【1932年 扶桑皇国 横須賀】

柔らかな潮風が吹く横須賀の浜辺で、1人の少年が泣いている
体中すり傷だらけで、頭にはタンコブが一つ

義子「まーた泣いてる」

そんな少年に声をかけたのは、端正な顔立ちに意思の強さを感じさせる瞳をした少女
勝気な表情によく似合っているショートカットの髪を潮風に揺らして
少年が泣きながら歩いている砂浜の上に仁王立ちをして待ち構えていた

俺「だって…だって…あいつら3人がかりで…卑怯だよ」

義子「卑怯もらっきょうも無い!!」

少年の泣き言をバッサリと一言で斬って捨てる

義子「なんで反撃しないの!?そんなんじゃいつまでたってもやられっぱなしだよ!!」

俺「勇気が…でないんだ…いざという時に怖くてどうしたらいいか解からないんだ」

なお弱気な発言をする少年に対し、少女は若干呆れた表情を浮かべたが
ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、頭に浮かんだ名案を少年に告げる

義子「じゃあ、あたしの犬になりなさい」

俺「え!?」

少女の発言に要領を得ない様子の少年を無視して少女は続ける

義子「怖くなるとどうしたらいいか解からなくなるんでしょ?だったらアタシが命令してあげるから
   あんたは犬みたいにアタシの言う事聞いて動けばいいの」

義子「うわ名案!!あたしってば天才ね!!」

俺「…」

目をキラキラさせながら自画自賛をする少女に対し、今度は少年が若干呆れたような表情を浮かべている

しかし、相変わらず彼の事は無視して

義子「じゃあ早速…『お座り』!!」

義子の命令に渋々と言った様子で座る俺

義子「ちっがーう!!もっと俊敏に!!犬みたいに!!もう一回、『お座り』!!」

俺「ねぇ義子ちゃん」

義子「え?」

彼女の声を遮って俺が話しかける
もう何年も一緒に遊んでる仲だが、非常に珍しい事であったから義子は驚いてしまったようだ

俺「本当に義子ちゃんの言う事聞けたら、俺でも強くなれるかな?
  義子ちゃんの事守れるくらい、強くなれるかな?」

義子「は!はぁぁぁあ!!??」////

時にこんな恥ずかしい事を臆面無く言うこの少年が、西沢義子は嫌いではなかった
まぁ、その言葉に非常に臆病な少年の実力はいつも全くと言って伴ってはいなかったわけだが…
それでも嬉しかったのだ、自由奔放・豪快無比なんておよそ女の子を形容するべきではない4文字熟語ばかり与えられる彼女にとっては、たとえそれが泡のような夢物語であっても自分を少女扱いしてくれるのは彼だけだったから

義子「そ、そういう事はちゃんと強くなってから言いなさいよ…」////

いつも歯切れのいい物言いをする彼女が、顔を真っ赤にしながら口ごもる

義子「もー!!『お手』!!」

思わず照れてしまったのを隠すように、義子は命令を下す
義子が差し出した右手に少年の左手がすかさず乗る

義子「『おかわり』!!」

次は左手に彼の右手が乗る

義子が命じた事をすかさず実行する俺
そんな彼を見て義子は本当に犬みたいだと思い吹き出してしまう

義子「犬は犬でも番犬なら守ってくれるのかな?」

俺「?」

意味がよく解かっていない俺が彼女の手を取ったまま困惑の表情を浮かべている
そのあまりに頼りない姿に思わずもう一度吹き出す

義子「今のままじゃポチがいいとこだね」



義子「まぁ、いつか立派な番犬になってくれるのを期待せずに待ってるよ」





【1945年 アドリア海上空 扶桑海軍遣欧艦隊所属の輸送機の中】


義子「うわ!」

ちょっとした揺れで、目を覚ます
起き上がった拍子に頭をぶつけてしまったようだ

義子「いってて」

頭をさすってみてタンコブになっていない事を確認してからさっきまで見ていた夢を思い出す
遠い昔のように感じる過去の思い出
まだウィッチの適正が見つかる前のお話

義子「痛ッ!」

過去を振り返っていた義子の頭を叩いたのは、短く刈り込んだ髪に無精髭を生やした屈強な男
その体は常日頃から鍛錬をしているのが服の上からでも一目で解かるほど鍛え上げられていた

俺「うるせぇぞ西沢飛曹長」

義子「ポチのくせに生意気」

再び頭をさすりながら義子が呟く
さっきの夢に出てきた気弱で純朴な少年はもうどこにもいない
年月とは残酷なモノで、過ぎゆく時間は彼を少年から青年に
過酷な戦いは彼を臆病な子犬から勇猛果敢な闘犬へと変化させた

しかし変化したのは彼女自身も同じで、自由奔放だった少女はいつからかウィッチの能力が発現し、憧れの空戦ウィッチになった
海軍入隊後はその才能を開花させ同期の中でもトップクラスの成績をいつも叩きだしていた
遣欧艦隊に坂本や竹井達と共に抜擢されて「リバウの三羽烏」なんて呼ばれるようにもなった

俺「だからポチじゃねぇだろ、俺・少・尉・殿・だ・ろ!」

このように時間と共に変化した2人だが、変わらないモノもまたあった

義子「『お座り!』」

彼女の声に行動を強制させる何かがあるように、俺の体が瞬時に、一瞬の迷いも無くその命令を実行に移す

義子「やっぱポチじゃん」

彼女の命令を幼少時にまさしく犬のように聞いていた俺には、彼女の言葉は今なお強力な強制力を持っているのである
まったく馬鹿げた話ではあるが、幼少時から幾千・幾万と繰り返されたその行為が彼の脳になにかしらの影響を及ぼしたのだろうか?

俺「ぐぬぬ…」

屈辱的な格好で見下される俺少尉
なぜ彼の階級が少尉かと言えば、彼が士官学校を卒業しているからである
西沢義子を守りたいと思っていた彼にとっては非常に僥倖な事に、彼にもまた魔力が存在した
ウィッチとしての適性があったのだった

しかもウィッチ全体の中でも非常に珍しい固有魔法を所持していたのである
その固有魔法は「電磁力」、特異な能力が軍の関係者の好奇心を大きく刺激し、士官学校への入学を許可されたのだった

士官学校へ入学してからの俺は、「電磁力」を使用した唯一無二の戦術を多数考案し、メキメキと頭角を表していった
体も鍛え、その頃から幼年期に見られた臆病な部分がだんだんと消えて行き
努力の成果もあり、彼も後の遣欧艦隊に抜擢されるまでに至ったのだった


ではなぜ俺が、ここまで…別人のように変化できたかと言うと
それはきっと西沢義子に対する“変わらぬ想い”が彼を“変えた”のであろう


義子「そう言えば501には坂本がいるんだっけ?懐っかしー」


俺「坂本少佐だろ」

遣欧艦隊としてリバウ島を拠点にし、ネウロイ相手に戦果を上げ続けた結果、義子は「リバウの魔王」と呼ばれるようになり
現501JWFの戦闘隊長である坂本や、504JWFの隊長を務める竹井の両名と並んで「リバウの3羽烏」なんて呼ばれたりもした

義子「501にも面白い奴いるかなぁ?」

キラキラと瞳を輝かせる義子に、うんざりした様子の俺が言葉を紡ぐ

俺「502の時みたいに模擬戦でハッスルしすぎるなよ」

義子「カンノは面白い奴だったなぁー!501はもっと凄い奴いっぱいいるだろうなぁー」

俺「話聞いてんのかよ…」

義子「大丈夫大丈夫、もしなにかあっても、あたしには頼りになる『番犬』がいるからね!」

と、言ってウィンクする義子に俺は若干顔を赤らめて視線を外してしまう

義子(あー扱いやす)

リバウ島での戦いで名を上げたのは義子ばかりではない、いまだ義子に跪いている俺もまたその戦いで多数の戦果を残していた
勿論、多数と言っても「リバウの三羽烏」程の華やかなモノではないし
彼にとっては大事な「少女」を傷つけまいと必死に奮戦した結果であっただけなのだが

その後、リバウ島での任務が一段落ついた折に、坂本や竹井といった戦友達は後進の育成や指揮官となるために扶桑へ帰ったが、その自由奔放・豪快無比な性格ゆえに指揮官・教官の適正が0に等しい義子は籍を遣欧艦隊においたままヨーロッパ各地の戦場を転戦する日々を送っていた


俺にとっては義子の戦場は自分にとっても戦場であるため
彼もまた最前線に留まり、義子と共に幾多の戦場を駆けるのであった


「リバウの魔王」の圧倒的な実力とその芸術的な空中機動、そして常に彼女が全力で戦えるようにサポートをし、いざ危険な時には身を呈して彼女を守る俺はいつしか「魔王と番犬」と呼ばれるようになっていた

義子「『お手』」

反射的に義子の命令を実行してしまう俺は、義子の右手に己の左手を置く
その筋骨隆々の腕にはネウロイのビームによる火傷、銃痕などが無数に刻まれている

義子は俺の手をとったままその手を己の顔の方へ近付けて、一番最近できたであろう生傷をペロリと舐める

義子「本当にいつも傷だらけ…」

状況としては非常に淫靡な光景ではあるが、その行為に彼女が込めた感情は労りと感謝
チロチロと舌を艶めかしく這わしてはいるが、決して特殊なプレイでは無い

ピチャピチャと水音が響く輸送機が、急に激しい揺れに襲われる

義子「うっわ!」

思わず前のめりにつんのめってしまい、あわや壁に激突といった所で俺が義子を抱きかかえる

俺「怪我ないか?」

義子「ありがと、ダイジョブ」

機長『俺少尉、前方にネウロイです!!仕掛けてきました!!』

機長の報告を聞き、抱えあったまま見つめ合う2人
しかし、義子の表情はさっきまでの年相応の少女のモノではなくすでに勇猛果敢・大胆不敵と言うべき笑み
まさに「リバウの魔王」その人だった




義子「ポチ、行くよ」



俺「あいよ、魔王様」




【アドリア海 上空】

巣から生み出されたその異形は、己の分身とも言える6個の子機を従えていた
その子機は通常の小型ネウロイとは違い、コアが無いため無限に再生する特性を備えさせ
自身は非常に強固な装甲を備えている

産まれたばかりで赤子同然である個体だが、そのネウロイとしての本能がさせるのだろうか?
その異形は巣から襲撃せよと命ぜられた市街よりも、付近を飛行していた“人類”を優先して襲撃を始めた

本来、ネウロイ達にとっては全くもって脅威を感じない相手である扶桑海軍の輸送機から、ロケット弾が6発発射される

撃ったのは輸送機から今さっき離陸した、体格の大きな扶桑男児
足には空駆ける鉄の箒、ストライカーユニットを履いていた

手には501JWFの「白百合」サーニャ・V・リドヴャク中尉の愛用している「フリーガーハマー」と同系統と思われる武器を所持していた

発射された6発のロケット弾は、まるで狙いをつけていないかのようにデタラメな方向へと飛んでいく
そのままネウロイ達の上空を通り過ぎるかと思われたその時


俺「“電磁誘導”…はぁぁぁ!」


己の体を魔力発動時の特徴である青光で包みこみ
その固有魔法“電磁力”を使用する


電磁相互作用をネウロイとロケット弾の間に発現させ、その“+と-”の異なるモノ同士で引かれ合う引力を利用し、ロケット弾を誘導、着弾させる

6発のロケット弾が炸裂し、大きな爆発が上がる



義子「いぃぃぃやほぉぉぉぉい!!!全弾命中!!今日は調子いいじゃんポチ!!」

俺「俺・少・尉・だ!!」


続いて輸送機から発艦したのは、首に少し長めな純白のマフラーを巻いた少女
腰には扶桑刀を差し、手には機銃
凛とした表情は自信と覚悟に満ち、美しさをより一層引き立てていた
“戦場”と言う舞台が彼女を輝かせているようにも見られる


義子「いつも通り行くよ!!あたしが先行、援護ヨロシク!!」


俺「どうせ拒否権は無いんだろ…」

そんなやり取りをかわし、西沢義子はネウロイへ接近
俺は全弾撃ち尽くしたロケット砲を輸送機に放り込み、代わりに乗組員から愛用の扶桑刀を受け取る



爆煙が消え去り、視界が晴れてきた所で義子は小型ネウロイが2機残っているのを視認した

義子「ポチ!!撃ち漏らしてる!!やっぱダメじゃん!!この駄犬!!」

高速で迫る彼女は未だ爆発の衝撃から完全に再生できていない小型2体の間をすれ違いざまに回転し、銃撃を放ちながら飛び去る

義子「ま、ペットの不始末はご主人様がちゃんと処理しないとね」


俺「さっすが!お見事」

彼女の背後でネウロイが輝く破片となって降り注ぐ
高速で回転しながらも確実にネウロイに着弾させる技量はさすが「魔王」といったところか?
普段の言動からは想像もできない繊細さであった


小型の破壊すら確認せず、矢のように飛ぶ彼女に前方から赤い閃光が迫る
義子はそれを最低限の回避機動でかわし、ビームの飛んで来た方向から敵の位置を予測、銃撃の雨を降らせる

義子「それそれそれぇ――――ッ!!」


その正確な射撃は確実にネウロイに着弾していた
だが、その類まれなる堅固な装甲は銃撃などにはビクともせずに弾き返す
そのまま動じずに再びビームを発射


義子「うっそ!?こいつ硬ぁ~い!!」

今度は回避機動を取ろうともしない
そう、彼女には解かっていたから
あの男なら絶対にこのタイミングで彼女の前に現れると


俺「あらよっと」

俺が再び固有魔法を発動し、義子と俺の間に電磁引力を作り出して彼女に高速で接近
すかさず義子の前面に回り込み、シールドを張ってビームを弾く

義子「ありがと♪」

俺「番犬の務めですので」

微笑む義子と、わざとらしく畏まる俺

義子「さーて前座は終わり、お相手は千両役者ってわけだ」

俺「あー…しかもさっきの小型、子機だったみたいだな…」

強固な装甲を持つ中型ネウロイの周囲に、先程撃墜したはずの小型6体が再生しているのを視認する


義子「あの装甲はあたしの装備じゃキツイね…
ポチ、あれでいこう」

俺「チャージまで5分、大丈夫か?」



義子「アタシを誰だと思ってるの?」

不敵に、大胆に、自分を誰かと美しき魔王が問いかける
答えるは忠実なる番犬

俺「西沢義子様でございます」


義子「解かってるならよろしい♪」

そう言い残し、彼女は番犬を残し単騎でネウロイ共へと仕掛ける

俺「そうやってお前が囮になるの…本当は死ぬほど嫌なんだけどね…
  近接戦闘向けじゃないこの“固有魔法”がホント嫌になるぜ…」


俺「砲塔型磁界形成…」

俺が左手を前に突き出す
その左手の先から磁界が形成される

俺「反発磁極帯設置…通電…チャージ開始…」

ピリッ、と形成された磁界に電力が通り
空中に巨大なリニアガンが形成される

俺「…後4分」




【同時刻 アドリア海 上空】

坂本「まったく、西沢も俺もついてないな、派遣されたその日にネウロイの襲撃にあうとは…
   明らかに日頃の行いのせいだな」

今日から数カ月、遣欧艦隊からとある作戦のために補充要員として501JWFに派遣されてくる予定であった俺少尉、西沢飛曹長両名を迎えにいくために飛行していた坂本は、ミーナからのネウロイ襲撃の報告を受け、率直な感想を漏らす

芳佳「坂本さん!そんな悠長な!急がなくていいんですか!?」

リーネ「そうですよ!!たった2人でなんて!!」

坂本に付いて来いと言われた2人がらしくない事を言う上官に意見する

坂本「あの2人なら問題無いだろうとは思うが…まぁ急いでおいて損は無いか…」

思わず顔を見合わせる芳佳とリーネ
坂本がこうまで信頼する2人とは一体どのような人なのかとても気になっているようだ

坂本「西沢の芸術的な飛行技術はお前達のためにもなるしな!!」

坂本は戦友2人の安否よりも、新人2人の勉強のために急いでいるようだった





【再び戦場】

小型ネウロイ達の機動力を活かした追跡も
中型ネウロイの発射する破壊力抜群のビームも、その全てが西沢義子の体に傷一つつける事はできなかった

義子「ごめんね、今のあたしは体に傷をつける訳にはいかなくってね」

6体の小型ネウロイが数の有利を利用して彼女を挟みこもうとすれば、予想もつかないアクロバティックな機動でそれをかわし
その華麗で繊細な飛行はネウロイ達を魅了し、意識を引き付けて置き去りにする

義子「そうじゃないと、こんなあたしを“守る”って言って傷ついてる奴がバカみたいじゃん
   だから…絶対に当たってなんかやれない、やらない!」

一匹ずつ、小型ネウロイの背後を取り確実で正確な射撃で撃墜していく
驚く事に俺が電力をチャージしている5分の間、再生を繰り返す小型ネウロイを西沢義子が撃墜した総数は実に20を超えていた


俺「チャージ完了!!待たせたな!!義子ぉぉおお!!」


義子「待たせた?全然待ってないけど?まだ3分くらいかと思ってたわ」

義子は己を追跡してくる6体の小型ネウロイを俺が形成した“リニアガン”の射線上へと誘導する、当然俺が狙いをつけたのは中型ネウロイ
欲張りな彼女は一網打尽にしようと企んだようだ



彼女流の精一杯の強がりを聞き、懐から直径10㎝程の電導体でできたボールを取り出す
俺はそのボールを握りこみ、扶桑の名投手「沢村栄治」を彷彿させる美しいフォームで投擲



俺「超電磁反発式砲弾!!俺のストレートは音より速ぇぇええぞ!!!!」



俺の指先から“弾丸”がリリースされるのを確認した瞬間、義子は後方宙返りをする

そんな彼女すぐ真下を、投擲された“弾丸”は磁力反発により前方へと押し出され
爆発的な加速力を得て通り過ぎる
やがてその速度は音を置き去りにし
“弾丸”が“電磁石化”する際に無理矢理流した大電流により発熱を引き起こし“プラズマ化”

俺「噛み砕け!!」

番犬の牙は6体の小型ネウロイを跡形も無く噛み砕き、引きちぎり、粉砕する
その先に鎮座する強固な中型ネウロイの装甲をも易々と穿つ




義子「さっすがの威力~♪んでトドメはいただき♪♪」


後方宙返り途中の背面状態で、穿たれた装甲の穴からチラチラと見えるコアを義子の機銃が撃ち抜いた

宙返りを終え、姿勢を綺麗に制御した義子の後方で堅固なネウロイは光り輝く破片となって砕け散る


首のマフラーを風に靡かせ、未だ投擲したポーズのままの番犬に目をやり
年相応の少女の微笑みを顔に浮かべ
声高に義子は叫ぶ


「あたし達ってば最強ね!!」




坂本達が戦場へと辿りついたのは丁度、俺のリニアガンが発射される直前であった
その威力にリーネは震え
その凄まじい威力の砲弾の上スレスレを飛行した義子の大胆かつ繊細な機動に対し、芳佳は感動すら覚えた



芳佳・リーネ「す!す!すっご――――――い!!!」



坂本「2人共、また腕を上げたようだな、あっはっはっは!!」


懐かしい笑い声に「魔王と番犬」のコンビが反応し、近寄ってくる


俺「お久しぶりです、坂本さん」

旧友との挨拶に、感無量といった面持ちで俺が坂本に握手を求める
しかし、そんな彼の背中に義子がのっかかり、これを妨害

義子「久しぶり!!」

俺「痛ぇーだろ義子!!」



坂本「お前達は相変わらずだな!あっはっはっは!!」

義子「まぁ、ともかくこれから2ヶ月間ヨロシク!!」

坂本に朗らかに告げる義子


俺「義子~!!お~も~い~!!」

義子「失礼な!!重くない!!」

乙女に対し無礼な口を聞くペットに、義子は思いきり体重を乗せるそして、最後に芳佳とリーネの方を向き

義子「あたしってば、とっても強いからヨロシクね♪」


芳佳「は、はい!!」

リーネ「はいぃぃ~!!」



俺「はぁ…」

背中にご主人様を背負って、番犬の溜息が夕焼けに燃えるアドリア海にこぼれ落ちた
最終更新:2013年02月02日 14:50