戦闘終了後
ミーナ「俺軍曹の資料をもう一度探りたい?なんでまた」
坂本「ああ、実はな……」
―――
ミーナ「なるほど。そんな事が」
坂本「ああ。ネウロイを憎むにしても、あれは少々以上だ。確認をとりたい」
ミーナ「そうね……このままじゃ軍曹をちゃんとした戦力として数えづらいし……許可します」
坂本「感謝する」
―――
坂本「これは……」
ミーナ「両親をネウロイに……それで……」
坂本「なんて間抜けだ。こんなことを見落としていたとは」
ミーナ「前の隊では単独だったから良かったものの……」
坂本「ウチでは暴走なんて冗談じゃないぞ」
ミーナ「どうするの?」
坂本「……うーむ。ん?」
ガタガタッ
『ちょ、押すなって!』
『でも聞こえないよー』
『わ、わーわー!だめー!』
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/26(日) 08:35:32.01 ID:GgpJ6CQw0
坂本「誰だ!」
『やばい、見つかった!逃げろ!』
『あ、まってくださいー!』
『な、なんで私まで……』
バタバタバタ……
坂本「全くあいつら……!」
ミーナ「仕方ないわ。隠していてもいずれ分かることだもの……」
坂本「……うむ。で、どうするんだ?ミーナ」
ミーナ「……俺軍曹は暫く監察処分。その後無理だと判断したら、残念ですが我が隊の戦線には参加させることはできません」
坂本「……了解」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/26(日) 08:37:22.85 ID:GgpJ6CQw0
俺「ん……」
友「よぉ。目覚めたか」
俺「友……。ッ!戦闘は!?」
友「もう終わったよ……ウチの勝ちだ」
俺「……そう、か……」
友「……怒らないのか?」
俺「……友が止めたんだ。訳があったんだろう?」
友「……すまねぇ」
俺「こら友。いつも俺に言うじゃないか。そうじゃないだろ?」
友「……ハッ、そうだったな。……ありがとよ」
俺「……ははっ」
友「クククッ……」
俺「友、その笑いかた悪役っぽいぞ」
友「テメーにゃ言われたかねーよブァッカ」
バターン
宮藤「俺さん!」
俺「宮藤軍曹」
宮藤「俺さん、あの……!」
俺「先ほどはお見苦しいものをお見せして申し訳ありませんでした」ペコ
宮藤「あ、いえそんな……」
俺「それで、なにかあったんですか?慌てていたようですが」
宮藤「あ、その……ちょっとお話が……」チラッ
友「ン……おい俺。オレちょっと外すわ」ガタッ
俺「ああ……」
バタン
俺「それで、話とは?」
宮藤「はい……あの……」
俺「……」
宮藤「俺さんのご両親がネウロイのせいで亡くなったって本当ですか……?」
俺「……どこでそれを?」
宮藤「すみません、坂本さん達が話しているのを……」
俺「そうですか……」
宮藤「それで、その……俺さんはその復讐のために、戦っているんですか?」
俺「……」
宮藤「そんなの……そんなの良くないです!きっと、俺さんのご両親だって、そんな事は望んでないはずです!」
俺「……望んでいない」
宮藤「そうです!きっと、きっと俺さんのご両親は……!」
俺「ありがとうございます。宮藤軍曹」
宮藤「……え?」
俺「両親は俺に復讐なんか望んでいない……多分、宮藤軍曹のおっしゃる通りでしょう」
宮藤「俺さん……」
俺「大丈夫ですよ、宮藤軍曹。俺は、両親の復讐なんかに囚われたりはしません」
宮藤「ほんとう……ですか?」
俺「ええ。心配してくださって、ありがとうございます」
宮藤「そんな……私、なんだかいてもたってもいられないくて失礼なこと……」
俺「いえ、宮藤軍曹のおっしゃる通りです。俺の両親は、俺に『復讐してほしい』だなんて望まない。望むはずがない」ザワッ
宮藤「俺……さん……?」
俺「だから、心配してくださらなくても大丈夫ですよ」
宮藤「そう、ですか……」
宮藤(気のせいかな……今俺さん……凄い恐い顔したような……)
俺「どうしました?」
宮藤(気のせい、だよね)
宮藤「い、いえなんでもないんです。それじゃその、私そろそろ行きますね」
俺「そうですか。わざわざ来ていただいて申し訳ありません」
宮藤「いえそんな!私こそ俺さんの気持ちも考えず押しかけていきなり勝手なこと言っちゃって……」
俺「いえ、心配してくださってありがたかったです」
宮藤「そう言っていただけると……。では私はこれで」
俺「はい」
ガチャ
宮藤「それでは失礼します」ぺこっ
友「おう」
バタン
友「……」
俺「いい人だな。宮藤軍曹は」
友「……」
俺「両親の復讐なんか止めろと言われたよ」
友「……そうか」
俺「ハハハッ!しかし、両親の復讐か!考えてもみなかった!どうだ友!?傍から見て俺はそんなことするように見えてたか!?」
友「……おい」
俺「フフッ、ハハハハッ!両親の復讐か!まさかだよな!この俺が……!」
友「おい!」
俺「……」
友「強く握りすぎだ。血が出てる」
俺「ああ……」
友「落ち着け」
俺「……すまない」
俺(……俺がネウロイ共を憎むのは、そんな事じゃない……)
俺(俺があいつらを憎むのは、許せないのは……)
友「今は休め……」
俺「……ああ、そうさてもらうよ」
?『―――っねーなぁ!ぶ―――のか!?』
?『ちょ―――!―――じゃな――!』
??『『――――――』』
俺「ッ……!」ガバッ
俺「ふっ……!はぁっ……!……クソッ!」バンッ
俺「……」
俺「友は……戻ったのか」
俺「随分寝てたんだな……もう真っ暗だ……」
俺「……」
俺「……少し、風にでも当たるか」
俺「ふぅ……」
俺「……皆に、迷惑をかけたな。情けない」
俺「……ん?あれは」
サーニャ「~~~♪」
俺「サーニャ中尉……」
サーニャ「~~~♪」
俺「綺麗な、声だな……」
サーニャ「~~~♪」
俺(なんか……)
サーニャ「~~~♪」
俺(落ち着くな……)
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/26(日) 14:56:21.24 ID:GgpJ6CQw0
サーニャ「……ふぅ」
俺「こんばんは。サーニャ中尉」
サーニャ「ひゃっ!」ビクッ
グラッ
俺「危ない!」ガシッ
サーニャ「あ……」
俺「大丈夫でありますか?中尉どの」
サーニャ「俺……さん?」
俺「はい。俺軍曹であります」
サーニャ「い、いつから?」
俺「中尉どのが歌っていらっしゃる辺りからです」
サーニャ「え、ええー!?」
俺「な、なにか問題があったでしょうか?」
サーニャ「あ、う、そ、そういうわけじゃ……」
俺「そうですか。しかし中尉どのは歌がお上手なのですね。自分はあまり音楽など分かりませんが、なんといいますか……とても柔らかで、包まれるような歌でした」
サーニャ「そ、そんな大したものでは……」
俺「いえ。大したものでした。自分は無骨者ですが、中尉どのの歌は素晴らしいと思います」
サーニャ「あ……」
俺「?」
サーニャ「ありがとう……ございます……」ぽしょぽしょ
俺「お礼をいうのはこちらです。おかげで元気になれました」ニコッ
サーニャ「あ……」ポーッ
サーニャ(はっ!)ぎゅー
サーニャ「あの、そろそろ放していただけると……」
俺「あ、こ、これは失礼しました……」パッ
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/26(日) 14:58:11.33 ID:GgpJ6CQw0
サーニャ「俺さんは、どうしてここに……?」
俺「少し、風に当たろうかと思いまして……」
サーニャ「そうですか……」
俺「はい……」
サーニャ「……」
俺「……」
ザアァァァ……
サーニャ「あの……」
俺「はい。なんでありましょう中尉どの」
サーニャ「軍曹は……どうしてあんなにネウロイを憎むんですか……?」
俺「それは……」ザワッ……
サーニャ「ひっ……!」
俺「あ、す、すみませんサーニャ中尉!驚かせるつもりでは……!申し訳ありません!」ペコペコ
サーニャ「あ……」
俺「本当に、申し訳ありません……」しゅん……
サーニャ(……なんだか俺軍曹って)
俺「……」しゅーん……
サーニャ(大きな、犬みたい……)クスクス
俺「中尉どの……?」
サーニャ「ちょっと、屈んでもらえますか?」
俺「は、はぁ」(ビンタだろうか……)ビクビク
そっ……
俺「え……」
サーニャ「大丈夫ですよ」なでなで
俺「あ、あの……」
サーニャ「少し驚いただけですから。そんなにしょんぼりしないで下さい」なでなで
俺「……はい」
サーニャ「ふふふっ」なでなで
なでなで
俺「あの、サーニャ中尉……」
サーニャ「はい?」なでなで
俺「そろそろ、終わりにしていただけると助かるのですが……」
サーニャ「あ、ご、ごめんなさい!その、軍曹の髪が柔らかくて気持ちよくって……ってそうじゃなくて!」
俺「は、はぁ……。友にはいつも爆発頭とからかわれるのですが……」
サーニャ「そ、そんなことないですよ。ふわふわでとっても気持ちいいです!」
俺「はぁ……」
サーニャ「あ……。ごめんなさい、私また……」わたわた
俺「いえ、少々照れくさくはありますが、嬉しかったです」
サーニャ「うぅ……」
俺「どうしました?」
サーニャ「俺さんといると、なんだかペースが乱されっぱなしです……」
俺「も、申し訳ありません……」しゅん……
サーニャ「あ、ウソですウソ!そんなことありません!」
俺「え……本当ですか」ぱぁっ
サーニャ「はい!」
俺「良かった……」
サーニャ「……」
俺「どうしました?サーニャ中尉?」
サーニャ「ふふっ、あはは!俺さんそんなにおっきいのに子供みたいで……あははは!」
俺「……お恥ずかしい」
サーニャ「あはははっ!」
俺「……サーニャ中尉もそうやって笑うのですね」
サーニャ「へ?」
俺「いえ、いつもの中尉と違い少々新鮮でしたので」
サーニャ「あ……」カァァ
俺「なんというか、可愛らしかったです」
サーニャ「え、あ、う……そ、そうだ!もうそろそろ戻らないと!」
俺「そうですね。では一緒に戻りましょう」
サーニャ「え、う、は、はい」
俺「ではお乗りください」しゃがみ
サーニャ「へ?」
俺「ですから背中に」
サーニャ「え、ええ!?なんでですか!?」
俺「へ?あ、しまった。ルッキーニ少尉の時のクセで……」
サーニャ「も、もう!私そんなに子供じゃありません!」ぷりぷり
俺「す、すみません。つい……」
サーニャ「まったくもう……あれ?」ガッ
サーニャ「わひゃ!?」
ズデーン!
俺「だ、大丈夫ですか!?サーニャ中尉!」
サーニャ「だ、だいじょうぶ、です。……よいしょ」
ズキッ
サーニャ「いたっ!」
俺「もしかして足を捻ったんじゃ……!」
サーニャ「だ、大丈夫ですよ。これぐらいなら……」
俺「駄目です」
サーニャ「え、でも……」
俺「駄 目 で す」ズーン
サーニャ「……ハイ」
最終更新:2013年01月28日 13:14