#1 『姉貴と心理テスト』
俺「姉貴、姉貴はたった今、42,195キロのフルマラソンを完走しました」
ビューリング「なんだそれ」
俺「心理テストだよ。ほら、この雑誌の、ここ。……それでさ」
ビューリング「ああ」
俺「フルマラソンを走り切った今、姉貴はどんな気持ちだと思う?」
ビューリング「……そのマラソン、1人で走り切った設定なのか?」
俺「え? あ、うん、たぶん」
ビューリング「そうだな……『俺の奴がいなくてよかった』、かもな。
もし一緒に走ってたなら、気がかりで敵わん。すぐヘバって倒れそうだしな」
俺「もー姉貴ってばすぐそーいう……」
ビューリング「……で、結局何が分かるんだ、その心理テスト」
俺「……えーっと……『この心理テストでは、あなたが死の間際、最期の最後に思うことは何かが分かります』……」
ビューリング「…………」
俺「……姉貴いいいいいい!!! ここにいますよおおおおおおお!!!!」ウワァァン
ビューリング「大丈夫だまだ死んでない」
#2 『姉貴と寿司』
ビューリング「スオムスにスシ専門店があるとは驚いたな。しかもベルトコンベア式の」
俺「美味いなぁ、さすがは本場扶桑のショウガだ。……あ、姉貴、
マグロだよ。取りなよ」モグモグ
ビューリング「……お前が取ったらどうだ。さっきから備え付けのショウガしか食ってないだろ」
俺「いいんだ、俺ショウガ好きだし。……あ、ウニだよ姉貴。知ってた? これって実はウニの精巣で――」モグモグ
ビューリング「俺」
俺「……?」
ビューリング「……せっかくの外食なんだ。金の心配なんてしなくていい。
……好きなものを取れ。そう遠慮されると、逆に食いにくいだろ」
俺「あ、姉貴……いいの? 注文でも?」
ビューリング「ああ、いいぞ」ニコッ
俺(姉貴ぃ笑顔もかっけええええええええ!!!!!)
「そ、それじゃあ……あ、すいません」
職人「へい!」
俺「ショウガ切れちゃったんで、おかわり下さい」
ビューリング「えっ」
#3 『姉貴と雪うさぎ』
ビューリング「スオムスは雪が多いな、全く」
俺「姉貴姉貴、見て見てコレ」
ビューリング「ん…… ! こっ……これは……!」
俺「チョチョイっと作ってみたんだけど、どう? 雪うさぎって言うんだってさ。迫水に教えてもらったんだよ」
ビューリング「そ、そうか……」(かわいい……)
俺「このまま丸一日溶かさずに置いておければ、本物のうさぎになるらしいんだ」
ビューリング「!? 本当か!?」
俺「え、ああ……まあ、多分。迫水もそう言ってたし。そういう魔法の一種なんじゃない?」
ビューリング「そうか……」ホクホク
俺(なんかすげえ嬉しそう)
ビューリング「氷柱買いに行かなくちゃな」
ハルカ(物陰から見てたけど……どうしよう、今更冗談だなんて言えない)
#4 『姉貴と喪中』
俺「姉貴ー、いるー?」ガチャッ
ムォオオッ!!
俺「うぉっ! なんだこの部屋……暑っ」
ウルスラ「……」カチャカチャ
ゴォォォォォ……!!!
俺「うわっなにそのデカい機械」
ウルスラ「新機構の大出力エーテル計算機。今起動実験中」
俺「へーえ……でも熱気も凄いな」
ウルスラ「大出力だし仕方ない。それに排熱は外に直接行くようになってるし、冷却用の氷柱もある」
俺「あ、ホントだ。どっから持って来たんだ?」
ウルスラ「昨日、外になぜかあったのを運んできた。それからずっと実験しっぱなし」
俺「へえ……ところでさ、姉貴知らない? 今朝から見ないんだよ」
ウルスラ「部屋に籠っているらしい。……喪に服しているとかなんとか」
俺「?」
#5 『姉貴とタイプ』
俺「姉貴、姉貴の好きなタイプってどんなの?」
ビューリング「……恋愛なんて兵士には必要ない。余分な感情は迷いを呼ぶだけだ」フゥーッ
俺「さすが姉貴ぃ今日も硬派ぁぁぁぁ!!!」
ビューリング「騒ぐな、喫茶店だぞ。……それで、お前はどうなんだ」
俺「え?」
ビューリング「好きなタイプだ。……一応訊いてやろうと思ってな」
俺「えーっと……そうだね、やっぱり……明るくて、気立てがよくて、元気な……。
……うん、姉貴と正反対の女の人かな」
ビューリング「え゛……!!!」
俺「……うん」
ビューリング「……あ……あ……」ジワッ
俺「……なぁーんてね!! 嘘だよ嘘!! 姉貴に決まってんじゃんか!
姉貴ぃぃぃぃぃ大好きいいいいいいいい!!!!!」ガタッ
ビューリング「なっ……! ば、ばか! だから喫茶店だって……!!」
#6 『姉貴とハチ』
ブーン
俺「うわっハチだ!」
ビューリング「!」
俺「デカっ! やべ3センチはあるぞこいつ! うわっ!」
ブゥーン
俺「うわっちょっ来んな! 来ないでうぎゃぁ!!」ガクガク
俺「姉貴逃げてぇ! せめて姉貴だけでも――」
パァン!!
俺「 」
ビューリング「……のろい的だ」フッ
俺「姉貴ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ビューリング「なんだ、ハチぐらいで――」
俺「蠅叩きがそこにあるのにわざわざマグナム撃ち込む姉貴超かっけえええええええ!!!」
ビューリング「おいやめろ恥ずかしい」
#7 『姉貴と朝食』
俺「朝飯できたぞー」
智子「……これ、何?」
俺「何って……トーストと目玉焼きだけど」
ハルカ「な、なんで私たちはこれだけで、ビューリングさんはあんなにたくさんあるんですか!?」
ビューリング「……」ドッサリ
俺「ガリアントーストとローストビーフとポークビーンズシチューとアーモンドチップスとポテトサラダとウナギゼリーとブルーチーズと白ワインだろ?
普通の朝食じゃん」
ビューリング「……俺。みんなにも分けてやってくれ。さすがに1人じゃ食べきれない」
俺「えーっ……まあ、姉貴がそう言うなら……」
オヘア「び、ビューリング中尉……!」
智子「ありがとう、いただくわ! ……まったく、俺の奴、私たちにもこれぐらい豪勢に……」アムッ
智子「…………!?!?!!?!!」
ビューリング「すまん、手伝ってもらって。……こいつの料理、死ぬほど不味いんだ」
俺「照れるよ姉貴」
エルマ「智子中尉が! 智子中尉が息してません!」
#8 『姉貴と昔話』
俺「姉貴姉貴、見てコレ」
ビューリング「? 四つ葉のクローバーか」
俺「さっき庭で見つけたんだよ。これで俺も幸せになれるぜ」
ビューリング「……幸福、か」
俺「え?」
ビューリング「……そんな葉っぱで幸せが掴めるなら……私も、あんな事をせずに済んだのかな」
俺「暗い過去を背負う姉貴ぃマジかっけえええええ!!!」
ビューリング「ふっ……思い出すな。つい昨日のことみたいだよ……」
俺「あ、曇ってきた。ごめん姉貴、俺ちょっと洗濯物取りこんでくるね」タッタッタ
ビューリング「あっおい」
ビューリング「いいのか、聞かなくても」
ビューリング「姉貴のハードボイルドな過去だぞ、おい」
#9 『姉貴と程度』
ハルカ「俺さんってビューリングさん大好きなんですよね」
俺「おう!」
ハルカ「それって、どれくらい?」
俺「……例えばな、ここに2人の女がいる。
1人はとんでもなく金持ちだが、顔やスタイルは正直ダメ。もう1人は絶世の美女で巨乳だが、すさまじく貧乏だ」
ハルカ「はい」
俺「結婚するならどっちにする? って聞かれたとするだろ?」
ハルカ「はい」
俺「俺は姉貴と結婚するよ」
ハルカ「なるほど、わからん」
#10 『姉貴と夢』
俺「夢を見たんだよ」
ビューリング「ほう」
俺「俺と姉貴は、あるマフィアの構成員でさ。愛し合っていた2人は、組織を抜けだして足を洗おうとするんだ」
ビューリング「……色々突っ込みたいが、まあいい。それで?」
俺「でも、組織は俺達を許してくれなかった。逃げる途中、俺は追手の凶弾に倒れてしまう」
ビューリング「…………」
俺「……死ぬとき思ったんだ。『どうせなら、姉貴の役に立ちたかったなあ』って。
……なんか……怖いぐらい、変にリアルな夢だったよ」
ビューリング「…………」
俺「……夢、だよね……」
ビューリング「……ああ」
ビューリング「……悪い夢さ」
俺(やっべぇぇぇぇぇ姉貴めっちゃ決まってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!)
ビューリング「なんだそのニヤケ面」
最終更新:2013年02月15日 13:35