ーリベリオン西海岸近海ー
チーター「艦長、この船基地まで持つじゃん…?」
ミノムシ「さあ…、もし飛べなくなったら着水して海を行けばいい。今は空を飛んで少しでも距離を稼ぐ」
アタシ「怪我人も一杯いるから少しでもリベリオンに近づかないとねん」
ルッキーニ「うじゅ~…怖かったよ~シャーリー」
空を行く一隻の空中空母、以前は広大な大空を自由に翔ける艦だったであろうが今は誰がどう見ても飛ぶのがやっと、飛んでいるのが不思議なくらいの損傷を受けていた
アタシ「ミノちゃん、まずいわよ?エンジンの出力が更に低下してるわん」
ミノムシ「まずいな、このままだとリベリオンまで持たないな」
シャーリー「基地には救援を要請してるからもうすぐ到着するはずだけどまだかよー」
アタシ「救援を出したのが3時間前、基地が動くのも遅いだろうしこっちの速度も遅いからまだしばらくはかかるんじゃないかしらん…」
チーター「待つしかないのかよ…」
ミノムシ「慌てても無駄だ…、今は少しでもリベリオンに近付く事だけを考えろ」
これより3時間後、リベリオン空中艦隊と合流、怪我人の収容、空母の応急処置が完了
更に2時間後、リベリオン西海岸に位置するカリフォルニア基地へと到着した
ーカリフォルニアー
「ネウロイの調査にいった空母が随分こっぴどくやられて戻って来たみたいだな」
「あれってミノムシ艦長が乗ってる奴だろ?最高位ウィッチの一人が一緒にいてこの有様か」
「ここまで酷い損傷だと廃艦になっちまうな」
「逆に考えるんだ。あの人がいたから無事に戻ってこれたのかもしれないぜ」
「ネウロイってどんだけ強いんだよ…」
「本当に戦争が始まるのかな」
「もしネウロイが本当に強いなら勝ち目なんてあるのか?」
「噂だと欧州の多くがもうネウロイの支配下らしいぜ?」
ネウロイの脅威は違う方面からもじわりじわりと人類へと侵攻を始めていた…
ミノムシ「これが今回手に入れたネウロイのデータと報告書です」
元帥「お疲れ様だったね、無事に戻ってこれてなによりだ」
ミノムシ「姉達が俺達を逃がすために犠牲になりました……」
元帥「惜しい二人を亡くしてしまったか…それにしても君が居てここまでこっぴどくやられるとは今回のネウロイは随分強力に進化したらしいな」
ミノムシ「単体での強さ自体はそこまで強いとは思えませんでした。以前のデータと違い数と戦略が全く……」
元帥「ふぅむ、今回のネウロイとの戦争はちょっと面倒な事になりそうだ。それとミノムシ君、君に辞令だ」
ミノムシ「辞令ですか……?」
元帥「この度人類はネウロイに対抗する為に一つになることが決まってね、君にはウィッチを集めた部隊の指揮をとって貰いたい」
ミノムシ「俺がですか?」
元帥「君なら問題児が居ても大人しくさせられるだろう?」
ミノムシ「元帥、少し考えさせて貰います。俺はネウロイともう戦えないかもしれない……」
元帥「そうかね。それもそうか……しばらく保留にしておこう、しかしいい返事を期待しているよ」
ミノムシ「期待はしないほうがいいですよ」
元帥「彼ならきっと大丈夫だろう……問題は進化したネウロイか」
ー基地内ー
チーター「艦長が戻ってきたじゃん!」
アタシ「おかえりミノちゃん、元帥はなんていってたの?」
ミノムシ「人類が一つになってネウロイと戦う事がきまったみたいだ」
アタシ「あらん、ようやく人類同士でいがみ合うのをやめるのね?」
チーター「いいことじゃん!」
ミノムシ「そうでもないと思う。裏では各国がネウロイとの戦争のあと覇権を握ろうと動いてるはずだ。リベリオンも例外じゃない」
チーター「聞きたくもない話じゃん……」
アタシ「そうとなるとアタシ達も仮に連合軍とする軍に編入されるのかしらん」
シャーリー「今まで一緒に戦ってきたみんなとはお別れかもしれないのか~」
ルッキーニ「シャーリーと離れ離れになりたくな~い~」
チーター「寂しくなるじゃん……」
ミノムシ「お前達大丈夫だ、ウィッチ達は特殊な部隊に集められる予定だ」
アタシ「ああん!アタシだけ仲間はずれなのねん……」
ミノムシ「大丈夫、博士も部隊に編入されるように言っておいたからきっと近いうちに辞令がくるよ」
アタシ「ミノちゃんありがとう、愛してるわん」
チーター「これでみんな一緒にまた戦えるじゃん!」
ミノムシ「俺以外はな……」
アタシ「あらん?ミノちゃんならその部隊の司令になってもおかしくないのにどうしてなの?」
シャーリー「現場から司令部への栄転じゃないのか~」
チーター「艦長おめでとうじゃん!」
アタシ「これから会えなくなるのは寂しくなるわね……」
ミノムシ「栄転じゃないよ。軍を辞めようと思っているんだ」
シャーリー「マジかよ!?」
アタシ「お姉さんの事ね……?」
チーター「俺たちを助けてくれたせいで……」
ルッキーニ「うじゅ~……」
最終更新:2013年02月07日 14:48