サーニャ「ネウロイの反応、消滅…」
宮藤「坂本さんは…!?」
ペリーヌ「少佐…」
皆が少佐の安否を案じる。
しかし、あの爆発では…と絶望が過ぎる。
白煙が晴れていくと共に、上空に大和の姿が現れた。
バルクホルン「やったぞ!!」
エイラ「大和が無事なら少佐も無事ダナ。」
ペリーヌ「うぅ…」
ルッキーニ「勝ったー!!」
宮藤「よかった…」
ミーナ「……?おかしいわ…。ネウロイ化が解けていない…?」
リーネ「え…?」
そして、空の白煙が完全に晴れた。
同時にサーニャとハインリーケの魔導針が反応する。
サーニャ「ネウロイの反応が復活…!」
エーリカ「嘘ッ!?」
白い煙が晴れると大和の背後には球体が現れた。
大きさは500mクラスの大型ネウロイだ。
左右からムカデの様な尻尾が6つも生えて鞭の様に振りかざし艦隊を叩き潰した。
中央の部分がギザギザの牙の部分が開きそこから紅い光線が放たれた。
遠くにある戦艦が一撃で葬られたのだ。
ハインリーケ「なんという破壊力だ・・・。」
宮藤「あ、あれは・・・!!?」
宮藤がネウロイの上部に当たる部分には磔にされた坂本の姿があった。
坂本を救出しようと主砲を斉射するが・・・砲弾は着弾直前に空中に静止し阻まれた。
信じられない事だがネウロイの前に紅く染まったシールドが現れたのだ。
エーリカ「シールドだ…!」
バルクホルン「ネウロイが…シールドを張った…!?」
そしてその形状を捉えた宮藤が声を上げる。
宮藤「あのシールド…扶桑のシールド!?」
ミーナ「間違いないわ…ネウロイは、少佐の魔法力を利用しているのよ!」
ハインリーケ「何という事だ…!!」
エイラ「このままじゃ、艦隊が全滅するぞ・・・。」
ミーナ「魔法力を消耗しきった私達には・・・。」
私はギュッと拳を握り、何か決意したのか走り出した。
艦橋では、艦長がこの惨状に嘆息していた。
杉田「万策尽きたか・・・・。」
樽石「艦長!!中央エレベーターが作動!!誰かいます!!」
杉田「何っ!!?」
せり上がっているエレベーター、其処に現れたのは自分の愛機の月光を身に付けた私の姿だ。
バルクホルン「何をしているんだ私!?」
私「坂本少佐を助けに行きます。」
ミーナ「無茶よ!!貴方だってもう魔法力だって残って無いのよ!!それに一人では・・・」
私は二本の刀を抜き、天に構える。
私「私は一人ではありません。この剣を握って戦ったすべての英霊と、私は共に戦ってきたのだ!!これ以上、誰も悲しい思いをさせたくありません!!」
足元に大きな魔法陣が広がり、滑るように前へと進む。
男は仲間を助けるために、飛び立つ。
ハインリーケもストライカーを履いて飛び立つ準備をする。
ミーナ「ハインリーケさん、貴女まで!!」
ハインリーケ「わらわは誓ったからな、私を一人にさせないと。」
そう言って甲板を滑る様に進み飛び立ち私の後を追う。
後をついてくるハインリーケに驚く私。
私「ハインリーケさん!?」
ハインリーケ「そなたを一人にさせん。一緒に坂本少佐を助けだそうぞ。」
私「・・・はいっ!!」
ハインリーケ「そなたは前へと進め!!後ろは任せろ!!」
私「了解!!」
互いに背中を預け、シンクロしているかのように次々とネウロイを撃ち落として進む。
だが、ネウロイの数が多く辿り着けそうにもない。
その時、ネウロイ達は次々と砕け散ったのだ。
それは、後方から武装化した宮藤達が助けに来たのだ。
宮藤「私達がここを食い止めている間、坂本さんを助けて下さい!!」
ミーナ「お二人に任せます。必ず、勝って下さい!!」
坂本を助ける為に飛んで行った私とハインリーケを助けるために飛んで来たのだ。
二人は力強く頷く。
遂に、大和の艦首まで到達し、大型のネウロイと対峙する私とハインリーケ。
私「仲間を返してもらうぞ!!」
二刀を十字に構え、大型のネウロイに斬りかかるが強固なシールドで跳ね返された。
ハインリーケ「駄目か・・・!!」
私「あの強固なシールドでは滅界を使っても跳ね返してしまう・・・。」
大和の艦首に刺さっている烈風丸を見つけた。
この刀と私の二刀を合体すれば、シールドを破壊する事が刀が出来るかも知れない。
私は烈風丸を力いっぱい引き抜こうとする。
私「でゃああああっ!!」
大和の甲板に刺さっていた烈風丸を引き抜き宙へと投げ、魔天楼閣と六道輪廻を宙に投げて滅界を発動させる。
私「滅界・錬剣合体!!」
烈風丸、魔天楼閣、六道輪廻の三つの刀が一つに重なり太刀となる。
しかし、肝心の刀身の部分がグニャグニャと不定型となっている。
必死になって刀身を具現化しようと魔力を流すが・・・
私「ぐっ!!力が足りない・・・!!」
刀身の部分が定まらず崩れ通うとしたその時、ハインリーケは私の手の上からその手を重ねた。
ハインリーケ「わらわも手伝うぞ!!」
私「・・・ハインリーケさん。」
二人の想いが一つになった時、剣が生まれた
その形はまるで扶桑神話に出てくる光り輝く七支刀になった。
私とハインリーケは鑓剣(そうけん)の柄を強く握り、仲間を助けるために向かう。
本能的に危険を感じたのか小型ネウロイ達を呼び寄せ二人の進路を阻む。
互いに鑓剣を握る手を後方に振り、二人は大きく剣の名を叫んだ。
私「霊!!」
ハインリーケ「剣!!」
私・ハインリーケ「「布都御魂(フツノミタマ)!!」」
刀身から白いオーラが纏い同時に投擲した。
小型ネウロイの軍勢を呑み込み、大型ネウロイが張ったシールドを破壊しコアを討ち貫いた。
二人の想いで出来上がったこの刀の前に阻む物も断てぬ物も無い。
凄まじき轟音と共にネウロイの白い破片が降り注ぐ。
大和のネウロイ化が解けて、元の戦艦に戻り海へと落ちて水飛沫が上がる。
私「坂本さんは!?」
ハインリーケ「心配するな、無事だぞ。」
坂本の身はウィッチーズがしっかりと受け止めた。
ホッと安堵の息をつく私。
私「終わりましたね・・・。」
ハインリーケ「うむ・・・。」
私はハインリーケの肩をまわしてその身を抱き寄せる。
温かい太陽の光りと優しい風が吹き抜ける。
ヴェネツィアの戦いはこうして幕を閉じた・・・・・・。
――――――――――――――――――――――――――カールスラント基地
~エピローグ~
ロマーニャの戦いから一ヶ月。
501ストライクウィッチーズは解散し、それぞれの道へと歩んだ。
私とハインリーケはあの戦いの後、少佐へと昇任した。
私は扶桑からの帰還命令が下されたが、ハインリーケの故郷を取り戻すべくカールスラントへと配属すると申し出た。
私の上官である少将もその事を承認してくれた。
本当の所は二人が付き合っている事は解っていたらしい・・・。
私「いい天気ですねー。」
今日はよく晴れている。
私は温かい扶桑茶をズズッと呑気に飲んでいる。
バタンッと扉を勢いよく開ける小さな女の子が入ってきた。
???「私少佐!!」
私「こらこら、慌しいですよ。ヘルマ曹長さん。」
この子はヘルマ・レンナルツ曹長。
性格は生真面目で几帳面、「航空歩兵たるもの、全軍人の模範たるべし」と、上官のウィッチにまで意見することもある。
だけど、幼さゆえかまともには相手されておらず、
むしろその真面目な言動が可愛がられて隊のマスコット的存在となっている。
ちなみにバルクホルン大好きーなウィッチだ。
初めて私と出会ったときは本当に女の人だと思ってビックリしたとか。
ヘルマ「そんな、呑気にお茶を飲んでいる場合ではありませんよ!!」
私「ネウロイが攻めてきたのですか?」
ヘルマ「そうなんであります!!早く、格納庫に来て下さいであります!!」
私「了解しました。」
私は六道輪廻と魔天楼閣を腰に下げ窓を開けて、飛び降りた。
ヘルマは慌てて、窓の下を見ると桜花蝶を発動させてクッション代わりにしたのだ。
あっという間に地上へとショートカットし格納庫へと向かう。
格納庫へと辿り着く私、続いてヘルマが到着した。、
ハインリーケ「遅いぞ!!ヘルマ・レンナルツ曹長!!私少佐!!」
私「申し訳ありません、ハインリーケさん。」
ハインリーケ「少佐と呼ばんか!!」
ハイデマリー「フフフッ、相変わらず仲がいいわね。」
白い長髪の眼鏡をかけた赤い瞳の少女はハイデマリー・W・シュナウファー大尉。
いつか話しましたが去年の秋頃、私と共に戦ったウィッチです。
カールスラント最強の
ナイトウィッチでありサーニャさんと同じく魔導針や夜間視能力を持ち、サーニャさんと交信したこともある。
性格は内向的で繊細、他人とのコミュニケーションが極めて不器用で私と話す時も苦労しました・・・。
ちなみにバルクホルン、エーリカ、ミーナ、ヘルマとは面識がある。
ハインリーケ「では、参ろうとするか。」
ヘルマ「了解であります!!」
ハイデマリー「うん。」
私「了解です。」
四人はストライカーユニットを履いて大空へと舞う。
戦場に到着すると待ち構えていたのは小型ネウロイの群れである。
私「さて、帰ったらハインリーケさんの手作りお菓子を食したい物ですね。」
ハインリーケ「こ、こら。何を言うか///」
ハイデマリー「あっ、良いですね。私も手伝いますよ。」
ヘルマ「私もお手伝いします!!」
私「では、このネウロイを10分で片づけましょうか。」
私は一人では無い。
今は、信頼できる仲間と隣りには愛する人がいる。
きっとカールスラントに春が訪れる日も近いかもしれない。
その時には桜の花びらで一杯になるだろう。
ハインリーケ「ウィトゲンシュタイン参上!この戦場はわらわがもらい受けた!」
ハイデマリー「撃ち落とします!!」
ヘルマ「行くであります!!」
ヘルマはMG42を、ハイデマリーとハインリーケはMG151/20を構えて迫りくる小型ネウロイの群れを撃ち落とす。
するとネウロイの群れの長と思われる中型のネウロイが姿を現す。
蒼い影が先行する、優雅な着物を着た私少佐だ。
私「見切れますかな?花と蝶が躍る刹那を・・・。」
不敵な笑みを浮かべ周りには桜の花で造った無数の蝶が飛びまわる。
私がすかさずネウロイ目掛けて二本の刀を突き出す──!
~完~
最終更新:2013年02月02日 14:36