前回までのあらすじ!
海に来た501一行と私。洞窟に眠る財宝を目指してシャーリーと共に探検に出た私だったが、
落とし穴にはまってワニに囲まれるという絶体絶命の状況になってしまった!!
ワニ「ギジャァァァァ―――!!!!」ガチッガチッ
私&シャーリー「いやぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!!!!」



――洞窟内――

<イヤァァァァァァ……

ゲルト「……ん? なんだ、あの声は?」

エーリカ「知らないよー、それよりトゥルーデ、ミーナ支えるの手伝って」

ミーナ「……んん……」zzz

ゲルト「ああ、すまん。……しかし、大変な事になったな。宮藤やシャーリーがいなくなってるから探しに出たら……」

エーリカ「謎のワインをかぶって少佐は暴走。ミーナにキスしてどっかに行っちゃったんだもんね」

ゲルト「全く……部下の模範たるべき佐官2人がこの有様とは!」

<ウギャァァァァァァァ……

ゲルト「……しかし、気になるな、この声」



――洞窟・別の場所――

ワニ「ギャジャァァァァァァ――――!!!!」ズダダダダ

シャーリー「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダダダ

私「まさか落とし穴をよじ登ってくるとはねー!」

シャーリー「ああ! 予想だにしなかった! なんだよこれ! どうしてこうなった!?」ダダダダ

ワニ「ルホォォォォ――――!!!!」ババババ

私「シャーリー、もっと速く! ワニが! ワニがもうすぐ後ろにィィ!!」

シャーリー「何でだぁぁぁ!!? 魔法使って加速してるのになんで追いつかれそうなんだぁぁ!!??」ダダダダダ

私「私だっこしてるからじゃない?」シレッ

シャーリー「そうだ! なんでお前こんなに重いんだよ! 魔法使ってるのに抱えるのがやっとだぞ!?」ダダダダ

私「……事情があんのよ、色々と!」

ワニ「ブジュルルルァァァァァ――――!!!!」ドギャギャギャギャ

私「あああまた来たァァ!! シャーリー速く! このままじゃアンタあいつらのオードブルよ!」

シャーリー「なんであたしだけなんだよぉ! 大体ワニってあんなに速いのか!?」ダダダダ

私「ええ、あいつら常に腕立て伏せの体勢だし。本気出すと100mを6秒ぐらいで走れるらしいわよ」

シャーリー「……マジ?」

私「ええ、マジ」

シャーリー「……へぇー……そりゃ速いなー」

私「ええ、速いわね」

ワニ「ブシャジュルベロジュロロ」ギャルギャルギャル


シャーリー「……もう……ゴールしてもいいよな……?」ゼーハー

私「止まんなァァァ!! 止まったら死ぬわよォォ!!!」

ワニ「ワギャジュバラァァァ―――――!!!!」



――洞窟内・さらに別の場所――

<ウギャァァァァァァァ――!!!!
<ジャギャァァァァァ!!!!
<アヒャヒャヒャヒャ!!! ワッショ――イ!!!

リーネ「ひぃぃぃ……」ガタガタ

ルッキーニ「う、うわぁぁぁん……!」ブルブル

宮藤「ぺ、ぺぺぺペリーヌさぁぁん……!」ガタガタ

ペリーヌ「も、もしや、古代の魔女の呪い……!?」ガクブル


ドダダダダ…

ゲルト「ん? ――!?」

エーリカ「? トゥルーデ、どうかし――」

シャーリー&私「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダダ

ワニ「ジャルルルァァァアアアアアア!!!!!」ダダダダ

ゲルト「!?」

エーリカ「!?」

ツルンッ!!

シャーリー「! し、しまっ――」ドタッ

私「なっ……!」ドタッ

ワニ「ギャッベシャァァァァァァ!!!!!」

シャーリー「うぁ……っ!!」

私「ッ!」

ドンッ!

シャーリー「えっ……?」ゴロゴロッ

私「…………」フッ

シャーリー「わ、わた――」

ワニ「ギャジャレァァァァァァ!!!!!!」バッバッバッ!!!

バギョッ!! ドギャッ!! ゴシャッ!!
ガジガジガジガジ ガリガリガリガリ ガツンッ! ガツンッ!!

ゲルト「……し、シャーリーと……私が」

エーリカ「突然出てきて……私が……ワニに……!!」

シャーリー「私ぃぃぃぃ―――――!!!?? うわぁぁぁ……っ!!」

グシャッ! メキャッ! ボギッボギッ!!

エーリカ「と、トゥルーデ! 早く助けなきゃ――」

ゲルト「あ、ああ……だが……これはもう……」

シャーリー「あたしを庇って……そ、そんな……嘘だろ!?」

ガリガリガリガリガリ ガチッガチッ!


シャーリー「私いいいいいいい―――――――っっ!!!!」




バゴッ!!

ワニ「キャイン!!」ドガッ

エーリカ「……!?」

ゲルト「……!?」

シャーリー「――え!?」


私「……ったく、カメラが壊れるじゃないの、アホ爬虫類が……」

エーリカ「え……」

ゲルト「は……」

シャーリー「……うそぉぉぉぉぉ――――!!??」


シャーリー「いや……いやいやいや! な……なんで無事なんだよ!?」

私「無事じゃないわよ。ホラ、白衣に穴開いちゃった。あとで縫わなきゃ……」

ゲルト「ああっ! 頭、頭!!」

私「え、頭?」

ワニ「」チーン

エーリカ「あ、頭にワニ刺さって……じゃなくて、噛みつかれてるよ!」

私「あ、ホントね。うわー」

シャーリー「いや『うわー』って……!」

私「どりゃっ、と」ブンッ

ポーン

ワニ「ヒャウン!!」ドサッ

ゲルト「」

エーリカ「」

シャーリー「……もう訳分かんねえ」

私「財宝待つ限り、私はけして倒れない……さ、行くわよシャーリー。ペリーヌちゃん達は、たしかあっちに……」

グルルルル…

私「!」

シャーリー「! ま、まさか……!」


ワニ1「グルルルルァ……!!!」

ワニ2「ジャギャァァァ……!!」

ワニ3「クロコダインーッ……!!!」

シャーリー「くそ……しまった、集まってきたぞ」

私「どうやらそのようね……」

エーリカ「ど、どうなってんの……トゥルーデ、トゥルーデ! ……あっ」

ゲルト「そうだ今度の休みにクリスに会いに行こう元気かなあ相変わらず健気な笑顔で私をうふふふふふふふ」ブツブツ

エーリカ(ダメだ、あまりの展開に現実逃避しちゃってる)

ワニ1「ジャゴッジャゴッ!」

シャーリー「ど、どうする……また逃げるか?」

私「2人ならそうしたけど……」チラッ

ミーナ「……zzz」

ゲルト「クーリスー、クーリスー♪ ギブミー ユア アーンサー ドゥー♪」ブツブツ

エーリカ「どうしようこれ」

私「……5人で逃げるのは危険ね、遅くなるし……かといってこの3人を残してはおけないわ」

シャーリー「そ、それじゃ……」

ワニ's「ギャッギャッギャギャ―――ッ!!!」

私「……蹴散らすしかないわ、こいつらを」

シャーリー「文字通り、か……でも……」

私「『出来るのか』って? ……『やる』のよ、何が何でも」

シャーリー「……無茶言うなよ、こっちは丸腰だぞ」

私「ですよねー」

ワニ's「ギャッギャバ――――ッッ!!!!」ガバッ!!

私&シャーリー「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――ん!!!!!」


…バギャッ!!

ワニ「ワニャァァッ!!!??」ボゴッ

エーリカ「え!? わ、ワニが……」

シャーリー「吹き……飛んだ?」

私「な、何が……」

スゥゥゥゥゥゥゥ……

私「? …………!!!」

スッ…




坂本「わっしょぉぉ―――――いっ!!」バァァーン!!



シャーリー「しょ、少佐ぁぁ!!??」

私「な、何で……」

坂本「うぃ~っ……ヒック! あっはっはっはっは……!!」ヨロヨロ

シャーリー「……でも、なんか様子が……」

エーリカ「さっき、ワインみたいなのを頭から被っちゃって……そのせいだとは思うけど」

坂本「わっはっはっは、わっしょ―――い!!!」ウィーッ

私「なんかすごくイキイキしてるわね」

ワニ1「ジャバラァァァァァァァァァッ!!!!!」キシャーッ

私「! しまった、ワニが!」

シャーリー「少佐! 逃げ――」

坂本「…………」チャキッ

ワニ1「ギャルァァァッ!!」バッ!


――後に、第501統合戦闘航空団大尉、シャーロット・E・イェーガー氏はこう語る……。
シャーリー『ああ、最初は少佐がおかしくなったのかと思ったよ。だって、少佐、今にもワニに襲われそうなのに……』

坂本「…………」ニヤッ

シャーリー『……笑ったんだよ、こう、ニヤッ、みたいな感じでさ』

スーッ…

ワニ1「!?」

シャーリー『それから、少佐はワニの横を通り抜けたんだ。その顔に恐れは一つも無かった。まるで酔っ払ってるみたいに、ほんのり赤くなってるだけでさ』

フッ…

坂本「…………」

シャーリー「……ん? なんだ、今の……風?」

シャーリー『なんだろう、海の風が洞窟を通ったのかな…その時は、それぐらいにしか思ってなかった。
でも、次の瞬間……あたしは、その風の正体を理解したんだ』

ワニ1「…………グッ」

ワニ1「ギェァァァァァッ!!!」スパスパスパァァッ!!

エーリカ「!?」ビクッ

シャーリー「え……!? わ、ワニが……ボロボロに!?」

私「ま、まさか……」

坂本「…………ヒック」

シャーリー『あの風は……少佐が剣を抜くことで起こった風圧だったんだ。
あとで私に聞いたんだけど、ああいうのを"剣圧"って言うらしい。剣の達人ともなれば、一振りで風を起こす事も可能なんだってさ』

ワニ1「」ピクッ、ピクッ

エーリカ「き、斬ったの……? 今の一瞬で!?」

シャーリー「み、見えなかった……」

私(……微かに、ほんの微かに見えたけど……少なくとも、あのワニを3回以上は斬ってた……あの超短時間で!)

坂本「うぃ~っとぉ……」ヒック

私(あの緩みきった顔で!)

ワニ2「ギ……ギャジャァァァッ!!」バッ

ワニ3「ウジュルァァァ―――!!!」ババッ

坂本「…………フッ」

坂本「わっしょぉぉぉ―――――――いいっっ!!!!」


シャーリー『それから後は、なんというのか……少佐の独壇場だった』

シャーリー『襲い来るワニを、ちぎっては斬り、ちぎっては斬り……』

坂本「飛龍閃!」バゴッ!!

ワニ「」ドサッ

シャーリー『烈風丸の鞘をとんでもない速さで飛ばして、ワニの眉間に命中させたり……』

坂本「見浦流万風不帰剱・『転』!!」ズシャァァッ!!

ワニ「」スパッ!

シャーリー『宙返りして、ワニをまっぷたつに切ったり……』

坂本「スキャニングオーズ! せいやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」チャリンチャリンチャリンズバッ

ワニ「ウッギャギャァァァァァァッ!!!」ドギャーン

私「なんで私までぇぇぇぇ!!!???」ドッゴーン

シャーリー『……攻撃範囲が広すぎて、たまに巻き込んでたりしたけど』

シャーリー『しばらく経って、ワニもほとんど全滅したころ……少佐も飽きてきたのかな、ワニの尻尾を掴んでジャイアントスイングを始めたんだ』

坂本「わっはっはっはっはっはっはっは―――!!!」グルグルグルグル

ワニ「」グルグルグルグル

シャーリー「おー、回ってる回ってる」

私「なんか段々可哀想になってきたわね……あのワニ」

シャーリー「まさか10何匹が一気に全滅するとはな……あいつらも思ってなかったろ」

ゲルト「クリス、クリス、クリス! はーるかなくにがー、ふーるーさーとーだー♪」ブツブツ

ミーナ「……んん……美緒ぉ……」zzz

エーリカ「……zzz」

私「……エーリカちゃんも疲れて寝ちゃったし」

シャーリー「そりゃ、まぁな……」

坂本「わっはっはっは! いくぞー! わっしょ――――いっ!!」ブンッ!!

ワニ「」 ヒュ――……

シャーリー「でも結局、ルッキーニ達どこいっちゃったんだろうな」

私「ホントよね、あーあ、こんなことなら発信器でも付け――」

ワニ「」 ドガッ!!!

私「てればよかったばらっ」ドッゴッ!!!

ドヒュ――――ン!!!!

シャーリー「わ、私ぃぃぃぃ―――――!!? 私にワニが当たって吹き飛んだ――――っ!!??」

ドガドゴドゴゴゴドガドゴゴゴゴ!!!

私「んのぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ドガドガドガ

ワニ「」 ドガドガドガ

シャーリー「おわ……みるみる新しいトンネルができていく……」

坂本「わっしょ――い!」ダッ

シャーリー「あっ、少佐! ちょっ、待てって!」ダッ



――宝の間――

ドガドガドドガガ ドギャッ! バゴォッ!!

ワニ「」 ズザザザーッ

私「っ!」ズザーッ!

私「……こ、ここは……?」

坂本「わっしょ――い!!」バッ!

私「!」

坂本「わっはっはっはっは……は……くかーっ……」ドサッ

私「……とうとう電池が切れたみたいね……それにしても、ここは……何かしら、この草?」

シャーリー「おーい、私ー!」タッタッタッタ

私「あ、シャーリー」

シャーリー「大丈夫か?」

私「別に。それよりも……ここは?」

シャーリー「え? ……へーえ、こんな所がこの洞窟にあったのか。綺麗だな、どこかの庭園みたいだ」

スタッ、スタッ…

私「! 誰か来たわよ!」コソッ

シャーリー「……別に今更隠れる必要は無いんじゃないか?」コソッ

ペリーヌ「…………」

私「……え? ペリーヌちゃん?」

ペリーヌ「……そんな……そんな……こんなハーブが……財宝だなんて……」シクシク


シャーリー「……え」

私「…………え」


ペリーヌ「そりゃ、大航海時代にはとても貴重だったでしょうけど……今となっては……!
これでは……ガリアの復興なんて……うぁぁぁぁん……!」シクシク



私「」

シャーリー(……あちゃー……)



坂本「泣くんじゃない、ペリーヌ」ガサッ

ペリーヌ「しょ、少佐!?」ビクッ

坂本「確かに宝は無かった。だがな、お前はもうすでに宝を持っているんだぞ」

ペリーヌ「え……?」

坂本「私財をなげうってでも、ガリアを復興させようとする……お前のその、ガリアを想う気持ちこそが、一番大切な宝なんだ」

ペリーヌ「しょ、少佐ぁ……!」ヒシッ!

坂本「…………ヒック」


シャーリー「ハハハ……いい話、なのかな? なぁ、わた――」

私「……認めるかァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

シャーリー「!?」ビクッ

ペリーヌ「!!? わ、私さん!?」ビクッ

私「認めないわよォォ――! 宝が……宝がこんなクソの役にも立たない雑草なんて!!
こちとら穴に落ちたりワニに噛まれたりジャイアントスイング食らったりしながら必死に……必死に……! それをォォォォ……!!!!」ゴゴゴゴゴ

ペリーヌ「え!? は、え!?」オロオロ

私「チクショー!! まだあるんでしょーが宝がァァァ!! 出せ! 出しやがれコンチクショー!!」ドガッドガッ

シャーリー「お、おい! 私!?」

私「!! なに、この扉! おいおいあるじゃなーい、こーんなこれみよがしにさァ! きっとこの扉の中に金銀財宝がこんもりと……!!」

ペリーヌ(……? あの扉……何か書いてありますわね……ラテン語ですわ。えーと……)

私「さぁ御開帳――ッ!! キャッホォォォォ―――――ゥ!!!」

シャーリー「……やれやれ……」







ペリーヌ「……『欲深き者に、災いあれ』……?」




ガチャッ…







ハブ「キシャ―――――ッ!!!!」


私「」


私「……ああ、ハブ。ハーブじゃなくてね……なるほど」








<うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
<キシャァァァァァァァァ!!!!
<ひぃぃっ! こ、こっちくんなぁぁ!!
<ちょっ! な、投げないでくださいましー!
<わっはっはっは!!! なんだか知らんがとにかく良し!!
<どこがァァァァァ!!???




――浜辺――

エイラ「……帰ろっか」

父「ああ、そうだな」

サーニャ「むにゃ……」



――数十分後――

ゲルト「おーい、みんないるかー?」

シャーリー「あ、ルッキーニと私がまだ向こうに……」

坂本「何? まったく、しょうがないな……あの2人は」

シャーリー(酔いが醒めてる……)

エーリカ「向こうで何してるのかな?」

シャーリー「ああ、それが……」


私「ヒャッハァー! 何が財宝だァァ! 中身の入ってない宝箱なんて燃えちまえばいいんだァァ――!!」バギッボガッ

ゴォォォォォォォォ……

ルッキーニ「なんかキャンプファイヤーみたいだね、私!」

私「あっはっはー! 燃えろよ燃えろー、炎よ燃えろー♪ ……どちくしょ――!!」


シャーリー「……あとであの2人は連れて帰るからさ。先に行ってても大丈夫だよ」

ゲルト「そうか? それじゃあ、そうさせてもらうぞ」

シャーリー「ああ、また後でな。……ったく……」


ゴォォォォォ…

私「あっはっはっは……はは……ハァ…………」

シャーリー「おーい、ルッキーニ、私ー!」

ルッキーニ「あ、シャーリー!」

シャーリー「宝箱燃やしてるのか?」

ルッキーニ「うん! 地図が入ってた箱だよ。あたしが遊んでたら、私が『燃やすわよ!』って! 『はらいせ』だって言ってた」

シャーリー「ああ、うん……あ、そうだ。みんな待ってるぞ。さ、帰ろう」

ルッキーニ「あ、ホントだ! うん、あたし帰る! 先行ってるよー、シャーリー、私ー!」タタタッ

シャーリー「あっ……ハハ、相変わらず行動が速いなぁ、ルッキーニは」

私「……そうね」

シャーリー「……残念だったな、宝」

私「…………」

シャーリー「……ほら、帰るぞ。写真の現像も――あ」

私「……? どしたの」

シャーリー「いや……写真で思い出したけど、結局あたし、写真撮ってもらってなかったな、って」

私「え? ……あ、そう言えばそうね」

シャーリー「……よし! 撮ろう!」

私「え、ああ、別にいいけど……あ、最後の一枚よ、コレ」

シャーリー「……そうだ、せっかくだから一緒に写らないか?」

私「……え? 私と?」

シャーリー「他に誰がいるんだよ。私、他の人撮るばっかりで……自分は全然撮ってなかったろ?」

私「……いいわよ、別に……」

シャーリー「おっ、オッケーってことだな? よーし」グイッ

私「えっ! いや、今の『いいわよ』は……あっちょっとカメラ」

シャーリー「はい、チーズ!」パシャッ!

ウゥィーン…キュリキュリキュリ……

シャーリー「おお、なんかいいの取れた気がする」

私「分かるの?」

シャーリー「いや、ただの勘」

私「……ま、そりゃそうか」フフッ

シャーリー「……よーし! 写真も全部撮ったし、さぁ、帰ろう」

私「あ、ちょっと待って」

シャーリー「え?」

ゴゴォォォォォ…

私「……火消すの、手伝ってよ」

シャーリー「……はいはい」クスッ



――翌日・食堂――

ラジオ<『ええもう、ホントにビックリしました! シチリアに旅行に行ったときに拾った空箱が、こんな値段になるなんて!』>

ラジオ<えー、このAさんが発見した空箱ですが、作成されたのは大航海時代と見られ、当時はありふれたものだったそうですが、近年になってその芸術性が認められ、美術品並みの値段で取引されるようになったそうです。
その価格は、なんと空箱一つにつきウィッチの月収並みとのこと! 凄いですねー。
――以上、昨今の中世骨董ブームについてお伝えしました――>



シャーリー「……軽く10個はあったよな、あの空箱」



私「」 



第10話、おわり
最終更新:2013年02月07日 14:28