俺「そこの調味料、取ってくれないか?」

ハイデマリー「どうぞ」スッ

俺「ありがとう...」パラパラ

俺達は家に戻った後夕御飯を一緒に作る事になり、一緒に料理をしていた。

ハイデマリー「この刻んだキャベツはどうします?」

俺「そこに置いておいてくれれば良いよ。次はポットでお茶を沸かしておいてくれ。茶葉は奥の棚の中にある」

ハイデマリー「茶葉、茶葉・・・」ガチャガチャ

俺「茶葉は銀色の缶の中だよ」

ハイデマリー「す、すみません...」

まぁ日本語で大きく"茶葉"と書いてあるだけでは気付けないだろうな...

ハイデマリー「これは緑茶ですよね?普通に沸かしても良いんですか?」

俺「うん。そこの茶入れ袋に茶葉を入れて、水入れたポットで沸かせば良いよ」

ハイデマリー「分かりました・・・」

フライパンを握る俺の隣で、火に掛けたポットを眺めるマリー。
指でゆっくりポットの口をなぞっていた。

ハイデマリー「悪く言うつもりはありませんが・・・」

ハイデマリー「俺さんは料理をあまりしていないと思っていました。外食で済ましていそうな...」

俺「こうやって料理を作るのは朝と夜だけだよ。昼はいつも大学の食堂で食べてる」

俺「ああいうのって安いし美味いし・・・ちょっと脂っこいけどね」

ハイデマリー「なるほ...って焦げてますよ!!」

俺「あわわわわわ...」


ハイデマリー「ご馳走様でした。料理、美味しかったですよ」

俺「ありがとう。皿洗いは俺がするよ」

ハイデマリー「私にも手伝わせてください。俺さんだけに任す訳にはいきません」

俺「そう?なら分担して洗おうか...」

台所で二人、スポンジを手に食器と格闘を始める。
無言だが寂しいと感じない食器洗いが続く中、ふと彼女が目の前の棚の方を見た。

ハイデマリー「この写真は研究所の方々ですね」ガシャガシャ

俺「うん。記念で撮ったんだけど...この時アレクサンドルとニコライは嫌がって...」

俺「あの二人、俺より祖国の方に忠誠を誓っているからね・・・良いんだけどさ。技術を伝えてくれる存在になってくれるだろうし」

俺「チャールズは・・・典型的なリベリアンだよ。物分りも早いから俺を追い越すと思うけど。」カチャカチャ

俺「教える側に回るってのも、以外に面白いものだよ。レント少佐の気持ちが分かった気がする」

ハイデマリー「レント少佐?いつ会ったんです?」ザバー

俺「それは...またの機会に教えるね」フキフキ

俺「さてと・・・食器洗いはこれで終わりと」

俺「先に風呂でも入っていったら?俺は資料を片付けなくちゃいけないんだ」

ハイデマリー「でも俺さんは疲れているようですし、先に入るのは...」

俺「朝にシャワー浴びるから良いよ。ささ、入っておいて」

ハイデマリー「そうですか・・・ではお言葉に甘えて・・・」

俺「・・・どうせなら一緒に入ろうとか言っても良かったかな・・・」

俺「資料・・・資料・・・」パラパラ


ハイデマリー「お風呂出ましたー。気持ちよかった...あれ?」

俺「Zzz...」

ハイデマリー「座ったまま・・・本当に疲れているんですね」

俺「マリー...Zzzzz」

ハイデマリー「・・・毛布掛けておきます。お休みなさいませ」チュッ

俺「ンン...Zzzz」


チュンチュンチュン

俺「ん・・・朝・・・?」

ハイデマリー「おはようございます。もうすぐ料理が出来るのでしばらくお待ちください」

俺「・・・昨日は俺寝てしまったのか。マリーはどこで寝たの?」

ハイデマリー「毛布を借りて奥のソファーで寝ていました」

俺「あー・・・別にベッドは使って良いからね?」

ハイデマリー「俺さんがソファーで寝ているのなら、一緒にソファーで寝たほうが良いかなと・・・」

俺「君が気持ちよく寝れなきゃ俺としても悲しいよ。次からはなるべくベッドで寝るから...」

ハイデマリー「その・・・よろしくお願いします」ペコリ

何についてよろしくされたんだろうか...

ハイデマリー「勝手ながら俺さんの着替えをそこに置いてあります。シャワーを浴びてくるんですよね?」

俺「おお、ありがとう。それと・・・」

俺「これからは俺達の家でもあるんだ。遠慮無く使ってくれ。
  もし欲しい家具や生活必需品が必要なら一緒に買いに行こう」

ハイデマリー「私達の家、ですか・・・」

俺「ではシャワーを浴びてくるよ」


ハイデマリー「どうです?」

俺「・・・俺が作るより美味しい...」モグモグ

ハイデマリー「いえいえ・・・味加減はこれで良いですか?前作った時のを参考にしてみたんですけど...」

俺「うん。これくらいで丁度...」

俺「・・・今何時?」

ハイデマリー「8時10分です」

俺「あぁぁぁ・・・服着替えてくる!・・・」ドタドタドタ...

俺「鍵鍵鍵はどこだ・・・鍵ちゃん出ておいで~・・・」

ハイデマリー「どうぞ。鍵と昨日の資料ですよ」

俺「ありがとう・・・じゃあ俺は大学に...」

ハイデマリー「もう一つ・・・これを・・・」スッ

俺「・・・お弁当?」

ハイデマリー「簡単なサンドウィッチですが昼食の足しになればと...」

俺「ありがとう・・・嬉しいよ!」

ハイデマリー「喜んでくれて私としても嬉しいです。後で味の感想、お願いしますね」

俺「うん!じゃあ...」

俺「行ってきます!マリー!」

ハイデマリー「いってらっしゃいませ。俺さん」


それから数年後...

俺「よーし、この円盤を取ってくるんだ。良いな?」

子鳶「」コクコク

俺「おりゃ!」ブンッ

子鳶「」パタパタパタ...ガシッ

俺「よーしよーし、良い子だ」

子鳶「♪」バサバサ

ハイデマリー「俺さん!テレビを見て下さい!」

俺「おいおい、走ったらお腹の子が驚くって。誰か知り合いでも出ているのか?」

ハイデマリー「・・・俺さんにノーベル物理学賞が受賞されるらしいですよ!!」

俺「・・・へ?」

ジリリリリリリリ!!...

俺はけたたましい電話の着信音の中、子鳶と共にただ呆然としていた・・・
最終更新:2013年02月07日 13:52