【同志視点】

ネウロイ「キュオオオオオ!!」

兵士「落ちろ!落ちろっ!!」パパパパパ・・・

兵士「弾薬が足りない!早く持ってきてくれ!」ドガガガガガ・・・

兵士「了解!!」

兵士達は塹壕にこもり、抗戦を続けていた。

   タヴァリッシュ!ヴラーヴニウェ!
同志「同志諸君!整列!!」

ネウロイの攻撃がおさまって来たころを見計らい、衛生兵達を連れて入る。

衛生兵「今日からここに配属された衛生兵大尉です。よろしく。」

メディック「カールスラントより配属されたメディック大尉だ。よろしく。」

ジョン「同じくカールスラントの救護中隊から来たジョンだ。怪我をしたら任せてくれ。」

兵士「「「はっ!!よろしくお願いします、同志大尉殿!!」」」

敬礼と簡単な自己紹介を済ました後、司令室代わりの蔽塹壕で彼らに状況を説明する事にした。

同志「さて、状況だが…最悪と言っても良い状況だ。」

衛生兵「くそっ・・・いきなりか・・・」

同志「幸いな事に我々に残っている弾丸は多い・・・しかし、敵が固すぎるのだよ。」

ドオンッ!

地面が振動し、室内に居た者たちが身をすくめた。

メデイック「ふう・・・何故ですか?案外あっさりと敵を撃退しているようにも見えましたが。」

同志「奴らは何度も波状攻撃を仕掛けてきている。それ自体は大した事が無いんだが…発生源まで近づくと・・・」

塹壕の一角にうず高く積み上げられた死体袋に視線をやる。

衛生兵「そう言う事か・・・。」

同志「火力が足りないのだよ、同志。弾丸は余るほどある。しかし補充が聞かない。あまり損害を出す訳にはいかないのだ。」

メディック「なんてこった・・・」

同志「だが心配するな、同志諸君。我らが優秀な飛行部隊とウィッチに支援要請を出した。貴官たちは・・・そこに野戦病室として使用している蔽塹壕がある。そこで負傷者たちに手当てをしていてくれ。」

      ヤーポール
メデイック「了解。」ザッ

ジョン・衛生兵「ヤー!」ビシッ


同志「さて・・・この状況をどう打開するか、だ。・・・同志ウルマン、残りの弾丸はどれ程ある?」

軍帽を脱ぎ、額の汗をぬぐいながら尋ねる。

ウルマン「はっ・・・兵士一人当たり60発と言ったところです。全機関銃には箱型マガジン一つを支給可能であります。」

同志「・・・ふむ、少し厳しいな・・・ウィッチはあとどれくらいで到着する?」

ウルマン「早くて10分・・・遅くて30分と言ったところでしょうか。」

同志「・・・うん、それだけあれば十分だろう。兵士達に残り弾数は気にするなと伝えてくれ。」

ウルマン「はっ。」

スタスタスタ・・・



兵士「ネウロイが来たぞーッ!!」

兵士「敵襲!!」カンカンカン

見張りに立っていた兵士が叫び、鐘が鳴らされる。



衛生兵「じっとしてて・・・ほら、これでどうだ・・・」

メディック「うん、後は腕を抑えててくれ。出血はもうしていないはずだ。」

カンカンカン

兵士「敵襲です!多数の負傷者が出ることが・・・予想されます!!」

ジョン「くそっ・・・今いる負傷者の治療すら終わってないのに・・・!!」

敵集の知らせは、蔽塹壕にいる衛生兵組にも伝わっていた。

同志「同志軍医諸君!!」

そこに、銃を引っ掴んだ同志が駆け込んで来た。

同志「貴官たちは・・・非戦闘員だ。」

衛生兵「人間同士の戦闘であれば、だがな。・・・分かってる。負傷者の治癒に専念しよう。」

同志「・・・助かる。」



同志『兵士諸君!!聞いてくれ!!』

塹壕に整列している兵士達に向かって、同志が絶叫に近い声で叫んだ。

同志『ここを失えば、我々はフミカネブルグを陥落させてしまう事になる!!・・・正直な所、フミカネブルグに戦略的な価値はそれほど無い!』

同志『しかし、だ!それでは今までにフミカネブルグ防衛のために犠牲になった同志達に何と言えば良いのだ!!フミカネブルグ市民はどうなる!?』

同志『兵士諸君、これは我々の意地を賭けた戦いだ!!必ず守り抜け!!死ぬな!!以上だ!!』

兵士『『『『『ウオオオオオオオオ!!!』』』』』


塹壕が決して多くない数の兵士達の声で埋め尽くされる。
それを同志は満足そうな表情で見まわし、そして言った。

同志「戦闘開始だ、同志諸君。」


【蔽塹壕、衛生兵視点】

メディック「さて・・・俺達は俺達の仕事をしなきゃな。」

ジョン「ああ。」

衛生兵「これからが正念場だぞ・・・」




【前線、塹壕内】

兵士「喰らえクソ共っ!!」ガガガガガ・・・

ネウロイ「キュオオオオ!!」パリン

自動小銃が振動し、ネウロイが正確に撃ち落とされていく。
"弾丸の事は気にするな"という同志の命令により、兵士達はとにかく撃ちまくっていた。

同志「弾幕だ!!もっと弾幕を張れ!!」

すぐそばをビームがかすめて行くのを物ともせず、機関銃分隊を激励していく。

兵士「了解ッ!!」ドガガガガガ・・・

滅茶苦茶に張られた濃厚な弾幕により、たちまちネウロイの一団が消し飛ぶ。

同志「よーし良いぞ!全部くれてやるつもりで撃て!!」

凄まじい形相で機関銃を撃ちまくる兵士の肩を叩き、軍帽をもう一度被り直しながらまた別の分隊の所へ駆けて行った。



【蔽塹壕、野戦病室】

兵士達は勇猛に戦っていたが、時間に比例して病室に運ばれてくる兵士の数も多くなっていった。
うめき声と硝煙の臭い・・・そして銃声とビームの音に満ちており、まさに地獄だった。

兵士「うう・・・ああ・・・」

衛生兵「モルヒネだ!!早く!!」

ジョン「ああ!!注射するからこいつを押さえつけてくれ!!」

衛生兵「了解!!」


メディック「クソ・・・消毒液が!!」

衛生兵「そこにあるウオトカでも何でもいい、アルコールっぽいもんもんは全部使え!無いよりはマシだ!!」

地面に落ちていた泥まみれの酒瓶をメディックに向けて放り投げ、次の負傷者に取り掛かる。

血と汗と泥にまみれ、昨日まで比較的前線より遠くに居た軍医たちは、既にベテランと見間違えるほどの鬼の形相となっていた。
恐怖や焦りは無かった。彼らの心はひたすら自分自身の義務をこなす事だけで占められていた。


【前線、塹壕内】

同志「くそっ!!航空支援はまだか!!」

同じく塹壕内を駆けずり回って援後に回っていたウルマンを引っ掴み、聞く。

ウルマン「まだです、同志!!」

同志「再度呼びかけてくれ!!このままでは前線が崩壊する!!」

ウルマン「了解!」ビシッ

兵士「うおおおおおおおおおお!!!!」ドガガガガガ・・・

兵士「くそっ・・・!!弾切れだ!!」ガチッガチッ

あちこちで弾切れを告げる悲痛な声が上がっていた。



ウルマン「ブロークン・アロー!ブロークン・アロー!我ネウロイの攻撃ヲ受ケリ!!至急航空魔女と航空機の援後ヲ要請スル!!」

??《ザザッ・・・あと少し・・・あと少しだけ持ちこたえてください!!現在そちらに向かっています!!≫

坂本《早くしろ十分!!このままではお前の友人たちが全滅してしまう!!》

十分《はっ!》

??《こっちも現在急行中だ!!シャーリー、先に行っててくれ!》

シャーリー《了解!あんたもすぐに来てくれよ、キ84!!》

キ84《ハッ、言われなくても!!》

飛行士たちの声が聞こえる。そしてウィッチの声も。

同志《サーニャ、同志ユーティライネン!あとどれくらいだ!?》

サーニャ《同志さん達のすぐ後方です!!攻撃を・・・》


キュオオオオオオオ!!!


塹壕を乗り越え、陸戦型のネウロイが塹壕内に乗り込んでくる。

兵士「チクショオオオオオ!!」バババババ・・・

兵士たちがネウロイに向かって発砲するが、あまり効果が無いようだ。

同志(くっ・・・)

同志が懐から手榴弾を取り出し、ピンを抜こうとした時―



ドオオオン!!



突然目の前のネウロイが飛び散り、兵士たちがどよめく。


同志「・・・。」

同志「ふむ。俺にはまだやる事があると見える。」


サーニャ「同志さん!!」


そこに立っていたのは、フリーガーハマーを構えたサーニャとエイラだった。



【上空】

シャーリー《こちらグラマラス・シャーリー!!攻撃を開始する!!》

ミーナ《了解、発砲を許可します。》

シャーリー「ひゃっほーーー!!」ドガガガガガ・・・

空中を飛んでいた小型たちが、瞬時に撃墜される。

キ84「俺にも残しとけよ!!」バババババ・・・・

戦闘機―キ84が戦闘機とは思えないような軌道を披露し、踊るようにネウロイを撃ち落として行く。


十分「少佐殿、俺は雑魚達の相手をします。貴方は中型を。」

坂本「ああ!!」

坂本少佐がネウロイを一閃の元に斬り伏せ、十分の戦闘機―ハトヤマ式に搭載された機関砲が、坂本に近づこうとする小型たちを文字通り消滅させていった。


兵士「増援だ!!!」

兵士「航空部隊が来てくれたぞ!!」

兵士達のある者は帽子を振りながら、ある者は直立不動で敬礼しながら上空の味方達を迎えた。

ウルマン「同志大尉、ネウロイ共が撤退して行きます。」

同志「そうか・・・良かった・・・。」


衛生兵「ふう・・・。」

メディック「これでやっと一息つけるな・・・。」

ジョン「だが、まだやる事がある。まずはこいつ等を何とかしてやらないと。」

ジョンは、野戦病室いっぱいの負傷者たちを見ながら呟いた。
負傷者たちの顔は青白くなり、軍服は血と泥で奇妙な色に染まっていた。

衛生兵「・・・そうだな。おい!比較的軽症の者は手当するのを手伝ってくれ!」



【上空】

キ84「おい待て!!逃げるなクソ共!!」ガガガガ・・・

逃げて行くネウロイ達に向かってキ84が銃撃を浴びせ、さらに数を減らしていく。

シャーリー「あんまり深追いするなよー。」ダダダダダ・・・

十分「そう言うイェーガー大尉殿も深追いしているではありませんか・・・。」ドルルルル・・・

シャーリー「あはは!まったくだ!!」ガガガガ・・・

坂本《で、どうするのだ、同志大尉?このままの勢いで奴らの発生源叩けそうだぞ。》

同志《うーん・・・分かりました。貴官たちはこのまま敵の発生源を攻撃してください。》

坂本「・・・だ、そうだ。」

十分「し、しかし・・・」

坂本「おや?お前は私に着いてきてくれるのではなかったのか?」

十分「・・・了解しました。」

坂本「うむ、それでいい!わっはっは!」

同志《あ、そうそう。》

十分《何でしょうか?》

同志《貴方がたの攻撃前に砲撃を加えますので、しばらく退避をお願いします。》

十分《了解。》

坂本《聞こえたか?シャーリー、キ84。》

キ84《ん?》

シャーリー《聞こえないなあー》

十分《貴方がたと言う人達は・・・はあ。》



【ネウロイ発生源付近】

ミーナ《ザザッ・・・こちら司令部。聞こえますか?》

同志から教えられたネウロイの発生源に近づくと、ミーナ中佐から入電があった。
そのまま付近で旋回し、通信を聞く。

坂本《ああ、聞こえているぞ。》

ミーナ《ごめんなさいね、ストライカーが整備中で出撃できなくて。》

キ84《気にしないでください。おかげで撃墜数が稼げそうです。な?シャーリー?》

シャーリー《ああ!》

ミーナ《ふふっ、そう言って貰えるとありがたいわ。》

ミーナ《・・・皆さん。》

ミーナの声が真剣さを帯びる。

ミーナ《そこでは沢山の対空戦闘用のネウロイが確認されています。》

前を見ると―そこには、確かにネウロイの巣があった。
荒野の上に立つ、無機質な外見をした要塞の様であった。
対空戦闘用の物なのであろう。管のような物を無数に付けたネウロイが、その"要塞"の表壁に沢山着いていた。
そして、さらには多数の小型が周りを飛んでいる。ウィッチが居るとしても、たった二機の戦闘機だけで攻撃出来るような物では無かった。

キ84《・・・で、どうしろと?撤退しろとでも?》

ミーナ《キ84さん!そのままではみすみす死に行くような物なのよ!?》

同志《ザッ・・・それなら心配要らないぞ、同志諸君。》

十分《・・・どういう事です?》

同志《後ろを見たまえ、同志十分。》

坂本《いつの間に・・・》

後ろでは、ロケット砲を搭載したトラックがこちらに向かってきていた。

同志《カチューシャ・ロケット隊!砲撃開始!!》

   ポニマーニェ!
兵士《了解!!》


キュウウウウウンン!!


金切声のような音がして、ロケット砲が発射される。



ロケット砲はネウロイが密集している場所に着弾し、爆発した。中には見当違いの場所に着弾する物もあったが。
爆炎がネウロイ達を覆い尽くし、焼きつくす。
爆風は上空の空戦部隊にも伝わってきて、僅かだが機体を揺らす事となった。


ミーナ《ちょ、ちょっと!!何が起こっているの!?》


十分《・・・ヴィルケ中佐、敵の対空防御構造物が消滅しました・・・。》


あれほどまでに密集していたネウロイ達は消滅し、二体の大型が残るのみとなった。

坂本《・・・ミーナ、攻撃許可を。》

ミーナ《ハア・・・好きにしてちょうだい・・・。》


キ84《待ってました!!》グオオオオン

シャーリー《いやっほー!》

それを聞いた途端、すぐに片方の大型ネウロイの方へ向って飛んでいく。


坂本「はは、私達は精々ゆっくりやるとしよう。」

十分「ええ・・・。」



【キ84、シャーリー視点】

ガガガガガガ!!!

キ84「うおらあああああああ!!!」

操縦桿を思いっきり握り締め、胃の中から込み上げてくる不快感を押し込みながら撃ちまくる。
身体に物凄いGが掛かっている為、物凄い形相になっている筈だが・・・大丈夫だ、飛行帽のおかげでシャーリーからは見えていない。
操縦桿を左右に動かし、強引に機体を動かしながら、大型の対空砲火を避けて行く。

シャーリー「ほほう・・・やるねー。」ドドドド・・・

キ84「うるせえ!こっちは胃の中身がカムバックしそうで大変なんだよ!クソ!」ガガガガ・・・

シャーリー「あはは、骨は拾ってやるよ!!」ガガガガ・・・

キ84「まだ死んでねえよ、畜生!!」ドガガガ・・・

片手で操縦桿を握り、片手でシャーリーの軽口の相手をする。
確かに、自分で言うほど切羽詰まってはいなかった。

キ84「落ちろバカヤロウ!!」ドガガガガッ!

大型ネウロイに向けて銃撃するが、表面を傷つけるだけでコアを破壊するには至らない。

シャーリー「ふふん、援護が必要みたいだね?」

キ84「分かってるならさっさとしろクソッタレ!」

シャーリー《ザザッ・・・少佐、コアは何処にある?》

坂本《中央部にある!敵さんは平べったい形をしているな、上から銃撃できれば割かし簡単に撃破出来そうだ。》

シャーリー《了解!》

シャーリー「聞いたか?キ84。そこであんたに頼みたい事があるんだけど・・・」

キ84「無茶を言ってくれるな・・・急上昇、急降下、そして銃撃か?」

シャーリー「良く分かってるね、それじゃ、あたしに着いてきて!」グイイイン・・・

キ84「あいよ!畜生!!」グオオオオ・・・

コックピットの上をキッと見据えて、操縦桿を思いっきり引き上げる。
頭の血流が逆流するような感じがし、胸が苦しくなる。だが、不思議とその苦しささえ感じなくなってきた。職業病と言う奴だろうか。

キ84「・・・チクショウ。」



グイイイイイイイン


背後から狙いの滅茶苦茶な対空砲火が飛んできた。
それを無視し、再び空を睨みつける。

シャーリー「ここだ!」

シャーリーが加速を止めた。おい、無茶を言うな、戦闘機は急に止まれないんだぞ。
機体を何とかして水平に戻そうとし、長い距離をかけてようやく立て直す。

シャーリー「ほら、予想とぴったりだ。」

下を見ると、確かにその場所はネウロイの真上だった。

シャーリー「よし、じゃあ急降下開始!」グイイイイイン

くそ、置いて行くな!!

もう一度あの頭がギュッとなるような感覚を味わうかと思うと憂鬱だったが、やると決めた以上やらなければいけない。
操縦桿をさらに強く握りしめ、降下を開始した―


【坂本、十分視点】

十分「す、凄い・・・。」

坂本「うむ。息も取れているしな。」

十分「あれは・・・相当重力がかかっていると思うのですが・・・俺ならすぐに失神する自身があります・・・。」

坂本「はっはっは、情けない事を言うな!それに、息なら私たちだって取れているだろう?」

十分「・・・はい!」

坂本「・・・と、言いたい所だが、魔法力が少なくなっている。」

十分「また、いつものですか?」

坂本「そうだな。出来るか?」

十分「・・・はあ・・・ご命令とあらば。」

ハトヤマ式を徐々に減速させ、同じく減速している坂本さんのストライカーユニットと速度を合わせるようにする。

あれ?プロペラ機ってこんな機動出来たっけ・・・?

ハトヤマ式って凄い、改めてそう思った。

そんな事を考えていると、コックピットの風防ガラスが叩かれる。

十分「どうぞ。」

風防ガラスを開け、中に坂本さんを招き入れる。

十分「ところで坂本さん、ストライカーユニットは・・・」

坂本「ん?そのまま置いてきたぞ。」

十分「・・・まあ、我々の部隊には資金だけは湯水のごとくありますから、問題ないとは思いますが・・・。」

坂本「細かい事は気にするな!はっはっは!」

十分「・・・。」

考えるのはやめにして、座席の下から一振りの扶桑刀を取り出す。

十分「今朝、土方さんに鍛え直して貰ったばかりの奴です、お受け取りください。」

坂本「ああ。」

今渡した刀は烈風丸・・・それも土方さんモデルだ。
これは精神力の強い人間にしか使えないが、その代わり魔法力がいらないほどの切れ味がうんたらかんたらと言う刀だった。(詳しい事は聞かない事にした)

十分「・・・少佐、最初からそちらを使えばいいのでは?」

坂本「うむ・・・しかし、どうも私の鍛えた刀の方がしっくり来るのでな。それに・・・私はシールドが張れないが、お前が守ってくれるのだろう?//」

十分「はい・・・//」

そうだったな。再び前を見据え、大型ネウロイを視界に入れた。

十分「それでは・・・」

坂本「よし!」

コックピットの風防を開け、坂本少佐が外に出る。
それを確認し、操縦桿を前に押し込んだ。

十分「行きます!!」グイイイン


【キ84・シャーリー視点】

キ84「うおおおおお!!!!」ダダダダダ・・・

ネウロイに向かって撃ちまくりながら、降下していく。

シャーリー「ヤッホー!!」ガガガガ・・・

畜生、楽しそうにしやがって。こっちは大変なんだぞ・・・うっぷ。

シャーリー「突っ込むぞ!!」ガガガガ・・・

キ84「おうっ!!」ダダダダダ・・・

シャーリーの放った銃弾が表面の装甲を穿ち、キ84の放つ銃弾が―


ガキッ・・・イイン・・・


―コアを、撃ち抜いた。


一体の大型ネウロイは飛び散り、羽のようなものになって消えた。

キ84「よっしゃあああああ!!」ブオオオオン

シャーリー「一丁上がりっ!!」グイイイイイン

羽の舞い散る中を、一機の戦闘機と一人のウィッチが、駆け抜けて行った。



ウィッチが、飛ぶ。

ストライカーユニットを付けてではない。素足で、戦闘機の上からだ。

十分「行けええええっ!!!」

坂本「烈風斬!!!」


バシュウウウッ!!


ごうっ


十分(相変わらず、全身の毛が逆立つような気がするな・・・)



一閃。



光が一瞬だけ辺りを包み、ようやく目が見えるようになった時には―


ネウロイが、消えていた。


十分「綺麗だな・・・って、見とれてる場合じゃない!」

大急ぎでエンジンをふかし、落下する坂本少佐の元へと向かう。


十分「っと!!」

何とか受け止め、後部座席に座ってもらう。

坂本「うむ、ありがとう。」

十分「毎回やるたびにきちんと受け止められるかどうか冷や冷やしますよ・・・心臓に悪いです・・・。」

坂本「だが、お前は受け止めてくれただろう?」ニコッ

十分(敵わないな・・・。)ボソッ




同志《ザザッ・・・素晴らしいぞ、同志諸君!!》

十分《こちらチャーリー・・・じゃなかった、チャリア・・・任務完了、帰投します。》

キ84《ディータより司令部へ。作戦完了、帰投する。》

同志《了解、今夜はお祝いだな。酒盛りだ!!ウラー!》

キ84《あんたと俺と、どっちが先に潰れるか試してみるか?》

同志《おお、それは興味深いな。マスコフスカヤを用意させておこう。》

シャーリー《面白そうだな!私も仲間に入れてくれよ。》

同志《良いだろう・・・今夜が楽しみだ。異論は無いな?》

キ84《ああ!負けねえぞ!!》

ミーナ《ザザッ・・・こちら司令部、あまり飲みすぎないようにしてね・・・。》

同志《ゴホッゴホッ・・・あ、申し訳ありません同志ヴィルケ中佐。電波が悪くて・・・聞こえませんね。》

キ84・シャーリー《ん?何か言ったか?》

ミーナ《はあ・・・。》


十分「ね?止めましょうよ、ね?」

坂本「いいや、私はやるぞ!私だって酒の強さには自信がある。何も覚えていないのだからな!はっはっは!」

十分「・・・。」





―その晩、フミカネブルグの501基地は大騒ぎだった。

誰もがこの戦闘団ならやっていけると思った。絶対に負ける事は無いであろうと思った。

…こう書くと、あたかもフミカネブルグの戦闘団は壊滅してしまったような印象を与えるだろう。

しかし、実際に終戦まで501統合戦闘団は一度も崩壊しなかったのであった。

―整備班長、ガルデルマン氏の手記による
最終更新:2013年03月30日 23:26