記憶の無い俺2



770 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01:48:32.61 ID:Yh2iYTMF0
俺「 」ボロボロ

宮藤「あ、あの、大丈夫ですか」

俺「 」シクシク

宮藤「あはは……」

宮藤「そ、それにしても俺さん料理上手ですね、このお味噌汁なんてすっごくおいしい!」

俺「ありがとう、昨日は不安だったけど台所に立つと体が勝手に動くんだ、記憶は無いけど料理やってたのは間違いないのかな」

宮藤「記憶、早く戻るといいですね」

俺「それまでは悪いけどお世話になるよ」

宮藤「えへへ、こちらこそ」ニコニコ

ルッキーニ「ピャー!ゴハンダー!ニシュイシー!」バタバタ

774 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01:51:49.78 ID:Yh2iYTMF0
シャーリー「おかわりー!」

俺「はいはい、どうぞー」

シャーリー「うっめ、これめっちゃうっめ」ガツガツ

バルクホルン「行儀が悪いぞリベリアン、子供じゃないんだから落ち着いて食え」モグモグ

バルクホルン「」チラッ

俺「おかわりまだありますからねー」

バルクホルン「……」フイッ

ルッキーニ「俺―!あたしもおかわりー!むしー!」

777 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01:55:40.31 ID:Yh2iYTMF0
俺「はいはい、どうぞどうぞ」

リーネ「あの、俺少佐ごめんなさい、本来なら私達の仕事なのに……」

俺「いいんですよビショップ曹長、坂本少佐に薦められて俺が希望したんですから気にしないで下さい」

リーネ「は、はいっ」///

坂本「しかしすまないな、自分で言い出しておきながら佐官に飯炊きをやらせるというのは存外に気が引ける」

俺「いえ、俺自身何ができるか分からない状態ですから、やれることなら何でもやらせてください」

俺「食う所と寝る所を借りてるんですから、その分はしっかり働きますよ」

坂本「そうか、じゃあ遠慮なく頼むとしようかな」フフ

俺「それに形式上は少佐待遇のようですが、実務に関わることはない身です、あまり皆様も俺に気を遣わないで下さい」」

エーリカ(こりゃ、トゥルーデとは別の意味で頭の堅そうなのが入って来たなぁ)

779 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01:59:29.87 ID:Yh2iYTMF0
――――ベランダ

俺「とは言ったものの……」

俺「洗濯まで任されるとは思ってなかったぞ……」

俺「どうしようこのズボンの山」

ズボ~ンヌ

俺(単純に考えて試されてるって事だよな……多分)

俺「ええい、つっ立ってても始まらんこれは仕事なんだ仕事」

俺「やるぞ!」

780 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:02:05.48 ID:Yh2iYTMF0
俺(しまズボン……)ワッシャワッシャ

俺(ピンクのフリル……)ワッシャワッシャ

俺(黒の長ズボン……)ワッシャワッシャ

俺(水兵用ズボン……)ワシャワシャ

俺(うお、紫のレース……スケスケじゃねえか、皆若いのに誰のだよけしからん)ワッシャワッシャ

バルクホルン「……」

バルクホルン「ふん」スッ

785 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:11:44.63 ID:Yh2iYTMF0
俺(冷静に考えると、女性ばかりの部隊に男が1人って状況)

俺(ハーレムだわーい、なんて感情にはとてもじゃないが浸れない)

俺(俺の迂闊な行動ひとつで今後の立場どころか身柄だってどうなるか分かったもんじゃない)

俺(今朝だってそうだ……気を抜きすぎだ)

俺(俺に今出来るのは己の身を守るために彼女達に迷惑を被らない事、これしかない)

俺(俺はあくまで部外者なんだ)

俺(気を張り詰めろ、俺は彼女達の仲間でもなければ友人でもないんだ……俺は1人なんだ)

786 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:15:57.53 ID:Yh2iYTMF0
――――ある日の昼食後

ジャー、キュッキュ

俺「さて皆の後片付けも終わったし、俺も昼にしようかな」

宮藤「あ、いたいた」

リーネ「俺少佐、今大丈夫ですか?」

俺「はい、どうかしましたか?」

宮藤「俺さんいつも一人でご飯食べてるから、お茶でもご一緒させてもらおうかなって」

リーネ「もしかしてお邪魔でしたか?」

787 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:20:42.33 ID:Yh2iYTMF0
俺「いえ、とんでもない。それじゃあお茶も用意しますからちょっと待って下さいね」カチャカチャ

リーネ「あっ、いいんです私達は自分でやりますから俺少佐もご自分の分をご用意してください」

宮藤「俺さんみんな自分でやっちゃうんだもん、頑張りすぎですよ」

俺「貴女方の手を煩わす訳には参りませんから」

宮藤「ええー、そんなことないですよー」

俺「……そうですか、じゃあ今回はお願いしますね」

788 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:26:11.69 ID:Yh2iYTMF0
――――

俺「いただきます」

宮藤・リーネ「いただきます」

俺「」モグモグ

宮藤・リーネ「」ジー

俺「……あの、俺の顔になにか」

リーネ「俺さんがご飯食べてるとこ、初めて見たからなんか新鮮です」///

宮藤「なんでいつも1人で食べてるんですか?」

リーネ(芳佳ちゃん!直球すぎるよ!)

789 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:37:05.98 ID:Yh2iYTMF0
俺「うーん、俺なりの線引きって所ですかね」

宮藤「線引き?」

俺「まだここに来て1月も経ってないくらい日も浅いですし、皆の信頼を得られてないのに同じ釜の飯を食えるほど俺は図々しくないですよ」

俺「食事は楽しくないといけませんからね、俺が一緒の卓を囲むことで不安や不満を覚える方がいてはいけません」

俺「宮藤軍曹、よろしいですか?」

宮藤「はぁ……」

俺「食事という物はですね誰かに邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあだめなんです」

宮藤「なんか難しいなぁ」

790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日)02:37:50.31 ID:R3pPc7GG0
ゴローちゃんw

791 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:39:19.10 ID:Yh2iYTMF0
リーネ「考えすぎですよ、ご飯は人数が多い方が楽しいですし」

宮藤「リーネちゃんは家族多いもんねー」

俺「家族……か……」

宮藤「501の皆も私達家族みたいなものだしね」

リーネ「うん」

俺(俺は……)

宮藤「だから俺さんも今度から一緒に食べましょうよ」

リーネ「そんな事気にしてる人いませんよ」

俺「あはは、検討させてもらいます」

宮藤「もう、検討じゃだめです!」

792 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:43:04.16 ID:Yh2iYTMF0
リーネ「よかった……俺少佐ってあまりお喋りしないからもっと怖い人かと思ってました」

俺「いやぁどうでしょう、案外記憶が戻ったら鬼のような男かもわかりませんよ」

宮藤「そんなことないですよ、俺さんのお味噌汁すっごく美味しいですもん!」

宮藤「あんなに美味しいお味噌汁作れる人が悪い人なわけありません!」

俺「そうなんですか?」

宮藤「そうなんです!」キリッ

リーネ「あ、あと私達の方が階級ずっと下なんですから、そんなに畏まらないで頂けると……なんか余計に緊張しちゃいます」///

793 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:47:04.57 ID:Yh2iYTMF0
俺(そういえば俺少佐なんだっけ……全然実感ないかどうでもいいと思ってた)

俺(まあ彼女ら自身がそうして欲しいというならその方がいいだろう)

俺「わかった、よろしくお願いします、宮藤さん、リーネさん」

宮藤・リーネ「はいっ」

バルクホルン「ふん、随分気安くなったものだな」

宮藤「バルクホルンさん?」

794 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:49:59.63 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「宮藤、リーネ、気を許しすぎだ」

バルクホルン「少佐もあまり調子に乗らない事だな」スタスタ

俺「……」

宮藤「……」

リーネ「……」

宮藤「き、きっとバルクホルンさんちょっと調子悪いんですよ!」

リーネ「そ、そうですよきっと、たまたま、たまたまですよ!」

俺「はは……」

795 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:54:23.68 ID:Yh2iYTMF0
――――ベランダ

パタパタパタ

俺「よし、今日も洗濯完了」

俺「風にたなびく無数のズボンと仁王立ちの男」

俺「我ながらなんてシュールな光景だろうか」

サーニャ「あの……」

俺「しかし、いい眺めだな」

サーニャ「あの……」

俺「いやいい眺めってのはズボンのことじゃなくて景色のことだからな、うん」

796 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02:58:25.92 ID:Yh2iYTMF0
サーニャ「あの……」

俺「平和だな」

サーニャ「あの……」

俺「こんな平和に見えるのにロマーニャもネウロイの脅威に晒されてるなんてな」

サーニャ「……」グス

俺「飯炊きや雑用以外にも俺に何か出来ることが……」

サーニャ「……」トボトボ

俺(それに、彼女らの信頼を得る為にまだなにかできることがあるはずだ……)

俺(1人でいいと言っても衣食を預かる身だ、信頼関係はある程度必要だろう)

俺(しかしバルクホルン大尉……ああまであからさまに敵意をむき出しにされるのは参るなぁ……)ハァ

797 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:01:57.96 ID:Yh2iYTMF0
エイラ「コラ――――――――――――――――――――――――ッ!!!」

俺「うわあ!!!」

エイラ「オイ!さっきからサーニャが呼んでるのに何シカトこいてんだヨ!」

俺「え?」

サーニャ「……」///

俺「ああ悪い、ごめ……いや、申し訳ありません、ちょっと考え事をしておりまして…ええとリトヴャク中尉とユーティライネン中尉ですね」

エイラ「全ク、サーニャのお誘いを無視するナンテとんでもない奴ダ」

サーニャ「あの、お洗濯終わったみたいだからお茶でも……」

798 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:04:45.53 ID:Yh2iYTMF0
俺「左様でしたか、ありがとうございます、折角ですからお呼ばれさせていただきます」

エイラ「相変わらず堅い奴ダナー……なんだってサーニャはこいつを……」ブツブツ

サーニャ「なにしてるのエイラ、行くよ?」

エイラ「あああ、おいてかないでよサーニャぁぁぁ」

799 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:09:40.47 ID:Yh2iYTMF0
――――ラウンジ

ペリーヌ「わたくしの育てたカモミールティーですわ、ありがたく味わいなさい」

サーニャ「ありがとうペリーヌさん」

エイラ「ツンツンメガネはアレだけどこのハーブティーは美味いんだゾ」

ペリーヌ「アレってどうことですの!あとその呼び方もおやめなさい!」

エイラ「イーっだ」イーッ

俺「へえー、うん、これは結構なお手前で」

ペリーヌ「あ、あら、無骨そうな割に料理だけじゃなくて紅茶も分かるのかしら」

800 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:14:10.57 ID:Yh2iYTMF0
俺「ええ、この林檎を思わせる甘い芳醇な……緩やかに眠りを誘うような優しいフレーバー……」

俺「そして高温の熱湯で煎れた後で若干の時間を置いた事により醸し出された舌に感じるほのかな甘み……」

俺「パーフェクトなカモミールです、フロイライン・クロステルマン」

ペリーヌ「あ、あら、そうかしら。ま、まあわたくしの育てた子ですから美味しくて当然ですわね」////

エイラ「なんだー、柄にもなく照れてやがるゾ」ニヤニヤ

801 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:24:01.82 ID:Yh2iYTMF0
俺「だが欲を言えばだな……これは恐らく88℃近くで長めに抽出してあるのかな?
  まあ確かにカモミールのうまみを引き出すゴールデンルールではあるが、ここはやはりひとつ捻りを加えてもいいだろう。
  シナモンやレモンを用意するの基本としてありきだが、まず茶葉をCTCしてからの方が香りの甘さを引き出すには適当ですね。
  個人的にはジャンピングの際に98℃近くの熱湯で約3分間抽出した後に70℃近くまで蒸らしたものの方が好みではあるが……」

サーニャ「俺さん……なんかすごい」

エイラ(何カ始まったゾ)

俺「そもそもハーブティーというものは……ダージリンに始まり」

クドクド

ペリーヌ「」フンフン

サーニャ「」ボー


802 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:28:10.52 ID:Yh2iYTMF0
――――2時間後

俺「というわけだ、歴史的観点から見たとしても紅茶というものの嗜好性が珈琲と比較したとしても」

エイラ「ちょっと待っタ――――――――――――――――――!!」

俺「?」

エイラ「話・が・長・イ!!」ビシッ

俺「はっ(しまった!つい素が出てしまった)
  も、申し訳ありません!とんだ失礼を!記憶のカケラがつらつらと出てくると思ったらつい……」

ペリーヌ「記憶が無いとはいえ、さすが元料理人と言ったところかしら、中々勉強になりましたわ」

サーニャ「ううん、いいの、俺さんのお話面白かった」ニコッ

エイラ「うぇー、サーニャまで」

803 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:32:05.42 ID:Yh2iYTMF0
俺(迂闊だった、あんなに慣れ慣れしく薀蓄たれて迷惑に思われては元も子もない)

俺「ご、ごちそうさまでした、また機会がありましたら是非お邪魔させていただきます」カチャカチャ

ペリーヌ「あまり文句を付けないで頂けるのなら歓迎いたしますわ」ツン

サーニャ「うん、もっと色んなお話聞きたい、私もいい?ペリーヌさん」

エイラ「サ、サーニャが行くなら私もいないとおかしいダロ!」

ペリーヌ「貴女はお呼びでございませんことよ」

エイラ「こ、こいつうゥゥゥ」

805 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:41:09.72 ID:Yh2iYTMF0
俺「そういえば、リトヴャク中尉はなんで俺を誘ってくれたんですか」

サーニャ「……」

俺「?」

サーニャ「……から」

俺「はい?」

サーニャ「ごはん、いつもおいしいから……」///

俺「ああ、なるほど、ご満足いただけてるようで光栄です」

エイラ「オイお前、サーニャは一人でいる事が多いお前を気遣ってツンツンメガネに紅茶を頼んだんだゾ」

エイラ「もうチョットありがたがったらどうなんダ」プンプン

サーニャ「エイラ……それは内緒だって言ったのに」///

806 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03:42:36.69 ID:Yh2iYTMF0
俺(そうだったのか……)

サーニャ「何も覚えてないのって不安かもしれないけど、ここではみんな家族だから」

サーニャ「1人は寂しいから……」

俺「ありがとう、ございます……」

サーニャ(あと、俺さんがお料理してる姿がお父様がピアノ弾いてる姿に似てたのもあるんだけど……)

サーニャ(これは私だけの秘密)

エイラ(ああ、サーニャなんていい娘なんダロウ……それをコノ間抜けは分かってんノカ)ブツブツ

ペリーヌ「ちょ、ちょっとわたくしにも一言あってもいいんじゃありませんの!」

俺(俺は……一体何をしているんだろう……)


最終更新:2013年01月28日 14:07