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最終話 熊とひばりが恋をした








267 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20:55:44.61 ID:z0uwwU6n0 [8/20]

推奨BGM:


「俺さんが悪いんですよ?」

阿鼻叫喚の中でも、彼女のその声ははっきりと俺の耳に届いた。

「俺さんが……他の女の子のことばっかり話すから…。」

名を呼ばれるだけで心が躍ったこの声。

「でも、もう大丈夫。」

その声で紡がれる彼女の言葉を、俺は今どう感じ取っているのだろうか?

「皆始末しましたから。」ニコッ

その白い肌を鮮血で汚して微笑む彼女の言葉を、何を思って静聴しているのだろうか?

「これで俺さんは私しか見えませんよね? ふふふ……もう誰も私達の邪魔は出来ません。」

俺は、俺が愛した……いや、今でも愛しているはずの彼女が男達に取り押さえられるのを黙って見ている。

彼女は、その右手に持ったナイフで少女達を刺していた彼女とは思えないほど大人しく地べたに押し倒された。

「俺さんは強い女の子の方が好きなんですよね? えへへ…私もこれでやっと俺さんの理想の女の子です。」

彼女の傍らには、俺が世界で一番大切だと言った少女だったものが4つ。







268 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20:57:10.15 ID:z0uwwU6n0 [9/20]

「ウフフ……ネウロイをあっという間に倒してしまったとっても強い俺さんと、二人のお邪魔虫をやっつけた強い私………お似合いですよね♪」ニコッ

白みがかった金髪がキレイだった少女達が、俺に成長した立派な姿を見せてくれることはもう永遠にないのだ。

「俺さん……私達はずっといっしょですよ?」

俺は、今も俺に語りかけている彼女を……4人の少女の命を奪ったレイヴォネン少佐を、

「だって私は……」


誰よりも愛している。


「俺さんのことを愛していますから♪」ニコッ



俺「うわぁ!?」ガバッ

俺「ハァハァ…」ガタガタ

俺「ゆ、夢か…。」



最終話 熊とひばりが恋をした






269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20:58:16.74 ID:z7jz3MWp0 [8/9]
いきなり心臓に悪いわ
支援






270 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 20:58:49.72 ID:z0uwwU6n0 [10/20]

俺「ハァ……おはよう…。」

ラウラ「おはよう、俺さん。」

ハンナ「おはようございます、俺曹長。どうしたんですか? 顔が真っ青ですよ?」

俺「あ、ああ……ちょっと嫌な夢を見てな…。」

何だったんだ…あの夢? 妙にリアルで……

エルマ『俺さんのことを愛していますから♪』

俺「」ブルッ

い、いくらなんでもレイヴォネン少佐がああなるなんてことはないよな?

俺のことを好きになるかどうかすら怪しいんだから。

エイラ「俺~今日はイイ夢見れたかァ?」ニヤニヤ

な、何だよ!? ニヤニヤするんじゃねぇよっ!

まるで、俺が見た夢を知っているような口ぶりだな…。

エイラ「さぁ、どうだろうナ~♪」






272 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:00:27.73 ID:z0uwwU6n0 [11/20]

俺「あの夢は一体何だって言うんだよ…。」

エイラ「フフフ…女の嫉妬は怖いっていうことなんダナ~♪」

? 嫉妬がどうしたんだ?

エルマ『皆始末しましたから。』ニコッ

俺「」ゾクッ

エルマ「おはようございます、俺曹長。」

俺「うぉわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

エルマ「キャッ!? ど、どうしたんですか…?」

俺「い、いえ…なんでもないんですけど……」

エルマ「顔色が悪いですよ? もしかしたら熱でも…」

ピトッ

俺「――――!?///」

エルマ「う~ん…熱はないみたいですねぇ……。」






273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:01:42.82 ID:xBqxTKAU0 [4/4]
うぁぁぁぁぁぁ

支援







274 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:01:53.61 ID:z0uwwU6n0 [12/20]

俺「だ、大丈夫ですっ!」アタフタ

エルマ「それならいいんですけど…。」

ヤバイなぁ…。この娘は無自覚にこういうことをするから困る……。

まぁ…これくらい鈍感だから、俺の好意がバレる心配がなくて安心出来るんだがな。

ニパ「おはよう、俺さん。どうしたの、顔が真っ赤だよ?」

俺「お、おうおはよう! ん? ここに寝癖ができてるぞ?」

ニパ「うわぁ!? 本当だ! うぅ…女としてさすがにこれはマズイよなぁ…。」

俺「今更だろ。」ケラケラ

ニパ「ひどいよ俺さん!」ムーッ

エルマ「う~む……。」ジーッ

俺「こっちの方がお前らしくてイイって。」ワシャワシャ

ニパ「寝癖をひどくしないでってば!」ジタバタ

エルマ「………よし!」ギュッ

俺「お前は本当にからかい甲斐があるよな。」ナデナデ

ニパ「うぅ……俺さんとエルマ隊長が最後の希望だったのに…。」







275 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:06:56.56 ID:z0uwwU6n0 [13/20]

エルマ「お、俺曹長!」

俺「ん? 何ですか、レイヴォネン少佐?」

エルマ「俺曹長はニパさんのことが好きなんですか!?」

俺・ニパ「「…………………………は?」」

エルマ「うぅ……やっぱり息ぴったりです…!」ズーン

俺「いやいや何言ってるんですか!?」

ニパ「そんな………………困るよぅ!///」

俺「お前も本気にしてんじゃねぇ!」

突然何を言い出すんだ…この娘は……。

俺が好きなのは……

エルマ「だって俺さんはニパさんのことをよく今みたいに構っていますし……。」

俺「いやっ……それはコイツをからかうのが面白いだけで…!」

ニパ「なんかやたらとちょっかいかけてくると思ってたら………好きな娘には意地悪したくなる的なヤツだったんだね…!///」

俺「ねぇよ! 俺は小学生か!」






276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:10:00.55 ID:NNAlRfyJ0 [2/2]
やれやれだにゃ~。でも、可愛いぞ支援






277 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:12:48.65 ID:z0uwwU6n0 [14/20]

まったく……たしかに、カタヤイネンはカワイイとは思うけど…さすがに恋愛対象としては見れねェってのに…。

まだ幼い教え子に欲情するような奴は、扶桑陸軍の変態教官だけで十分だ。

俺「ハァ……いくらなんでもこんな子供を女としては見れませんよ…。」

ニパ「むっ……子供扱いしないでよ。」

俺「実際、子供だろ?」

ここで子供じゃなくて、恋愛対象なのは貴女だけですよー、というのを言外に匂わせたつもりなんですけど……

エルマ「そうなんですか……良かった…。」ホッ

さすがに気付かないか。

俺「とにかくカタヤイネン、今日くらいは身だしなみを整えておけよ?」

ニパ「…………………うん…。」

今日は俺達L中隊の、最後の日なんだから。







278 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:18:48.39 ID:z0uwwU6n0 [15/20]

エルマ「これを以てスオムス空軍第24戦隊L中隊を解散とする。スオムス軍最高司令官カール・グスタフ・エミール・マンネルハイム元帥。

    ふぅ……この辞令の通り、私達L中隊は今を以て解散となります。

    今までありがとうございました!」ビシッ

「「「「「ハッ!」」」」」ビシッ

エイラ「けっこうあっけない終わり方だナ~。」

俺「軍隊なんてそんなもんだよ。お前らは今日この基地を発つんだろ? 準備はできてるか?」

ラウラ「一応な。」

ハンナ「大丈夫です。」

エイラ「あっ…水晶玉入れるの忘れてタ…。」

ニパ「私もまだ終わってないや…。」

俺「まだまだ時間があるからさっさと行ってこい。」

エイラ・ニパ「「ハ~イ。」」

ハンナ「私達も荷物取ってくる。」

ハンナ「最後の確認をしてきます。」







279 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:24:48.52 ID:z0uwwU6n0 [16/20]

俺「ふぅ…。」

あっけない…………か。確かにな。

2カ月間寝食を共にした仲間との別れが、紙切れ一枚読み上げるだけで済んじまうってのは、ちょっと寂しいよな。

でも、人との出会いと別れなんてそんなものだよな。出会いがどれだけ衝撃的なものであっても、別れは案外あっけないもんだ。

だから、教官少佐が言っていたように、一期一会を大切にするべきなんだよな。いっしょにいる時間を大切に………だな。

俺「終わっちゃいましたね。」

エルマ「はい……。」

俺「レイヴォネン少佐、お疲れ様でした。」ペコ

エルマ「へっ…あ、ありがとうございます…! えっと…頼りない隊長で色々ご迷惑をおかけしました…。」

俺「迷惑なんてとんでもない。貴女がいたから、この隊は最後まで団結していられたんですよ?」

あんなに個性が強い連中ばっかり集まって……よく大きなケンカが起きなかったな…。

唯一あった大ケンカといえば………………ああ、俺とレイヴォネン少佐のやつか…。






281 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:30:52.21 ID:z0uwwU6n0 [17/20]

俺「こちらこそスイマセン……あの時、思いっきり怒鳴ってしまって…。年上の俺が冷静さを失っちゃダメですよね。」

エルマ「い、いえいえ! あの時私も柄にもなく頭に血が上ってしまって…!」

俺「いやいや俺が……」

エルマ「いえいえ私が……」

俺「………」

エルマ「………」

俺「……ククク…。」

エルマ「……フフフ…。」

俺「最初の頃から考えると、レイヴォネン少佐とこうやって笑いあっているのが信じられませんね。」

エルマ「そ、そうですね。申し訳ないんですけど、俺さんのこと最初は怖い人かと…」

俺「ハハハッ…いいですよ。実際、見た目通り粗暴な奴ですから。」

エルマ「そんなことないです! ちょっと乱暴かもしれないけど、俺さんは優しくて頼もしい人です…。///」カァァ

俺「そ、それはどうも…。///」ポリポリ

何て言うか………レイヴォネン少佐の中で、俺はけっこう高評価だったんだな…。

実際こんなこと言われると……尋常じゃなく照れる…。








282 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:32:31.48 ID:z0uwwU6n0 [18/20]

俺「と、とにかく! アイツらを無事に送り出せて良かったです!」

エルマ「そ、そうですねっ!」

あまりにも照れくさかったから無理矢理話をそらした。

せっかくイイ雰囲気だったのに………俺のヘタレが…。

俺「無事に送り出して、俺達の仕事は終わりなんですねぇ…。」

エルマ「そうですね。」

俺「これで終わりかぁ…。俺達はアイツらに何かしてやれたんでしょうか?」

エルマ「う~ん……特に思い当たらないですね…。」

このL中隊の設立目的は、若手エースの更なる技術的、人間的な向上だ。

実際この2カ月、俺とレイヴォネン少佐は寝ても醒めてもアイツらの将来のことばっかり考えていた。

その成果がよく分からないとなると………さすがに虚しい。







283 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 21:33:30.93 ID:z0uwwU6n0 [19/20]

エルマ「まぁ、いいじゃないですか。人の成長っていうのはどれだけ多くの人と出会い、触れ合ったかに依るものだと私は思います。

    私達はその出会った人の一部、彼女達の成長の礎となれたんです。それだけで充分だと思いましょう?

    彼女達の礎となった他の人達よりも、私達の方が彼女達を想っていたなんていうのは思い上がりです。」

俺「そう…ですね。結局、俺達のやっていたことなんて、アイツらの人生にとってはちっぽけなものですよね。」

エルマ「はい。でも、とってもとっても大事なものです。」

俺やレイヴォネン少佐………ほんのちょっとでも教育というものに携わった者は感謝されるべきではないのだ。

これが俺達の仕事であり、生きがいだから。

感謝する暇があるんだったら、もっと精進して立派な人間になってほしい。

俺達は、立派になった姿を影からそっと覗くだけで充分満足だ。

俺「アイツら…笑顔で送り出してやりましょうね。」

エルマ「はい。」ニコッ





131 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:29:54.66 ID:75+6OtLg0 [2/41]

俺「忘れ物はないなー?」

ハンナ「はい。」

ラウラ「ああ。」

ニパ「うん……。」グスッ

エイラ「ああ。」

俺達は滑走路に来ていた。

エース達の背後には、ヘルシンキへと向かう輸送機。

この飛行機が飛び立ったら、もう俺がコイツらに会うことはないんだろうなぁ。

俺「よし。それじゃあ、輸送機に乗れ。」

エイラ「あ~あ……めんどくさいナ~。」

ラウラ「大して時間かからないだろ?」

ニパ「ヒック……俺さん、エルマ隊長………元気でね…!」グスッ

エース達は順々に輸送機に乗っていく。これでコイツらとはお別れか……。








132 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:34:05.74 ID:75+6OtLg0 [3/41]

エルマ「………。」

寂しくないと言ったらウソになる。でも……慣れてるからな。

これでも軍歴はそれなりなんだ。いくつもの出会いと別れを繰り返してきた。

こんな、もの悲しい気持ちだって何回も経験してきたんだ。

ハンナ「………。」ピタッ

俺「ん? どうした、ウィンド?」

ハンナ「やっぱりこのまま別れるのはアレだよね…。」ボソッ

スタスタスタ

輸送機の入口で立ち止まったウィンドはUターンして俺とレイヴォネン少佐の方へ歩いてきた。

俺「お、おい…。どうしたんだよ?」

ハンナ「俺曹長、エルマ隊長お世話になりました。」ペコッ

俺「へっ……?」

エルマ「えっ……?」





133 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:37:22.46 ID:75+6OtLg0 [4/41]

推奨BGM:

ハンナ「この隊に来て、お二人といっしょに過ごし、私はこれからの自分の在り方を見つけることが出来ました。

    俺曹長みたいに、厳しく部隊を引っ張っていくということも大事だとは思うのですが、私には合っていないと思います。

    私は、一歩引いた所で部隊を見守っていきます。」

俺「そうか…。」

ハンナ「はい。私には俺曹長みたいなたくましさもエルマ隊長みたいな誠実さもありません。

    でも、何事にも動じない胆の太さには自信があります。

    だから、部隊の一番後ろにいて、皆を安心させるという役目を果たしていきたいと思います。」

エルマ「………。」

ハンナ「このことに気付けたのは、自分の長所と短所をしっかりと理解し、自分に出来ることに懸命に取り組むお二人と触れ合ったおかげです。」

教育者という人間は感謝の言葉を受け取ってはいけない、というのが俺の持論だ。

俺達は教え子の糧。教え子が成長することを至上の喜びとするべきである。ちっぽけな自分に感謝する必要がないようなデカイ人間になることを望め。

このことは、俺が教官という役目を負ってから、ずっと持ってきたこだわりだ。










134 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:38:25.39 ID:75+6OtLg0 [5/41]

このこだわりは未来永劫捨てるつもりはない。

ハンナ「俺曹長、エルマ隊長。」

それでも、

ハンナ「お二人に出会えて、本当に良かったです。ありがとうございました。」ニコッ


教え子にこんなことを言われて……嬉しくないわけないよなぁ。


俺「お、おう…!」グスッ

エルマ「……グスッ…は、はい!」

胸に熱いものが込み上げてきて、目頭が熱くなる。

それでも、涙は流さない。これだけは譲らない。


コイツらを笑顔で送り出す。


この子供じみた意地だけは、なんとしてでも貫き通してやる。









135 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:43:08.98 ID:75+6OtLg0 [6/41]

ハンナ「それでは俺曹長、エルマ隊長、お体には気を付けてくださいね。」

ウィンドはそう言って輸送機に乗っていった。

エイラ「俺ェ!」

俺「おぉう…。」

おいおい…お前も戻ってきたのかよ…。早くしないと機長さんに迷惑がかかるぞ…?

エイラ「俺! 俺のあの強さは誰か大切な人を守るためのものなんダロ?」

俺「ああ。」

俺の力……大熊の爪はお前らを守るためにある。

世界で一番大切なお前らを。

エイラ「私にも大切な人ができたら、あんな力が出せるようになるんだよナ?」

俺「おぅ! これからきっと、お前にも何よりも大切な人ができると思う。その時は、何としてでもその人を守り抜けよ?」

エイラ「ああ!」

元々の才能はずば抜けているんだ。コイツに守るものができた時、どれだけ強くなるんだろうな。







137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:46:09.94 ID:SCdXdR3B0 [1/24]
なんという卒業式……









138 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:47:10.55 ID:75+6OtLg0 [7/41]

エイラ「それじゃあナ、俺! エルマ先輩をしっかり守ってやるんだゾ?」

俺「えっ……あ、ああ…!」

何故ここでレイヴォネン少佐の名前が出てくるんだ?

エイラ「エルマ先輩…。」

エルマ「イッルさん…。」

エイラ「エルマ先輩には色々迷惑かけちゃったナ…。イタズラしたり、からかったり、生意気言ったり。エルマ先輩の優しさについつい甘えちゃったんダ…。」

エルマ「そんなこと……ないです! 私もイッルさんにどれだけ迷惑を…!」

ユーティライネンのあんな顔は初めて見た。あんなに優しい表情が出来たんだな。

エイラ「エルマ先輩、私がこうしてスオムスのために戦っていられるのはみんなエルマ先輩のおかげだからナ?

    エルマ先輩が飛び方を教えてくれて、戦い方を教えてくれたから、私は今エースと呼ばれる存在になれている。


    グスッ……本当にありがとナ…!」

エルマ「………ヒック…どういたしまして。」ニコッ









139 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:50:24.68 ID:75+6OtLg0 [8/41]

エイラ「それじゃあナ! エルマ先輩と過ごしたこの2カ月はとっても楽しかったゾ!」

ユーティライネンは一瞬目に涙を溜めたが、すぐに笑顔を取り戻して輸送機へ向かっていった。

あそこで涙をこらえられるとは……アイツももう立派な大人になっているのかもしれねぇな。

ラウラ「エルマ隊長。」

ニッシネンお前もか…。いい加減にしないと機長さんキレちまうぞ?

ラウラ「世話になったな。」

エルマ「えっ…は、はい!」

スタスタスタ

ラウラ「俺さん。」

俺「お前なぁ…レイヴォネン少佐には世話になっただろ? ちょっと淡白すぎやしないか?」

ラウラ「お礼を言うのは苦手なんだ。」

俺「まったく……もうちょっと可愛げを持てよな。」ナデナデ

ラウラ「………。」

自然と手が伸びてニッシネンの頭を撫でてやる。

ゆっくり甘えさせてやるって約束していたのに、結局機会が無かったな。スマン。







140 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:53:04.83 ID:75+6OtLg0 [9/41]

ラウラ「俺さん、俺さんは私達のことをどう思っている?」

俺「俺はお前らのこと、大好きだぞ?」

ラウラ「そうか……その気持ち、ちゃんと伝わっていたからな。」

俺「えっ…?」

態度で示したことなんて一度も……

ラウラ「態度で示さなくても強く思えばちゃんと気持ち伝わる。

    これからの参考にさせてもらうよ。」

俺「お、おう…。」

強く思えば伝わる…か。もしかしたら、コイツが言ったように俺はそれほど嫌われていたわけじゃないのかもしれないな。

今まで避けてきたけど、機会があったら昔の教え子にも声をかけてみようかね。

ラウラ「それじゃあな、俺さん。いつか、私が酒を飲めるようになったらいっしょに飲もうな。」

俺「ああ。」

楽しみにしてるぞ。








141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:55:18.75 ID:SCdXdR3B0 [2/24]
ニッシネンかわいいよニッシネン










142 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 00:57:00.60 ID:75+6OtLg0 [10/41]

ラウラ「あと、エルマ隊長。」

エルマ「は、はい…!」


ラウラ「俺さんのこと、頼んだよ?」ニコッ


エルマ「えっ…」

俺「ニッシネンが笑った…」

ニッシネンはそう言うと、俺達を振り返ることなく輸送機に乗り込んでいった。

いつも無愛想なニッシネンの笑顔。最後にイイもんを見せてもらった。

残るは………

ニパ「………ヒック…グスッ……」グシグシ

やっぱりお前も来たか…。後でちゃんと機長さんに謝っとけよ?






143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/09(金) 01:00:17.00 ID:Iu5Nuy+I0 [1/2]
頑張れ支援









144 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:01:10.82 ID:75+6OtLg0 [11/41]

ニパ「俺さん…エルマ隊長…」

コイツは多分、一番叱った奴で…一番世話を焼いた奴だ。

俺「お前には色々強く言いすぎたかもなぁ。スマン。俺のこと嫌いだったろ?」

ニパ「そんなことない…! 俺さんのこと、大好きだったよ…!」ポロポロ

そうか…。お前は本当にいい娘だなぁ…。

エルマ「ニパさん…。」ナデナデ

ニパ「俺さん、エルマ隊長…私が困った時は、すぐに駆けつけてくれる?」

エルマ「はいっ!」

俺「ああ、地球の裏側だろうがどこだろうと駆けつけてやる。」

だって、俺達はお前の世話を焼きたくて焼きたくてしょうがないんだから。

ニパ「そっか………私、頑張るからね。」

俺「うん…。」







145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:06:43.69 ID:SCdXdR3B0 [3/24]
スオムス勢がかわいすぎて生きるのがつらい










146 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:07:00.30 ID:75+6OtLg0 [12/41]

ニパ「もっと面倒事を起こして。もっと迷惑をかけて。もっと仲間を危険に晒して。もっと自分の身を危険に晒して。そして、もっと強くなる。

   周りのことなんて気にしない。

   何があっても俺さんとエルマ隊長がなんとかしてくれるから。」

エルマ「はい…。」

ニパ「頑張って強くなる。」

俯いていたカタヤイネンが顔を上げた。

ニパ「新聞の一面を飾るくらいに強くなる。」

涙で潤ませたその目は、俺とレイヴォネン少佐を真っすぐに見つめている。

ニパ「スオムスに…いや、世界にその名を轟かせるくらいに強くなる。」

今のカタヤイネンからは、ツイてない自分に対する失望なんて感じられない。

その不幸を凌駕するほど強くなる。その強い意志が、涙で溢れたその瞳からビンビンと伝わってくる。







147 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:13:01.65 ID:75+6OtLg0 [13/41]

ニパ「だから……」

カタヤイネン……お前はもう充分頑張ってるよ。

ニパ「それくらい強くなったら……」

だからさ、


ニパ「また二人に会いに来てもいい…?」ポロポロ


今は思いっきり泣いていていいんだぞ?


俺「ッ……当たり前だろうがっ!」

エルマ「待ってますからねっ!」グスッ

ニパ「それじゃあ私は行くからっ!」ダッ

カタヤイネンは輸送機に向かって走り出した。

また…会いに来てくれるのか…。

俺のポリシーには反するけど……

やっぱり…嬉しいよなぁ…。






149 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:19:38.87 ID:75+6OtLg0 [14/41]

輸送機のハッチが閉まり、エンジン音がカウハバ基地の滑走路に響く。

これでアイツらとはお別れか…。

教え子を差別はしたくないのだが……正直思い入れは強い連中だな。

立派なエースになってほしいよな…。

ガチャン

俺「あ?」

ニパ「俺さん!」

エイラ「エルマ先輩!」

俺「お前らもう離陸なんだからハッチ開けるんじゃ――」



エイラ・ニパ・ラウラ・ハンナ「「「「これからのスオムスは私達に任せろっ!!」」」」







150 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:26:29.02 ID:75+6OtLg0 [15/41]

俺「まったく……頼もしいなぁ…。」

エルマ「そうですね……グスッ」

必死でレイヴォネン少佐から俺の顔を隠す。こんなゴツい男が涙を流している顔なんて気色悪くて見せられねェ。

エルマ「…俺さん。」

ギュッ

俺の背中を何か温かいものが包み込んだ。

エルマ「スイマセン、俺さん…ほんの少しでいいので、こうさせてください…。」

何かに顔を埋めているため、くぐもった声。背中に当たる、微かだだけど確かな息遣い。

エルマ「私、泣かなかったですよね…? 皆を笑って送り出せましたよね…?」

俺「ああ、俺達はちゃんと最後の仕事をやり遂げたよ。」

俺達の教え子を乗せた飛行機はもう見えない。

もう誰も俺達を見ていないから。

今だけ………

エルマ「………。」グスッ

俺達二人しかいない今だけ、思いっきり涙を流そう。







151 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:28:02.70 ID:75+6OtLg0 [16/41]

エルマ「俺曹長はこれからどうなさるんですか?」

滑走路に戻る途上、レイヴォネン少佐がそう問いかけてきた。

俺「俺………ですか…。」

どうだったっけなぁ……。確か上層部から辞令が来ていて、オラーシャに行けとか言われていたような……。

エルマ「やっぱり、俺曹長もここから出ていっちゃいますよね…。」

俺「………。」

もしこのままオラーシャに行っちまったら、レイヴォネン少佐にはもう二度と会えないだろうな。

所属している隊も違うし、左官と一般兵士とでは立場も違う。

俺の初恋は終わっちまうよなぁ。

エルマ「お、俺曹長……出来たら………出来たらでいいんです…。私のことは忘れないでずっと覚えておいてくださいませんか…?」

失恋か…。

俺「嫌です。」

エルマ「えっ…?」ウルッ

失恋なんて嫌に決まってんだろうがあああああああああああああ!!






152 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:28:46.17 ID:75+6OtLg0 [17/41]

俺「俺は…」

教官少佐のおかげで行動する勇気を持てたんだ。

たった一歩じゃねぇか。とっとと踏み出せよ、俺。

俺「俺はここにいますよ。」

レイヴォネン少佐に、しつこいと思われるかもしれない。うっとうしいと思われるかもしれない。

それでも、別々の場所にいるよりはずっとマシだ。

俺「しばらくはここで新人の教官でもしています。」

上層部に頭を下げてそうさせてもらおう。

俺はまだ………この初恋を諦めたくはないから。

エルマ「そう……なんですか…。」ホッ








153 名前:熊はひばりに恋をした[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:31:37.29 ID:75+6OtLg0 [18/41]

今はこうして一歩ずつ進んでいくことしか出来ない。

でも、いっしょにいれば、きっとその内辿り着くことが出来るはずだ。

エルマ「良かった……いっしょにいられればきっと…。」ブツブツ

俺が夢に見た場所。初恋が実を結んだ場所へ。

いつか、絶対に言うんだ。

ずっと胸に秘めていた言葉を。君への思いを込めた言葉を

いつか、言うんだ。


俺・エルマ「「アナタのことが好きだ。」」


って。


俺・エルマ「「ってあれ?」」



ED:



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 01:34:05.54 ID:SCdXdR3B0 [4/24]
末永く爆発しろ!


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/09(金) 01:38:07.97 ID:Iu5Nuy+I0 [2/2]
激しく乙だ・・・


俺が代わりに爆発するから幸せに・・・っ
最終更新:2013年02月07日 14:04