<ロマーニャ沖合>

ドミニカ「皆出揃ったな」

ジェーン「しかしいきなりの出撃ですね。竹井大尉は居ないし...」

ララサーバル「結成時の事を考えれば早くなっている。竹井が居ないでこの早さは十分だろう」

パティ「確か醇子と一緒に新しいウィッチが来るんでしょ?」

中島「扶桑の生まれで男らしいな」

フェル「まさかねぇ・・・男のウィッチがいるのなら見てみたいものですわ」

ララサーバル「そろそろ敵が見えてくる頃だ。全機攻撃に備えろ!」

フェル「なら・・・パンタローニ・ロッシ、私達で先に敵を叩くわよ!」

マルチナ「りょーかい!」

ルチアナ「了解です」

ララサーバル「おい!・・・まったく・・・速度は早いんだから・・・」

中島「大丈夫ですよ。いつも彼らで切りぬけていますし」

ドミニカ「アンジェラとパティは援護、中島は上空から攻撃して敵編隊をかき乱せ」

ドミニカ「行くぞ。ジェーン」

ジェーン「了解です!大将!」


その時、同じくロマーニャ沖合を飛ぶもう一人のウィッチがいた。彼はネウロイの編隊へと向かっている。

俺「エンジンは順調に起動...」

俺「敵まで後5km...別の反応・・・知らないストライカー・・・アルダーウィッチーズか」

数は8機。先行のケッテとそれに続くロッテ、援護の機体に別行動の1機。

俺「なんだこの混成状態は・・・まぁ良い」

俺「先に落とさせてもらうぞ」

雲を突っ切った先に見えるのは10機以上のネウロイの編隊。
こちらに気付いたのか一気に熱反応が大きくなっていく。

俺「攻撃開始」

まずは牽制としてMG42を掃射。それを受けて編隊の形が僅かに崩れる。
シールドを展開して最も前のネウロイへと針路を修正、そのまま突っ込んだ。

俺「...シュターリュン」

すれ違いざまにネウロイへメーザー照射。装甲が爆発し剥き出しになった所へMG42の追い撃ちをかける。

俺「一機撃墜」

そのまま急降下で編隊から離れる。慌てる必要は無い。援軍も来るのだから。

俺「小さいのを蹴散らすか・・・」

メーザーの攻撃範囲を拡散化。真下から小型機部隊へ照射を行う。
出力は弱いもののメーザーの攻撃を受け、彼らの装甲の上を電流が走っていく。

俺「まさに金縛り、か」

動きが鈍くなった所へMG42の掃射。バラバラと破片になっていく小型機の群れ。
高度を上げようとすると通信が入ってきた。ケッテの一番機からだ。

≪こちらパンタローニ・ロッシのフェルナンディア・マルヴェッツイ。そちらの所属は?≫

俺「カールスラント空軍第1夜間戦闘航空団所属、だった俺小尉です」

フェル≪・・・本当に男の方なのねー≫

俺「お話は後にして頂けますか・・・!」

シールドが揺らぐ。多くのビームを受けとめながら上昇し一旦敵編隊から離れた。

フェル≪私達は一番前の敵を狙うわ。俺小尉は左翼の中型機をお願い≫

俺「奴はかなり大きいぞ」

フェル≪・・・新入りの貴方に私達ロマーニャ軍最精鋭部隊の力、見せてあげるわ!≫

そのままケッテが大型機へと狙って襲いかかる。
前衛の機体がMG42が装甲を削り、別の機体がさらに追い撃ちを掛け、最後にボーイズが出現したコアを撃ち抜く...
その光景に見取れていると右を横切る二つの機影。

ドミニカ「なんだ、コイツは貰っていって良いのか」

ジェーン「さっさと落としちゃいましょう、大将」

俺「あっ・・・」

攻撃しようとしていたネウロイへと二人は飛んでいく。今まで見た事も無い完璧な波状攻撃だ。ネウロイは瞬く間に落ちた。

中島「いっけぇぇぇええええ!!」

一撃離脱戦法を行い編隊を突っ切っていく別の機体。もうすでに敵編隊は壊滅していた。

俺「ありゃりゃ・・・獲物が無くなってしま」

≪高度を下げろ≫

俺「ふぇ?...おっと」

通信と共に何かの熱反応。エンジンの出力を切ったと同時に頭上を通過する大口径弾。
ライフル弾は最後の敵に命中、大爆発を起こして敵を真っ二つにした。

俺「・・・炸裂弾の固有魔法か」

竹井≪俺小尉。他の機影は視えますか?≫

俺「・・・・・・全滅したようです」

竹井≪では...彼らが連合軍第504統合戦闘航空団「アルダーウィッチーズ」のメンバーよ・・・全員は居ないけど≫

俺「・・・これよりアルダーウィッチーズに配属になる俺小尉です。よろしくお願いします」


<504基地.執務室>

フェデリカ「じゃぁここにサインを」

俺「カキカキ...」

フェデリカ「ありがと。これで貴方は正式にココの隊員よ。まぁ厳しくは言わないけど・・・面倒事は無しよ?」

俺「分かりました」

フェデリカ「ではさっそく・・・

扉が開く。諏訪軍曹がお茶を持ってきたようだ。

諏訪「あっ・・・ごめんなさいです」

フェデリカ「良いのよ。入って来て」

諏訪「失礼します・・・お茶をどうぞ」

俺「...緑茶ですね...懐かしい」

諏訪「扶桑から取り寄せた物です。また飲みたくなったら言って下さいね。それでは・・・・・・」

フェデリカ「ズズズ・・・天姫はお茶の淹れ方が上手くなったわね」

フェデリカ「そうそう。これが貴方の夜間哨戒の割り当て表よ」

俺「全部真っ黒じゃないですか」

フェデリカ「毎日出てもらう事になるわ。不満があるなら今のうちよ?」

俺「努力します」

フェデリカ「・・・そんなに固くならなくて良いのよ?私が言うのも何だけど・・・」

フェデリカ「ココの隊員達はかなり明るくて自由奔放なの。あの見た目で堅物そうなアンジェラも良い子よ。だから貴方も柔らかくなりなさい」

ベシベシと肩を叩かれる。彼女の言葉で無意識に俺の頬が緩んでいた。

俺「...りょーかいです」

フェデリカ「では今のうちに部屋まで案内しておくわ。誰か居ないかな・・・」

扉を開け、通路を見渡す少佐。すぐに誰かを発見し手招きをした

フェデリカ「彼に部屋を教えてあげて頂戴」

ルチアナ「分かりました」

俺「あのー・・・さっきの件なんですけど」

フェデリカ「? 何かしら?」

俺「今日の夜間哨戒は誰かに来てほしいんです・・・一応地理情報を叩きこみたいので」

フェデリカ「ルチアナ、彼と行ってくれる?」

ルチアナ「うぅ・・・頑張ってみます・・・」

フェデリカ「では決まりね。さ、部屋でゆっくり夜間哨戒まで寝ておきなさい」

俺「ありがとうございました」

そのまま部屋を後にし、ルチアナ中尉と一緒に廊下を歩いていく。

ルチアナ「・・・俺さん」

俺「何でしょう」

ルチアナ「呼んでみただけです」

俺「は、はい」

なんだろう。ちょっとした不思議な感じがする人だな。
でも悪くは感じない。何だか落ち着く感じだ...

ルチアナ「ここが俺さんの部屋、です」

俺「日当たりが良いですね。シーツを綺麗に干せそうだ」

ルチアナ「干場は別です・・・物干し竿いりますか?」

俺「・・・いや、干場まで持っていくよ」

ルチアナ「隣は私の部屋です。何かあれば言ってください」

俺「ありがとう。ルチアナ...」

ルチアナ「ルチアナで結構です。それでは」

俺「・・・・・・良い人、かな」

俺「では夜まで寝るか・・・今日は何か疲れた・・・」


俺「・・・ムクッ」

俺「ふぁあああぁぁ...もう18時」

俺「・・・装備の用意よし、後はルチアナを待つだけか」

俺は荷物から本を取り出し、そのまま彼女が部屋に来るまで待つことにする。
読み始めてから数十分。急に扉が開いた。

ルチアナ「あの・・・申し訳無いです。寝過ごしてしまいました」

俺「まぁ急ぐ事ではないし、その寝癖を直す時間はあるよ」

ルチアナ「!...少し待っててください」

彼女の用意が出来るのを待ち、二人で格納庫まで向かった。
整備兵達によって完全に整備されたBf-109に乗り(その時に嫉妬や憎悪の目線を感じたのは言うまでもない)
ボーイズMk1を装備したルチアナと共に夜の空へと出発した。

俺「・・・あの方角にあるのは?」

ルチアナ「ジリオ島です」

俺「あちらの明るいのは...ナポリか」

ルチアナ「正解、ですが指の指す所はカゼルタですね」

俺「それって見てる場所がずれてるからじゃないか」

ルチアナ「...確かにそうなのかも知れません」

あんまり元気が無いようだ。何があったのか質問してみる。

俺「昼に夜間哨戒を任された時は歯切れ悪かったね。何かあるのかい?」

ルチアナ「・・・夜間哨戒は苦手です。だからナイトウィッチの方は羨ましいです」

ルチアナ「夜に飛ぶと・・・堕ちてしまう感じがして・・・」

俺「・・・呼んでしまってゴメンね」

ルチアナ「いえ、今は大丈夫です。俺さんが居てくれますので...」

そのまま沈黙が続く。辺りをレーダーで視る作業へと俺は戻る事にした。

ルチアナ「・・・」フラフラ

俺「ルチアナ?」

ルチアナ「!!・・・まだ大丈夫です」

俺「眠いんだな」

ルチアナ「そ、そんな訳では...」

俺「ほら、手をとって」

彼女へ空いている左手を差し出す。少しの時間の後、彼女は機体を寄せてその手を握った。

俺「喋った方が良いかもね。何か聞いてくれれば何でも答えるよ」

ルチアナ「・・・では俺さんの固有魔法の事ですが」

ルチアナ「手から出しているんですか?あのビーム」

俺「うーん・・・俺も最初はそう思ったんだけど実際は目の前から出ているみたいなんだ」

俺「あくまで手は照準を合わすだけの意味しかないと思うよ」

ルチアナ「目からビーム・・・・・・オプティック・ブラスト」

俺「?」

ルチアナ「何でも無いです」

俺「そ、そうか」

俺「じゃあ俺からの質問なんだけど...」

その後、俺達は夜明けが来るまでたわい無い雑談をして過ごしたのであった...


<504基地、宿舎、午前6時>

俺「じゃあこれでお別れだね」

夜間哨戒を終え、俺とルチアナは宿舎まで戻ってきた。お互いに自室の前に立っている。

ルチアナ「また昼には会いますよ?」

俺「・・・ならしばしのお別れだな」

俺「お休み。ルチアナ」

ルチアナ「お休みなさいです。俺さん」

会釈をするルチアナ。同じ様に返して部屋に戻った。

俺「ふぅ・・・一日目は終了っと」

俺「ここでもゆっくり出来たらなぁ・・・」

俺「今日は良い日になりますように・・・」
最終更新:2013年02月07日 13:53