<キーンコーン!カーンコーン!
ボルゾイ「鐘の音・・・?」
ボルゾイは一人ホットドックをひたすら平らげていた
正午の時間までまだ時間があるはず
なんで今鐘の音が・・・?
ボルゾイ「行ってみる」スッ
パン屋のオジサン「ちょ!お譲ちゃん!お勘定は!?お譲ちゃん!?」
ボルゾイ「つけといて」
パン屋のオジサン「つけといてって・・・いつかえすんだい!?」
パン屋のオジサン「・・・・・・っていっちゃったよ・・・」
ボルゾイ「」クンクン
ボルゾイ「この匂い・・・更正・・・?」
ボルゾイ「でも、他にもいる・・・これはさっきすれ違った人の匂い」
ボルゾイ「――――っ!血の匂い!?」
まずい・・・早く急がなくちゃ・・・
ボルゾイ「手遅れになる・・・!」
ボルゾイはペースを上げ、教会の下へ急ぐ
ボルゾイ「はぁ・・・はぁ・・・間に合った・・・」
教会の壁の陰から状況を覗く
声までは聞こえないが二人が血まみれになって話しているのが解かる
ボルゾイ(もう少し様子を見よう)
更正「おら、立てよ。第二ラウンドだぜ?」
不良「言ってくれんじゃねぇか・・・」
不良「二度とたてないようにしてやるぜ!」
ボルゾイ「・・・」
―――フワッ
ボルゾイ「・・・―――っ!違う人の匂い・・・!?何か来る・・・!」
ボルゾイ「更正逃げて!」
更正「へ?」
王子「切り裂け・・・烈風斬!!!」
トゥーハンドソードから放たれる光が更正を飲み込み・・・炸裂した
ズガアアアアアアアアアアアアアアアン!
王子「・・・」
不良「王子てめぇ!!!」ガシッ
不良「よくも人の獲物を横取りしてくれたな!しかも木端微塵にしやがって・・・!」
王子「お、落ち着いてください!不良さん!あの人は死んでませんよ!」
不良「あぁ!?」
王子「烈風斬は人の欠片を微塵も残さないでに粉々になんてできませんから・・・」
王子「それにストライカーの魔力補助もないんですよ?」
不良「じゃあなんで・・・」
王子「恐らく瞬時に反応して逃げたんだと思います」
不良「ならアイツはどこに・・・?」
王子「・・・っ!不良さん危ない!」
不良「!?」
ドォン!
王子が不良を引っ張ると同時に光の剣を作り出し、銃弾を弾く
王子「誰だ!」
建物の影から銀色の髪をした少女が現れる
俯いていて表情は見えないが銃を持つ手が震えている
ボルゾイ「・・・よくも大切な仲間を・・・」
不良「チッ・・・新手か!」
王子「不良さんはそこで待っていてください!俺が仕留めます!」
不良「あ!おい待て!」
ズキン!
不良「ぐぁっ!」
右手に激痛が走り、歩を止める
不良「任せたぞ・・・・王子・・・」
更正「うぎょわああああああああああああああああああ!!!」
更正は今、下水道への道へ落下していた
ガンッ!
更正「あうっ!」
王子から攻撃が入る瞬間、足元のマンホールに素早く潜り込んだのだ
更正「いつつ・・・!だー!もうなんなんだよ!」
更正「いきなりガラの悪い奴に絡まれるわ!後ろからいきなり襲われるわで!もう散々だよ!」
どれだけ愚痴を言っても下水道に虚しく響くだけだ
更正「はぁ・・・もういいや・・・出口でも探そう・・・」
更正はゆっくりと下水道の奥に進む
暗い場所を探検するということに心を躍らせながら
地下に更正が逃げ込んでいるとも知らず、二人は交戦を始めていた
王子は二本の
魔法剣で間合いを詰め、近接攻撃で少女を攻め立てる
左手の短い脇差で翻弄し、右手の長い本差で隙をつくという戦法をとっている
それに対し、ボルゾイは間合いをとりつつ拳銃で王子を狙うしかなかった
王子が有利の戦いだが、少年の剣は鈍りを帯びていた
王子「はぁ・・・はぁ・・・どうして当たらないんだ・・・」
ボルゾイ「・・・」
王子「くそっ!」
少年は二つの剣をあわせ、長剣を作り出す
王子「はぁっ!」
両手で柄を持ち、斬りかかるが・・・
ガシッ!
王子「!?」
ボルゾイ「・・・」
女は相手の手首を掴みそれを止める
手首を捻り、引き寄せると同時に力を込めた裏拳がみぞに入る
ボルゾイ「これは大切な仲間の痛み」
王子「げほっ!げほっ!」
ボルゾイ「あなたみたいな子がどうしてこの戦いに参加しているのか解からない・・・」
王子「それはどういう意味だ・・・」
王子「俺には力が無いって言いたいのか!」
ボルゾイ「違う」
王子「じゃあ何が・・・」
ボルゾイ「女一人傷つけるのに戸惑ってるようじゃこの先、生きてくことなんてできない」
王子「くっ・・・」
ボルゾイ「死にたくないなら去れ」
王子「俺はあなたの仲間を消し飛ばした・・・見逃してもいいのか?」
ボルゾイ「もしあなたが殺したというなら、私相手に剣が鈍るはずがない・・・」
王子「・・・」ギリッ
ボルゾイ(優しい子は嫌いじゃない・・・けど、この子は甘すぎる・・・)
王子「・・・確かに・・・俺はあなたを傷つけることはできない・・・」
ボルゾイ「・・・」
王子「だったら・・・!」
両手をあわせショートソードをつくりだす
王子「少しでも時間を稼いでこの戦争を優位に進めることぐらいならできるはず!」チャキ
切っ先を少女に向け、構えをとる
ボルゾイ(ケガしてる更正を少しでも弱らせると・・・)
少し顔に微笑が浮かぶ
ボルゾイ「はぁ・・・どうなっても知らない」
王子「それが俺の道なら受け止めます」
不良「くそっ!出ろよ・・・!」
ザザッ―――ザッ―――――
衝撃波『あーはいはい。何の用だ?』
不良「王子と敵の変な女が戦っている!今すぐ助けに行け!」
衝撃波『は・・・はぁ?』
不良「説明してる暇はねぇ!いいから行け!」
衝撃波『落ち着け落ち着け。お前は今どこで何をしているんだ?』
不良「教会の近くだ!戦闘で負傷して今は動けない・・・王子は近くに居る!」
衝撃波『わかった。すぐ行く』
不良「頼んだぞ・・・」
ブツッ――――
衝撃波「ふぅ・・・」ピッ
衝撃波「すまない、急用が入った。その話はまた今度してもいいかな?」
リーネ「」コクリ
衝撃波「悪いね」
衝撃波「でも、君の言うことが本当ならこの世界は・・・」
リーネ「・・・」
衝撃波「いや、なんでもないよ」
リーネ「待ってます・・・」スッ
衝撃波「はぁ・・・信じていいものか、悪いものなのか・・・なんだかなぁ・・・」
王子「烈風斬!!!」
白い光がショートソードを巻き込んだかと思うと
それは大きな斬撃となり少女へと向かう
ボルゾイ「わっ!」
ズガアアアアアアアアアアアアン!!!
ボルゾイ「どこが時間稼ぎなのか・・・小1時間問いただしたい・・・」
頭を押さえながら一人愚痴るボルゾイ
王子「そういえば名乗ってませんでしたね」
王子「俺の名前は王子です」
ボルゾイ「少し前と違って名乗るほど余裕が出来たの?」
王子「あなたのお陰ですね」
ボルゾイ「嬉しくない・・・」
ボルゾイ「私はボルゾイ。正直、さっきの今であなたのこと嫌いになった・・・」
王子「えぇ!?」
ボルゾイ「冗談」
王子「ははは・・・・・・お上手ですね!」
新たにショートソードをつくりだし、少女に斬りかかる
ボルゾイ「剣速がさっきよりはやい・・・!」
振られる刃が服を掠める
ボルゾイ「くっ!」
上段から振り下ろされた刃を拳銃で防ぐ
ボルゾイ(これじゃあ反撃に移れない・・・!)
王子(一気に押し切らないと・・・)
少年は刃滑らせるように銃に這わせ
下に潜り込んだ瞬間に薙ぎ払う
キィンッッ!
ボルゾイ「っ!」
拳銃はボルゾイの手から離れ、地面を滑る
王子(決まった・・・!)
王子「覚悟!」
王子がもう一度斬りかかろうとした時
瞬時に次の動作を察知したボルゾイが剣を握っている手を蹴り飛ばす
王子「あっ!」
油断していた王子は剣を弾かれる
剣は拳銃と同じ場所に転がる
二人はお互いの武器をとりに走り出す
先に武器を構えたのは・・・
ボルゾイだった
ボルゾイ「私の勝ち・・・」
王子「・・・」
ボルゾイ「・・・ごめん」
銃を額に当て、引き金を引き絞った時・・・
突然銃身が二つに割れた
ボルゾイ「っ!」
王子「・・・っと」
見ると剣を首につきつけられている自分がいた
ボルゾイ「あの時に斬られてたんだ・・・」
王子「俺の勝ちです」
ボルゾイ「・・・ふふっ・・・」
王子「?」
ボルゾイ「さっきより良い顔をするようになった」
王子「な、何を・・・!」
ボルゾイ「冗談」
王子「・・・っ!・・・はぁ・・・」
ボルゾイ「・・・まぁでもマシにはなったかな?」
王子「え?」
ビシッ!
王子「つっ!」
王子「あ・・・あれ?」
ボルゾイ「次は空で倍返しにする」
王子「え・・・えーっと・・・お手柔らかに・・・ははは・・・」
ボルゾイ「・・・」タッタッタ
王子「逃がしちゃったけど・・・十分だよな・・・」
<おーい!
王子「衝撃波さん?」
衝撃波「大丈夫か!?」
王子「あはは・・・なんとか無事です・・・」
衝撃波「そうか・・・よかった・・・」
衝撃波「・・・王子?」
王子「・・・zzz」
衝撃波「そんなに疲れてたのか・・・」
衝撃波「それにしても・・・」
衝撃波「やっぱりあの子の言ってたことは本当みたいだな」
最終更新:2013年02月07日 14:53