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第6話 二人きりの日曜日






534 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:01:50.54 ID:U87X1m1W0

第6話 二人きりの日曜日

ハンナ「それじゃあ行ってきますね、エルマ隊長、俺曹長。」ニコッ

俺「ああ、恥はかいてくるんじゃねぇぞ?」

エルマ「頑張ってくださいねっ!」

ウィンドはそう言って輸送機へ乗り込んでいった。

俺「雑誌の取材かぁ…さすが、今売り出し中のエースですね。」

エルマ「そうですねぇ。」

ヘルシンキでの雑誌の取材。そのためにL中隊の若手4人娘は輸送機で運ばれていった。

4人が帰ってくるのは、今日の夕方。

ということは……

エルマ「………。」チラチラソワソワ

夕方までレイヴォネン少佐と二人きりか。

いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうっ!!






535 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:07:00.23 ID:U87X1m1W0

俺「あの…レイヴォネン少佐、今日は何を?」

この機会に絶対に仲良くなってやるっ!

エルマ「えっと……今日は、溜まっている書類仕事を終わらせようと思っていま……思ってい、いるゾ…?」

ん?

エルマ「俺そうちょ……俺さんは今日は何をする予定で……予定なんダ?」

俺「あの…何ですか、その変な喋り方は?」

エルマ「こっ…これは違うんダナ! あのっ……そのっ………………………………………気に…しないでください…。」ハァ

ユーティライネンの真似………にしては似ていなさすぎるか。

エルマ「それで……俺曹長は今日何を?」ズーン

な、何故そんなに落ち込んでいるんですか?

何がしたかったのかは良く分からないけど、とりあえずスイマセン…。

俺「俺は、訓練の資料でもまとめようかと。ってあの大丈夫ですか?」

エルマ「はい……しばらく放っておいてください…。」ズーン







536 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:12:58.81 ID:U87X1m1W0

う~む…やっぱり女の子はよく分からん。

それにしても、二人きりとはいえお互い仕事があるのか…。

それでは仲良くなるなんて到底ムリ……。

……………………………こうなったら

俺「レイヴォネン少佐。」

エルマ「はい…?」

俺「ちょっと俺の部屋に来ませんか?」

エルマ「……………………………………………へっ!?」



エルマ「えっと………お、お邪魔します…!」

一般兵士宿舎の片隅にある、一室。それが俺の部屋だ。

士官ではないとはいえ、エリート部隊の戦隊長のウィッチなので、俺には個室があてがわれていた。

実はこの部屋は、ハンガーや滑走路からけっこう離れていて比較的静かなので、書類仕事をするのにはちょうどいいのだ。

ここにレイヴォネン少佐を誘ったのは、効率良く作業を進めてもらうためで、下心なんていうものは…………………………ちょっとしかない。







537 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/05(月) 17:13:58.62 ID:Ef5LsENT0
しえーん

(顕微鏡でちょっとかどうか確認)






538 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:19:09.36 ID:U87X1m1W0

俺「レイヴォネン少佐はそっちの作業机を使ってください。」

エルマ「えっ…?」

俺「俺はこっちの台を使いますから……ってどうしたんですか?」

エルマ「あの……イスは二つあるんですよね? いっしょの机でしませんか? ここは俺さんの部屋なんですし。」ニコッ

俺「えっ……!? やっ……まぁいいんですけど…。」

俺の机は別にそんなに大きいわけじゃねぇからなぁ…。

二人でいっしょに使ったりしたら、距離が……こう…

エルマ「えっと……俺曹長、やっぱり一人で使いたいですか…?」

俺「いえいえ、そんなことはないですっ!」

ガタッ

エルマ「あっ……。///」

俺「………。///」

お互いの肩が触れるか触れないという微妙な距離。

レイヴォネン少佐の体温を微かに感じ、頬が熱くなる。







539 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:24:48.56 ID:U87X1m1W0

エルマ「お、思ったよりも近いですねっ…! やっぱり私は別の場所で……」

俺「ダメです!」

エルマ「ひぇっ!?」

俺「いえっ……今日は冷えるでしょう? だから……こう…人肌で温め合うとか…!」

何言ってんの、俺!?

人肌で温め合うとか……………………

エルマ『や、やさしくしてくださいね…?』

ああああああああああああああああ何変な想像してんだ俺はああああああああああああああああああああ!?

エルマ「そ、そうですね…! 俺曹長の近くはあったかい……ですし…。///」ボソッ

よ、よし! 結果オーライだっ!

この距離なら嫌でも心の距離感も縮まるはず…!







540 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 17:26:14.05 ID:U87X1m1W0

作業を開始して一時間。俺の精神は限界に近付いていた。

俺「…フーッ…フーッ……!」ムラムラ

エルマ「あの…俺曹長、具合でも悪いんですか?」

俺「だ、大丈夫ですっ! ほらこんなに元気! イスの上で腹筋だってやっちゃうぞーっ!」ガッタンガッタン

エルマ「そ、そうですか…。」

ふぅぅぅぅぅぅぅ…! なんとかごまかせたぁぁぁぁぁ!

もうそろそろ理性を保てなくなるかもしれねぇな…。

俺の隣に座るレイヴォネン少佐から香る仄かな甘い匂いが俺の鼻孔をくすぐる。

女の子ってなんでこんなにイイ匂いがするんだろうなぁ…。

エルマ『俺曹長……そこは…ダメです…!』

妄想があああああああああああああああああ理性がああああああああああああああああああ!!

俺「フーッフーッ!」

エルマ「お、俺曹長!? ちょっと休憩しましょうか………ねっ!?」

俺「は、ハイっ!」

た、助かった…。このままだったら理性が吹っ飛んでたかもしれねぇ…。






553 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 18:21:05.32 ID:U87X1m1W0

俺「………コーヒーおいしいですね。」

エルマ「……はい。」

俺・エルマ「「」」ズズッ


俺・エルマ「「ふぅ…。」」

間が、保たねぇぇぇぇ…!

レイヴォネン少佐との会話はいっつも4人娘のことばっかりだからな。

たまには違う話題がないものかと思って色々な話題を振ってみたが…

俺『俺の持っているウィンチェスターM1897はですね、引き金を引きながらフォアエンドをスライドさせることで連射ができるんですよ。』

エルマ『は、はぁ…。』

それはまぁ、そういう反応になるわな。

俺だって基地の近くで見かけたネコの話をされた時はそういう反応にならざるをえなかったさ。

ごめんよ……ものすごくニヤニヤしながらコーヒーを渡してくれた食堂のおばちゃん…。

どうも、アンタの期待しているようなことにはならなそうだ。

それにしてもあのババア、満面の笑みで円状のゴムを渡してくるたぁどういう了見だ?








555 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 18:27:14.98 ID:U87X1m1W0

エルマ「あのっ……この前食べたおいしいショートケーキの話なんですが…。」

ケーキかぁ…俺…………甘い物苦手なんだよな…。

エルマ「上に乗っていたイチゴがとってもおいしかったんですよ。」

俺「は、はぁ…。」

エルマ「そ、それでですねっ! 

    イッルさんがニパさんのイチゴを食べてしまったんですけど、そのショートケーキは元からイチゴが乗っていなかったってイッルさんが言ったら、ニパさんがそれを信じちゃったんですよ。」

俺「まったく……ユーティライネンのあのイタズラ癖はなんとかならんのか…。」

エルマ「フフフ……イッルさんはニパさんのことが大好きなんですよ。

    結局、ニパさんにそれがバレちゃって二人はケンカを始めてしまって…」

俺「というか、カタヤイネンもカタヤイネンですよね。イチゴの乗っていないショートケーキと言われてそれを信じるなんて…」

エルマ「素直でかわいいじゃないですか。」

俺「それはそうですけど、もうちょっと器用さを持たないとこの時代では生きていけませんよ。」

エルマ「そうですねぇ…。」







556 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 18:30:55.58 ID:U87X1m1W0

俺「でも、ユーティライネンのおかげで疑う心がちょっとずつ生まれているかもしれませんねぇ…………って…。」

エルマ「?」

俺「スイマセン…またアイツらの話になっていましたね…。」

エルマ「あっ……い、いつのまに…。」

イカンイカン…他の話題他の話題……。

エルマ「でもまぁ、いいんじゃないですか?」

俺「え?」

エルマ「私は俺さんとあの4人の話をしている時が一番楽しいです。」ニコッ

俺「………。」

エルマ「俺さんはどうですか?」

俺は……………俺もそう…か……。

無愛想な俺があんなにペチャクチャと話していたんだ。楽しくなかったはずがないよな。

でも………せっかくの二人きりなのに、他の誰かのことばっかり話すっていうのもなぁ…。







558 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 18:36:00.63 ID:U87X1m1W0

エルマ「俺さんは……楽しくないんですか…?」シュン

俺「い、いや楽しいよ! うん! よし、もっと話そうっ!」アタフタ

エルマ「ハイッ!」ニコッ

好きな娘と二人きりなのに、他の女の子の話をするなんて我ながらデリカシーがないなぁ…。

でも、やっぱりお互いが楽しい話をするのが一番だよな。

俺「カタヤイネンの実直さには感服するよな。」

エルマ「ですよね。誰か相性がイイ相棒が見つかれば、きっと大物になりますよ。」

二人きりのこの時間が、楽しくないものになる方がずっと嫌だから。

俺「ウィンドなんかけっこうイイかもな。」

エルマ「ハッセさんですか…」ニコニコ



これは、L中隊の解散を一週間後に控えた、ある日曜日のことだった。




560 :熊はひばりに恋をした:2011/09/05(月) 18:40:42.45 ID:U87X1m1W0


エイラ「パロメーターチェックのコーナーなんダナ。」

俺「おうっ! 今回はけっこうイイ雰囲気じゃないか?」

エイラ「そうダナ。エルマ先輩の好感度:152、信頼度:170ダナ。」

俺「うむ、これなら問題なくエルマさんENDだな。」

エイラ「ちなみに嫉妬度:120ダナ。」

俺「」

エイラ「あちゃー100越えたから全滅ENDかぁ。お前ぇ、女の子の前で他の女の子の話をするとかありえないゾ?」

俺「いやっ……だってアレは……!」

エイラ「ちなみに、嫉妬対象の内訳はラプラ:10、ハッセ:4、私:6、ニパ:100ダナ。」

俺「スマン…カタヤイネン……。」

エイラ「ニパは寝首を掻かれないように気を付けるんダナ。」



次回「熊はひばりに恋をした」最終話 熊とひばりが恋をした
最終更新:2013年02月07日 14:04