記憶の無い俺4



67 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:25:50.16 ID:Yh2iYTMF0
――――夜中

俺「まさかあれからポテト祭りになるとは」

俺「俺の作ったものを気に入ってもらえるのは嬉しいけど、どんだけ食うんだ皆」

俺「甘いものは別腹とは言うがな、あの小柄な娘たちのどこに入っていくというんだ」

俺「おかげでサツマイモの在庫が……」

コンコン

俺(こんな時間に誰だ?)

俺「はーい、いますよー」

ガチャ

バルクホルン「少佐、ちょっといいか」

68 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:30:35.85 ID:Yh2iYTMF0
俺「た、大尉……こんな時間になんの御用向きでしょう……」

バルクホルン「夜分遅くにすまない、その、入ってもいいか?」

俺「あ、ああ、はい、どうぞどうぞ」

バタン

俺「何も無くて恐縮ですけど、あ、座布団をどうぞ」

バルクホルン「あ、ああ、すまない」スッ

俺「……」

バルクホルン「……」

俺「えと、な、なんでしょう?」

バルクホルン「……ぅ」

70 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:35:43.74 ID:Yh2iYTMF0
俺「はい?」

バルクホルン「……あ、ありが、とう」///

俺「???

バルクホルン「今日クリスの見舞いに、あ、クリスというのは私の妹なんだが」

俺「ええ、ミーナ隊長から聞いてます」

バルクホルン「そ、そのクリスの見舞いに行くときにだな、ハルトマンから……その、土産を預かった」

バルクホルン「あ、あのスイートポテトはお前が作ってくれたんだよな」

俺「え?あ、はい、そうですけど、多分」

71 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:40:21.44 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「その、クリスに渡したら……すごく喜んでな」モジモジ

俺(そうか、ハルトマン中尉……そういうことだったのか)

バルクホルン「なんだ、その、あ、あんなに喜んで幸せそうな顔をしたクリスは入院してから初めて見たわけで」モジモジ

俺「いえ、喜んでもらえてなによりです」

俺「俺に出来ることはこのくらいしかありませんから……ですから、できる限りのことは全力でやります」

俺「『食』とは『人』に『良』くすると書いて『食です』、俺は自分の作った者を食べた人が、少しでも幸せを感じてくれる」

俺「そういう事に、今ここにいる意味を……

バルクホルン「すまなかった!!!」ガバッ

俺「おわぁ!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 21:43:43.77 ID:z1BBrjZGO
>>71
俺は天道総司だったんだな…

74 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:46:19.99 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「私は、少佐のことをずっと誤解していたようだ」

俺「ちょ、頭上げてくださいって!」

バルクホルン「誤解というか、そのなんというか、素直に認めることができなかった」

―――――

バルクホルン「私は、祖国の戦いで妹を守れなかった……
        傷ついた妹を見る度に、一度起こった事にやり直しは効かないと私は己の無力さを嘆いた」

バルクホルン「だから少佐が現れた時に、なにか間違いが起きてはいけない、油断してはならん、気を許してはいけないと
        自分を強く持って流されまいと、皆が少佐を受け入れてゆく中で私だけ意地を張って……」

バルクホルン「そう思うように、そう思い込むようにしていた……」

75 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:50:30.86 ID:Yh2iYTMF0
俺「い、いやいや俺自身も自分の事が分からないわけですし、完全に身元の知れない……あ、扶桑からの指令やら何やらは
  あったようですが、まあどっちにせよ元々部外者な訳ですから、そう思われるのは仕方ない訳で」

俺「まして大尉は真面目で責任感の強い方ですから、それを気に病むことなんて全くもって」

バルクホルン「い、いや、そんな事は無い、私はただ自分の意思ということを盾にして意固地になっていただけだ」

俺「いやいや、違いますよ、俺さえいなければ大尉がそんな事で悩む必要もなかった訳で」

バルクホルン「い、いや違う、これは私自身人を見る目が未熟な事で引き起こしただな」

俺「違います違います、俺が」

バルクホルン「いいや私が」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 21:52:58.68 ID:apfjDfEO0
エーリカ「じゃあ私が!」

俺&ゲルト「どうぞどうぞ」

77 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21:55:20.97 ID:Yh2iYTMF0
俺「俺が」

バルクホルン「私が」

俺「おr」

バルクホルン「わt」

俺「……」

バルクホルン「……」

プッ

俺「ふふ、はははは」

バルクホルン「はは、あははははは」

俺「はは、おかしな話ですね」

バルクホルン「あははは、ああ、私たちはこんなつまらないことで意地を張り合っていたのか」

79 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:00:15.32 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「まあ、そんな事を考えていたんだが、今日少佐のスイートポテトを食べて幸せそうにしているクリスを見たら
        自分の器の小ささに嫌気がさしてな」

バルクホルン「クリスにこんな笑顔を、幸せをくれる少佐を私は何故……ああまでして拒絶していたのだろうと」

俺「いえ、もう気にしないで下さい、俺は今こうやって認めてもらえただけで十分です」

バルクホルン「こんな私を、許してくれるか」

俺「許すも何も、俺はお礼を言いたいくらいです」

バルクホルン「すまなかった」

俺「ありがとうございます」

80 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:06:16.50 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「では、今日はこれまでの非礼を詫びると共に501のウィッチとして改めて挨拶をしたい」

スッ

バルクホルン「ゲルトルート・バルクホルンだ、階級は大尉、至らぬ所もあろうが以後もよろしく頼む」

グッ

俺「俺です、階級は少佐のようですが覚えていません」

バルクホルン「」クスッ

俺「基本的に料理しかできませんが以後も隊の食を司るものとして精進致します」

バルクホルン「ふふっ、変わった自己紹介だな」

俺「やっと笑ってくれましたね」

81 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:12:21.12 ID:Yh2iYTMF0
俺「思ったとおりだ、凛々しい大尉も素敵ですがやっぱり笑ってる方がもっと素敵です」

ブッ

バルクホルン「すす、素敵とか、そそ、そういうことを面と向かって恥ずかしげもなくよくも言えたもんだな」///

俺「あれ、もしかして照れてますか?」ニヤニヤ

バルクホルン「~~うるさいっ、こっちを見るな!」

俺「えー、何でですかー、こっち向いてくださいよ」ニヤニヤ

82 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:15:25.40 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「~~~~ッ、やっぱりお前は信用ならん!」

俺「ええー」

バルクホルン「わ、私はもう寝る!帰るからな!」

俺「あはは、はい、おやすみなさい」

バルクホルン「休む!」

ガチャッ

バルクホルン「……ありがとう」

パタン

俺「……」

俺「明日からまたがんばろう」

85 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:20:52.42 ID:Yh2iYTMF0
――――朝

トントントントン シュー

宮藤「……」

リーネ「……」

カチャカチャ カランカラン

ペリーヌ「……」

シャーリー「……」

トントントントン ザクザクッ

エイラ「……」

サーニャ「……」

カッカッ サクサクサク

87 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:22:52.12 ID:Yh2iYTMF0
ルッキーニ「あり、みんなどしたの?」

俺「ん?ああ、皆さんおはようございます、朝ごはんもうすぐできますからちょっと待ってて下さいね」

バルクホルン「少佐、このネギはもう入れていいのか」

俺「いいですよ、お湯が跳ねますから気をつけてくださいね」

バルクホルン「ああ、大丈夫だ」ポチャンポチャン

バルクホルン「どうしたお前ら、こっち見てないで早く座ってろ」

宮藤(絶対おかしいよ、リーネちゃん!)

91 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:26:23.53 ID:Yh2iYTMF0
リーネ(で、でもでもなんかすごく仲良しさんだよ、いい事だよ?)

ペリーヌ(ふ、不自然ですわ、何かがあったとしか……)

シャーリー(仲違いしていた男女が一晩で……ということは、これは……フム)

リーネ(//////)

宮藤(え?なんですか?どういうことですか?教えてくださいよ)

ペリーヌ(お子様豆狸はお静かになさい!)///

宮藤(ひどーい!)

92 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:29:31.03 ID:Yh2iYTMF0
エイラ(私の占いによるとダナ……太陽の正位置、コレハ……)

サーニャ(確か……問題解決と明るい未来)

エイラ(アトハ恋愛、恩恵、達成、成就、満足、信頼、結婚……)

リーネ(け、けけけけけ結婚!結婚だって芳佳ちゃん!)//////

宮藤(え?誰が?)

シャーリー(堅物同士とは思っていたが、はぁー、まさかなー)

ルッキーニ「うじゅ……?」

テクテク

エーリカ「ふぁぁぁぁぁぁあ、おふぁよー」

バルクホルン「ハルトマン!なんて格好だ!」

94 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:33:37.48 ID:Yh2iYTMF0
エーリカ「別に外に行くわけじゃないんだからいいじゃんー」パタパタ

バルクホルン「ズボンは穿け!扇ぐな!外に出ないといったところで俺がいるだろう!!」

エーリカ「いーよぉ、別にー」

リーネ(なな、名前で呼んでますよ!きゃー!)///

シャーリー(これは間違いないな)

ペリーヌ(まま、間違いないって……ふ、ふしだらですわ!)

宮藤(ねえねえ何の話?よくわかんないよ?)

サーニャ( )//////

エイラ(サーニャ!しっかりシロ!サーニャ!)

95 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:38:12.46 ID:Yh2iYTMF0
エーリカ「それよりさ、二人で並んでご飯作ってると夫婦みたいだね」

バルクホルン「んなっ」///

リーネ(きゃー言っちゃったー言っちゃったー!)///

宮藤(あ、言われてみればそうですね)

シャーリー(流石ハルトマン!あたしたちが聞けない事を平然と聞いてのけるッ)

ペリーヌ(そこにシビれますわ、憧れますわ!)

サーニャ( )

エイラ(サーニャ!サーニャ!)

96 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:40:48.79 ID:Yh2iYTMF0
俺「え?何ですって、よく聞こえな」

バルクホルン「聞こえなくていい!!」

バルクホルン「宮藤たちが待ってる、急ぐぞ!!」///

俺「りょ、了解……?」

エーリカ(……ま、こんなもんかね、トゥルーデにしちゃ上出来かな)ニシシ

97 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:45:15.57 ID:Yh2iYTMF0
――――数日後

ミーナ「……ということで本日のブリーフィングは終了します」

ワイワイ ガヤガヤ

ミーナ「あ、そうだ扶桑から俺さんに荷物が届いてるの、何でも彼が以前いた施設での私物らしいわ」

ミーナ「誰か伝えておいれくれない?」

宮藤「あ、じゃあわた」

バルクホルン「わかった、私が後で伝えておこう」

宮藤「あ、でも」

バルクホルン「気にするな宮藤、少佐の部屋の前を通る用事があるついでだ」

宮藤「はぁ」

エーリカ(そんな用事ないくせに)ニヤニヤ

98 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:46:36.85 ID:Yh2iYTMF0
――――ベランダ

パタパタパタ

俺「ふぅ、今日も洗濯日和だ」

俺「しかしいつになってもズボンを干す作業には若干抵抗があるな」

ビュウゥゥゥゥ

俺「っと、しまった!1枚飛ばされた!」

タタタタタ ザッ

俺「破ァッ!」

パシッ ズザー

俺「危ない危ない、この水色は大尉のズボンか」ビローン

俺「改めて見るとすごいローレグだな、これで空飛んでるんだから恐れ入る」

バルクホルン「俺、ここにいたのか?」

俺「あ、大……尉」ビクーン

99 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:48:19.43 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「部屋にいないから探したぞ」スタスタ

俺「あ、これは、その……」

バルクホルン「?、どうした、私のズボンに何かついてるのか?」

俺「へ?いや、風で飛ばされたからこう、パッと」

バルクホルン「そうかありがとう、この基地の周りは海だからな、飛んでいってしまったら回収できなくて困る」

バルクホルン「そうそう、俺に扶桑から荷物が届いてるぞ。部屋の前に置いておくから確認しておいてくれ」

俺「あ、ああ、了解」

100 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:51:45.64 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン「では私は訓練があるから行く」

俺「はい、いってらっしゃい」

バルクホルン「……そうだ、今日の夕飯は何にするんだ?」

俺「ええと、ノイエ・カールスラントから芋の補給が届いたので芋づくしにでもしようかと」

バルクホルン「わかった、仕込みの手伝いには間に合うようにするから待っていてくれ」

俺(怒られるかと思った……)

俺「荷物か、何か記憶の手がかりになるものがあればいいけど」

101 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:54:11.29 ID:Yh2iYTMF0
――――俺自室

俺「……」

俺「え?こんだけ?ダンボール一個分しかないの?」

俺「それともアレか、機密なんたらでほとんど私物を処分されたとかそういうやつか」

バリバリ

俺「これは……服、扶桑の軍服が数着と、階級章」

俺「もう一個なんかある、なんだこれ……階級章じゃない、十字架に桜の花?」

俺「なんだろう、勲章かな?まあ興味ないや」ポイス

俺「これだけか……記憶に関することはこれじゃなにもわからないな」

俺「とりあえず着替えよう、今まで整備服しか貰ってなかったしな」

102 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:55:40.18 ID:Yh2iYTMF0
――――廊下

俺「なんか、落ち着かないな……」

坂本「おお、俺、どうしたその格好は」

俺「扶桑から届いた荷物に入ってたんです、入ってたというかこれしかなかったというか……」

坂本「はっはっはっは、似合ってるじゃないか、いや元々お前が着ていたものなんだ似合って当然か」

坂本「うむ、やはり扶桑男子たるもの軍服の1着や2着似合わなければ一人前にはなれんな」

俺(初めて聞いた)

坂本「そろそろ夕食の仕込みもあるだろう、そのまま皆にも見せてやるといい」

ハッハッハッハッハ

俺「……この格好でやんの!?」

105 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:57:32.67 ID:Yh2iYTMF0
――――食堂

俺「とりあえず上からエプロンは付けたけど……動きづらいな」クイックイッ

俺「毎日着てればそのうち慣れるか」

タッタッタッタッタ

バルクホルン「っはぁ、はぁ、はぁ、俺、手伝いに……来た……ぞ」

俺「大尉、ありがとうございます、すいませんなんか最近いつも手伝って貰って」

バルクホルン「あ、いや、いいんだ、私なりの贖罪でもあ……というか、その格好」

俺「ええ、例の扶桑から届いた荷物がコレだったんです、似合いますか?」クルッ

バルクホルン(軍服男子にエプロン……そういうのもあるのか!)

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:58:42.37 ID:c56Hkt5BP
やっぱお姉ちゃんはお姉ちゃんだな

108 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22:59:26.56 ID:Yh2iYTMF0
俺「やっぱり変ですかね?」

バルクホルン「そそ、そ、そんな事ないぞ!その、実に軍人然としていて良い、ああ、見違えたようだ」

俺「はは、ありがとうございます」

バルクホルン(な、なんだこの感情は、俺が妙に輝いて見える)ドキドキ

俺「大尉?」

バルクホルン(おお、落ち着け、ちょっと普段と違う格好を見て新鮮なだけだ、そうに違いない)ドキドキ

俺「……大尉?」

109 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 23:01:12.58 ID:Yh2iYTMF0
バルクホルン(だいたい私にはクリスが……いやいや妹を引き合いにだすのはおかしいだろう)

俺「……大尉ー?」ヌッ

バルクホルン「おわあ!なな、顔が近い!」ババッ

俺「す、すいません、大丈夫ですか?なんか熱っぽいような」

バルクホルン「もも、問題ない!さあ、手伝うぞ!」ギュッ

俺(……?)

バルクホルン(チラッチラッ)ドキドキ

最終更新:2013年01月28日 14:09