俺達のシャトルは海岸線近くの基地と思われる場所まで誘導された。

外観を見る限り小さな町にしか見えない。基地の中心には大きな像まである。

だがセンサーは一部の火器を探知している。それでもこの時代には少ないと言える量だ。

そのまま彼女達は基地にある滑走路から格納庫に入っていく。

俺達も格納庫前に着陸する事にした。

俺「これを持っておくんだ」

俺は船室からタイプ1フェイザーを持ってくる。持ち隠すには十分だ。

友「ですが彼らはここまで迎えてくれたんですよ?」

俺「あくまで自衛用だ。フェイザーのレベルは麻痺に設定しておけ」

友「・・・了解です」

シャトルのランディングギアを降ろし、船体を安定させてゆっくりと着陸する。

既にシャトルの前には彼女達が並んでいる。彼らは様々な表情でこちらを見ていた。

      • やはりパンツに目が行ってしまう。彼らの様子からしても俺らの世界とは違う文化だろう。

俺「・・・不思議な世界に迷い込んだものだな・・・」

友「少佐?」

俺「何でもないさ。これからファーストコンタクトを行う
  あくまでも連邦の代表だ。失礼が無いようにしてくれ」

友「分かってますよ。行きましょう」



エアロックから降りると彼らと向き合う。

俺「私は宇宙艦隊所属、俺少佐です」
 「こっちは同じ所属の友上級兵曹長です」

友「よろしくお願いします」

ミーナ「もう一度紹介するけど、私はここの基地司令をしているミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です」
   「今回のネウロイへの攻撃には感謝します」

俺「いえいえ・・・逆に貴方達に助けてもらいたい事があるんです」

ミーナ「それは一体何でしょうか?私達が出来る内容なら今回の件のお礼として出来る支援をしましょう」

俺「その内容は・・・別で話せないでしょうか?」

ミーナ「・・・分かりました。こちらに来てください」

そのまま俺達はヴィルケ中佐率いる3人と共に基地の奥に連れて行かれたのであった。



俺「・・・という訳でこの世界に来たのです」

ミーナ「えぇ・・・大体は分かりました」

ミーナ(空間異常と言われても物理学は疎いし・・・)

応接室に案内されお互いがソファーに座った後、俺達がこの世界に来た理由を簡単に説明した。理解出来てるのかは不明だが。

逆に彼らからも"ネウロイ"と"魔法"の話、脇の二人の名前も教えてもらった。

ゲルト「質問だがお前達がこちらに来た・・・シャトルで良いのか?」

友「ええ、構いません」

ゲルト「ありがとう。そのシャトルには我々の知らない技術があるのだろう?それで向こうに帰れないのか?」

友「シャトルにはディフレクター盤*1・・・専門的な装備はありません。残念ですが・・・」

ゲルト「・・・そうか」

坂本「なるほど、我々の魔法の技術が欲しいんだな?空間異常とやらをもう一度起こすために」

友「はい、アレを起こしたのが魔法力なのは確かです。それを機械で現象の再現を行えば戻れるでしょう」

俺「そのためにストライカーユニットが必要なのです。どうか貰えないでしょうか?」

ミーナ「そう言われても・・・まず貴方達は魔法がどういったモノなのか理解出来ているのかしら?」

友「と言いますと?」

ミーナ「魔法は人に宿る力です。機械のみで操る事も出来ますがそれでも魔力の源・・・ネウロイのコアが必要です」
    私達は一度ネウロイコアを制御部とした兵器と接触しましたが制御出来ずに失敗しています」

俺「では俺達はどうすれば・・・」

坂本「私に提案がある」

友「それは何でしょうか?」

坂本「ウィッチとして飛ばないか?」

ミーナ「でも彼らは・・・

坂本「お前達には膨大な魔法力がある。訓練して一緒に飛べばきっと良い案が浮かぶはずだ」

俺「・・・考える時間を下さい」

そう言って席を立ち、友を連れて窓際まで移る。

俺「この提案、どう思う?」

友「確かに学べますけど・・・」

俺「俺は受け入れるつもりだ。お前はどうする?」

友「・・・どうしてそう乗り気なんです?」

俺「だって・・・飛ぶの楽しそうじゃん」

友「ホロデッキ*2とかで遊んだ事無いんですか?」

俺「本の中の存在と実際に飛べるなら飛びたいだろ?」

友「はいはいはいはい・・・受け入れましょう」

俺「お前は良い奴だなっ!」

友(はぁ・・・流されちゃったけど良いかな・・)



俺「決めました・・・教えてください!」

坂本「そうか!訓練を行おう!ただ一つお願いがあるんだが・・・」

俺「何でしょうか?」

坂本「一緒に戦ってくれないか?」
  「今我々は新たなネウロイの出現によって苦しい状態となっている」
  「お前達のような強い力があればより多くの人々を守る事が出来る」
  「無論お前達には関係無いかもしれんが・・・共に戦ってくれないか?」

俺「・・・すみませんがあのシャトルで戦う事は控えたいのです」

ゲルト「どうしてだ?あの力があればネウロイなぞいとも簡単に撃破出来るのに・・・」

友「えーっと・・・さっきの戦闘で分かった事があるんです」
 「シャトルの防御シールドは反物質爆発・・・強力な攻撃でも耐えられる設計です」
 「ですがネウロイのビームはシールドに多大なダメージを与えました」
 「もしシールドが消失しても船体装甲を打ち破られるとは思えません」
 「ですがキャノピーやエンジン部分に命中すれば・・・船は破壊されて・・・」

ミーナ「どうなるのかしら?」

俺「船の推進システムには反物質が使われています。この物質は非常に高い爆発力を持ってます」
 「・・・船が破壊されれば周囲数百キロが綺麗に吹き飛ぶでしょうね」

むしろそれだけで終わるとは思えないが・・・

ゲルト「そんな危険物を積んでいるのか?!」

俺「通常では安全に積載されています。ですが彼らの攻撃がどういった効果をもたらすか分からない以上戦えません」

坂本「・・・そうか・・・それは残念だな・・・」

俺「ですが・・・俺達がウィッチとして戦うなら問題ありません」

友「少佐!一体何を・・

俺「技術を教えてもらうんだ。それだけの事はしないとダメだろ?」

友「はぁ・・・そうですね」

もう言い返す力が無いらしい。達観したように窓の外を見ている。

俺「それでもよろしいでしょうか?上手くないかもしれませんが・・・」

坂本「安心しろ!お前達を一流のウィッチに鍛えてやる!」

友「お手柔らかにお願いしますね・・・?」

坂本「大丈夫だ。ここには一流のウィッチが沢山いる。彼らから直接教われば良い」
  「そこのバルクホルンも一流のウィッチだ。後々教わる事になるだろう」

友「よ、よろしくお願いします!」

ゲルト「ああ、よろしくだ」

友とバルクホルン大尉は握手をしている。なんだかんだで友も楽しそうだな・・・良かった。

俺「後ミーナ中佐、よろしいでしょうか?」

ミーナ「何でしょう?」

俺「なるべく俺達の事は貴方達の軍上層部に伝えないで欲しいのですが・・・」

ミーナ「ええ、なるべく勘付かれないようにします」

ミーナ「近日中に貴方達の部屋も用意出来ます。後食事もこちらで用意するので食べに来てくださいね?」

俺「感謝します」

坂本「話も付いたようだし、他のメンバーの紹介も済ませる事にしよう」



俺「えーっと・・・シャーリー大尉、ルッキーニ小尉、ハルトマン中尉」

友「エイラ中尉にサーニャ中尉、宮藤軍曹、リーネ曹長、ペリーヌ中尉ですね・・・分かりました」

俺「これから皆さんに色々教わる事になります。よろしくお願いします」

一同「よろしく~」「頑張れ~」「頑張るんだナ」「よろしく...」「よろしくお願いします」「よろしくですわ」

俺「自己紹介も済ませた事ですし、何か質問があれば言ってもらえれば・・・

シャーリー「質問だがあの飛行機はどうやって動いているんだ?」

友「あれは重水素核融合炉から出るプラズマをノズルから放出しています」

ルッキーニ「じゅうすいそかくゆうごう・・?」

友「簡単に言うと太陽が活動するのと同じ原理で動いてるんです」

ルッキーニ「・・・何だか凄そうなエンジンだねっ!」

シャーリー「速度はどれぐらい出るんだ?」

友「通常時の最高速度は秒速7万5000キロメートルです。もっと出す事も出来ますが」

シャーリー「えーっと・・・時速何キロなんだ?」

友「時速2億7000万キロメートルです」

シャーリー「そ、そうか・・・」

友「ワープエンジンを使えばもっと加速出来ますよ?最大でワープ5、光速の214倍まで出せます」

友「これは秒速で・・・約6420万キロメートル、時速なら2311億・・・

シャーリー「分かった、ありがとう・・・何だろう、この敗北感・・・」

ペリーヌ「でも実戦には出せないんですわよね?」

俺「シールドがネウロイの攻撃に耐えられないのが分かったので今は出せませんね・・・」

友「ネウロイの攻撃はウィッチとしてネウロイと交戦した時に解析する予定です」
 「それとこの世界の魔法なども情報として集めてシールドを強化します」

俺「おっと、その話は聞いていないな・・・やってくれるのか?」

友「私も色々興味が出てきましたから・・・」

俺「ふむ・・・」

リーネ「俺さんと友さんはどこの出身何ですか?」

友「フランス、こちらのガリアに当たる地域ですね。農家の生まれですよ」

ペリーヌ「あら、そちらのガリアはどういった国ですの?」

友「農業が盛んな地域です。大体の食料はフードレプリケーターで作れますが、味は本物の料理には劣るので今でも続いています」

宮藤「俺さんはどこの出身なんです?」

俺「俺は宇宙艦の上で生まれました。育ちも宇宙艦の中です」

エイラ「という事は・・・宇宙人なのか?!」

サーニャ「エイラ・・・失礼でしょ?」

俺「体は地球人ですよ?実際宇宙で生まれたから宇宙人と言えなくもないですけどね」

エイラ「( ゚Д゚)・・・」

俺「エイラ中尉?」



結局質問タイムは1時間ほど続いた。その後彼女達に夕食に誘われたがシャトルの整備を急がせるために断っておいた。

俺達はそのままシャトル内部のレプリケーターで食事を取り、船の整備を行っている。

友「よし・・・これでコンソールは直ったはずです」

友「長距離センサーの解像度低下と転送機の修理は時間が掛かると思います」

俺「そうか、なら直ぐに寝ておいたほうが良いぞ。明日から訓練だろうし」

友「訓練ってそんなにキツイんでしょうか?」

俺「うーん・・・俺が知っている魔法の話は大体杖を振っているイメージだからなぁ・・・多分簡単だろう」

友「ならもう少しデータ整理をしておきますね」

友はコンソールにアクセスしてネウロイの情報を見始めている。

俺「では先に寝させてもらうよ・・・お休み」

友「お休みなさい、少佐」

寝る為の設備が無いので船室の端に毛布を敷いて寝る事にした。

俺(ウィッチ・・・実際になれるのか・・・?)
最終更新:2013年02月03日 16:23

*1 大きい宇宙艦に付いている装備。様々な粒子ビームを発射出来たり数光年先をスキャンする事が出来る

*2 究極の仮想現実。ホログラム技術と重力制御技術、物質複製技術でホログラムに形があるように感じさせる