいいんだが……どうせならお姉ちゃんと呼んでもらえるくらいにはなりたい」
エーリカ「つっこまないよ。それは置いておいて手っ取り早い方法が一つ」もぐもぐ
バルクホルン「な、なんだ!?」
バルクホルンは体を乗り出す。
エーリカ「クリスとミヤフジが結婚したr」
バルクホルン「ダメだ」
即答だった。
エーリカ「えー」
バルクホルン「えーじゃない! わたしはもっとまじめにだな……」
エーリカ「じゃあ俺に聞いてみたら?」
バルクホルン「なんで俺に?」
エーリカ「俺案外色々知ってるよーそれに色々持ってるし。もしかして惚れ薬とかあるかもね」
バルクホルンが部屋を見渡すと、見たこともないものや本棚などで部屋が埋め尽くされている。
バルクホルン「……なるほど。で、その俺は今何してるんだ?」
エーリカ「(薬に頼るのはどうかと思うけどね)えーと多分ハンガーにいるんじゃないかな……それかその辺で井戸掘ってると思う」
バルクホルン「ハンガーはわかるが……何故井戸?」
エーリカ「なんでも知り合いが井戸大好きなんだってさ。井戸で生まれて井戸で死にたいまで言ってたらしいよ」
バルクホルン「……変わった知り合いだな」
エーリカ「まあ俺の友人関係は気にしないほうがいいかもね。色々あるし」
バルクホルン「色々?」
エーリカ「あ、何でもないよ。ほら、速く俺を探しにいきなって」
ハンガー
俺「とまあ説明したとおりですね」
俺「ええ。少し前、軍の命令である人たちと黒のなんとかという組織を破壊した時の戦利品です」
シャーリー「加速装置……まさかこんな凄いものがあるなんて!」
俺「本来は体内に入れるものらしいのですが、自分が突入したころは改良が進んでまして簡単に使えるようにリストバンド型になっていました」
シャーリー「よし、装着!」キラーン
俺「改良はどうやらかなり進んでたらしく、生身で使っても肉体に損傷を与えないように……」
シャーリー「加速装置!」ピキーン
俺「ただ服が摩擦で燃えるという問題点だけが……。アレ? どこいったんですか?」
きゃああああああああああああああああああああああ!
俺「……」
物陰から一連の様子を見ていたバルクホルンは、これなら惚れ薬も持っているのではないかと思った。
バルクホルン「お、俺!」
俺「あ、何でしょうかバルクホルン大尉」
バルクホルン「あーそのだな……とにかくこい!」
俺「わかりました。わかりましたから袖引っ張るのはやめてください」ずるずる
再び俺の部屋
エーリカ「おかえりー」もぐもぐ
俺「あれ自分の分は?」
エーリカ「遅いから食べちゃった。いる? 食べかけだけど」
俺「……あとでもらいます」
バルクホルン「おい勝手に二人の空間に入るんじゃない」
エーリカ「あれいたんだ」
バルクホルン「本気で怒るぞハルトマン。……用事というのはだな」
俺「……惚れ薬ですか」
バルクホルン「で、あるのか?」
俺「とりあえず自分が言えることはですね……惚れ薬なんてありませんよメルヘンやファンタジーじゃないんですから」
エーリカ「やっぱね」
俺「それに薬に頼るのはどうかと」
バルクホルン「じゃあ他にどうすればいいんだ!」
俺「……手っ取り早い方法が」
バルクホルン「なんだ!? クリスと結婚させるとかそういうのはもうさっき聞いたからな!?」
俺「何でもありません」
バルクホルン「根本は本当に似たもの同士だなお前ら!」
エーリカ「やだなあ褒めないでよ」
バルクホルン「お前の脳は今の言葉を褒め言葉と受け取ったのか!?」
俺「仕方ありませんね……とっておきの方法が」
バルクホルン「一体何だ!?」
俺「吊り橋効果、というものを知っていますか?」
バルクホルン「……なんだそれは」
エーリカ「んー……どっかで聞いたことがあるような」
俺「簡単に言うと、極限状態に追い詰められた異性はそこから愛が芽生える可能性が高いということです」
バルクホルン「それはいいな!」
俺(同性に効果があるかは知りませんが……)
エーリカ(女同士じゃダメなんじゃない?)
バルクホルン「で、その極限状態というのはどうすればいい?」
俺「そうですねー……自分たちのおかれている状況で最も簡単なのが、我々がこの基地が攻撃を受ける寸前までネウロイを放置するとか」
バルクホルン「多方面から色々言われそうだから却下」
エーリカ「ミヤフジと一緒にトゥルーデが高度16000からストライカーユニット無しダイブ」
バルクホルン「極限状態じゃなくてそれ死の真っ最中だよな」
俺「二人で裸で街に繰り出すとか」
バルクホルン「そういう極限じゃない!」
エーリカ「もー本当に我がままだなあトゥルーデは」
バルクホルン「わたしはその言葉をそのままお前に返してあげたいよハルトマン」
俺「んー……あとは……自分が悪役になって極限状態を演出とか」
バルクホルン「それだ!」
エーリカ「えー俺が悪役って似合わなくない?」
バルクホルン「いや、正直今この基地で最も悪役に向いていると思う」
俺「別に自分がやっても構いませんが、自分はやる時は全力でやる人間ですよ?」
バルクホルン「いいぞそのほうが吊り橋効果とやらもあがるものだ!」
夜
俺「エーリカ、ミーナ隊長の許可取れましたか?」
エーリカ「うん。丁度明日はリーネと用事があって出かけるらしいから、やりすぎなければ大丈夫って言ってた」
俺「しかし意外でしたね。ダメ元で頼んでみたのですが……」
エーリカ「んー……昔色々あって。とにかく友人の恋愛は応援するってさ。そのあとに多分、いや絶対無理だろうけどって付け加えてたけどね」
俺「さり気にひどいこと言いますね」
エーリカ「ミヤフジもトゥルーデのこと好きなんだよ。ただ憧れのほうが強いだけ」
俺「憧れですか……よくわかりますね」
エーリカ「なんとなくわかるんだよね。……俺のことはわからないけどさ」
俺「何か言いました?」
エーリカ「ううん何でもない。さて寝よっか」ゴソゴソ
俺「……お願いですから自分の布団に入らないでください」
バルクホルン「いい天気だな宮藤」
宮藤「そうですねー」
バルクホルン(俺はその辺を歩いているだけでいいと言っていたが……どういうことだ?)
宮藤「こうやって歩いていると、まるで姉妹みたいですね」
バルクホルン「み、宮藤!?」
宮藤「リーネちゃんが一緒にいる二人は姉妹みたいって言ったんです」ニコニコ
バルクホルン「……そ、そのだな。お前が良ければ」
ダァン!
突然の銃声。鳴った方を見ると拳銃を構えて俺が立っていた。
俺「あ、外した」
宮藤「お、俺さん!? 一体何をやって……」
俺「自分黙ってましたが上層部からあなた達を消せという命令を受けてまして」(棒)
ダァン!
宮藤「きゃっ!」
俺「あれー調子悪いなあ」
バルクホルン「お、俺。もうやめ……」
俺「ああ、単発だからいけないのか」ゴソゴソ
そう言って俺が袖から取りだしたのはMG42。しかもバルクホルンのように二丁持っている。
バルクホルン「に、逃げるぞ宮藤!」
宮藤「は、はい!」
俺「まてえええええええええええええ!」ダダダダダダダダ
バルクホルン(そういうことか! そういうことなのか!?)
自分は殺る時は全力で殺る人間ですよ?
俺の部屋
ダダダダダダダ
まてええええええええええええええええええええ
うわああああああああああああああああああああ
ルッキーニ「おー始めたみたいだね」もぐもぐ
シャーリー「バルクホルンもちょっとは焦るだろ。……うまいなこれ」もぐもぐ
エーリカ「マドレーヌだってさ」もぐもぐ
ペリーヌ「上品な甘さですわ」もぐもぐ
シャーリー「へー……。いいなハルトマンは。俺に美味しい物作ってもらえて」もぐもぐ
ルッキーニ「ずるい!」もぐもぐ
エーリカ「頼んだら作ってくれたから、頼めば作ってくれると思うよ」もぐもぐ
シャーリー「じゃあわたしも今度作ってもらうかな……。ところで坂本少佐は? あとエイラとサーニャもいないな」もぐもぐ
ルッキーニ「エイラとサーニャは誘ったけど部屋で寝てるってさ」もぐもぐ
エーリカ「……」もぐもぐ
シャーリー「……まさか言い忘れたんじゃないだろうな」もぐもぐ
バルクホルン「こ、こっちだ宮藤!」
宮藤「だ、ダメです。こ、腰が抜けて……」
俺「みーつけた」ニコニコ
ダダダダダダ!
キキキキキィン!
俺「む……まさか本当に銃弾を斬れる人間が存在するとは」
坂本「何をやっている……俺」
バルクホルン・宮藤「坂本少佐!」
坂本「理由は知らんが早く行け!」
バルクホルン「り、了解! 行くぞ宮藤!」タッタッタ
宮藤「坂本さん! 坂本さん!」タッタッタ
俺「坂本少佐そこをどいて頂けませんでしょうか」
坂本「無理だな」
俺「ですよね」チャキッ
ダダダダダダ!
キキィン!
坂本「何度やっても無駄だ……む?」
坂本が切った弾をつまむ。
坂本「これは……ゴム弾? しかも相当柔らかいな……これでは当っても鳥も殺せんぞ」
俺「流石に実弾は不味いので」
坂本「うーむ……よくわからんが、とにかくお前を通すわけにはいかない」
俺「こっちは通らないといけないのです。……少佐には少し威力を上げましょう」ゴソゴソ
坂本「むっ!」
俺「当っても傷も残りませんが……気絶くらいしてもらいますよ」
たたかう
まほう
なげる
アイテム
たたかう
まほう
→なげる
アイテム
エクスカリパー
ブンッ
坂本「うおっ!?」サッ
俺「避けますか。それを避けますか」
坂本「ふ、一々袖に手を入れるんだ。攻撃のタイミングくらいわかる」
俺「では、次々行きましょうか!」
坂本「
模擬戦が見れなかった分ここでお前の実力を見せてもらおうか!」
俺「では、遠慮なく」
坂本「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
物陰
シャーリー「うわあ……」こそこそ
ペリーヌ「廊下にいろんな物が突き刺さってますわ……」こそこそ
ルッキーニ「ただ俺のほうは一応威嚇で止まってるみたいだね」こそこそ
エーリカ「そりゃあ怪我させたらいろんなところから怒られるだろうし、何よりわたしが怒るし」もぐもぐ
シャーリー「……忠犬だな」こそこそ
ルッキーニ「あ、槍出した」こそこそ
勝利の歌
シャーリー「何で歌ってるんだ? そして投げたぞおい」
ペリーヌ「なにか突然力が湧いてきたような……」
ルッキーニ「体も軽くなった気分!」
エーリカ「俺の投げる速度が上がったね」もぐもぐ
坂本「はぁ……はぁ……」
俺「驚きました。ブーメランから始まり。
圧し切り長谷部や村正、ブリューナクにロンギヌス、果てはフラガラッハやレーヴァテインまで投げたというのに。
しかも受け流した刀は刃こぼれ一つ起こしていない……もう使い物になりませんね投げたほうは」
坂本「どれもこれもいい剣や刀たちだが……、わたしの刀には及ばんということだ」
俺「まあ最初から投げるだけで勝てる人とは思ってませんが、一応聞いておきましょう。そこをどいてください」
坂本「くどい!」
俺「強情な人ですねえ」ゴソゴソ
坂本「仲間を見捨てる人間がどこにいるというのだ! その中にお前もいたというのに!」
俺「……次で最後です。次の攻撃を受け切ったら自分は引きましょう」
坂本「ふ、槍でも鉄砲でも持ってくるがいい」
俺「では、自分が最も得意な武器を出すことにしましょう」ゴソゴソ
シャーリー「次で最後らしいぞ」
ルッキーニ「俺の得意な武器って何?」
エーリカ「んー……なんだろ」
ペリーヌ「そう言えば、俺少尉が武器を持って戦ってるところ見たことありませんでしたわ」
シャーリー「やっぱ剣かな」
ルッキーニ「本じゃない? 分厚い本の角とか殴ったら人殺せるよ?」
エーリカ「いや多分俺のことだから本では殴らないと思うよ。大事にしてるし」
ペリーヌ(絵本だけですけどね。ネクロノミコンとか床に落ちてましたし)
シャーリー「お、出てきたぞ……ってあれは……」
ルッキーニ「どうみても……」
ペリーヌ「あんなもので坂本少佐に挑もうと!?」
エーリカ「どうみても、スコップだよね」
坂本「スコップだと?」
俺「ええ、その通りです」
坂本「ふざけている……わけでもなさそうだな。とんでもなく研磨されている」
俺「突いてよし、薙いでよし、受けてよし、下が土なら土を相手にぶつけるのもよし。塹壕や井戸も掘れる万能武器と自分は思っています」
坂本「(井戸?)なるほど」
俺「流石にこれを使うとなると、無傷では済みませんね」
坂本「面白い! ならばわたしも全力で――」
やめなさい!
坂本「ミーナ!?」
俺「ミーナ隊長……」
ミーナ「……ハルトマン中尉。と、その他もろもろ」
エーリカ「あ、やっぱりここにいるのばれてた?」
ミーナ「やりすぎなければいいと言いましたが、ここまで来るとそうも言ってられません」
坂本「ど、どういうことだ? 話が見えんぞ」
ミーナ「カクカクシカジカ」
坂本「シカクイムーブ」
ミーナ「というわけよ」
坂本「はっはっは! なるほどそういう訳か、すまんな俺」
俺「説明しなかった自分も悪いのです」
坂本「いや、中々に緊張したぞ……さて、肝心の二人はどこに」
ミーナ「リーネさんが探してると思うんだけど……」
リーネ「……」
ミーナ「あ、リーネさん。二人は見つかったかしら?」
リーネ「……」ふらっ
ミーナ「り、リーネさん!?」
坂本「顔が真っ赤だな……心拍数も上昇している」
リーネ「どうしたのかしら。まさか病気!?」
坂本「とりあえず運ぶぞペリーヌ!」
ペリーヌ「は、はい!」タッタッタッタ
俺「うーん……」
エーリカ「どうやら二人とも」
ルッキーニ「一線を」
シャーリー「超えちゃったみたいだな」
小一時間後服が乱れた二人が帰ってきたが、特に誰も言わずに夕食へとなった。
その日の夕食は俺が作り、何故か赤飯だった。
そのまた翌日
シャーリー「俺の部屋から持ってきた剣どこやったっけ……」
ゴソゴソ
シャーリー「……どこにもない」
俺「どうかしたんですか?」
シャーリー「うわっ俺!?」
俺「人を妖怪みたいに言わないでください」
シャーリー「いやごめんごめん。あのさ……ごめん! 剣無くしちゃった!」
俺「……まあ、いいですよ。かわりに写真取らせてくれませんか?」
シャーリー「お、怒ってないのか?」
俺「怒ってませんよ。代わりに写真を」
シャーリー「そんなことでいいのか!? いいぞいくらでも撮らせてやる!」
俺「とりあえず明日にしましょう。準備するものあるので」
翌日
シャーリー「……おいとんでもなく怒ってるだろう」
俺「何でそう思うのです?」
パチパチ パチパチ
シャーリー「これはなんだ?」
俺「赤い靴ですが」
シャーリー「赤いけど鉄焼いて赤くした靴じゃないか!」
俺「履いてから踊ってるところを写真を撮ろうと思いまして」
シャーリー「じょ、冗談じゃない! もっと普通に……」
俺「仕方ありませんね。やっぱりブランコも用意しておいてよかった」
シャーリー「ぶ、ブランコならいいぞ、いっそズボン無しで乗ってやる!」
俺「ではこちらへ」
ギイ……ギイ……
シャーリー「おい」
俺「どうしました? ブランコならいいって言ったじゃないですか」
シャーリー「ブランコってこれ絞首台だろうが!」
俺「ブランコじゃないですか。つるされた人間が下で揺れる部分とか……というかわざわざ一番上まで昇る貴女もアナタですが」
シャーリー「むしろ振り子時計だよ! と、とにかくわたしは……」
俺「えい」
ドンッ
シャーリー「いやああああああああああああ!」
シャーリー「ああああああああああああ!」
ガバッ
シャーリー「な、なんだ夢か……。宮藤達も? け、剣は!?」
ゴソゴソ
シャーリー「あ、あった……よかった……。俺は本当にやりそうだからな……」
ルッキーニ「うじゅー……どうしたの?」
シャーリー「い、いやなんでもない」
ルッキーニ「あ、そうだ俺から預かってたものがあったんだ。シャーリーに渡してくれって」
シャーリー「俺から?」
→
シャーリー「何これ……ってどっかで見たことがあるな」
ルッキーニ「槍らしいよ。なんでも聖王って人の持ち物だったらしい」
シャーリー「……俺はわたしをどうしたいんだろう」
ルッキーニ「俺が言うにはシャーリーにはなんか閃く才能がとにかくあるんだってさ」
シャーリー「まあ、とにかくもってみるか……」
ピコン
勝利の歌
二人「!?」
シャーリー「は、ははは」
シャーリー(ぜ、全部夢で良かった……誰かがくっつくのはダメだなうん。あいつはわたしがもらうし。俺もあんなに高価なもの投げれないさ)
俺「……む」
エーリカ「どうしたの?」
俺「いえ少し調子がよくなっただけです」
エーリカ「ふーん」
俺「それはともかくエーリカ、マドレーヌとか食べたくありません?」
最終更新:2013年02月02日 13:10