俺「よかった……」
ペリーヌ「なにがよかったんですの?」
俺「クロステルマン中尉。その、あの男の子、最後に元気になっていたようなので」
ペリーヌ「……お人好しですわね」
俺「え?なにがですか?」
ペリーヌ「なんでもありませんわ。それより傷は大丈夫ですの?」
俺「はい。問題ありません中尉どの。もともと大した傷ではありませんので」
ペリーヌ「そうですの……」
俺「はい。……しかし嬉しいものなのですね」
ペリーヌ「あれ?」
俺「クロステルマン中尉が俺のために泣いてくださったことです。自分を心配して、泣いてくれる人がいる。それがこんなに嬉しいものだとは……。心配してくださって、ありがとうございました」
ペリーヌ「べ、別に泣いてなんかいませんわ!ぜんっぜん泣いてません!」
俺「え?でも……」
ペリーヌ「泣いてないったら泣いてないんです!み、見間違いじゃありませんこと!?」
俺「いえ、確かに……」
ペリーヌ「な、泣いてません!……な、泣いてないっていってるじゃありませんの……」じわっ
俺「はい!泣いておりません!自分の見間違えでした!お許しください中尉どの!」
ペリーヌ「……ん。許してさしあげます……」ぐしゅ
俺「感謝いたします!中尉どの!」
ペリーヌ「おほん。……でも軍曹は本当に丈夫な方ですのね。あれだけ重いものがぶつかっても大丈夫だなんて」
俺「それだけが取り得です」
ペリーヌ「そんなことありませんわ」
俺「え?」
ペリーヌ「あの時の軍曹、とっても素敵でしたわ」
俺「……ええ!?」
ペリーヌ「さ、さ!そ、そろそろ戻らないと!」くるっ
俺「え、ちょ、待ってくださいクロステルマン中尉!今なんて……!」
ペリーヌ「も、もう!そういうの聞きなおすのはマナー違反ですわよ!それに!」くるっ
俺「は、はい」
ペリーヌ「クロステルマン中尉ではなく、ペリーヌとお呼びくださいな」ぴっ
俺「え、あ、はい……ペリーヌ中尉」
ペリーヌ「……うん!それじゃ、戻りましょう?」
俺「あ、ちょ、ペリーヌ中尉!」
ペリーヌ「うふふっ」
俺「ふぅ……今日はいろいろあったな……さっさと部屋に戻るか」
俺「ん?あれは整備の人達……なにか言ってるな……」
俺「に……げ……ろ……。逃げろ?」
ポン
俺「ん?ああ友」
友「よ、お帰り」
俺「ああ、ただいま」
友「聞いたぜ。大変だったらしいな」
俺「ん?ああ別に大したことはないさ」
友「でも怪我もしたらしいじゃないか。……心配、したんだぜ?」
俺「友……。いや、大丈夫だよ。大した傷じゃない」
友「そうか……まぁオレとしちゃお前が無事ならそれでいいんだ」
俺「友……ありがとう」
友「いいさ。……で、頼んでいたパーツは?」
俺「……あ゛」
友「大変だったらしいねェ~さっきまで。さぁこれからとどっちが大変かなぁ?」ギギギギ……
俺「いや違うんだ友!これには訳がだな……!」
友「うぅるせぇーーー!!黙って首だせやゴラァーーー!!」
――――――――
リーネ「あれ?どうしたんですかペリーヌさん。機嫌良さそうですけど」
ペリーヌ「え、そ、そうかしら?……まぁ少し、ね。うふふっ」
――――――――
友「このこの!テンメー!ナメんじゃ!ねぇ!!」ガスガスガスガス
俺「ギブ!ギブだ友!謝る!謝るから!勘弁してください!」
サーニャ「それでね、俺さんって意外と……」
エイラ「……」
サーニャ「エイラ?」
エイラ「さ、最近サーニャは軍曹の話ばっかダナ」
サーニャ「え、そ、そうかな……」
エイラ「アイツそんなにいい奴とは思えないんダガナ……」
サーニャ「そ、そんなことないよ」
エイラ「そーカァ?」
サーニャ「う、うん。がっしりした体格は男らしくて素敵だし、穏やかな性格は安心感が持てるっていうか……。あと、ふとした時に優しいの。それに……」
エイラ「わ、わかッタ。わかッタカラ!もういいヨ、サーニャ!」
サーニャ「そ、そう?」
エイラ(……オノレー。このままじゃいかんゾー)
605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 12:31:26.00 ID:9tDYNEBr0
エイラ「しかし一体どうしタラ……」
エイラ「うーン……」
エイラ「そダ、プレゼント!」
エイラ「前に一緒に散歩した時、サーニャが気に入ってタ花!」
エイラ「アレをプレゼントしヨウ!」
エイラ「そうすレバ……」
サーニャ『え、私のためにわざわざこの花を……?』
エイラ『ウン。サーニャの喜ぶ顔が見たくてサ』
サーニャ『エイラ……そんな、大変だったでしょう……?』
エイラ『いいってコトサ。サーニャのタメだかンナ』
サーニャ『エイラ……』
エイラ『サーニャ……』
エイラ「なーんちってナ!くふふ……」
606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 12:32:43.38 ID:9tDYNEBr0
エイラ「しかしあの花が生えてるトコ、大分厳しいんダヨナ……」
エイラ「見るダケならなんとかなるケド……どうしヨウ……」
エイラ「……そうダ!」ティン
俺「花を、ですか?」
エイラ「アア、サーニャのために取ってきてやりたくてナ。手伝ってくれナイカ?」
俺「……分かりました。いいですよ」
エイラ「サンキウ!」
エイラ(くふふ……しかし直接花を渡すノハ私ダ!)
エイラ(つまり好感度が上がるのも私!)
エイラ(悪いが私とサーニャのタメに利用させてもらうゾ!)
俺「では行きましょうか」
エイラ「オ、オウ!」
エイラ(……ゴメンナー)
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 12:53:43.33 ID:9tDYNEBr0
エイラ「ヒィ……ヒィ……」
俺「大丈夫ですか?ユーティライネン中尉」
エイラ「オ、オウ……へーきダ」
エイラ(や、やっぱりきついナ……水……あ、さっき全部飲んじゃっタンダ……)
ピトッ
エイラ「ひゃあ!ナンダナンダ!?」
俺「水です。疲れたでしょう。飲んでください」
エイラ「え……デモ」
俺「自分はまだまだ大丈夫ですので」
エイラ「ウ……アリガト、ナ……」
俺「いえ」
エイラ(コイツだって、結構疲れてるハズナノニ……)
エイラ(ホントにいい奴なのカモ……)くぴっ
エイラ(……ン?そういやコレってコイツの水ダカラ……)
エイラ(か、間接キスってやつカ!?コレハ……!)
俺「どうしました?ユーティライネン中尉」
エイラ「な、なんでもナイゾ!そ、そろそろ行くカ!」
俺「そうですね」
608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 12:56:10.96 ID:j4lXj6ZI0
おお、きてた
支援
609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 13:06:34.09 ID:9tDYNEBr0
エイラ「ウワ……凄い崖ダナ……」
俺「参ったな……他に道は無いみたいだし……」
エイラ「ソンナ……」
俺「……ユーティライネン中尉。少し失礼します」
ひょい
エイラ「ウワワ!ナンダ!?下ろせヨー!」
俺「じっとしていてください」
エイラ「エ?エ?ナンデ?」おろおろ
俺「跳びます」
エイラ「エ?」
ダダダダ!
エイラ「エー!?」
俺「フッ!」
ダン!
エイラ「あー!あー!」
ザン!
俺「……ふぅ。なんとかなりました。……ユーティライネン中尉?」
エイラ「……ム」
俺「む?」
エイラ「無茶スンナー!」
俺「す、すみません、ユーティライネン中尉……」
610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 13:14:17.73 ID:9tDYNEBr0
エイラ「全ク……」
俺「も、申し訳ありません……」
エイラ「……ップ」
俺「?」
エイラ「アハ、アハハハ!本当に無茶しやがッテ!アハハハハ!」
俺「……すみません」
エイラ「アハハ!モウイイヨ!なんかサーニャがお前のコト気に入ってるノ分かった気がスル!」
俺「は、はぁ」
エイラ「アー笑ッタ笑ッタ……そろそろ進モウカ。俺軍曹」
俺「はい。ユーティライネン中尉」
エイラ「エイラでイイヨ。長いダロ?」
俺「は、はい。エイラ中尉」
エイラ「ヨシ!いこッカ、軍曹!」
611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/09/30(木) 13:20:07.49 ID:ZeltxoJ00
しえん
612 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 13:20:23.79 ID:9tDYNEBr0
エイラ「着イタ……」
俺「あれ、ですか……」
エイラ「ウン……」
ビュオオォォオオ……
俺「随分と危険な所に……。中尉、ここは自分が……」
エイラ「ダメダ」
俺「え?」
エイラ「ここは私が行きタイ。行かせてクレ、軍曹」
俺「しかし……」
エイラ「……頼ムヨ」
俺「……分かりました」
エイラ(ソウダ……ここは私が行かなくチャ……)
エイラ(ここで、ここで頑張れなかったラ……)
エイラ(ムネ張って、サーニャにプレゼントできないモンナ!)
エイラ「ン……!もう、チョット……!」
エイラ「ンー!……アッ」
エイラ「届イタ!」
エイラ「軍曹!見テクレ!届イタ!取れタゾー!」ぶんぶん
俺「やりましたね、中尉!」
ピシッ
エイラ「……エ?」
俺「危ない!」
ガラガラガラ……
エイラ「ウアーーー!!」
俺「クッ……!」
635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:36:42.52 ID:HO773mso0
エイラの悲鳴ってなんか緊迫感無いな
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:37:10.25 ID:9tDYNEBr0
エイラ「ン……」
俺「気が付かれましたか」
エイラ「軍曹……。ハッ!花ハ!?」
俺「大丈夫です。中尉がしっかりと持っていたおかげですね。無事ですよ」
エイラ「良かっタァ……それで、ココハ?」
俺「中尉が花を取った瞬間、足元が崩れてしまったんです。それで……」
エイラ「アンナ高い所カラ……軍曹が助けてくれたノカ?」
俺「たまたま運が良かっただけです」
エイラ「……」
俺「とにかく、ここを登らないといけませんね」
エイラ「登るッテ……この崖をカ?無理ダヨ……」
俺「しかしここでは影になってしまっていて救助隊にも発見されないでしょう。暗くなる前に登らないと」
エイラ「ウン……イタッ」
俺「どうしました?」
エイラ「足ガ……」
俺「……」
エイラ「ゴメン……ゴメンナ……こんなコトに巻き込んじゃっテ……」
俺「……」
エイラ「私のコトはイイカラ、行ってクレ。軍曹だけナラこんな崖だって登りきれるダロ?私のコトは後で人を呼んでくれレバ……」
俺「よいしょ」ひょい
エイラ「うわぁっ!な、なにすんだヨ!」
俺「登ります」
エイラ「な、なに言ってんダヨ!人かついでこの高さの崖登りきれるわけないダロ!?私のコトハ……!」
俺「中尉」
エイラ「ナ、ナンダヨ……」
俺「怒りますよ」ゴオオォォオオッ!
エイラ「……ハィ」コクコク
637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:38:44.69 ID:9tDYNEBr0
俺「はっ……はっ……」
エイラ「……お、重いダロ……?」
俺「問題、ありません、中尉、どの!」
エイラ「……」
エイラ(そんなワケ、ないダロ……)
俺「ふっ……ふっ……」
エイラ(凄い汗ダ……)
エイラ「……ぐ、軍曹」
俺「はい、なん、でしょう、中尉、どの」
フキフキ
俺「あ……」
エイラ「ソノ、汗……凄かったカラ……」
俺「……ありがとうございます。助かりました」
エイラ「ソンナ……私のセイ、ダシ……」
俺「……二人のせい、ですよ」
エイラ「エ……」
俺「行きますよ、中尉。しっかり掴まっていてください」
エイラ「ウン……」ぎゅっ
638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:40:30.75 ID:9tDYNEBr0
俺「はっ……はっ……」
エイラ(スゴイ……モウ半分以上……)
俺「はっ……はっ……ふぅー」
エイラ「ど、どうシタ?」
俺「いえ、少し、喉が渇いて……申し訳ないのですが、水を……飲ませてもらってもよろしいでしょうか?」
エイラ(あ、ソッカ……軍曹両手塞がっちゃってテ……)
エイラ「オ、オウ!任せトケ!」
エイラ(ン?デモこの体勢で水を飲ませるっテ……)
エイラ(も、もしかシテ口移しカ!?)
エイラ「あ、あわわ……口移しナンテ……」
俺「え、いえ、その……普通にボトルを自分の口に持ってきていただければ……」
エイラ「ソ、ソウダヨナ!ゴ、ゴメン、ドウカシテタ……!」
俺「いえ……その、ボトルは腰にぶら下げてありますので……」
エイラ「ア、アア!分かっタ!」
639 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:43:25.89 ID:9tDYNEBr0
エイラ「これダナ……ン?」
エイラ「ぐ、軍曹!お前コレ!」
俺「え?……あ!」
エイラ「足、ケガしてたノカ……!?」
俺「あ、いえ、大したものではありませんので……」
エイラ「バカ……」
俺「……」
エイラ「バカダヨ……お前……」
俺「……」
エイラ「コンナ……ケガマデシテ私助ケテ……」
俺「……」
エイラ「……バカ」
俺「……中尉どのは、その価値があるお方です」
エイラ「……エ?」
俺「中尉どのが傷ついたり、いなくなってしまうと、皆悲しみます」
エイラ「……」
俺「俺も、悲しいです」
エイラ「……バカ」
640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:44:43.78 ID:9tDYNEBr0
エイラ「の、飲めるカ?」
俺「はい。大丈夫です……ンク、ンク、ンク」
エイラ「……」
俺「っぷは……ありがとうございます。では、行きます」
エイラ「ウン。任せるヨ。私のゼンブ、軍曹に預ケル」
俺「承りました!中尉どの!」
エイラ「ウン!」ぎゅう
641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:46:10.36 ID:9tDYNEBr0
エイラ「スゴイ!スゴイぞ軍曹!あとちょっとダ!」
俺「はい!」
エイラ「ガンバレ!ガンバレ軍曹!」
俺「はい!頑張ります!」
エイラ「もうチョット……!」
俺「はっ……!はっ……!はっ……!」
エイラ「トド、ケー!」
俺「おおおーーー!!」
ガシッ!
642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:46:18.32 ID:NvVOV/RbO
大魔人ってホントに良い奴ダナ…
643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:48:20.79 ID:9tDYNEBr0
エイラ「やった……やったゾ軍曹!」
俺「は……い……、頑張り……ました」
エイラ「アア!アア!ありがとう!ありがとうナ!」ぽろっ
エイラ「コンナ……ボロボロになってマデ……本当ニ……」ぽろぽろ
俺「中尉……泣いて、おられるのですか……?」
エイラ「ゴメン……ゴメンナぁ……」ぽろぽろ
ゴソゴソ……
エイラ「……?」
俺「……中尉……これを……」スッ
エイラ「コレハ……」
俺「来る途中……見つけた花です。優しい色が……中尉に似ていると思ったので……」
エイラ「ソンナ……私なんかニ……」
俺「お気に……召しませんでしたか……?」
エイラ「ウウン……そんなことナイ……そんなことナイヨ……!」
俺「……」
エイラ「アリガトウ……凄ク、嬉しい」ニコッ
俺「良かった……やっと……笑って……」グラッ
ぽふっ
エイラ「え?オイ軍曹、軍曹!」
俺「……スー」
エイラ「……寝てんのカ?」
俺「スー……スー……」
エイラ「……今日ダケダカンナー」きゅっ
644 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/09/30(木) 21:54:25.80 ID:9tDYNEBr0
サーニャ「エイラ!」ダキッ
エイラ「サーニャ……」
サーニャ「心配、したんだよ……」
エイラ「ゴメンナ、サーニャ……」
サーニャ「ううん、いいの……エイラが無事なら」
エイラ「……ソウダ、コレ」スッ
サーニャ「これ、あのお花……?」
エイラ「ウン」
サーニャ「ありがとう……これ、エイラが?」
エイラ「ウン、コレハ私ト……」
エイラ「私ト軍曹デ、取ッテキタンダ」
サーニャ「……そっか」
エイラ「ウン」
サーニャ「ありがとう、エイラ。私、エイラのそういう所、大好き」ぎゅっ
エイラ「ア……」
エイラ「私も……私もサーニャが大好きダ!」
―――――――――
友「……」ブシュッ!ブシュッ!
俺「グッ!おっ!と、友……それ沁みるからもっと優しく……」
友「うるせぇ!戦闘でもねーのに外行く度に怪我して戻ってきやがってこのボケ!ちったぁ反省しろタコ!」
俺「す、すまん!反省してる!してるからもっと優しく……!」
ブシュッ!
俺「ぐあぁぁぁぁっ!」
―――――――――
エイラ(アリガトナ。軍曹……)
最終更新:2013年01月28日 13:15