結局、スパモン教を創設したのに、ネウロイ教徒を捕獲、もしくは発見することは出来ず早くも10日近くが過ぎ。
大説教の結果、黒背広のマトリックス風マッチョマンが誕生した。
現在8時45分、半日ほどで扶桑から出港した空母と、数隻の船が到着し補給の手渡し、ウィッチの到着が完了するだろう。
……だが、何か嫌な予感がする、例えば最近ネウロイの頻度が少し落ち着きつつあるのだ。
嫌な予感が的中しなければ良いのだが。
ミーナ「後7時間程で宮藤芳佳、坂本美緒両名の帰還、そして兵站が届きます」
俺「かつて大陸を封鎖した王様がいた、其れは自国敵対国両国に酷く手痛い打撃を与えた」
俺「……まさかとは思うが、ネウロイが補給を狙って攻撃、ブリタニアを実質封鎖、そのような事をするとしたら……」
ミーナ「まさか……」
俺「飽くまで予測だし、ネウロイがソコまで情報を集めきれるだろうか……」
ミーナ「いえですが、一指揮官として、最悪の事態は想定しておいた方が良いかと」
俺「……敵を知り己を知れば百戦危うからず……思ったんだが、ネウロイを研究している所ってないのか?」
ミーナ「恐らく各国で、独自の研究場所は有ると思われますが、其々がバラバラで尚且つ国同士隠し合ってると思われますね」
やはりか、ネウロイを研究すれば、色んな結果が見えてくるだろう。
例えば生態系、何処で増え、どんな生態系なのか、主食となるものは何か。
そして時には科学や、軍事関係の研究結果が出るかも知れない。
例えば空気流動学方面や、あのネウロイのコアを研究したら、エネルギーに付いての技術もわかるかも知れない。
俺「……ネウロイって良く解らんな……取り敢えず、宇宙から来たとは思えないんだがな」
ミーナ「はぁ……」
俺「まあ、そこら辺は適当に端折る、変に極大解釈されても困るし」
ミーナ「皆には黙っておいておきましょうか?」
俺「そうしてくれ、変に不安を煽ってもアレだし」
ミーナ「わかりました」
それにしても、今日はミーナ中佐が心なしか浮かれている気がする。
久しぶりの旦那の帰還だからか、そうなのか……扶桑の魔女マジパネェっす。
俺(それにしても、早くネウロイの巣への攻撃許可が降りないだろうか……)
俺(申請して早くも数ヶ月が立った、未だ攻撃許可は下りず、出るのは防衛任務のみ)
俺(もし俺がネウロイの巣を撃破したら……という、海外の思惑、扶桑の思惑)
俺(やはり、あっさりという訳にはいかないらしい)
そんな事を考えつつ、机の上のココアを一口飲む。
やはりココアは牛乳でいれるべきだな、お湯は、なんだかまろやかさが足りない。
そんな事を考えていると、机の上の電話機が鳴り出す。
俺「ノックしてもしもぉ~し」
通信士「緊急連絡です!ブリタニア基地から南西沖合にて、少し前から大型ネウロイ一体が補給艦及び空母赤城に急襲を仕掛けました!」
俺「……まさか当たるとはな……今から4分で救援に向かう、位置を教えてくれ」
通信士「はい!場所は…ラスパルマスから西北々に約1000km地点です!」
通信士「現在坂本大尉に、少し遅れて宮藤軍曹が飛行し戦闘していますが、長くは持ちそうにありません!」
俺「よし解った、ミーナ中佐緊急事態だ、俺は先行しネウロイを叩く、一応の予備兵を二人飛ばしてくれ、他は基地に待機だ」
ミーナ「わかりました、ではまた後で」
俺「ああ」
俺はそう言って何時もの自室を飛び出す、果たして新人がどこまで頑張ってくれるだろうか……?
そんな事を胸に、何時ものバンカーに向かって飛ぶ。
そんな会話が起こる15分前、空母赤城内部にて。
宮藤「……コレが、ストライカー……」
坂本(この子の父親が作った、航空用ストライカー……この子には感慨深いものなのかも知れないな……)
宮藤「コレ動くんですよね?」
坂本「あ、ああそうだが」
宮藤「……お父さん、結局本当に作っちゃったんだ……」
坂本(……?)
宮藤「……わかりました、私コレ乗ります」
坂本「良いのか?」
宮藤「お父さんは約束を守ったのに、私が約束を破るわけにはいきませんから」
坂本「そうか……」
何故だか分からないが、薄々解ってたような顔をして、意外にあっさりと付いてきた宮藤芳佳。
そして宮藤婦人も、別れの言葉もソコソコに宮藤芳佳を送り出してしまった。
予めある程度分かっていたような、一種の諦観のようなものを見出したが、アレはなんだったのか。
そして……宮藤博士のレポートにあった、1917年扶桑にてと書かれた写真……
コレは俺元帥が使用している機体、R-102型に似ている気がするのだが……
坂本「……!」
宮藤「坂本さん?」
坂本「宮藤、お前は船の中で待機だ、まだ初飛行すらしていないのに実践は危なすぎる」
宮藤「坂本さん!?」
坂本「敵襲だー!!距離は約12km!私を飛ばした後直ぐ回避運動を取れ!!」
宮藤「坂本さん!私も……」
坂本「駄目だ!新人にソコまではやらせられん!」
宮藤「坂本さん!」
そう言うと、坂本は急いでストライカーユニットに乗り込み、魔力を流しこみエンジンを始動。
重低音の音が響き渡り、空母の滑走路が開く。
整備員「空母順路確認!風向きよし!坂本大尉ご武運を!」
坂本「ああ!」
宮藤「整備員さん!次、出れますか!?」
整備員「え?待て君は…」
宮藤「宮藤、宮藤芳佳です」
整備員「然し、君はまだ訓練すらしていないじゃないか!」
宮藤「大丈夫です、私の、私のお父さんの作った機械ですから」
整備員「…………戦場で、奇跡なんか信じちゃいいけねぇんだけどな……」
整備員「機体の中身は……よし、動ける……空母はまだ回避運動に入っていない、風向きはまだだが…後1分もしないで飛べるでしょう」
整備員「この機銃も、忘れずに持って行ってください」
宮藤「整備員さん……!」
整備員「……私はしがない一整備員です、あんまりいじめないでやって下さい宮藤『軍曹』」
宮藤「……はいっ!」
足を飛行脚に通すと、身体中に魔力が漲ったような感じがした後、犬耳が頭からヒョコリと生える。
胸がドキドキと高鳴り、火照ったような感覚に陥り。
手に取った機関銃が、まるで何も持っていないように感じる程、とても軽く感じた。
ストライカーも其れに応じるように、重い音を鳴らし始め、青白い魔方陣が広く大きく滑走路に映しだされる。
それは、遠くでネウロイの光線をシールドで防ぎ、機関銃で攻撃していた坂本にも見えていた。
坂本「まさか……宮藤か!?……ハハハハ!宮藤博士も面白い子を残していったもんだ!」
整備員「空母順路確認!風向きよし!宮藤軍曹、ご武運を!」
宮藤「行ってきます!」
エンジンが唸りを上げつつ移動し始め、加速度的に速度を上げていく。
あっという間に人間が出せる速度を超え、空母から離れ段々と上空に上がっていく。
始めての空はどこまでも行けそうで、とても気持ちが良く。
片隅に見えるネウロイがいなければ、何時までも飛び回っていたい気持ちだった。
坂本「宮藤、大丈夫か!」
宮藤「大丈夫です!ちゃんと飛べてます!」
坂本「宮藤!ネウロイのコアは、上部の頂点から前方に少し外れたところにある!ソコを狙え!」
宮藤「はい!」
坂本「散開!」
宮藤「はい!」
其々バラバラに飛行するが、宮藤は始めて飛んだばかり故に動きがぎこちない。
だが、訓練すら無しにしては随分上手く飛べていた。
シールドを張り、援軍が来るまで飛べるだろうか?
後『何分』で援軍が来るだろうか?
杉田《坂本大尉!コチラ赤城艦長杉田です!》
坂本《杉田艦長!なにか問題でも?!》
杉田《今支援をブリタニアの基地に伝達している……だが、まだ時間がかかるようだ》
坂本《出来るだけ攻撃を逸らします!全力で回避運動を、奴らは全力のようです!》
杉田《わかりました》
宮藤はネウロイの上から、慣れないながらも機銃を打ち鳴らす。
機銃はネウロイの装甲に当たると、鈍く弾け音と火花を撒き散らし装甲を削る。
だが、装甲は意外と固く、また多少装甲が壊れても、また直ぐに直ってしまう。
坂本「宮藤!シールドだ!」
宮藤「はい!」
逆に、ネウロイからの光線をシールドで防ぐ。
青く大きなシールド、空母から見てもそれは大きく。
其れを見た整備兵や艦長が、驚きと感嘆の声を漏らす。
坂本(ジリ貧だな……接近して決めれるか……いや、まだ駄目だ)
坂本「てりゃああああああああああ!」
コアを魔眼で狙い銃火器で打ち鳴らすが、ネウロイは左右に揺れて装甲で防ぎ切る。
段々銃火器の中身が軽くなってくる、だがまだ援軍は来ない。
杉田《坂本大尉、後4分で支援が到着する、とのことです》
坂本《解った!》
宮藤「うぉおおおおおおおおおおお!」
坂本「避けろ宮藤!」
宮藤「きゃっ!」
次の瞬間、宮藤が攻撃を仕掛けるも、反撃のレーザーを展開され、何とかシールドを張る宮藤。
光線をギリギリで防ぎ切り、一度離脱し様子を見るもその間に艦隊は攻撃に晒されている。
坂本(上司として酷く心臓に悪い、どうしたものか……こういう時、醇子かミーナが居ると良いんだがな……)
そんならしくない弱音を吐きつつ、もう一度飛行し攻撃を仕掛ける。
今度はコアの上部装甲を打ちぬき、何とかコアを露出させることが出来た。
宮藤がもう一度反転し、コアを狙い至近距離に近づく、が。
坂本「宮藤!駄目だ後ろだ!」
宮藤「!」
後ろからの光線が宮藤を遠ざける、宮藤も段々慣れてきたのか機動がスムーズになるが。
まだまだ、初心者といった感じだ、何より……
宮藤「はぁ…はぁ……」
坂本(もう体力が限界だ……後1分ほどで増援が来るはずだが……)
宮藤「行きます!」
坂本「宮藤、無茶をするな!防御に一度専念しろ!」
宮藤「……私、守るために……頑張るって決めたんです……!」
坂本「お前……!」
俺《熱いじゃないか、新人は》
坂本《俺元帥!?後一分は掛かるはずじゃ……》
俺《何いつもの事だ、ぽっぽ屋じゃあ出来ん芸当だ、後ネウロイから新人を離れさせろ》
坂本《……はい!》
その時感じた胸の重さは、何だったのだろうか?
だが今は取り敢えず、疲労した宮藤と一度ネウロイから離れるのが先決だと思われた。
俺「……チャージ完了!」
俺「今日はスタンダート、直ぐに終わらせて着艦させてもらおう」
俺「発射!」
次の瞬間、戦闘機の前に圧縮されたベクトルや、エネルギーが前方へ放出され。
多大な質量を伴い、ネウロイに食らいつきコアの周りごと削りとりながら、突き抜け霧散する。
残った翼の部分も、コアの消滅に伴い小さな欠片に変わっていく。
坂本「……終わったか」
宮藤「坂本さん、アレは……」
坂本「アレが501の上司であり、元帥である俺元帥だ」
宮藤「凄い……」
その後俺は空母赤城に着艦、杉田艦長と少し会話をし同行許可を貰い。
基地を出たばかりのミーナ中佐に、戻るように連絡を入れる。
そして、適当に伸びをした後、新人に会いに行く。
俺「えー、ようこそ……えー…っと名前は?」
宮藤「宮藤芳佳です(うわぁ……すごいデカイ……)」
俺「501の指揮官として任務を果たしている、俺大元帥だ、まあ気楽に接してくれ」
坂本「昇進したんですか?」
俺「何とかね、まあ正直名前だけだと思ってるけど」
宮藤「今日から501に勤めさせていただく、宮藤芳佳軍曹です!」
俺「うん、まあネウロイ倒してくれるかなー?」
宮藤「い、いいともー!?」
俺「よし、今日は後はゆっくりするだけだから、明日までゆっくりしよう」
宮藤「いえ、ですが……」
坂本「ハッハッハ宮藤、休むとき休むのも立派な仕事だぞ?」
俺「そうだ、お祝いに何かお菓子でもやらなきゃな」
そう言ってゴソゴソとポッケの中を漁り、板チョコを取り出し宮藤に手渡す。
宮藤(あれ……キンキンに凍ってる……)
俺「さて、今は9時か、まあ休憩だな」
坂本「……」
俺「あんまり煮詰めるなよ坂本、出来ることをやれ」
坂本「……ふぅ……はい!」
俺「よし、今回の任務のご褒美に飴ちゃんをくれてやろう」
坂本「へ?はぁ……パクッ」
坂本(……林檎味だ)
宮藤「(モシャモシャ……)美味しい!」
坂本「ハッハッハ!口の脇にチョコついてるぞ!」
宮藤「え!?ど、何処ですか?!」
ふと部下の歳相応の言動を見ると、なんとも言えない気分になる。
やはり、子供ってのは可愛いもんだ。
俺の下にいる間は、任務が無いときはこうして笑っていて欲しいものだが……
1917年扶桑の田舎にて、遊覧飛行に疲れて近くの村の茶屋で休憩中。
宮藤一郎(×歳)「うぉおおおお!凄い!何これ凄い!」
俺「あー?勝手にさわんなよー坊主ー」
一郎「何これ、写真とっていい?!」
俺「うーん……まあ良いか」(なんか時代の変化になるわけじゃなさそうだし……)
一郎「すげー!浮いてる!」
俺「人間の進歩はすげぇよなー……最近は年を取ったのか、そう思うよ」
一郎「すげー!かがくのちからってすげー!」
一郎「俺将来こういうの作る!」
俺「勉強とか頑張ればできんじゃない?」
一郎「超頑張る!」
俺「ハハハハ」
おまけ
俺の最近の朝は、オナホールの量産から始まる。
まず、素材の入念なチェックから始まる。
俺「まぁ好きではじめた仕事ですから」
俺「やっぱり一番うれしいのはお客さんからの感謝の言葉だね、この仕事やっててよかったなと」
俺「毎日毎日温度と湿度が違うが、機械では出来ないわけではない、が手作業の方が喜ばれる」
今日は納品日、彼は商品をワゴンに詰め、整備員待機室へと向かった。
基本的な形は決まっているが、最近のユーザーの嗜好に合わせ。
多種多様なものを作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。
俺「最近は手渡す際、外見をウィッチに変化して手渡すサービスもしています」
俺「時々、そのまんまのガチムチで良いですという整備員もいますが、どういう事なんでしょうか」
今日も彼は、日が昇るよりも早く生地を作り始めた、明日も明後日もその姿は変わらないだろう。
そう、オナホール職人の朝は早い。
最終更新:2013年01月28日 15:21