夜間哨戒の時間。
今回はエイラ、サーニャ、ハインリーケ、私のメンバーで闇に包まれた空を飛行する。
夜空には満月が浮かんでいる

私「綺麗な夜景ですね・・・。」

エイラ「少しは緊張感くらい持てよナー。」

私「だって、幻想的ではないですか。
  黄金に輝く満月。白い雲海。星々が煌いていますよ。」

まるで子供の様にはしゃぐ私大尉。
去年の宮藤を見ている様でエイラとサーニャは微笑ましい光景だと思っていた。

ハインリーケ「私。今は遊んでいる場合ではないだろう。」

私「おっと、そうでしたね。」

ネウロイを捜す、一行。ハインリーケはこんな事を聞いた。

ハインリーケ「・・・・・・なぁ、私。」

私「なんですか?」

ハインリーケ「昨日はどうして、わらわにあんな事を言ったのだ?」

昨日の・・・。
最初は困った顔をしたが、少し悲しいそうな笑顔になる。

私「・・・私は、世界が平和になるまでは恋をしないようにしたんです。」

ハインリーケ「・・・そうか。」

私「・・・思えば・・・私が、あの時・・・。」

ハインリーケ「・・・私?」

私「あっ、いえ・・・なんでもありません。」

その時、サーニャとハインリーケの魔導針が反応を示した。

サーニャ「・・・来る!!」

エイラ「ネウロイか!?」

私「方角と距離は・・・?」

ハインリーケ「方角は・・・北。距離は15000・・・14900・・・ドンドン、近づいている!!」

雲海からドドドッと轟音を立ててこっちに向かってくる。
姿を現したネウロイはサイズは大型、サメの様な形をしていた。

私「・・・雲海を泳ぐ鮫ネウロイというわけですね。」

エイラ「来るぞ!!」

散開して避けてネウロイを迎撃するが、雲に隠れて当たりもしない。

サーニャ「これで・・・!!」

フリーガ―ハマーからロケット弾を撃ち込む。
雲に次々と爆炎のドームが出来あがる。

私「倒しましたか・・・?」

ハインリーケ「・・・いやっ、まだだ!!」

ネウロイは口と思われる部分が開き、小さな熱線を放つ。

私「ぐっ・・・・!!」

光線は私大尉の右肩を掠めて、和服が焼け焦げて鮮血で汚れた。

ハインリーケ「私!!」

サーニャ「こちら、夜間哨戒班!!私さんが右肩を負傷!!応援をお願いします!!」

エイラ「サーニャ、危ない!!」

鮫ネウロイがサーニャに迫るが、エイラをサーニャを抱えてその場を離れたが、サーニャのストライカーが片方、破壊された。

エイラ「サーニャ!!大丈夫か!?」

サーニャ「うん・・・大丈夫だよ。」

この状況を見て私大尉の脳裏にある光景が浮かんだ。

―燃える基地。空には黒い大きな影。

―仲間たちの死。

―血に濡れた・・・大事な・・・。

ギリリッと手を強く握る。
昔、忘れていた感情が湧き上がってきた。

ハインリーケ「臆するものか。わらわだけでもあのネウロイを仕留める!!」

ハインリーケがあのネウロイを仕留めようと行くのだが、私が肩を掴む。

私「ハインリーケさん。貴女はエイラさんとサーニャさんを連れて、逃げて下さい。」

ハインリーケ「そなたはどうするつもりだ!?」

私「ネウロイを食い止めます・・・。」

ハインリーケ「無理だ!!いくらそなたでも、そんな状態では!!」

私「頼みます・・・。」

傷を負った私は中型ネウロイに向かう。
後ろからハインリーケの声が響くがそんな事は構っていられなかった。
そして、遅れて501のメンバーと合流した。

ミーナ「サーニャさん!!エイラさん!!ハインリーケさん!!無事ですか!?」

ハインリーケ「わらわ達は大丈夫だ!!それより、私を!!」

私はネウロイの距離をある程度の距離をとる。
和服はネウロイの光線によって貫かれて焼け焦がれて赤い血によって汚れていた。
私は桜花蝶を発動させた。だが・・・桃色の花弁が黒へと変色していたのだ。

私「咎重き 桜の花の 黄泉の国 生きては見えず 死しても見れず」

詩を詠った後、黒い桜の花弁が荒れ狂う様に吹雪く。
無数の桜花が私の体を取り巻き、ドンドン形を造り出して行く。
狼頭、血の色の様な眼、に口から覗く鋭い牙、巨大な両腕に鎌の様な爪、スラリとした脚、蛇の様な尻尾。
赤黒く光る凶獣は月を背に咆えた。

【バオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!】

雄叫びの衝撃波で、周りの雲海は吹き飛びネウロイの姿を確認できた。
獲物を狩る眼で急降下してネウロイの元へと向かう。
ビームを放ち、飲み込まれたが・・・無傷だった。
ズシンッと着陸し、鋭い両爪を振り下ろし引っ掻き、装甲を無理矢理引き千切る。
荒れ狂う獣の如くの戦いだった。
その戦景を見ていた一同は呼吸する事も忘れるほどだった。
ここで、二人の魔導針の色が赤くなっている。

サーニャ「・・・何これ?」

ミーナ「どうしたの!?」

ハインリーケ「これは・・・怒り?私から流れ込んでくるのは怒り・・・!?」

怪物と変わり果てた私から溢れ出るのは怒りの感情だった。
鋭い両爪でネウロイのコアをバラバラに引き裂き、ネウロイは白き欠片となって散る。
凶獣は天に向けて咆えた後、パラパラと砕けて私が姿を現した。
負傷した右肩を押さえて息を荒くしている。

ハインリーケ「私!!」

ハインリーケは私の元へと向かい抱きかかえる。
私の表情は息を荒くして苦しくてもほほ笑む。

私「ダメですよ・・・私の血で、汚れてしまいますよ・・・。」

ハインリーケ「構うものか、バカモノ!!」

ギュッと強く私を抱きしめるハインリーケ。
私が黒き巨獣へと変生(へんじょう)した衝撃の夜。
黄金に輝く月が二人を照らしていた。

次回予告
ハインリーケだ。
私大尉があの様な姿になろうとは・・・。
だが、その理由はわらわが想像もつかない出来事があったからだ。
明かされる私大尉の過去が・・・

次回悲しき過去へ続く
最終更新:2013年02月02日 14:33