サン・トロン、上空7000m、深夜
俺「ビーム来ます!高度を下げて!」
ハイデマリーはストライカーの出力を下げ、敵のビームを回避した
ハイデマリー≪ありがとう!俺さん!≫
彼女はそのままMG151で敵を迎撃する
ハイデマリー≪再生が早い...!≫
20mm弾がネウロイの装甲を削っていくが中々コアまで辿り着かない
俺(コアの位置を...上手くいけば...)
俺は勢いよく加速してネウロイに接敵
十分近づいた所でネウロイにMG42で掃射、離脱する
ネウロイに刻まれる横一直線の銃痕。それらはゆっくりと修復されていくが・・・
後方、ネウロイの推進部辺りの直りが早い...
コアからエネルギーが供給されているとすれば近くの方が直りが早いはず。なら...
俺「コアは奴の後ろにあるようです!」
俺「俺が先に攻撃を行います!」
ハイデマリー≪俺さん!勝手に...≫
一度ネウロイの上空に上がり、急降下しながら7.92mmの弾幕を降らせる
削られていく装甲。ネウロイまで十数mの所で機体を引き起こし、そのままネウロイの上を高速で通過、離脱する
俺「こっちを狙え!!」ダダダダダダッ
俺に対空砲火が向けられ、敵の防衛力が低下した隙をついてハイデマリーが近づく
ドッドッドッドッ...
20mm弾で削られる装甲。弾はすぐに装甲の下のコアに命中...
バリンッ!
俺「やりましたね!」
ハイデマリー≪ええ...≫
白い破片をバックに滞空するハイデマリーの姿。その姿は美しくて、儚くて、そして悲しそうな...
俺「ハイデマリー?」
ハイデマリー≪...≫
俺「もしかして怪我でも...」
ハイデマリー≪いいえ、大丈夫・・・≫
彼はあの戦闘以降、私の援護と敵の囮を重点的に行うようになっていた
ビームの照射位置を教え、シールドで私を守り、敵に肉薄し対空砲火を引きつける・・・
彼は初戦闘以降、直接撃墜を行った事は無い...
俺「よかった・・・!!」
ハイデマリー≪...新しい敵ですね≫
俺「高熱源。巨大。エンジン数4。こちらに1200km/hで接近中。距離20km」
ハイデマリー≪迎撃の用意を!...
俺「クソッ...硬過ぎる...!」ダダダダダダッ
7.92mm弾は正確に敵装甲に命中していくが装甲を削りきれない
ハイデマリー≪再生速度が尋常じゃない...≫ドッドッドッ...
20mm弾は装甲を効果的に削ってはいるが瞬く間に再生されてしまった
俺「上に回避...敵後方に回避して下さい!」
ハイデマリー≪くっ...≫
敵のビームを縫うように回避するハイデマリー。だがストライカーまでは手が回らず...
ハイデマリー≪きゃあ!≫
バァン!
爆発音と共に彼女の右のストライカーユニットが火を噴く
俺「ハイデマリー!」
シールドで敵の攻撃を受けとめながら彼女の元に向かい、腰を左腕で抱えた
ハイデマリー「ごめんなさい...やられてしまって」
俺「貴方に怪我が無くて良かったですよ」
ハイデマリー「俺さん...」
俺「ただちょっと危ないですね・・・」
俺達から離れていくネウロイ。やがてネウロイの軌道は大きく円を描くようにしてこっちに...
俺「シールドをお願いします!」
彼女がシールドを展開し、俺はMG42を構えた
まっすぐ突っ込んでくるネウロイ。照準を敵のエンジンに合わせる
エンジンを損傷させれば敵の速度も落ちる。そのうちに離脱出来れば...
俺「落ちろ!」
ダダダダダダ...
左翼エンジンに命中していく弾。その殆どは装甲で弾かれていく...
俺(落ちろ...落ちろ...落ちろ!)
迫りくるネウロイのエンジン部分に電撃が走る。次第にそれは大きくなり...
グワァァァン!
エンジンの一基が爆発。ネウロイは軌道を変えそのまま急降下、針路を変えて北に逃げていった...
俺「はぁ...はぁ...」
ハイデマリー「俺さん!ネウロイが...」
俺「・・・こっちでも探知しています。逃げられましたね...」
ハイデマリー「はい・・・私がやられていなければ・・・」
俺「俺がもっと良い回避方向を教えられなかったのが悪かったんです。申し訳ありません」
ハイデマリー「いいえ...俺さんがいなければ私はネウロイに落とされていました。今生きているのは俺さんのお陰です」
俺「そう褒めても...何も出ませんよっ」
ハイデマリー「きゃっ!///」
MG42を肩に掛け、彼女を横抱きにして抱える
俺「まずは基地に帰りましょう。ネウロイもすぐ戻っては来ないでしょうし」
ハイデマリー「はい...///」
俺(爆発する前にMG42は装弾不良を起こしていた。MG42はそこまで故障を起こさないはずなのに...)
今MG42は触らなくても分かるくらい銃身が熱くなっている
機関部も異常を起こしているみたいだが下手に弄る訳にはいかない。
整備士に任せよう...
俺(それにあの電撃、そして爆発。ネウロイに何が...)
翌日、執務室、午前12時
ハイデマリー「強固な装甲と再生能力、高速度。私たちでは太刀打ち出来ませんね・・・」
彼女の机の前には紙が置かれ、今回のネウロイの絵(ハイデマリー作。俺には絵の才能は無い)と俺の魔導針から得た情報が書かれている
俺「予想ですがエンジンは脆いと思います。装甲は硬くても内部は脆いと思うんです」
ハイデマリー「他に何か分かった事はありませんか?」
俺「さぁ...どうとも」
ハイデマリー「何か良い案は...」
俺「・・・そういえば」
ハイデマリー「?」
俺「今はカールスラントの...マーストリヒト・アーヘン空港に部隊が集まっているんですよね?」
ハイデマリー「はい、カールスラント奪還の為にかなりの部隊が集まっています」
俺「援軍をそこから呼べませんか?」
ハイデマリー「援軍...ですか?」
俺「大尉の力でそこをなんとか・・・」
ハイデマリー「多分無理と思いますが...分かりました。一度本部に問い合わせてみます」
俺「えーっと...ミーナ中佐にバルクホルン大尉、エーリカ中尉にレンナルツ曹長」
ハイデマリー「3人は元501の隊員です。レンナルツ曹長については詳しくは知りませんがジェットストライカーの研究をしているようです」
俺「501...あの
ガリア解放を行った人達ですか。なら戦力として期待出来ますね」
ハイデマリー「それは良いんですけど・・・その・・・一つ問題が・・・」
俺「?」
ハイデマリー「彼らは・・・この基地に来るみたいなんです」
俺「良いんじゃないでしょうか?捜索にも数日掛かります。チームとしての連携も取れるでしょうし」
俺「それに...良い友達作りのきっかけになりますよ?」
ハイデマリー「私は・・・俺さん以外の人と直接友達になった事が・・・」
俺「大丈夫ですよ・・・友達なんて簡単に作れるんです」
俺「ちょっと話せばいいんです。任務の事でも趣味の事でも良いんです」
俺「それだけで友達になれるんですよ」
本当はこう言うのはダメだと分かってる。普通はこんなに簡単に友達になれる訳なんて無い
でも彼女となら誰でも友達として受け入れてくれるはずだ。彼女には人を惹き付ける魅力があるのだから。
だから彼女がするべき事は一つ。話しかける...一歩自分から前に出る事なのだ
ハイデマリー「話しかける...ですか」
俺「この俺だって友達にしたんです。誰だって友達に出来ますよ」
前の世界での人間関係は正直頭が痛かった。係わって後悔した事さえある
だがこの世界ではそういった心配は無い。ネウロイのお陰...影響の為に人々が助け合おうとしている
彼女はその中一人で戦ってきた。だからこそ友達を作ってほしい・・・そう俺はそう思っている
...どちらにせよ俺だけでは役が不足している。俺とは違ったタイプの人とも接してもらいたいのだ
ハイデマリー「俺さんも手伝ってくれますか?」
俺「ええ、もちろん手伝います。でも最終的に友達になるのはハイデマリーです。俺は後押ししか出来ません」
ハイデマリー「...頑張ってみます!」
急に緊張し始めるハイデマリー
俺「とりあえず俺は皆さんを迎えに行きますね」
ハイデマリー「・・・私は何をすれば良いんでしょうか?」
俺「ハイデマリーには...基地の歓迎の用意をお願いします」
ハイデマリー「歓迎・・・私はそういった事には詳しくありませんが・・・」
俺「大丈夫ですよ。多分皆に言ったら大急ぎで用意するでしょうし」
何せガリアを解放したウィッチ達+1名が来るのだ。彼らは大慌てするだろう
ハイデマリー「分かりました。准尉達と一度話し合ってみます。まずは...」
執務室を後にした俺はそのまま格納庫に向かう
格納庫では整備士の人々が俺のMG42を検査していた
整備士B「こっちには異常は無いな」
整備士C「ちょっと待ってくれ!部品が歪んでやがる...」
俺「MG42はどうです?」
チーフ「んー・・・どうやら何かの電撃か熱が発生したのが装弾不良の原因みたいだな」
俺「すぐに直りますか?今すぐ出発したいんですが」
チーフ「銃はすぐには直せないな。ストライカーは今用意するからちょっと待ってくれ」
俺「ありがとうございます...故障の原因は電撃か熱なんですよね?」
チーフ「そうだと思うが?」
俺「・・・あの桶、使っても良いでしょうか?」
格納庫の壁に掛けられた古ぼけた木桶。油で所々黒く汚れている
チーフ「別に良いぞー」
彼はそのまま作業に戻っていく。俺はその桶を掴み、水タンクから水を汲んで外に向かった
格納庫と基地外周フェンスの間の50mほどの敷地。その間に水が入った桶を置き、格納庫の入り口まで戻る
芝生と雑草の中にポツンと置かれた桶。俺は羽耳と魔導針を出し、桶に向かって掌を突きだす
俺(あの時と同じように...)
俺(爆発しろ...爆発しろ...リア充爆発しろ...)
ガタガタ揺れ始める桶。魔導針が内部の水の加熱を探知している
俺がもっと強く念じたその瞬間
ブアァァァァァン!!!
中の水が一気に水蒸気化、桶ごと綺麗に吹っ飛んだ
カランカランカラン...
高温の水蒸気が辺り一面を覆い、桶の板は周辺の地面に突き刺さっている...
チーフ「何があったんだ!?」
格納庫から慌てて走って来るチーフ
俺「いえ、ちょっと水を撒いてたら手から桶がすっぽ抜けちゃったんですよー」
チーフ「・・・ストライカーは用意出来たぞ」
俺「整備感謝します。では...」
チーフ「・・・これ以上、物をぶっ壊そうとするのはやめてくれよな?」
俺「...これからは注意します」
バラバラになった桶を眺めるチーフ。俺は格納庫に向かいながらも考えていた
俺(P○Pの爆発、ネウロイとMG42の損傷、そして水の加熱。これらの原因は...)
俺(...後でよく考えておこう。今は基地に向かうべきだ。それに今のままじゃ使い物にはならない)
最終更新:2013年02月07日 13:49