ルッキーニ「では、よーい……はじめ!」
俺「ターゲット捕獲!」ザシャアァアッ
俺「ぬぅっ、流石大尉どの!速い!しかしまだ……!」
シャーリー「まだまだ!砂浜の地形を活かして砂爆弾で視覚を奪うかく乱作戦!!」
俺「なんのっ!ゴーグル装着、視界回復50%、追撃開始!!」
ドーン ドーン ズガガガガ…
俺「ふぅ…いい汗をかきました。楽しかったですね、大尉」
シャーリー「なんか……なんか違う……」ぜぇぜぇ
シャーリー「あー疲れた!」どさっ
俺「お疲れ様です」
シャーリー「……」
俺「……」
ザザーン……
シャーリー「……結局、最後まで脱がなかったな。そのシャツ」
俺「あ、いやこれは、その……」
シャーリー「いいさ。……悪いな。海、嫌いだったか?」
俺「そんな事はありません」
シャーリー「……ほんとか?」
俺「大尉に嘘などつきません」
シャーリー「……そっか」
俺「はい。……今日は誘っていただいてありがとうございました。……楽しかったです」
シャーリー「……へへ!いいってことさ!」
俺「……ははっ」
シャーリー「へへー」
ザザーン
俺「……」
シャーリー「……なぁ」
俺「なんでしょう?」
シャーリー「なんでシャツ脱がなかったか、聞いていいか?」
俺「……それは」
シャーリー「あのタトゥーのせいか?」
俺「っ!何処でそれを!?」
シャーリー「今朝お前の部屋で。ごめんな。チラっと見えちまった」
俺「あの時……」
シャーリー「……そんな気にすること、ないんじゃないか?確かにちょっと意外だったけど……」
俺「……どんな、タトゥーかも……見ましたか?」
シャーリー「ん、いやチラっとだったしそこまでは……」
俺「そうですか……」
シャーリー「……」
俺「……その、実は……少々見苦しいものでありまして……ルッキーニ少尉の影響にも悪いと思ったもので……」
シャーリー「……そうなのか」
俺「はい……。申し訳ありません」
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/27(月) 23:47:16.97 ID:fmpXDbYP0
シャーリー「ばか、謝るなよ。今のは私の方が悪かった。ごめんな」
俺「いえそんな……」
シャーリー「しかしやっぱりそういう理由だったのか。もしそうじゃなかったらその傷かなーって思ってた」
俺「傷……」
シャーリー「もしそっちだったら何隠してんだー!って言うつもりだったんだけど」
俺「は、はぁ……何故ですか?」
シャーリー「だってそれは戦場でついた傷だろ?俺がみんなを護ろうとしてついた傷だ。隠す必要なんてない。恥じる必要なんか絶対ない。だからだよ」
俺「……俺の傷は、そんなに立派なもんじゃ……」
シャーリー「戦場でついたんじゃないのか?」
俺「いやそれは……」
シャーリー「ならやっぱり、恥じる必要なんかないよ。経緯なんか関係ない。お前の傷は、立派な傷だ。闘おうとした勇気の証だ。胸を張って、誇ってあげなよ」
俺「大尉……」
シャーリー「私は、好きだな。お前の傷……」そっ
俺「あ……」
シャーリー「……」なでなで
345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/27(月) 23:48:28.84 ID:fmpXDbYP0
俺(何故だろう)
俺(痛みには、強いはずだった)
俺(悲しみには、慣れたはずだった)
俺(なのに何故、俺は)
俺(泣いているのだろうか……)
ルッキーニ「あー!」
シャーリー「うわっ!ルッキーニ!驚かすな!」
ルッキーニ「シャーリーが
大魔神泣かしたー!」
シャーリー「へ?いやこれはその……」
ルッキーニ「大魔神いじめちゃダメー!」
ドン!
シャーリー「うわわっ!」
ルッキーニ「だいじょーぶ?大魔神。どっか痛い?」
俺「いえ、その……別に痛くは……」
ルッキーニ「そうなの?じゃなんで泣いてるの?」
俺「これはその……潮風が目に沁みて……」
ルッキーニ「えー?もー大魔神弱虫だなー!」
俺「申し訳ありません……」
ルッキーニ「しょうがないなー。……ん!でもだいじょうぶ!あたしが守ったげるよ」
俺「え?」
ルッキーニ「これからは俺が泣くような理由から、私が守ってあげる。だからもう泣いちゃダメだよ?」
俺「……」
ルッキーニ「わかったー?」
俺「……了解しました。少尉どの」
ルッキーニ「よーし!」
シャーリー「……で?私に何か言うことは……?」ぽたっぽたっ
ルッキーニ「うわーどしたのシャーリーずぶ濡れで」
シャーリー「お・ま・え・の・せ・い・だ!」グリグリ
ルッキーニ「にゃー!」
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/28(火) 07:48:20.76 ID:dnqCaKIg0
シャーリー「まったく……。ほら、もう支度しろ。そろそろ帰るぞ」
ルッキーニ「えーもう?」
シャーリー「充分遊んだろ?まだ何かしたいのか?」
ルッキーニ「うう~……」
俺「少尉」
ルッキーニ「んぅ?」
俺「また来ましょう。今度は、皆で一緒に」
ルッキーニ「みんなで……?」
俺「はい」
ルッキーニ「大魔神も?」
俺「よろしければ是非」
ルッキーニ「……うん!」
シャーリー「よーし帰るぞー」
ルッキーニ「あ、まってまってー」
シャーリー「ん?どしたー?」
ルッキーニ「えっとねー、シャーリーはこっち!」ぎゅっ
シャーリー「おお?」
ルッキーニ「で、大魔神はこっち!」ぎゅっ
俺「おっとっと……」
ルッキーニ「へへ~!」
シャーリー「どうしたんだ?急に手なんか繋いで」
ルッキーニ「なんかねー、こうして二人の間にぶら下がってると落ち着くんだー」ぶらーん
シャーリー「なんじゃそりゃ」
ルッキーニ「んーなんかねー。ほっとするっていうかー、あったかいっていうかー」
シャーリー「……そっか」
ルッキーニ「うん!」
シャーリー「また来ような」
ルッキーニ「うん!」
俺「楽しみですね」
シャーリー「ああ。……よーし、帰るぞー!」
ルッキーニ「おー!」
翌日
俺「……っふぅ。ノルマ終了だ」
俺「ん?あれは……」
ハルトマン「んあー」
俺「こんにちは。ハルトマン中尉」
ハルトマン「ん、あれー軍曹?どうしたのこんなとこで」
俺「今日の分の自主トレーニングを終わらせていました。中尉どのはここでなにを?」
ハルトマン「私はお昼寝。ここ風がきもちーんだ。……しかし軍曹は真面目だねー」
俺「そうでしょうか?」
ハルトマン「そうだよー。私なんかどうやって訓練やりすごそうかとか考えてるもん。自主トレなんかとてもとても」
俺「はぁ」
ハルトマン「軍曹は偉いんだね。でもさ、疲れない?その生き方」
俺「……よく分かりません。俺は、これしか生き方を知らないので……」
ハルトマン「ふーん」
俺「それに……」
ハルトマン「ん?」
俺「友と、自分で作り上げた俺ですから。結構、気に入っているんです」
ハルトマン「……」
俺「変、でしょうか?」
ハルトマン「ううん。私も好きだな。そういうの」
俺「……ありがとうございます」
ハルトマン「……へへっ」
ハルトマン「そうだ。軍曹も一緒にお昼寝しない?」
俺「え?俺もですか?」
ハルトマン「うん。訓練で疲れたでしょ?ここホントにきもちーんだよ」
俺「は、はぁ……でも、いいのかな……」
ハルトマン「いーのいーの。ほらほら」パンパン
俺「では、失礼して……」ゴロン
ハルトマン「どーぞー」
サアァァァ……
俺「……風が気持ちいいですね」
ハルトマン「でしょー?」
俺「……」
ハルトマン「……」
俺「……植物の匂いもしますね」
ハルトマン「んー?……軍曹って意外とロマンチックだねー」
俺「え、そ、そうでしょうか?」
ハルトマン「あはは!でもいいと思うよ。そういうのも」
俺「……こうして外で寝転がるなんて、あまり経験したことがないもので……」
ハルトマン「へー。でもいいもんでしょ?たまにはさ」
俺「はい。いいものです」
サアァァァ……
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/28(火) 18:15:19.47 ID:dnqCaKIg0
ハルトマン「あたた……」
俺「どうしました?」
ハルトマン「ちょっと変な体勢だったから首痛くなっちゃったよ。枕持ってくればよかった……」
俺「さ、流石にそれは……」
ハルトマン「ん!そうだ軍曹!」
俺「なんでしょうか」
ハルトマン「ちょっと起きて起きて!」
俺「え?は、はい」むくっ
ハルトマン「でー、足はこうね」
俺「はい」
ハルトマン「軍曹枕かんせー!」ごろん
俺「うわっ!ちゅ、中尉!?」
ハルトマン「うおーちょっと硬いけど……なかなか悪くないね」
俺「ちゅ、中尉……これは……」
ハルトマン「ん?いや?」
俺「い、いえ。そういうことではなく……」
ハルトマン「よいでわないかよいでわないかー」ぐりぐり
俺「ちゅ、中尉!くすぐったいです!中尉!」
ハルトマン「わははははー」ぐりぐりぐり
俺「い、痛くないですか?」
ハルトマン「んー?だいじょぶだいじょぶ。快適かいてきー」
俺「はぁ……」
ハルトマン「んー、軍曹はホントにおっきいねー」
俺「はは……よく言われます」
ハルトマン「なんか大きい木の根元で寝てるみたい」くすくす
俺「はは……」
ハルトマン「……なんか安心するなー」
俺「恐縮です」
ハルトマン「……」
俺「……」
ハルトマン「よし!交代!」むくっ
俺「え?」
ハルトマン「次は私がやったげるよ。ほらほら」お膝をぱんぱん
俺「え、いやそれは!」
ハルトマン「とりゃー!」
俺「うわわっ!」
ハルトマン「どおー?」
俺「あ、はい……その……」
ハルトマン「んー?」
俺「とても……その、気持ちいいです……」
ハルトマン「そかそかー」にひっ
俺「うう……」
ハルトマン「眠くなったら寝ちゃってもいいよー」
俺「は、はい……」
ハルトマン「ほら、目とじてー」」
俺「え……」
ハルトマン「ほらとじてー」
俺「は、はい」とじり
ハルトマン「……」
俺「……」
サアァァァ……
ハルトマン「……きもちーね」
俺「……」
ハルトマン「軍曹?」
俺「……スー」
ハルトマン「ありゃ。ホントに寝ちゃったか」
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「……疲れてたんだねー」
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「よしよし」なでなで
俺「……ん……スー……」
ハルトマン「……かわいー」くすくす
なでなで
俺「……んー……」
ハルトマン(いつもちょっと恐く見えてたけど……)
ハルトマン(寝てると子供っぽくなるなー)
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「でもやっぱり凄い傷……」
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「どうやったらこんなに傷だらけになるんだろ……」
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「……」そっ
さわさわ……
ハルトマン(傷痕って、ツルツルしてるんだ……)さわさわ
ぷにっ
ハルトマン「うわっ」
ハルトマン(ぐ、軍曹のくちびる触っちゃった……)
ハルトマン「……」
ハルトマン(や、やらかいな……軍曹のくちびる……)ぷにぷに
ハルトマン(軍曹の……くちびる……)
ぐぐっ……
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/28(火) 19:18:50.94 ID:dnqCaKIg0
俺「うぅ……ん……」
ハルトマン「はっ!」
ハルトマン(わ、私いま何を……)
ハルトマン(ち、違うー!今のは違うの!なんかしらないけど引力が……!)ぶんぶん
俺「ぐ……うぅ……あ……!」
ハルトマン「……軍曹?」
俺「うがぁ……!くぅ……」
ハルトマン「……うなされてるの?」
俺「ぎ……ぐ……」
ハルトマン「……」
そっ
俺「あ……」
ハルトマン「……よしよし」なでなで
俺「あ……ぅ……」
ハルトマン「大丈夫。大丈夫だよ」なでなで
俺「……」
ハルトマン「大丈夫……」なでなで
俺「……すー……」
ハルトマン「落ち着いた、かな」
俺「……スー……スー……」
ハルトマン「……凄いうなされ方だったな」
俺「スー……」
ハルトマン「どんな夢見てるんだい?軍曹……」なでなで
最終更新:2013年01月28日 13:15