隕石 第2話
336 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:37:14.92 ID:0Shel6iw0
それでははじめます
>>209から
前回までのあらすじ
アルアシブ広場に来襲したネウロイ達。
偶然にも先行していた北野古子は、住民が避難するのを自らを盾に支援する。
が、たまたま居合わせたおじさん、ナセル将軍がなかなか避難しないため、
断続してシールドへ攻撃を受けてしまう。
そこへ現れた謎のウィッチ。
巨大すぎるシールドでその攻撃を軽々しく防ぐ姿は‥‥男!?
援軍が到着しネウロイを撃退すると、
謎の男ウィッチは話をする代わりに基地に招待してくれと申し出た。
いったいこの男ウィッチは何者なのか?
物語は、まだ、始まったばかり。
337 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:40:28.50 ID:0Shel6iw0
………
……
…
圭子「つまり、あなたはブリタニアに行くはずだったリベリオンのウィッチなのね」
俺「ああ、階級は――こっちに来るときに中尉になったんだっけかな」
キャンプに戻ると、さっそく得体のしれない男の尋問が始まった。
この部隊のお偉いさん方3人には、とりあえず補充兵ということだけ伝えてある。
リベリオンということなのでパットン中将あたりがそのうち裏をとるだろう。
圭子「ふーん‥‥航空ウィッチというには、大事なものがないようだけれど」
そういえばそうだ。航空というぐらいなんだから、戦地で歩いてることがおかしい。
圭子「あなたの"魔法のほうき"は?」
空をとぶウィッチといえば無くてはならない翼。それが航空ストライカーというものである。
338 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:43:12.81 ID:0Shel6iw0
俺「ああ‥‥それなんだがな」
急にあさっての方向を見て頬をポリポリと掻いている。
俺「そっちの荷物だけはしっかり運ばれちゃったみたいで‥‥」
圭子「え?」
俺「さっき言っただろ? 俺、特異体質で一日12時間は寝ないといけないんだ。
で、今回このアフリカに来たのも、そのー‥‥寝過ごしたわけだ」
圭子「‥‥それで、荷物はもってかれたってこと?」
彼は無言でうなづく。さすがに恥ずかしいらしく目線を合わせようとしない。
339 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:46:57.92 ID:0Shel6iw0
圭子「呆れてものもいえないわね‥‥まあいいわ。それで、ここで飛んでくれるんですってね」
俺「ああ。向こうも心配だが、聞けばこっちも激戦区だそうじゃないか。扶桑で言う、一宿一飯の恩義‥‥だっけ?
ガリアのほうも俺一人で戦況が変わるとも思えないしな。機材の方も連絡すればそのうち届くだろう」
真美「今、余ってるストライカーってありましたっけ?」
圭子「一応、ね」
この眼の前にいる彼より一足先に扶桑より送られてきた予備のストライカーがある。
圭子や真美とおんなじ三式飛行脚、とか言ったか。
圭子「ただ、彼が本当にウィッチなのかを確かめないとね」
俺「そうはいっても‥‥」
そう言うと彼の頭からは黒い小さな耳が、腰のほうからは細長く黒いしっぽが伸びた。
先程見たとおり、黒猫が使い魔のようだ。
340 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:50:22.23 ID:0Shel6iw0
俺「固有魔法もないようなものだし、これじゃ信用できないか?」
マルセイユ「十分だろ」
ライーサ「無いようなものっていうと?」
俺「今は使えないってことさ。それより」
そういうと彼は大あくびをする。手で押さえてはいるものの大きく開かれた口は隠せていない。
俺「さっきも言ったとおり眠くなりやすい体質でな。どこかに寝床を用意してくれると嬉しいんだが‥‥」
結局その日の尋問は終わってしまった。
彼の寝床は整備兵のテントを間借りする形となったようだ。
341 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:53:16.09 ID:0Shel6iw0
俺「とんだ災難だ」
まさかブリタニアに行くはずがアフリカに来る羽目になるとは。
なんで気づかなかったんだ‥‥久々にこの体質を恨む。
だが、俺の目的からすればこの地でもやることは変わらない。
それができる力は遠のいたけど、なんとかなるだろう。
単純で、青い願い。
それがどんなに陳腐でも。
叶えて見せる。
足を一歩踏み出し、砂を踏みしめた。
第 二 話
その力を、誰かを守るために
342 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:56:19.98 ID:0Shel6iw0
………
……
…
翌日、飛行場。
俺達は滑走路に立っていた。
圭子「それじゃ、これで飛んでもらおうかしらね」
目の前には三式飛行脚がハンガーにかけられてある。
早速俺のウィッチとしての実力を見ようというのだ。
俺「‥‥だいぶ久しぶりだからな‥‥しっかり飛べるといいが」
圭子「久しぶりっていってもちょっとでしょ? わたしにしたらまだまだってとこねぇ~」
俺「そうなのか」
圭子「私もちょっとブランクがあってね」
マルセイユ「ケイ程のブランクでも飛べたんだ。それ以下だろうお前は余裕なんじゃないか」
マルセイユはクスクスと笑いながら、こちらの様子を見守っている。
圭子「ちょっとそれどういう意味よ」
小言を笑顔で返しながらハンガーのセッティングを終える圭子。
343 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:58:18.95 ID:0Shel6iw0
圭子「準備ができたわ。履いてみてちょうだい」
俺はうなづくと靴を脱ぎ、目の前のストライカーに飛び込んだ。
契約した黒猫の力を借りると、魔法力が体中を駆け巡り、強制的に力が開放される。
全身の筋肉を緩め、内から溢れる力に身をゆだねる。
久方ぶりの快感だ。
ストライカーが独特の音を上げ、魔導エンジンが駆動し始める。
とりあえず起動はした。安堵のため息を一つつく。
圭子「うん、航空ウィッチというのは間違いないようね」
俺「久しぶりだからちょっと緊張したよ」
圭子「まだ終わってないわよ?」
エンジンを回しただけではまだ信用できないというわけか。ま、仕方ない。
逆の立場だったら俺も同じ行動をするだろう。
344 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 17:59:35.65 ID:0Shel6iw0
目の前の滑走路を視線でなぞり、遥か遠くの地平線を見る。
しかしここは熱いな‥‥このスカーフも邪魔くさいが‥‥仕方あるまい。
心臓が早鐘を打つ。
GOサインを確認し、俺は体を前へ傾けた。
俺「行きます」
体は前へ進みだし、徐々にそのスピードを増していく。
十分に速度がついたところで、俺は地面から飛び立った。
重力を感じながら上昇していくと、回りの景色はどんどんと遠ざかっていく。
ライーサ「発進は十分ですね」
圭子「そうね。ストライカーの扱いに慣れてるんでしょ」
真美「久しぶりっていってたのにすごーい‥‥」
346 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:05:29.13 ID:0Shel6iw0
十分な高度まで上がると、ループなどを行い感覚を取り戻す。
ああ、そうだ。こんな感覚だった。
このストライカーは旋回性能がいいようだ。高速の場合はどうなのかは試してみないとわからないが‥‥
借りる銃はどんなだったか‥‥
マルセイユ達が使っていた銃だから、中距離戦闘あたりが妥当か。
と言っても銃を使うのも久しぶりだからなあ‥‥感覚を取り戻さないと。
そんなことを思いながら、地表へゆっくりと降下する。
俺「どうだ? こんなかんじだが」
圭子「うん、合格。飛行はかなりうまいわね」
俺「そりゃどうも」
348 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:10:13.87 ID:0Shel6iw0
真美「今日はじめて乗ったんですよね? そのストライカー」
俺「ああ、三式飛行脚だっけ?」
ライーサ「初めて乗ったストライカーであれだけ動けるんだ‥‥すごいなあ」
俺「ま、飛行にはちょっとだけ自信があるからな。
それより、銃の方は扱わせてくれないのか? こっちのほうが不安なんだ」
マルセイユ「いいだろう。訓練用の弾と的はセットしてある」
マルセイユの指差す方向を見ると、ネウロイのような模様のある風船が浮いている。
ライーサと呼ばれていたウィッチからMG34を受け取ると、
回りのウィッチが離れたのを確認してから俺は再び離陸した。
349 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:15:33.19 ID:0Shel6iw0
風船へ適当に近づくと、銃を風船へと向ける。
久しぶり過ぎてどれぐらい近づけばいいのかもわからんが‥‥まあいいや。
トリガーを引く。けたたましい音と共に銃が火を吹いた。
その衝撃が自分の手にも襲いかかってくる。
俺「うわっとっと‥‥」
思わず手から溢れそうになった銃を必死で抑えこんだ。
発射された弾達は風船にカスることもなくどこかへと消えていった。
圭子「あちゃー‥‥銃はさっぱりみたいね」
いつのまにか圭子とマルセイユが上がってきていた。
マルセイユ「そんなに扱いづらいかその銃」
圭子「というより、銃そのものの扱いに慣れてない感じね」
俺「いい"眼"をお持ちで」
看破などたやすいと、それほど酷い有様だったのだろう。
マルセイユ「飛行がうまいなら、当たる地点まで近づいて撃てばいいだけさ」
俺「なるほどな」
圭子「そうは言うけどねぇ‥‥この距離で、か‥‥」
圭子は頭を抱え、ため息を吐いた。
350 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:18:20.44 ID:0Shel6iw0
何度か銃を試してみたが、うまくなる気配もなく。
仕方が無いので飛行脚になれる訓練をすることにした。
マルセイユ「フフ、わたしを捕まえられるかな?」
目の前にいるアフリカの星はこちらを挑発してきた。
逃げるマルセイユを俺が追う。それだけで訓練にはなる。
マルセイユといえばアフリカのトップエースだ。それを追う。あわよくば触れることが出来れば、
少なくとも飛行に関してはエース様と肩を並べて飛行することもできるだろう。
俺「ブランクありまくりの俺に捕まるなよ?」
挑発には挑発で返すのが俺の流儀だ。
マルセイユ「ほう。言ってくれるな。だが、それは起きない事象だ」
俺「仮説さ。だが、もしそうなったら、エースの名は俺が受け継いでやるよ」
マルセイユ「夢は夜に観るものだぞ?」
なぜだか笑いがこみ上げる。ああ、この感じ、懐かしい。
見るとマルセイユも笑顔になっていた。目以外は。
その目にかぶさる保護具がひとつ。
マルセイユ「じゃあ、付いてこい!」
そういうと彼女は離れていく。
少しだけ間を空けると俺もその"かの有名なお尻"を追いかけた。
352 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:21:12.54 ID:0Shel6iw0
真美「‥‥」
圭子「どうしたのよ真美」
真美はまるで、池の中の鯉が空から餌が降ってくるのを待つように口を開け、
上空で踊る一組の男女を、その黒く大きな光る真珠で追っていた。
真美「世界は広いんですね‥‥」
圭子「なにが?」
彼女は人形のように整った顔をこちらに向ける。
真美「男の人が飛べることにも驚きましたけど、
あのマルセイユさんとほぼ同レベルの飛行能力ってすごいですよ」
圭子「そうねぇ‥‥」
353 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:25:19.94 ID:0Shel6iw0
マルセイユは何もせず有名という訳ではない。
その名に恥じぬ実力を持っている。
世界中のウィッチでも5本、いや3本の指に入るウィッチだ。
エーリカ・ハルトマンが飛行能力でナンバーワンならば、
ハンナ・ユスティーナ・マルセイユは射撃能力ナンバーワンといったところだろうか。
マルセイユの固有魔法、偏差射撃は狙ったネウロイには確実に当たると言っても過言ではない。
その光景はネウロイへ向かって銃を撃っているのではなく、銃を撃っているところにネウロイが向かっているのだ、とまで言われる。
射撃能力もさることながら、飛行能力でも他のウィッチの追従を許さない。
僚機を務めているライーサはよくやっていると思う。
そんな彼女といい勝負をしているのが上空の彼だ。
まるで本当の鳥のように空を縦横無尽に駆け回る二人。
あれだけの能力をもったウィッチが、それも男のウィッチがいたなんて。
わたしもそれなりに世界のウィッチのことは知っているつもりだったのだが‥‥
まだまだ勉強が足らないな。
圭子「ってわたしはもう記者じゃないんだから」
真美「え?」
圭子「あ、いや、こっちの話よ」
真美「私もがんばらないとなあ‥‥」
圭子「あんなのもってあれだけ動かれたらネウロイはたまったもんじゃないわね」
354 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 18:28:25.40 ID:0Shel6iw0
マルセイユ「ほんとにブランクあったのか?」
俺達は地上に降り、呼吸と視界を妨げる道具を外した。
俺「まあ。飛んだの自体は‥‥1年半ぶりぐらいかな?」
マルセイユ「おいおい、お前はまだ私の自信を削ぐ気か?」
俺「結局捕まえられなかったんだからいいじゃないか。
とてもじゃないが無理ってことがわかったよ」
マルセイユ「そういう問題じゃないんだよ」
俺「はいはい」
わざとらしく息を吐く。
俺「俺は射撃ができないんだからいいだろ?」
マルセイユ「フフン、そうだったな」
途端に上機嫌になったのか、彼女は腰に両拳を当て、鼻を鳴らす。
表情が豊かだな彼女は。
そんなことを思いながらストライカーをハンガーに戻す。
俺の新しい翼だ。大事にしないと。
‥‥あんなことにならないように。
370 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:23:20.38 ID:0Shel6iw0
………
……
…
マルセイユ「じゃ! 世にも珍しい男ウィッチが新しい翼を手に入れた記念に!」
「「かんぱーい!」」
夜、彼のため‥‥のはずのパーティーが開かれた。
どうみてもマルセイユ自身が一番楽しんでいるのはいつものことだ。
俺「新隊員が来るたびこうなのか?」
真美「そうですねぇ」
俺「マルセイユ‥‥聞きしに勝る猛将よ」
圭子「そんな事まで有名なの?」
俺「いや、なんとなくこういう人物なんだろうと思ってただけさ」
世界中で見られる写真を見ればわかる。
どの写真を見ても"どうだ?"という声が聞こえてきそうな顔ばっかりだ。
まあ、全部私が撮ったんだけど。
マルセイユ「私の話か?」
片手に大型ジョッキを持ったご本人様の登場だ。
371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:24:56.44 ID:OspiqQuU0
マルセイユ「( ・´ー・`)フッ どやっ?」
支援
373 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:25:20.33 ID:0Shel6iw0
俺「ああ。"アフリカの星、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ"さん」
マルセイユ「ほう、さすがに知ってるか」
俺「そりゃあ知らないほうがおかしいだろ? ウィッチなら尚更、さ」
ライーサ「俺には何か通称とかなかったの?」
俺「あー‥‥」
そこで彼は言いよどむ。通称があるなら誇ればいいのに。
俺「‥‥"隕石"、かな」
圭子「"隕石"‥‥なんだか変な通称ね」
俺「まあな。誇れる通称ではないな」
マルセイユ「墜落常習犯てところか。あれだけ飛べるのに不思議なもんだ」
そう言うと彼は笑いながらコップをぐいと煽る。
その様子をみてマルセイユがいつにもまして笑顔になった。
マルセイユ「なんだおまえ。かなりいけるじゃないか」
俺「そんじょそこらの酒じゃ、俺は堕ちないぜ?」
マルセイユ「いうねえいうねえ!」
圭子「こっちは堕ちないのね」
374 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:28:30.46 ID:0Shel6iw0
俺「あんたは飲まないのか? えーっと‥‥」
圭子「ケイでいいわ。本名は、加藤圭子よ」
その名前を聞くと彼はすこし考えたあと驚いた顔をした。
俺「加藤圭子って‥‥あの扶桑海の?」
圭子「あら、知ってるなんて光栄ね」
俺「そりゃあ扶桑海の真のエース様ですもん、知ってますよ。
そうか、そういえばアフリカの隊長をやってるとか言ってたな。
いままで忘れていたとは‥‥」
思わず失笑する。
俺「ちゃんとアレも読んだよ。良い読み物だった」
375 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:32:33.54 ID:0Shel6iw0
アレというのは私が書いた本、"来た、飛んだ、落っこちた"だ。
扶桑海事変の内容を私、加藤圭子の視点から書いた本である。まあ、発売するに当たって改訂なども多かったが。
圭子「その話は恥ずかしいからあまりしないでちょうだいね」
俺「"扶桑海の閃光"も見たよ」
圭子「その話もしないでね‥‥というか」
そういうと私は首を傾げた。
圭子「その二つを見て、"真のエース様"なの?
智子のほうがエースに見えるはずだけど」
たしかに扶桑海事変での撃墜王は私だ。
だが、扶桑海の閃光での主役は穴拭智子である。
ネウロイ共をバッタバッタとその刀で切り裂いていく姿に扶桑の女学生たちは惚れたものだ。
俺「ああ、当事者からいろいろ話を聴く機会があってね」
376 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:36:54.55 ID:0Shel6iw0
………
……
…
シャーロット「あ、あの!」
俺「?」
真美とは対照的な感じのポニーテールの可愛らしい女の子が声をかけてきた。
それとほぼ同時に圭子はおつまみを補充しに行った。
シャーロット「私、シャーロットです!」
俺「ああ、あのでっかいのに乗ってる子だろ?
すごかったよ」
シャーロット「あ、ありがとうございます!」
377 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:40:08.36 ID:0Shel6iw0
俺「しかしウィッチってのは小さい子ほどデカイモノを扱うのが決まりなのか?」
そう言いながら真美の方に眼を向ける俺。
真美「え!? い、いやそういうわけじゃないんですけど‥‥」
シャーロット「たまたまです!」
俺「ふーん‥‥俺の知り合いも物騒なもん扱ってたから、そうなのかと思ってたよ」
マルセイユ「こーんな小さな子達があんなもん扱っちゃうのはウィッチだからこそよねー」
真美とシャーロットは褒められてるんだかけなされてるんだかわからないがとりあえず恥ずかしい、というような表情をしている。
俺「というか重くないのかあれ」
真美「私は念動力の固有魔法が使えるので」
俺「念動力か‥‥なるほど、筋力だけで持っているわけではないということだな」
378 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:43:46.94 ID:0Shel6iw0
納得せざるをえない。こんなちっちゃな子があんなモノもってるんだ。
ウィッチだとしてもなにか固有魔法でもないと持ち上げることは出来ても、動きまわることはできないだろう。
デカイといえばこのシャーロットという子の陸戦ユニットもそうだ。
"ティーガー"とか言ったか。最初に見たときは小型のネウロイにでも乗ってるかと思った。
ちょっとしたネウロイとなら殴り合いでもできるんじゃないかアレ。
しかしこの隊は補給が大変そうだ‥‥
と思ったのだが、ここにはマルセイユという看板娘がいるんだった。
統合戦闘団や飛行隊などには、活躍によって母国から贈り物が送られる。
となればエースの中のエース、マルセイユには山ほどプレゼントが来るだろう。
そうでなくても、マルセイユには世界中にファンが居る。
それこそどんな装備だってここに来る可能性はある。
そういえば。
俺「マルセイユの写真ってケイが撮ってるのか?」
いつのまにかまた戻ってきた圭子へ尋ねる。
圭子「ええ、こいつでね」
そういいながら傍らにおいてあったカメラを手に取る。
詳しくはないが、メンテナンスはしっかりしてあるようで、鈍く光っている。
379 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:47:48.61 ID:0Shel6iw0
圭子「せっかくだから記念に一枚どう?」
マルセイユ「お、いいね、撮ろう」
俺「俺なんかが写ったら価値が下がるぞ」
マルセイユ「別に売るわけじゃないだからいいんだよ」
そう言いながら肩を組んでくるマルセイユ。
傍若無人というかなんというか‥‥
圭子「じゃあわらってー」
一応作り笑いをする。
数瞬後まぶしい光と共に俺の姿がレンズに吸い込まれていった。
380 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 21:50:14.28 ID:0Shel6iw0
俺「あの"世界のマルセイユ"と一緒に、写真を撮ってもらえるなんて光栄だね」
マルセイユ「ありがたく思えよ?」
俺「あとは出来上がった写真にサインでもしてもらえば墓場まで持って行くんだがな」
こんなアフリカくんだりまで来てしまったんだ。それぐらいのおみやげを貰ってもバチは当たるまい。
マルセイユ「フ」
そういうとマルセイユは鼻で笑い、
マルセイユ「悪いな。私はサインしない主義なんだ」
そう、言い放った。
彼女は、これまでに幾度も目にしてきた"あの顔"をしていた。
ウィッチには変わり者が多い‥‥か。
違いない。
手元のコップの中に映る変わり者の男ウィッチの顔を見ながら、そう思った。
最終更新:2013年03月30日 01:06