翌朝、宮藤とリーネがキッチンへと行くと、すでに誰かがいるようで、
料理をしている音が聞こえた。
宮藤「今日は、私たちがお料理する日だよね?」
リーネ「そのはずだけど・・・」
二人がキッチンを見ると、そこには俺がいた。
どうやら俺も来たばかりのようで、まだ食材を広げているようだった。
食材といってもいまのところ見えるのは魚だけであった。
宮藤「俺さーん?今日の朝食当番は私達ですよー?」
俺「ああ、今日は俺が作るんで大丈夫ですよ。まかせてください」
リーネ「な、何を作るんですか?」
俺「扶桑の伝統料理ですよ。刺身と言います。楽しみにしていてください」
宮藤「だからたくさんお魚があるんだー!」
リーネ「芳佳ちゃん、なあに?それ」
芳佳「えっとねー」
そういいながら二人は椅子に座った。その後も続々と人は集まって行き、
料理ができた頃には食卓には11人のウィッチ全員が集まっていた。
エイラ「生・・・魚・・・」
宮藤「エイラさん!お刺身は美味しいですよ!」
リーネ「芳佳ちゃん、不安だよ・・・」
坂本「エイラ、リーネ、刺身は美味しいぞ。私が保証する。
- まあ、俺の料理の腕は保証できないがな!わっはっは!」
バルクホルン「坂本少佐、その、いろいろと危ないんじゃないか?」
俺「新鮮ですから大丈夫ですよ」
そう言いながら次々とテーブルに刺身を載せた皿を置いて行く。
ペリーヌ「見た目は悪くありませんわね」
俺「見た目だけじゃありませんよ。・・・っし、これで全部です」
テーブルの上には大量の皿が載せられていた。
マグロの赤身、中トロ、大トロ。
イカ、タコ、エビ、ウニ、アナゴ、
タイ、ミルガイ、ホタテ、アカガイ、
カツオ、シラス、フグ、ブリ、ウナギ。
一体どうやって手に入れたのか、
サーモンまであった。もちろんご飯もある。
宮藤「す、すごい・・・」
坂本「俺、どうやってこんなに沢山の魚を?」
俺「もちろん、素潜りです。
皆さん、この醤油をつけると美味しいですよ。
わさびは少し癖があって辛いですが、
わさび醤油にしても美味しいですよ」
そう言って醤油とわさびをテーブルに置いて、
俺は椅子に座った。
俺「いただきまーす」
宮藤「いっただっきまーす!」
坂本「いただきます」
一番はじめに箸をつけたのは宮藤であった。口にいれて少し噛んでから、一言。
宮藤「と、とってもおいしいです!」
俺「そっか、それは良かった」
坂本「ふむ、どれどれ・・・」
そういいながら、刺身を食べ、ゆっくり味わい、口の中からなくなってから一言。
坂本「うん。とても美味しい。毎日食べたいくらいだ」
俺「ありがとうございます。そんなに褒めてもらえるなんて光栄です」
そんな三人の様子を見て、他のウィッチ達の手
も少しずつ伸び始めて行った。そして、
最初に扶桑人以外で刺身を食べたのはミーナ中佐だった。
ミーナ「あら、美味しい」
ゲルト「本当か!?ミーナ」
坂本「うむ。だから言っただろう」
エーリカ「ほんとだ、おいしーい!」
エイラ「おー、確かに美味しいナ」
ペリーヌ「でも、生魚なんて・・・」
坂本「そんなこと言わずに、食ってみろ。あーん」
ペリーヌ「ひゃっ!?しょ、少佐!?な、何を・・・」
坂本「坂本「そんなこと言わずに、食ってみろ。あーん」
ペリーヌ「ひゃっ!?しょ、少佐!?な、何を・・・」
坂本「まあまあ、遠慮するなペリーヌ。あーん」
ペリーヌ「しょ、少佐っ!?、あ、あーん・・・た、確かに美味しいですわ」
次々と刺身を食べ始めるウィッチ達。
最後に残ったのは、バルクホルン大尉だった。
エーリカ「トゥルーデー。早く食べないとなくなっちゃうよ?」
宮藤「バルクホルンさん、美味しいですよ?」
ゲルト「そ、そこまでいうのならば・・・」
そう言って、箸をのばすバルクホルン。
ゲルト「ん・・・はあっ、ん、あっ、はぁ・・・はあああぁぁぁァァァァ・・・ふんっ!」パクッ
気合で口にいれて、ゆっくりと噛むバルクホルン。
その顔は怪訝な表情から次第に柔らかい表情に変わって行った。
ゲルト「・・・うまい!」
宮藤「でしょう?お刺身、美味しいですよね」
坂本「流石扶桑食、と言ったところか。わっはっは!」
ミーナ「あら?」
ミーナ隊長が気付いた事、それは。
ミーナ「残り刺身は13個、ね」
俺「それでは、ジャンケンと行きましょう。」
残った刺身は、赤身、大トロ、タイ、タコ、ウニ、玉子、
カツオ、ブリ、ウナギ、サーモン、いくら、エビ、イカ。
戦争が、今、始まる。
戦争は、ついに終結を迎えた。刺身という犠牲を伴って。
- だれがどのネタを食べたのか、言わないことにしておこう。
彼女たちのプライバシーのために。
ただ、1つだけ言おう。魔女たちは、様々な顔をしていた。
残念そうな顔、悲しそうな顔、嬉しそうな顔、笑った顔、
胸をももうとしている顔、苦虫をかみしめたような顔。
しかし、全員の顔には、共通した、一つの表情が隠れていた。
それは、満足そうな顔であった。
1つになったのだ。
俺「ああ、残った食器は片付けますんで、どうぞ皆さん、後はご自由にどうぞ」
坂本「私は少し俺に聞きたいことがある、片付けを手伝うついでに聞かせてもらうぞ」
宮藤「あっ、私も質問、いいですかー?」
俺「ええ、お二人ともどうぞご自由に、やってくれるならこちらとしてもありがたいですから」
坂本「うむ、それでは邪魔させてもらうぞ」
宮藤「失礼しまーす」
坂本「早速だが俺、質問なんだが、あんなにたくさんの海産物をどうやって手に入れたんだ?」
宮藤「私も気になりました!どこで買ったんですか?」
俺「あれは買ってはいませんよ。早朝獲ったんです」
坂本「はっはっは!俺は冗談がうまいな!」
俺「いえいえ、冗談ではなく・・・」
宮藤「むぅー・・・早く教えてくださいよー」
俺「いえいえ、だから本当に海で獲ったんですってば。リトヴャク中尉とユーティライネン中尉に聞いてみてください。俺の漁の様子を見ていましたから」
坂本「・・・そこまでいうのなら、本当なのだろうな。疑って済まなかった」
宮藤「だけど、どうやったんですか?釣りですか?」
俺「いえ、そうではなく、かくかくしかじかで海で漁をしたんです」
坂本「ふむ。そんな事が出来るのか。伊達に潜水ウィッチを名乗っているわけではないな」
宮藤「すごーい!見てみたいです!」
俺「ええぇ・・・あれ、疲れるから嫌なんですよね」
宮藤「そーですかー・・・」
俺「まあ、気が向いたらやりますよ」
坂本「そうか。楽しみにしているぞ」
食事の後片付けも終わり、休憩時間。
俺「何しようかなー。暇だなー」
エイラ「サーニャー。暇ダナー」
サーニャ「そうねエイラ。暇ね」
俺「なんかいい暇潰しありませんかー?」
エイラ「そうだナー。占いでもしてみるカー?」
俺「占いですかー。面白そうですね。お願いします」
エイラ「よーし、じゃあ、いくぞー」
俺「わくわく、わくわく」
エイラ「よし、出たぞ。・・・死神。正位置」
サーニャ「・・・」
俺「ん、んなっ・・・も、もう一度!」
エイラ「・・・うん。後味が悪いナ。もう一回やってみるかー・・・死神。逆位置」
俺「どっちにしろ死神ですか。なんですかこれ?終わりの始まり・・・いや、終わって始まる?
破滅の後の再生とでも言うつもりですかね?」
エイラ「まったくわかんないナー」
俺「はあ。結局暇だー」
エイラ「・・・サーニャ、寝るカ」
サーニャ「そうね。エイラ・・・」
そう言って二人は部屋に戻って行った。
俺「結局暇か・・・。海でも行くか」
思い立ったが吉日、早速ストライカーを履きに行き、潜る俺。
俺「今日もネウロイ来なくて幸せだー。・・・マグロ発見!」
魔法力の発動により、海の王となる俺。
マグロを捕まえ、捕食を始める。脂が乗っていてうまい。
しかし、食べながら思う事、それは、海で王となっても時代は既に空戦。
大航海時代ならばそれで良かったが、もう時代遅れなのだ。
俺「はあ。寝てるかー」
最終更新:2013年03月30日 02:08