~1939年~ カールスラント領内
俺「どーなってんだ…」
昨日までフカフカとは言えないが使い慣れた愛用のベットで寝ていたはずの俺は
気がついたら外の草むらで寝ていた、何が起こったか分からないと思うが
俺も何が起こったか分からねぇ…
俺「ここは町?村?というか若干寒い…」
来ていた服装が冬服だったのが幸いで、ここはずいぶん寒く、冬を感じさせてくれるほどだ
周りの家は木造と石造を合わせたのか何となく時代を感じさせる造りの町並みを思わせる
俺はその町の中、そこそこの数の道行く人達に紛れ途方に暮れて歩いていた
俺「町の人にここ何処だって聞いてもカイザーベルクだなんて言うし…そんな町日本には無いだろう…」
両手両膝を地面についてうな垂れたい気持ちを抑えて現状整理しつつどうしようかと思いながら
少し寒い風に晒されながら町を彷徨っていると泣き声らしき声が聞こえる
俺「…?」
声の出所を探り家々を見渡すと、家と家の間の小さな隙間の入り口に立っている青いワンピースを着た
少女が立って泣いている
俺(う~ん…助けたいのは山々だが今の俺に何か出来るだろうか…いや、話を聞いてから考えよう)
少しだけその様子を伺いながらも、俺は青いワンピースを着た泣いている少女の所まで近づいて
なるべく怪しまれないように話しかける
俺「お譲さん、どうかしましたか?」
少女「う…ぅぅ?」
俺(…やばい、めっちゃ怪しまれてる)
泣き止みはしたが俺の顔と服装を良く分からない物を見る目で少女は見ている
俺「あ、怪しいものじゃないよ!君が泣いていたからどうかしたのかなって思ってさ!お腹でも痛いの?」
少女「ぅ~…ん~ん」ブンブン
少女はまだ俺を疑っているような目をしているが俺の問いに首を横に振って否定する
少女「はぐれたの…」
俺「ありゃ…家族とはぐれたのか…ここで待っててって言われたの?」
俺の問いに少女は再び首を横に振って否定する
俺「なら一緒に探してあげよう、俺の名前は『俺』って言うんだ、君は?」
少女「…クリスティアーネ・バルクホルン」
俺「おぉぅ…横文字…」
6~7歳くらいの青いワンピースを着た少女はフルネームで自分の名前を教えてくれた
◆
俺「何処ではぐれたかは分からないんだよね?」
クリス「うん…」コクン
首を縦に振りながら肯定される
俺(ん~…そうなると警察なんてあれば良いんだけど、何処にあるか分からないしなぁ、ここは地道に行くか)
俺「はぐれたご家族の名前と特徴を教えてくれる?」
クリス「ゲルトルート・バルクホルン 私のお姉ちゃんで髪は後ろで二つ縛ってるの!」
姉の話題になって急に元気に声を上げてクリスは自分の後ろ髪を両手で縛ってどんな形か教えてくれる
俺「げる…?名前がゲルトルートさんか…」
クリス「変?」
俺「いや、変ではないでしょ、俺が言いなれて無いだけだよ」ナデナデ
クリス「んぅ~」
初対面の男に撫でられるクリスはちょっとだけ縮こまりながらも抵抗はしない
俺「早速探そう、といっても手段は単純明快!」
クリス「たんじゅんめいかい?」
俺「簡単って事さ、ゲルトルートさーん居ませんかー!」
昼を過ぎた町中で突然あげられた俺の声にクリスはビックリして耳を塞ぐ
俺「っとビックリさせちゃったか、歩きながらこうやって声を出してればきっと見つかるさ行こうか」
少女の手を取って俺は声を出しながらクリスの歩調に合わせてゆっくりと進みながら町を歩き回った
◆
カールスラント領内カイザーベルク 夕方
俺「ゲルトさーん…ルートさーん…」ハァハァ
クリス「ゲルトルートだよお兄ちゃん」
俺「そ、そうだな…悪い悪い…ちょっと休憩して良いか?」
日が沈みかけ、夕焼けの色に町並みが染まる頃まで叫んでいた俺はクリスが答える前に噴水らしき場所の淵を壁にして座り込む
俺「まさかここまで見つからないとはなぁ…」
クリス「ごめんね…」
俺「いやいや、俺が勝手に手伝ってるんだから君は謝らなくて良いんだよ」グゥ~
クリス「?」
俺「あ~…そういや朝から何も食べてないから腹も減ったなぁ…」
クリス「朝ご飯は食べなきゃダメだよ?」
俺(それはそうなんだけど、日本の通貨でご飯は売ってくれないだろうし…その理由を言ったところで理解は得られないと思い適当に誤魔化すか…)
俺「妖怪・ムイチモンはご飯が食べられないんデスヨ それが普通ナノサ」
クリス「ムイチモンー? それってネウロイより怖いの?」
俺「ネウロイって何?」
クリス「黒くてでっかくてね、人が住んでいる町を壊す悪いやつ!お姉ちゃんが言ってたの!」
俺(何かの童話か何かなのかな?)
俺はクリスの言葉に少しだけ疑問を感じながら、クリスに向けて右手を横に振って否定する
俺「ムイチモンはネウロイみたいに怖い妖怪じゃないよ、ご飯さえ食べられれば幸せな妖怪さ…」
クリス「ふ~ん…じゃあお兄ちゃんちょっと待っててね!」
俺「あ、おいまたはぐれる…ぅ」グゥ~
クリスが走って何処かへ行ってしまうのを俺は空腹になる腹に負けてその場で動けず
少女を見つめるしか無かった
俺「それにしても…」
街中の噴水を壁に座る男というのは日本ではまず職務質問レベルに怪しいが、ここでもどうやら怪しいらしい
複数の通行人がこちらをチラチラと見ながら歩き去ってゆく
唯一こちらを気にしないのは生ごみなのかご飯なのか分からない餌にありつく複数に群がりながら食事中の野良犬くらいだ
俺「どーなっちまうのかなぁ…」
俺はそんな独り言を呟きながらクリスの帰りを地べたに座りながら待っていた
◆
クリス「はい、お兄ちゃん」
俺「戻ってきたか…これは?」
程なくしてクリスは無事に戻ってきて俺の目の前に手を差し出す
その手のひらには白い紙状の物で包まれた多分飴が入っている
クリス「お小遣いで買ってきたの、お兄ちゃん頑張ってくれたから!」
俺「…そっか、ありがとう一個もらうよ」ナデナデ
6~7歳の少女のほうが財布の中身が多い事に若干へこみながらもクリスの優しさに感謝しつつ
有難く飴を頂く
俺「飴食べたら元気でるからまたお姉ちゃん探そうか」モゴモゴ
クリス「うん!」
元気に返答してくれる少女の声に尻を叩かれるように俺はだらしなく地面に座っていた体を起こして少女の手を取る
「クリス!」
俺「ん?」
クリスと手を繋いだ俺はそのまま声の主を探すように背後を振り返る
そこには大層な軍服を上だけ着て下半身は水着なのか下着なのか分からない物を履き
クリスの言ったように後ろ髪を二つでしばり肩で息をした俺より少しだけ小さな少女が立っていた
クリス「お姉ちゃん!」
クリスは姉を見つけると俺の手を離して姉に走りより抱きつく
俺「ゲルトルートさん?よかった、これでこの子も無事に帰れ…」
バルクホルン「貴様ぁ!よくも私の妹を誘拐してくれたな!」
俺の言葉は全く聞こえていないのか会話が成立しないどころか犯罪者扱いされ始める
俺「ちょ、ちょっと待った!?俺はこの子がはぐれたから貴方を探しに…」
バルクホルン「よくもそんな嘘を付けたものだ…!この外道が!」カツカツカツ
息を荒げていたバルクホルンはそのまま俺に近づいて、使い魔の象徴である垂れた犬耳を出現させる
俺「犬耳!?それは反k ぶるぁああああああぁぁぁあああああああああああぁあお!?」
俺の言葉は続かず、ただ悲鳴が宙を舞っている俺から聞こえる
ぁぁ…人間って本当に空を飛べるんだね…あ、2階にいる奥さんと目が合った、こんばんわ奥さん頭上から挨拶失礼しますよ
少女に犬耳は反則だよなぁ、そのインパクトで俺は空を飛んでいるのだろうか?
あ、落ちる…ご飯中の野良犬の群れに落ちるな…おいそこの犬、周りの犬は皆逃げたぞ、お前もずっと見てないで退けr
ドガッシャアアアアアアアアアア
バルクホルンに全力で体を殴られた俺は2階建ての家の高さを悠々と超えるほど飛ばされ、野良犬があさっていたゴミ捨て場らしきものにダイブ
した後も勢いは止まらずごろごろと更に後方まで転げていった
◆
バルクホルン宅一室 夜
俺「んん~…暖かい…」
バルクホルン「起きたか?」
眠りから覚めるように朦朧とした意識を続けようとするがかけられた声と見慣れぬ天井に俺は無理やり意識を覚醒させて当たりを見渡す為に
眠っていたベットから体を起こそうとする
俺「いだだだだだ!?」
バルクホルン「無理はするな体は負傷しているんだ、もっとも私の責任だが…」
俺「貴方は確か…」
バルクホルン「クリスティアーネの姉、ゲルトルート・バルクホルンだ 先ほどはすまない 妹の為に私を探してくれたのに勘違いをしてしまって…」
俺「いや、怪しい奴に見えるのはごもっともだ…ここは?」
「ここは私達の家よ」
バルクホルンの背後から妙齢の女性の声が聞こえる
ゲルト母「私はこの子の母親です、すみませんねこの子が貴方を吹き飛ばしてしまって」ゲルトオオオオオオオオ…
俺「いや…あんなに吹き飛ぶとは思いませんでしたが…」
クリス「あ、お兄ちゃん起きた?」
部屋のドアが開かれてクリスが俺の目の前に駆け寄る
俺「ああ、無事に帰れてよかったな」ナデナデ
ゲルト母「感謝しなさいクリス、トゥルーデも謝る」ゲルト、ゲルト、ゲ-----ルトオオオオオオオオ…
母に言われ、少しだけ薄暗い部屋の中でその娘の2人は俺に対して感謝と謝罪をしてくれる
俺「あの…」
ゲルト母「なんでしょう?」ゲルト?ゲルト!ゲルトオオオオオオオオオオオ…
俺「さっきから聞こえる声は何でしょう…?」
クリス「あれおとーさんだよ」
俺「おとーさん?」
ゲルト母「空軍から休暇で久し振りに戻った娘が倒れた男を連れ込んだって言って取り乱してるの…まったくあの人は…」ゲルト!ゲルトオオオオオオオオオ…ウオオオオオオオオ!
母の声を聞いてバルクホルンは何かに呆れるようにため息をつく
ゲルト母「トゥルーデも良い年なんだから好きな男の子位作ってもおかしくは無いのよ?まさかトゥルーデが男の子を家に連れ込むとは思ってなかったけど…」
クリス「自分よりおっきな人を担いで家に連れてくるのはお姉ちゃん位しか居ないと思うよ?」ゲルトオオオオオ、ゲルト、ゲーーーーーーールトオオオオ
バルクホルン「母上!?私はまだ男など作りません!」
母の言葉にバルクホルンは少し焦りながら反論する
俺(担がれて来たのか…俺って…)
◆
ゲルト母「そんな事言わないの、幸せは掴めるうちに掴まないと同じ幸せを手に入れるにはとても苦労するわよ?
それじゃあ私は父さんを黙らせてくるわね…そろそろ止めてもらわないと寝れなくなっちゃうから…」ゲエエエエエエルトオオオオオオオオオ…ウオオオオオオオオ…オオオ…
クリス「私も行くね~またねお兄ちゃん」
俺「はいよ、またな」
ゲルト母「看病よろしくね、トゥルーデ」
バルクホルン「はい、母上」
ゲルトオオオオオ!
スコシハシズカニシナサイ,ナミダヲフク!
ダッテ、ゲルト、ゲルト…ゲエエエエエルトオオオオオオオオ!
ショウガナイワネ,クリス,フライパンモッテキテ
ハーイ
ゲルト母とクリスが部屋を出て、必死な口論が部屋の外から出て来てその後鈍い音がしたが気にしないで置こう
バルクホルン「お前、名はなんと言うんだ?」
俺「『俺』だ」
バルクホルン「変な名前だな…」
俺「ほっといてくれ…トゥルーデって君の事?」
バルクホルン「私の愛称だ、母上はこちらのほうが響きが良いと言うが、少し照れるのだ」
俺「そっか…」
二人きりになった部屋でバルクホルンは俺のベットの隣に座り体を起こそうとした拍子にずれたシーツを掛け直してくれる
バルクホルン「お前、無一文だってな」
俺「う…どこでそれを」
バルクホルン「妹から聞いた、何処から来たんだ?見慣れない服装もしているが」
俺「昨日までは日本に居たんだけど、気がついたらこの町の山にいた」
バルクホルン「ニホン?それは何処の国だ?」
俺「日本を知らないのか…小さな島国で四季があって…」
バルクホルン「知らないも何も、この世界にニホンなんて国は無いぞ?」
俺「はい?」
俺はバルクホルンの言葉に対し理解出来ないという表情をしながら素っ頓狂な声を上げる
バルクホルン「私は軍人だからな、世界の国が何処にあるかは大体把握しているがニホンという国は存在しない」
俺「え、えぇーっと…侍とかスシとかスキヤキで有名な…」
バルクホルン「スシ?スキヤキ?それらは知らないが侍なら扶桑で有名だな」
俺「扶桑…?」
バルクホルン「ああ、扶桑の戦艦の出来が素晴らしくて有名だ 今は扶桑最大級の艦『大和』という船を作っているらしいが…」
バルクホルンの言葉に俺は少しだけ慌てる
俺「ちょ、ちょっと待って、大和って水の上に浮いている戦艦だよな?空飛んだりしないよな?」
バルクホルン「当たり前だ、戦艦は空を飛ばん、飛ぶのはウィッチだけだ」
俺「ウィッチ? いやそれは良いとして…なあ」
バルクホルン「なんだ?」
俺は首だけ動かしてバルクホルンを見据えて質問する
俺「今は…西暦何年でここは何処なんだ?」
バルクホルン「おかしな事を聞く奴だな、今は1939年の1月 ここはカールスラント国内のカイザーベルクという町だ」
俺「冗談だろう…」
ベットに向けていた視線を天井に戻して俺は呟く
バルクホルン「良く分からんが行く宛があるのか?」
俺「無いな…」
バルクホルン「ならば仕事を紹介しよう、せめてもの礼だ」
俺「ああ…」
自分の故郷が存在しない事、2010年に居たはずが1939年の過去に戻ってしまった事、カールスラントという自分でも知らない土地に居る事に
追いつけずバルクホルンの言葉に俺は力なく答え、現実逃避をするようにそのまま眠りに付いた
◆
1939年 2月 帝政カールスラント空軍防衛飛行基地本部 廊下
俺「…なーんかモルモットな気分だ」
現実逃避の眠りも空しく、俺は再びこの世界で目を覚まし
療養の為バルクホルン宅にて世話になっていたが、歩けるくらいにまで回復した俺はバルクホルンの推薦で整備士になれるよう手配してくれたのだが
カールスラントとは違うどこぞの国のやからという事で色々体を調べられた結果
俺にはウィッチなる資格があるらしくバルクホルンに連れられて、カールスラントの偉い基地で更に体を調べられ
俺は次の調査室を目指して重い足取りで歩いていた
俺「ウィッチにしては珍しいって言われたけど、ウィッチって何だ?ってうわ!?」
そんな独り言を呟きながら歩いていると大量に本を持った人にぶつかった
俺「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「…」
ぶつかった相手は何も喋らない
バルクホルンと同じく空軍の上着を着て、違う所といえば白衣を着て
さらさらとした髪と
メガネを掛けたずいぶんと小さな女性は落とした大量の本を拾い上げている
俺「手伝います…」
俺の声にやはり返答はない、怒ってるのだろうか…
会話も無いまま全ての本を拾い上げて彼女に渡す
俺「あのー…運ぶの手伝います?」
大量の本を持って少し辛そうな少女に話しかける
「いい…ありがとう」
俺「そうですか…」
その少女の後姿をただ見るだけで突っ立ってた俺だが影のほうに本が落ちていることに気がつきそれを拾い上げる
俺「あちゃー…一個忘れてたか、何々…『カールスラント式!空戦指南書百貨』?」
俺は少し気になって表紙を覗いてみるが、何となく胡散臭い本だと思い、もう見えない本の持ち主を追いかける事もせず
次に体を調べられる時にでも本を預けようと思い、その本を持ったまま次の検査の部屋へと向かった
◆
俺は長時間の調査の後、基地の外で待っていたバルクホルンと共にカイザーベルクへと戻って来た
バルクホルン宅
クリス「お帰り!お兄ちゃん!」
ゲルト母「おかえりなさい、どうでした俺さん?」
俺「良く分からないです…色々と体を調べられただけでしたので…
整備士ってこんな検査が必要なんですかね」
バルクホルン「お前が男では珍しいウィッチとしての素質があるからだ、我慢しろ」
俺「ウィッチねぇ…散々話してもらったけどイマイチピンとこないや」
クリス「お兄ちゃんウィッチなの?」
俺「まだ分からないや、でも働けるようになったら何かお返ししないとな 何が良い?」ナデナデ
クリス「えーっとね、えーっと…」
俺の問いに慌ててクリスは考え出し、その様子を見てゲルト母は少しだけ笑う
ゲルト母「そんな事考えなくて良いのよ?俺さんさえ良ければこのまま家に居ても良いんですよ?
家のお手伝いすごく助かりますし、クリスの面倒を良く見てもらってますし
なんならトゥルーデと結婚してそのまま家族になってしまえば…」
俺・バルクホルン「っ!?」
ゲルト母の言葉に俺とバルクホルンは目を見開いて驚く
俺「そ、そんな本人の承諾を無しにそれは…」
ゲルト母「あら、トゥルーデじゃ不満なの?なんならクリスでも…」
俺「不満とかじゃないです!真っ直ぐな性格で、献身的で、家族思いで美人で…ゲルトルートさんは俺には勿体無いですよ」
俺とゲルト母とのやり取りにバルクホルンは目を見開いたまま顔を赤くして二人を見ていた
ゲルト母「それでもこの子ったら他の男性を寄せ付けないからねぇ…貰い手が無いんじゃないかって時々心配になるんですよ」
バルクホルン「母上!私はまだ結婚は早すぎます!私はまだ12…いやもう少しで13ですが…早すぎだと思いませんか?」
ゲルト母「そうねぇ…でもこのままだと心配で心配で…」
バルクホルン「う…」
ゲルト母の顔は本当に不安な顔で右手で自分の右頬に当てて娘であるバルクホルンを見つめる
俺「…その、もし貰い手が無かったら 俺がゲルトルートさんと結婚しますから!」
バルクホルン「なぁ!?」
俺のはっきりと放たれたその言葉にバルクホルンは冷静さを忘れ、変な声になって驚く
ゲルト母「あら!それじゃあ安心だわ トゥルーデをお願いね俺さん」
不安そうなゲルト母の表情は一転して和らいだ表情に変わり両手のひらを胸の前で重ねている
クリス「お兄ちゃんが本物のお兄ちゃんになるの?」
ゲルト母「結婚してくれればそうなるわね~」
クリス「本当!よろしくねお兄ちゃん!」
ゲルト母「気が早いわよ?うふふ…」
俺とバルクホルンの本人二人を差し置いてゲルト母とクリスは喜びに満ちていた
バルクホルン「わ、私はまだ結婚するって決めていない!」
クリス「え~…どうしても?」
バルクホルン「うぅ…クリスの頼みなら…いや」ブンブン
クリスはバルクホルンを見上げて反抗の声を上げるのを振り払うかのように首を振る
バルクホルン「そうだな、ネウロイの1体くらい一人で倒せるようになったら考えよう!話はそれからだ」
ゲルト母「ウィッチの素質が俺さんにはあるんですものね…頑張って娘をお嫁さんにしてくださいね俺さん」
クリス「がんばってね!おに~ちゃん!」
俺「あ、あはははは…頑張りマス」
まだ自覚の無いネウロイという敵を一人で1体倒す、ハードルが高そうだなと感じつつ俺は後頭部に右手を当てながら
その応援に何とか答えた
ゲーーーーーーーーーールトオオオオオオオオオオオオオオ…ウオオオオオオオオオオオオン…
今日のゲルト父は帰ってきて早々取り乱し、それをなだめつつ俺はゲルト父のお酌に遅くまで付き合わされたとかなんとか
最終更新:2013年01月28日 14:48