スラッセン開放パーティ翌日*
オヘア「うう…二日酔いに筋肉痛ねー…」
エルマ「あううぅ…」
ハルカ「皆さんおはようございます!」
オヘア「ハルカはビックリするぐらい元気ねー」
ハルカ「それはもう…ぬっふっふ…邪魔者が消えた以上、後は私がっ!私が!」
エルマ「あぅぅ…」
智子「あれ?ビューリングどこ行くの?」
ビューリング「ちょっと街に出てくる。何かついでに買ってくる物はあるか?」
智子「んー…特にないけど…あ、そうだ、
湯たんぽとかあればお願い」
ビューリング「ユタンポ?何だそれは」
智子「えーっと、こう金属の中にお湯を入れて、栓して布で包んで…って分らないわよね」
ビューリング「…まあ似たような物があれば買ってこよう」
智子「お願いね。ああ、ちなみに今日も訓練するからなるべく早めに帰ってきなさいね」
ビューリング「了解」
ハッキネン「ビューリング少尉が出かけましたね?」
智子「うわっ!ビックリした… 少佐いつの間に後ろにいたんですか」
ハッキネン「それは失礼しました…ふふふ…」スタスタ
智子(気配がない…まさに雪女ね…)
トモコ少尉ぃぃ~~!
智子「げ…… はぁ…なんであの子はあんなに…」ブツブツ
スラッセン*
ビューリング(酒場…全壊というか、屋根が吹き飛んでるな…)
住民「ん?あんた酒場に用かい?」
ビューリング「ああ、まあな」
住民「それならあっちの方にちょっと行った所の仮設テントでやっとるよ」
ビューリング「そうか、ありがとう」
住民「なあに、こんな時だ。誰だって酒くらいは飲みたくなるもんだよ」
マスター「いらっしゃい」
ビューリング(報告書通り、被害はかなり酷いらしいな。瓦礫がテーブル代わりか)
マスター「わるいね、見たとおりの有様でねよ。だが酒樽は無事だった。どうやらネウロイは全員下戸らしい」
ビューリング「とりあえず…コーヒーでも頼めるか?」
マスター「あいよ。ちょっと待ってな…おい坊主!カハヴィ一杯頼む!」
?「わかりましたー!」
ビューリング(あの声…あいつか)
マスター「いや、悪いね魔女さん。挽いた粉しか残ってないんで口に合うか分らんが、簡便してくれ」
ビューリング「大丈夫だ。口の方を合わせる」
マスター「はっは!そいつはいい。まあ座ってくつろいでいてくれ」
俺「コーヒーお待たせいたし…ってあぁっ!」
ビューリング「よお、元気か」
俺「しょ、少尉!き、来て下さったんですか!ああありがとうございますあわわわわ」ガチャン!
マスター「おい、何してんだ坊主!」
俺「す、すいませんマスター!」
ビューリング「いや、実はこいつは……」
マスター「そうだったのか。坊主が話してたウィッチってのは、あんたの事だったか」
ビューリング「ただの仕事さ。気にしないでいい」
僕「いえ、でも本当に助かりました…何度お礼を言っても足りないくらいです」
マスター「んーむ…こいつの命の恩人なら、代金を貰うわけにもいかねえな」
ビューリング「そうか?中々美味いコーヒーなんだがな」
俺「えへ…えへへ…ありがとうございます」
マスター「こいつは、まあ孤児でな。二年くらい前に家の裏口で野垂れ死にしそうな所を拾ってやったんだ。それ以来雑用だなんだで使ってやってるが、大した才能もなくてなぁ」
俺「えあ…酷いですよマスター」
マスター「しかもちっとも男らしくないだろ?読み書きも出来ねえし、運動も駄目。唯一褒められるのは、カハヴィを淹れるのが上手って所だけなんでな」
俺「う…いや、でも最近はちょっとは男らしくなってると思うんですけど…」
マスター「こいつ、無事戻ってきたときにゃビービーうるさくってよぉ。うちのかみさんに一晩中泣き付いてやがってさ」
俺「ま、マスター!」
ビューリング「はは…そうか、そいつは何よりだな」
俺「うう…ビューリング少尉まで…」
俺(でも…笑うとやっぱり、綺麗だなぁ…女神様みたいだ)
ハッキネン「失礼します」
マスター「いらっしゃい」
ビューリング「な…なんで少佐がこんなとこに!」
マスター「わるいね、見たとおりの有様でよ。だが酒樽は無事だった。どうやらネウロイは全員下戸らしい」
ハッキネン「…ネウロイがアルコールを摂取するのですか?」
俺/ビューリング(うわぁ…)
ハッキネン「美味しいカハヴィですね」
俺「ありがとうございます」
ビューリング「……」モクモク
ハッキネン「ティータイムなのですから、タバコは控えたらどうでしょうか?」
ビューリング「好きにさせてください…そんな事より、尾けていたので?」
ハッキネン「いえ、とんでもないですよ。月に数度しか見せない少尉の笑顔が咲いた辺りに到着しました」
ビューリング「おい少佐」
マスター「しかし、スラッセン解放の英雄と、その司令官が客としてくるとはね」
俺「そうですね…これでこのお店も安泰ですね、マスター!」
マスター「でけえ口叩いてないで、さっさと裏で皿洗いして来い!」
俺「はあい!それじゃあ、少尉も少佐もゆっくりしていって下さいね~」
ハッキネン「はい、それはもう」
ビューリング「…仕事はいいのかよ」
ハッキネン「たまにはサボりも必要だそうですので」
ビューリング「まったく…」
ハッキネン「第一、それは貴方も同じではありませんか?」
ビューリング「私はただ、買出しに出ただけです」
ハッキネン「なるほど、お使い前のコーヒーブレイクですか では、私もお付き合いさせていただきます」
ビューリング「……」
マスター「で、お二人さん。何か話しがあって来たんだろう?」
ビューリング「!」
ハッキネン「さすが、察しが早いですね」
マスター「伊達や酔狂で勤まるほど、酒場の店主ってのは甘くないんだ。……坊主の事だろう?」
ハッキネン「ええ、出来れば彼について詳しく教えて頂きたいのですが」
ビューリング「おい、少佐…」
ハッキネン「少尉は黙っていて下さい。これは命令です」
ビューリング「く…」
マスター「このテント酒場には水道がなくてよ。水場まで食器やらを担いでいかなくちゃならん。時間はそれなりにあると思うぜ」
ハッキネン「お気遣い、ありがとうございます」
マスター「それと…悪いが、あんた達が知らない事は、殆どないだろうな。あいつは寒い夜に裏口で倒れてた。それを偶々拾って、偶々酒場の手伝いをやらせていただけだ」
ハッキネン「ほかに何か変わったことは?たとえば、知らない間に物が消えていたりとか」
マスター「おい、少佐さん。あいつはそんな汚い奴じゃない」
ハッキネン「では、物が急に壊れたり、配置が変わっていたり、静電気が溜まりやすくなったり…」
マスター「いい加減にしてくれ。あんた、何が言いたいんだ?」
ハッキネン「あの子を養うようになってから、何かあったか聞いているのですが」
マスター「そんな物はねえよ。ただいつも通り酒と料理を振舞う。それが酒場ってもんだ。あいつが来てから変わった事といったら、すこしばかり客入りが増えた程度だがな」
ビューリング「おい、少佐…もういいだろう?」
ハッキネン「…そうですね。マスター、失礼しました」
マスター「いや、力になれなくて悪いが、俺もあいつもあんたと違って凡人なんでな」
ハッキネン「……ところでマスター、町の復興には大分時間が掛かりそうですね」
マスター「ああ、まあ仕方ないさ。あんたらは町を取り戻してくれた。復興するのは俺たちの仕事さ」
ハッキネン「軍としても、協力できるところは協力していく意向を固めています」
ビューリング「そうなのですか?」
ハッキネン「ええ、余剰物資を配給に回したり、上層部ではウィッチを災害派遣する形も検討しているようです」
マスター「本当か?そうしてくれると助かるんだがね」
ハッキネン「加えて、カウハバ基地では今回の戦災で負債を負った方、特に店舗経営者に対する扶助を行う予定ですよ」
ビューリング「扶助?」
ハッキネン「たとえば…戦災で子供を養えなくなった経営者などに手を差し伸べたりなど」
マスター「…っ!」
ビューリング「少佐!あんたは何を…!」
俺「ただいまもどりました~……って、あれ?ど、どうかしたんですか?」
ビューリング「い、いや、何でもな…」
マスター「悪いな。そろそろ夜の営業に備えて休憩する時間だ。帰ってくれ」
俺「え?何言ってるんですかマスター、まだ休憩まで三時間も…」
マスター「帰ってくれ」
ビューリング「……」
ハッキネン「…では、そうしましょうか少尉。俺君、美味しいカハヴィでした」
俺「あ、ええと、ありがとうございます…?」
ハッキネン「マスター、代金ですが…」
マスター「いらんよ。サービスだ」
ハッキネン「そうですか、では軒先にお金を落とすことにいたします。行きましょう少尉」
ビューリング「あ、ああ…すまなかったなマスター、俺も元気で」
俺「は、はい!ビューリング少尉も、怪我とか気をつけてくださいね!」
ハッキネン「それと、マスター。先ほどの援助の話。考えておいて下さい」
マスター「……」
俺「マスター…?一体どうしたんですか?」
マスター「五月蝿い ほれ、さっさと店閉めて来い」
………
……
ビューリング「おい、あんた一体なにを」
ハッキネン「先ほど述べた事は事実です。それに、ああいう言い方をした方が物事が美味く運ぶ時もあるんですよ」
ビューリング「だからってな…」
ハッキネン「第一、俺君にそのまま基地に来ないか聞くのは反則でしょう?」
ビューリング「なに?」
ハッキネン「…どうやらわかってないようですね」
ビューリング「だから、一体なんなんだ?」
ハッキネン「いえ、分らないならそれで。さて、少尉。運転はお任せします」
ビューリング「…くそったれ」
ハッキネン「上官を侮辱ですか?では、懲罰として運転を命令します」
ビューリング「……」
いらん子雑用係の俺君はビューリングお姉ちゃんが好きなので頑張ります 第二話 おわり
最終更新:2013年02月15日 13:10