~おめでとう! ニッキーは シュランダーに しんかした!~
ガリア野郎「ああニッキーは可愛いなあ……。この強気な眼、健康的に日焼けした肌、彼女の活発さを示すショートヘア。さながら荒れ野に咲く一輪の……」
錦「なに写真見てぶつぶついってんだああああああ!うりゃあっ!」
ガリア野郎「んがっ!?」
錦「あはははは!驚いたか!」
ガリア野郎「そりゃ驚くでしょ!僕の頭は瓶で殴られても大丈夫な造りじゃないよニッキー!」
錦「んー?なんか全然平気そうじゃないか?動かなくなるまで殴ってみるかあ」
ガリア野郎「もうそれ一種の殺害予告だよニッキー!?っていうかニッキーもしかして酔っぱらってる?」
錦「男のくせにうるさいぞお!いいか、男ってのはもっと静かで堂々としてて額で煉瓦を割れるくらい強くないといけないんだ!でぇい!」
ガリア野郎「痛い!そろそろホントに死んじゃう!レンガ割る前に僕の頭が割れちゃうから!」
錦「あはははははははは!!」
ガリア野郎「爆笑!?」
~お前らの部下だろ、なんとかしろよ~
フェデリカ「……実は彼、あんまりお酒強くないのよ。ビン二本で顔真っ赤になっちゃうくらい」
ドミニカ「中島からあいつに酒を勧めさせ、酔ったところを手玉にとる。いい作戦だった、いや、作戦はよかった」
フェデリカ「ブランデーやウォッカじゃなくってワインよ?ワイン一口であんなになっちゃうニッキーが私怖いわ!」
ドミニカ「あの状態の中島をそのまま向かわせたあんたも私は十分怖いけどな」
フェデリカ「さあこの後はどうなっちゃうのかしら!うーん、ワクワクしちゃう!」
ドミニカ「あんたもう隊長を竹井に代わってしまえ」
~遊び疲れた子猫のように~
錦「すう……、んむ……」
フェデリカ「ふふ、気持ち良さそうに寝ちゃって。無理させちゃったお詫びにこの男に起きるまで膝枕してもらうよう頼んだから、それで許してね?」
ドミニカ「まあ、事のいきさつは今言った通りだ。見てて面白かったぞ」
ガリア野郎「なるほど納得。お酒の匂いが嫌いなニッキーが酔っぱらうなんておかしいとは思ってたんだけどねー」
フェデリカ「え、そうだったの?」
ドミニカ「グラスを勢いよく干したから酒が好きなのかと思ったが違うのか。その後一瞬で酔いがまわったけどな」
ガリア野郎「一体どれだけ呑んだのかと思ったらまさかのグラス一杯だなんてね。驚いたよ、ねえ、ニッキー?」
錦「んんー……、くう……」
フェデリカ「うふふ、普段活発な子だから、静かに寝てる姿が新鮮で可愛いわね」
ガリア野郎「さながら戦士の休息。いつも頑張ってるニッキーには調度いい気分転換になったのかもしれないね。ふふん、僕の膝ならいつでも貸してあげるのに」
フェデリカ「……ねえ、あんたはニッキーのきもち、気づいてるわよね?」
ガリア野郎「……いや?突然どうしたんだい」
ドミニカ「わざとらしくとぼけるな」
フェデリカ「あなたのことだからニッキーを悲しませる様なことはしないはず。だから、彼女の気持ちを知っていながら、それを弄ぶようなことはしない」
ガリア野郎「ああ、勿論」
フェデリカ「でも、私から見たらあなたの言動は時々ニッキーの想いを知っていながらそれに気付かないふりをしてるように見えるの。それは、ニッキーへの侮辱じゃない?」
ガリア野郎「……好きな人から面と向かって好きと言われたい。僕にあるのはただその一心だけさ。そう願うのは、そんなに悪いことなのかな?」
ドミニカ「なるほど、その気持ちは分かる」
フェデリカ「いいわ、仮にあなたがそう思ってるとしましょう。でも、このままだとあなた達の関係は進展しないままいつしか終わっちゃうんじゃない?」
ガリア野郎「もしこのまま終わるのなら、それはニッキーと僕に縁は無かったってことさ」
ドミニカ「そんなにスッパリ諦められるのか?」
ガリア野郎「どうだろうね?もしかしたら今言った言葉を撤回するかもしれない。でも、不思議だけど、このまま終わる気はしないよ」
フェデリカ「その根拠は?」
ガリア野郎「それはね、僕がニッキーを愛しているからさ」
フェデリカ「まあ、随分とロマンチストだこと」
ガリア野郎「ふふん、僕は知っている。この世の強い力は全て愛が根幹にあるという事をね」
ドミニカ「頭が沸いてるな。氷水をかけてやろう」
フェデリカ「いい考えね。バケツを持ってきてくれる?」
ガリア野郎「ふふん、茶化したければ茶化すがいいさ。僕は信じている。愛が持つ強さをね」
錦「すう……ばーか、ふにゅ……」
ドミニカ「中島にも言われてるぞ、バカ」
フェデリカ「ふふっ、バーカ」
ガリア野郎「君たち僕の扱い悪すぎないかい?」
~とある空の雲の上~
ガリア野郎「ステージの上で、主役は勇ましく優雅に困難を脱する。爽快だ、見てて惚れ惚れするよ。そして少年はいつしかそんなステージの上の勇者に憧れを抱く」
ガリア野郎「でも、少年もやがて気が付く。いざ困難に直面しても多くの場合はそれを泥臭く乗り越えて行くしかない。乗り越えられない事だってあるさ」
ガリア野郎「そう、困難を劇的に解決するなんて事は飾り立てられたステージの上でしか出来ない夢物語なのさ」
ガリア野郎「さて、敵の数はざっと四十。対してこちらは君と僕の二人だけ。さながら町の小劇場の客と演者といったところかな」
ガリア野郎「だけど、ここは戦場。スポットライトも楽団の演奏も無く、泥臭く血と火薬にまみれながら這うように戦うしかない場所。ここでは優雅に、そして見事に状況を打ち破れる事など有り得ない。それらはステージの上でのみ許される魔法なんだ」
ガリア野郎「でも、もし今僕が優雅に勇敢にこの状況を打ち破れたのなら……。戦場という場所の条件には当てはまらなくなる。戦場では無いと言うなら、ここはどこなんだろうか?」
ガリア野郎「そう、ここはステージとなるんだ。君を劇に誘うと言っておきながら、一度も一緒に行けなかったね。今こそ、その約束を守るよ」
ガリア野郎「題も無く演奏も演出も台本すらない一夜限りの空中舞踏劇!今、君を!招待しよう!」
錦「子機四十機相手に何言ってんだよおまえ。いいから早く片付けるぞ」
ガリア野郎「ああ、せっかく格好いい台詞考えたのに!」
錦「残念だな、おまえがその台詞を使うときなんてもう一生来ないよ」
ガリア野郎「なんでさ?」
錦「もしそんな状況になっても、私は最期までおまえと一緒に戦うからだ!!」
~fin~
最終更新:2013年03月30日 01:29