~射撃場~

俺はずっとAK103の射撃練習をしていた

俺「・・・」バババッ

他のメンバーはあの後風呂に向かったらしい

俺「リロードリロード...」カチカチ

?「調子はどうだ?」

俺「・・・トゥルーデ?」

彼女はそのまま俺の横の床に腰掛ける

俺「今君は海を眺めながら風呂に入っている頃だと思ったんだが」

バルクホルン「事務処理をしていたんだが終わったのでお前を探してたんだ」

俺「ここにいるのはどうやって気づいたんだ?」

バルクホルン「その銃は独特な射撃音がするから分かりやすい」

俺「なるほど・・・」ババッ

バルクホルン「その銃に慣れてきたか?」

俺「悪くはないと思う。もうちょっと撃っておきたいけどリーネ曹長からの頼みがあるから切り上げないと・・・」

バルクホルン「リーネがどうしたんだ?」

俺「食堂の水道管にヒビが入ってるらしいんだ」

バルクホルン「私も手伝おうか?」

俺「ちょっとした作業だけど手伝ってくれるのなら嬉しいよ。では...」

空薬莢とマガジンを袋に回収しておく。後で再利用しよう

俺「さっさと片付けちゃいましょうか」


~シャトル、船室~

友「うーん...良く寝た・・・」

エーリカに任せて数時間くらいは経っているのか。起きようと思ったが

エーリカ「ムニャムニャ...スー」

彼女は右腕に抱きつきながら寝ている。ベッドから降りようにも降りられない

友「仕方ないな...ヨイショット」

寝たまま抱き抱え壁の方に運んでおく。髪が僅かに濡れている事からして風呂に入った後か

友「・・・シャワーくらい浴びておくか」

彼女を起こさないように引き剥がし、シャワールームに向かう事にした


俺「...簡単でしたね」

バルクホルン「あっけなかったな」

俺は手の中でレーザー溶接機を転がしながら彼女と共に廊下を歩いていた

バルクホルン「この後はどうするんだ?」

俺「ミーナ中佐に露天風呂の方に入っても良いと言われたから行こうと思う。今なら誰も居ないだろうし」

バルクホルン「なら一緒に入らないか?」

俺「・・・えっ?」

バルクホルン「だから一緒に風呂に入らないかって言ってるんだ!何回も言わせるな!」

俺「・・・トゥルーデがそう言う事を言うとは思いもよらなかった」

バルクホルン「嫌なのか?」

俺「そりゃ嬉しいけど・・・本当に良いのかい?」

バルクホルン「私が良いと言ってるんだ」

俺「いや、確か肉体的な接触はいけないと中佐に言われてたから・・・」

バルクホルン「どうしてそういう...エッチは話題になるんだ!ただ一緒に入るだけだ!」

俺「そ、そうなんだ・・・ハハハ」

バルクホルン「まったく・・・で、どうなんだ?」

俺「どういえば分からないけど・・・よろしくお願いします」ペコリ

バルクホルン「...プッ」

俺「今笑っただろ!俺は今まで女性と風呂に入るなんて経験無かったんだから仕方ないだろ!」

バルクホルン「まぁ落ち着け...」


友「・・・すっきりした~」

私はシャワールームを出て格納庫までの廊下をトボトボ歩いていた

窓からみえる夕日は既に沈みかけている。明日は晴れるかな...

友「・・・?」

窓の外、滑走路の近くに何かの人影が見える。二人いるっぽいな

訓練でも無さそうだし一体何の用が...

友「・・・気になっちゃうじゃないですか」

気が付くと私の足は滑走路の方に向かっていた__



~501基地、露天風呂~

俺「・・・ブクブク」

バルクホルン「・・・」チャプチャプ

初めての混浴。入ったまでは良いが...

俺「ごめん。また会話が続かない」

バルクホルン「良いんだ。私はお前と一緒に入れて楽しい」

俺「・・・ありがとう」

時刻は既に夜。空も赤から黒紫色へと変化している

バルクホルン「今日は綺麗な星空になりそうだな」

俺「そうですね・・・」

星・・・昔は必死になって天文学を習ったよな・・・

いや待てよ・・・俺は星の事を知ってるじゃないか。少なくともこの世界の学者よりも

俺「...先に上がらせてもらうよ」

バルクホルン「もう出るのか?」

俺「良い事を思いついたんだ。後で風呂から上がったら俺の部屋に来てくれる?」

バルクホルン「分かった。直ぐに行くよ」

俺「いえ、もう少し待ちましょう。もっと暗い方が良い」

バルクホルン「そうか、そういう事か・・・」

俺「トゥルーデ?」

バルクホルン「わわかった!暗くなってからだな・・・」ボソボソ

俺「先に帰りますね?」

バルクホルン「ブクブク...」


~滑走路~

滑走路に続く擦った痕、脱ぎ捨てられたストライカー

その先に居たのは...

坂本「くっ・・・」

ミーナ「・・・」

友「飛べないんですか」

坂本「!」

ミーナ「友さん!?」

懐からトリコーダーを出し坂本さんをスキャンしようとするが...

坂本「やめてくれ!お願いだからっ・・・」

友「・・・ピピピッ」

スキャン結果は少佐の魔力がほぼ無い事を示していた

友「飛ぶ事も烈風斬を撃つ事も難しいでしょう」

坂本「まだだ!私は...」フィィィィ

友「今消費した魔法力でだれだけ飛べるでしょうね」

坂本「・・・」ガチャン...

彼女は刀を落とし、そのまま路面に突っ伏してしまった

友「そこまでして飛びたいんですか?」

坂本「私は今までウィッチとして...501のメンバーとして飛んできたんだ!最後は皆と一緒に飛びたいんだ...」

友「なら飛ばせてあげましょう」

坂本「えっ・・・?」


~シャトル、船室~

俺「友ー?」

風呂から出た後シャトルまで戻ってきたのは良いが...

エーリカ「ムクッ...ふあぁぁぁぁぁ」

上のベッドからエーリカ中尉が起き上がった

俺「エーリカ中尉ですか?おはようございます。友はどこに?」

エーリカ「・・・わかんなーい」

俺「そうですか...自分で複製するか」

俺「コンピューター、天体望遠鏡のデータを出してくれ。持ち運び出来る物で良い」

ディスプレイに大量のデータが掲載されていく...

俺「一番良い望遠鏡を頼む」

レプリケーターで複製されたのはかなり大きなケース。この中に入っているのか?

俺「よいしょっと...後で友に『シールドの件の報告ありがとう』と言っておいてください」

エーリカ「わかった~」

シャトルを出て月明かりの無い廊下を走っていく。トゥルーデが来る前に組み立てないと...


友「俺少尉がそう言ってたのか?」

エーリカ「うん・・・コンピューター、オレンジジュース」

友「伝えてくれてありがとう。坂本さん、ミーナさん、入ってください」

坂本「失礼する」

ミーナ「中々広いのね...」

彼女達が船室に入ってくる

今思えばこの船の中に入ったのは俺少尉やエーリカ、バルクホルンさんにマルセイユ大尉くらいだな...

エーリカ「ミーナに坂本少佐・・・コンピューター、さっきのを二つ用意」

エーリカ「よしっと・・・ハイ!二人も飲むと良いよ!」

エーリカが複製したジュースを二人に渡している。自分の家みたいな...既にそうか

ミーナ「ふふっ。頂くわ」

坂本「ありがとう・・・友、さっきの話は...」

友「待ってください。今出しますので」

引っ張り出したのは一機の飛行脚の形をした物。自分が最初から全て組み立てた物だ

坂本「・・・ごく一般的なストライカーユニットに見えるが?」

友「これは正確にはストライカーユニットではありません...」

友「これに魔導エンジンは搭載されていません。熱核ジェットエンジンを使ってます」

坂本「それはどういうエンジンなんだ?」

友「内部に搭載された小型の核融合炉の熱で空気を加熱噴射する事で推進力を得ます」

友「核融合炉から発生したエネルギーは他にも重力制御ユニットに回され、高機動力を実現しています」

友「機体操作には搭乗者の魔法力を使いますが、普通のストライカーよりも少ない魔法力で動かせますよ」

友「・・・貴方にコレを貸してあげましょう」

坂本「本当に良いのか!?」

友「私は今のストライカーユニットで満足していますし、この手の物は作るのは好きでも使うのは嫌いです」

坂本「試乗してきても良いか!?」

友「あまり遠くには行かないようにしてくださいね」

坂本「本当に...本当にありがとう!」

新しいおもちゃを貰った子供のように外へストライカーを運ぶ坂本さん

中々良い物も見れたし、作っただけの価値はあったな・・・

ミーナ「ちょっと質問良いかしら?」

友「...何でしょう?」

ミーナ「・・・本当は完全に魔力が無くても飛べるんじゃない?」

友「ええ、ストライカーの操作を神経接続にすれば可能ですよ」

友「機体に慣性制動システムもあります。魔法による肉体強化が無くても耐えられる」

友「無論シールドは貼れません...いや、シールドエミッタも付ければ...」

ミーナ「そんな技術があるのに自分は使わないのはどうして?」

友「それは・・・魔導エンジンの方が面白いからですよ」

彼らは魔導エンジンを高く評価しているのは分かる

だがもし元の世界に魔導エンジンの技術を持ち込んだとして受け入れられる・・・訳が無い

限られた人が一定期間しか使えない。そんな技術を研究するよりもトランスワープ理論を考える方がより利益になる

無論物好きな人には面白い研究対象にはなるだろう。実際そういう人を見たのだから。そして私自身も...

ミーナ「そう・・・今回は貴方達に助けられっぱなしだわ」

友「皆さんの負担や悩みが減るなら私は嬉しいです。で、これから貴方は?」

ミーナ「私は美緒の様子を見てくるわ。後ストライカーユニットはどうすれば?」

友「空いてる発着用スタンドに置いておいて下さい。朝、シャトルで出発するまでに整備しておきます」

ミーナ「美緒にそう伝えておくわ。では...」

ミーナさんも外に出て行く。船室には私とエーリカが残された

エーリカ「・・・友って物好き?」

友「いまさらそんな事言うんですか」

エーリカ「確かにそうだね・・・ま、友がどういう趣味でも構わないけどさっ」

友「その言い方だと私が変態みたいじゃないですか」

エーリカ「そうなの?」

友「この世で普通を定義するのは難しい。普通を明確に出来ない以上変も何も無いですよ」

エーリカ「・・・そうやって誤魔化してない?」

友「・・・ほら早く寝てください!明日は早いんですよ!?」



~俺少尉、自室ベランダ~

俺「コレで良いかな」ガタガタ

赤道儀の極軸を天の北極に合わせ、鏡筒と重りを調整しておく

俺「天体データを呼び出さないと...」

ドンドン

バルクホルン「入って良いか?」

俺「ええ、良いですよ」

扉を開けて入ってきたのはネグリジェ?に身を包んだトゥルーデ。可愛いな・・・

バルクホルン「・・・望遠鏡?」

俺「一緒に天体観測しようかなって思ってね」

バルクホルン「そうだったのか・・・」ボソボソ

俺「? やっぱりこういうのは嫌い?」

バルクホルン「嫌いじゃない! ただ予想とは違ったから...」

俺「そう・・・覗いてみる?今良い感じで見えてるよ」

バルクホルン「ふむ...」ジーッ

バルクホルン「明るい帽子みたいなのが見えるな・・・」

俺「アンドロメダ銀河だよ。アンドロメダ座に位置していて地球からの距離は230万光年」

バルクホルン「銀河の話は聞いた事はあるがちゃんと見た事は無かったな・・・」

俺「この銀河の中には一兆個の星、数多くの星団や星雲があるんだ。俺達の天の川銀河も数千億個の星々で出来ているよ」

バルクホルン「230万光年は光の速さで230万年なんだろう?今私が見ているのも230万年前の光なのか?」

俺「そういう事。ここまで遠いと俺達の世界の船でも辿り着く事は...出来なくは無いかな」

開発中のトランスワープなら数年で辿り着けるだろう。無論行く価値があるとは思えないが

俺「もっと近い天体を見てみよう...」

いて座の領域内、銀河中心部の近くに見える星雲...

バルクホルン「赤い星雲が見えるな...綺麗だ...」

俺「いて座の干潟星雲。明るい星の紫外線で星雲内の水素ガスが電離して赤く光るんだ」

バルクホルン「近くに見えるのは?」

俺「三裂星雲だよ。倍率を調整すれば構造がもっと分かるはずだけど...」

望遠鏡を調整し、もう一度彼女に見てもらう

バルクホルン「赤い星雲が黒い帯で裂かれているように見える...遮ってる感じだな」

俺「さっきのような星雲の前に暗黒星雲があるんだ。後この星雲の中では沢山の星が生まれようとしている...」

バルクホルン「星が生まれる?」

俺「そうだよ。宇宙に漂うガスや塵が集まって星雲になり、それらがもっと収縮すると原始星が生まれるんだ。太陽系でも同じ事が起きたんだ」

バルクホルン「そのガスや塵はどこから来るんだ?」

俺「宇宙が誕生した時の水素や星が寿命を終えて爆発した時の残骸だったりするよ。さっきの続きだけど...」

俺「星が誕生すると周りの塵が回りを回転して小さい惑星になる。それらがまた衝突して大きくなって...」

バルクホルン「地球が出来たという訳か」

俺「そして数億年が経ち、海が出来て微生物が誕生。その微生物は進化を続けて・・・今の人類と多種多様な生態系が出来たんだ」

バルクホルン「私達は星から出来た、そう言えるな」

俺「ロマンがあるでしょ?」

バルクホルン「確かにそうだな・・・」

俺「今までのこういう話ってどう?」

バルクホルン「知識が増えるし楽しいと思うよ」

俺「次は・・・実際に天体に行ってみる?」

バルクホルン「あの星の彼方まで?」

俺「あんな遠くまで行くのはちょっと無理だけど太陽系内なら大丈夫。シャトルで土星や木星を近くで見てみない?」

バルクホルン「・・・長期休暇を取らないと駄目そうだな」

俺「ならこの作戦が終わった後にガランド少将に頼んでみよう。じっくり惑星を見て回れる時間を貰わないとね」

バルクホルン「その時は・・・クリスも連れて行って良いか?」

俺「何人増えても良いよ。俺としてもクリスさんには会っておきたいし。確か宮藤軍曹に似てるらしいね」

バルクホルン「確かに似てはいるが・・・クリスの方がもっと可愛いぞ!」

俺「なるほど・・・後で宮藤軍曹に言って...」

バルクホルン「ううう・・・」

俺「フフッ 言いませんよ・・・次の星雲を見てみましょうか...」

そっと彼女の腰に手を回し、彼女を後ろから抱いてみる

バルクホルン「・・・///」

接眼レンズを覗く彼女の顔が赤くなっていくのが後ろから見えた

そのまま耳元で囁いてみる...

俺「ここで『星よりもトゥルーデの方が綺麗だよ』って言ったらどう思う?」

一度は言ってみたい言葉、今なら・・・

バルクホルン「・・・嬉しいけど恥ずかしいと思う」

俺「・・・星よりもトゥルーデの方が綺麗だよ」

バルクホルン「・・・俺のばか//////」

そろそろ寝る時間だがもっと見ておきたい天体もあるしこの時間が終わってしまうのは勿体無い。

明日は寝不足になりそうだ...
最終更新:2013年02月03日 16:28