月日の流れというのは早いもので、宮藤芳佳が扶桑から派遣されて早くも1月が経過した。
だが最近実に不審なことに、ネウロイ同士が攻撃をしあったり。
時には、ネウロイがネウロイを撃墜した、という事もあるらしい。
そして人型ネウロイが、ドーヴァー海峡上空で観測された、ということらしい。
人形ネウロイは決して攻撃してこないが、有効射程距離から観察をし続けるらしい。
そして私はなにか言いようのない、不審な事に気が付いた。
俺「最近ミーナさんが、随分芳しい香りになってきている」
ミーナ「……俺元帥、少々お話が」(ニコリ)
俺「……」
……ギュイーン
デーレレッテーレー デレーレデレレー
デーレレッテーレー デレーレデレレー
デーレレッテーレー デレーレデレレー
最後のガラスをブチ破
ZAPZAPZAP
俺「痛いよミーナさん」
ミーナ「あら失礼、拳銃が『暴発』してしまったみたいですわ」
後頭部に正確な三発、弾は全部頭部内部に残っているので、口から吐き出す。
全く末恐ろしい鬼bZAP
ミーナ「御無礼」
俺「……」
開いた三つの穴の真ん中を綺麗に打ちぬき、命中する位置は松果体。
もはや何も言うまい。
俺「いや別にミーナさんが何時も、噎せ返るほど濃い雌臭を漂わせてるとか、そういう訳じゃないですよ」
ミーナ「……遺言だけは聞きましょう」
俺(目が座ってる……)「いや元々扶桑人は体臭が薄い、というか無いって言うじゃないですか」
ミーナ「ああ、通りで美緒はあまり匂いがしないと……」
俺「んで特にその、なんというか、カールスラント人が一番体臭がキツイ……」
ミーナ「……それで?」
俺(俺明日生きてるかな)「最近体臭がどんどん皆薄くなってる、というか、最近はいい匂いになって来たというか……」
ミーナ「……そうですか」
俺(ドキドキ……)
ミーナ「判決を言い渡します……死です」(にこぉ)
俺(ですよねー)
ZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAP
俺「酷い目にあった、死ぬかと思った、だが今では反芻している(銃弾を)」
そんな事をボヤきつつ、飛び出した部屋の窓を振り返る。
そして現在基地の中では、仄暗い微笑を浮かべたミーナさんが彷徨いている。
然し参ったな、基地に居ると見つかってしまいそうだ。
俺「こういう時は仕方ない、基地内を彷徨いてみようか」
実はミーナさんの魔法だが、実は
デコイを作ったり、魔力を彼方此方にばら蒔けば誤魔化せる。
という訳で行け俺の偽デコイ達、ミーナ中佐から俺を匿えー。
俺1「Yes we can!」
俺2「どうしてソコで諦めるんだよ!もっと頑張れよ!」
俺3「This is spartaaaaaaaaaaa!」
俺4「来いよ、ベネット、銃なんか捨てて掛かってこい、来いよベネット、怖いのか?」
俺5「誰がテメェなんか!テメェなんかこわかネェ!野郎ぶっ殺してやあぁる!」
俺6「俺が沢山に見えるって?モルダーあなた疲れてるのよ」
俺7「超兵器AHIRU戦艦接近!右舷被害軽微!ピッピリピー」
俺8「Why so serious?」
俺9「442連隊創設者、俺元帥からのメッセージをお読みください」
俺「良し!散開!」
俺ズ「ダヴァイ!」
俺「さて……どうするかな……」
遠くで悲鳴が聞こえた気がするが、あんなん誰だってビビるよね。
俺だってスペインの牛追い祭り並に、マッチョなおっさんの波が押し寄せたらビビるもの。
さーて、何処に逃げようかな。
ミーナ「……俺元帥の霊圧が増えた……?」
ミーナ「そんなに臭うのかしら?……ちょっと後で美緒に聞いてみましょう」
――――――――
俺「……おや?」
ゲルト「もくもくもくもくもく……」
フランカ「もくもくもくもくもく……」
エーリカ「もくもくもくもくもく……」
シャーリー「もくもくもくもくもく……」
食卓に並ぶ、芋、芋、芋料理。
フライドポテト、マッシュポテト、ポテトチップス、ポテトサラダ、肉じゃが、ポテトコロッケ。
調味料のケチャップ、ウスターソース、サルサ、チリソース、マスタード。
そして其れを、無言で延々モクモクと食べ続ける米独伊の美少女達。
何してんだこいつらは。
俺「……うはぁ……凄い芋の匂い……」
ゲルト「もくもくもくもくもく……ウップ……」
シャーリー「……何で芋食ってたんだっけ」
フランカ「……さぁ?美味しいから良いけどー」
エーリカ「ふぅ……ごちそうさまー」
俺(エーリカマジ自由すぎる、EMZ)
シャーリー「所で何時あの戦闘機に乗せてくれるんですー?元帥ー」
俺「……あ、忘れてた、よし後で乗せてやろう、約束だしな」
シャーリー(ヤリィッ!)
シャーリー「然し……ふぅ……もう食えない」
ゲルト「……」
シャーリー「?おーい堅物?……おい、トゥルーデ?おい!?ちょっ、宮藤呼んでこい、顔が青ざめとる!」
エーリカ「宮藤ー!」
フランカ「あわわわ……顔が真っ青になってる……」
俺「何がしたいんだコイツらは……もくもくもくもくもく……」
俺(あ、美味い)
数秒後、エーリカに連れられて宮藤が厨房から現れた。
食材の後片付けをしていたらしい、そんな宮藤の治癒魔法を飯を食いながら見ている。
後の診断結果は食べ物の過剰摂取と、ストレス性の疲労による同時多発テロらしい。
今バルクホルンは、非番のシャーリーと宮藤に治療中らしい。
俺「……一体どうしたって言うんだ……」
ミーナ「……(ニコニコ)」
俺(9人の俺は10分も持たなかったらしい)
―――BABABABABABABANG―――
ミーナ「……はぁ、バルクホルン大尉ですが、あの子には妹が居るのはご存知ですよね?」
俺「あーそういやそうなんだっけ」
ミンチをフェイスに再構成し直しつつ、MG42を持ったミーナ中佐の話を聞く。
流石に、顔面を容赦なく吹っ飛ばすようになって来た当たり、ミーナさんマジ容赦ない。
ミーナ「あの子、宮藤さんは似てるのよ」
俺「妹さんに?」
ミーナ「ええ」
成程、そういう訳だったか。
合点納得がいった、妹スキーの姉御さんは、妹似の女の子を考えると夜も眠れないとの事らしい。
というかカウンセラー誰か付けてやれよ……いや精神医学自体、まだ研究真っ盛りなんだっけか。
俺「……お医者さんゴッコをしてあげよう」
ミーナ「当てになるんですか?」
俺「まあ、ある程度の研究はされてたからね、何とかならないでもない」
ミーナ「はぁ……」
取り敢えず、精神不良で床に着いているバルクホルン大尉の病室に向かう。
世の中には多重人格、という精神病が存在する。
コレを聞くと、二重人格だとか多重人格というのをまず初めに思い浮かべる人も居るだろうが。
一説に、精神安定剤や精神高揚剤、抗躁剤を投与すると精神が安定するという結果が報告されている。
詰まり、実際に分裂している場合と、精神の不安定さがまるで、多重人格になったように見せている場合があるのだ。
宮藤(さっぱりわからん!)
シャーリー(……解った、犯人はスケキヨだ)
俺「ソコを踏まえた上で、この薬を使います」
宮藤「……何ですか其れ」
シャーリー「凄く虹色のカプセルです……」
俺「ぶっちゃけると、言動が幼くなる薬です」
宮藤「何考えてるんですか!?」
シャーリー(言動が幼いバルクホルンか……少し見てみたくもあるな……)
俺「先ず今回の騒動は、バルクホルンの軍人らしくあろうとする、普段から抑圧されたプレッシャーが原因です」
宮藤「はい」
俺「詰まり、鬱憤をこの薬で無理矢理晴らさせるわけです」
シャーリー「詰まり、ストレスで不安定な精神をこの薬で無理矢理晴らさせる、そういう訳だな?」
俺「理解が早くてよろしい、という訳でこの薬を起きたら飲ませるようにしてあげて下さい」
宮藤「あれ?俺さんは何処へ?」
俺「ちょっと散歩」
宮藤「は、はぁ……」
シャーリー「なー宮藤……見てみたくないか、言動が幼いバルクホルン」
宮藤「シャーリーさんまでそんな事言って……」
シャーリー「だって想像してみろって!お菓子買ってー!とか言いながらあの堅物が……ぷくくくくふふふふ……」
宮藤「ダメですったらぁ……そんな想像……ブフゥッ……しちゃあ……ブフーッ」
シャーリー「このカプセルを飲ませるだけか……鼻を押さえて……」
バルクホルン「うーん……うーん……ガボッ、ゲホッ……ゴクン」
宮藤「知りませんよーそんな勝手なことしてー……ブフゥッ」
シャーリー「さて待ってる間、お茶でも取ってくるか……」
宮藤「そうですねーあ、羊羹有りますよ?」
シャーリー「そりゃあ良い」
――――――
俺「……あ、そういやあの薬……ま、良いか」
取り敢えずさっきのは、ちょっとしたお節介みたいなもんか?
本当の目的はこっちの……
俺「此処か、その妹のクリスが居るって場所は……」
―――5分前―――
ミーナ「クリスが居る病院を教えて欲しい……ですか」
俺「一応上司だしね、お見舞いぐらいは行っておきたいんだ」
ミーナ「はぁ」
俺「まあ、たまには慰問みたいなもんで……」
ミーナ「変な事とかやめてくださいね?もししたら私……」
そう言って対空機関砲を、こちらに無言で向けてくるのはやめていただきたい。
――――――
まあ多分大丈夫だとは思うが、取り敢えず様子を見るために病室に向かい。
クリスのベットタグを発見、少し身の回りの世話の意味も込めて掃除したりする。
クリス「……」
俺(来たよ大樹)
看護師「あら、こんにちはえーっと……」
俺「あ、何時もこの子がお世話になってます、実はこの子の遠い親戚でして今日はお見舞いに来たんですよ、何時もはあんまりこれなくて」
看護師「あ、そうですか、では失礼します」
俺(……一巡回所要時間30分か、行ったよな?……取り敢えず呼吸音確認……)
俺(……心音、呼吸、静脈、肺音、全て正常なれど、意識は無し)
俺(……今の所尿入れの尿の色、簡易血液検査に問題は見られず)
俺(電気視察機で……)
俺(……何だこの異物……気体のようだが……何か靄が掛かったように映るな)
全身に何か黒い靄のような、何かが動いているのがわかる。
だがそれ自体は、ゆっくりと体外に排出されているように思える。
……コレは……ネウロイの排出する瘴気?
俺(成程詰まり、ネウロイの瘴気を吸い込んだのか?治療が難しいわけだ)
俺(排出量を考えると何もしないでもそのうち治る……のか?)
俺(……まあいい、取り敢えずは瘴気の吸い過ぎによる健康被害か……この子もウィッチの素質があるから大丈夫なのか?)
俺(筋肉がかなり弱くなってるので、取り敢えず今度電気運動器具でも作って持ってきてやるか)
そんな事を考えつつ、機材を体内に仕舞い病室を後にする。
俺「さて……あ、そうだ、帰る前に少しバーでも引っ掛けに行くか」
シャーリー「いやいやジャガイモはやっぱり、フライが美味いよ」
宮藤「そうですけど、サツマイモは大学芋がいいと思います」
シャーリー「けど大学芋は甘いんだよなぁ……ありゃあ、飯というよりお八つじゃないか?」
宮藤「いやいやそう言いますけど、意外と白いご飯と合うんですよー?」
シャーリー「本当かー?」
宮藤「本当ですよー?」
そんな事を言っていると、バルクホルンがムクリと起き上がり、半目で此方を見ている。
だが何か様子がおかしい、何時もならもうベットから起き上がって。
アーダコーダ言ってくる時間が経過しても、ベットから起き上がる気配がない。
シャーリー「……どうしたバルクホルン?」
バルクホルン?「えぐっ……お母さんどこ……?」
シャーリー・宮藤「えっ?」
バルクホルン?「うぇっ……おかーさん……」
シャーリー(ヤバッ)
シャーリーは急いでバルクホルンを抱きしめ、あやすように頭を撫でた。
直感的なものだが、まさかバルクホルンにやるとは思わなかっただろう。
バルクホルン?「ふぇっ……」
宮藤(手が早いですね、狙ってました?)
シャーリー(言ってる場合か!俺呼んでこい!)
宮藤(はいはーい)
バルクホルン?「?お姉さんだあれ?」
シャーリー(……有りだな)
シャーリー「シャーリーだ、君はどうしたのかなー?」
バルクホルン「分かんない……」
然しどうしていきなりこうなったのか、言動が幼くなるってそういう……
もっとワガママっぽいのを想像していた、こりゃあまんま幼くなってるんじゃないか。
宮藤(ミーナさんに聞きましたけど、今出かけてて居ないそうです、グランマ・シャーリー)
シャーリー(その名前は止めよう、其れっぽいからって其れは駄目だ)
宮藤(然しうらやまけしからんですね、バルクホルンさん、おっぱいをそんな満腔で感じれて)
シャーリー(揉みたいか?)
宮藤(はい!すっごく!)
シャーリー(また今度揉ませてやるよ、今は取り敢えず写真持ってきてくれ)
宮藤(写真取るんですね?)
シャーリー(ああ、だって可愛いじゃないか)
宮藤(結構ダメ人間ですね!軽蔑します!)
シャーリー(ありがとう、最高の褒め言葉だよ)
そんな事を言いつつ、カメラを取りに行く辺り、実は内心彼女もコレをアリだと思っているのではないか。
目配せで会話、約3秒間の出来事である。
バルクホルン「ねぇ、シャーリー、お母さん知らない?」
シャーリー「うーん、買い物に出かけてるんじゃないかな?」
バルクホルン「そっか……じゃあ……ふぁぁ……眠くなってきちゃった……」
シャーリー「お眠か、そのままお休み、晩ご飯には起こしてあげるから」
バルクホルン「はーい……」
次の瞬間宮藤がそっと入ってきた、壁に耳を付けてたなコイツ。
宮藤(おっぱいに顔を埋めつつ、心底安らかに眠るバルクホルンさん、マニア垂涎の一物ですよ)
シャーリー(オマエってやつは……後で焼きまわし頼んだ)(キリッ
宮藤(了解しました)(キリッ
ハルトマン(……くっ、コレがおっぱいとの性能差とでも言うのか?てか混ぜろオラァ!)
シャーリー(フハハーおっぱいは無敵だ!)
宮藤(……おっぱいとおっぱいがもみくちゃになって、ああ素敵ですね……)
―――――――――
俺「やっぱここいらのビールはぬるいのか、いやアリっちゃアリなんだが」
俺「サイダーもりんご酒スパーキンって感じだな、まあ美味いんだけど」
俺「さて……(ズゾゾゾ)」
ミーナ(ニコニコ)
頭に被ったヘルメットに、ガムテープで酒瓶を括りつけ。
ストローを突き刺し、口元まで酒を引っ張る事により、戦闘しつつ飲酒が可能になる。
そんな素敵な装置から、ポンチを吸い込みつつ目の前のミーナさんに顔を向ける。
俺「何で開幕一番腹パンなのか、教えていただきたいものです」
ミーナ「トゥルーデ、幼児化、この単語群に聞き覚えは?」
俺「アレは精神療法です、信じてください」
ミーナ「……せめて相談してからやってください」
俺「え、けど別にいやらしいつもりは……」
ミーナ「……」
俺「はい」
ミーナ「はぁ……」
今日もミーナさんは、頭をかかえる。
ふと布団に入る前、昼間に言われた事を思い出す。
布団のに入って胡座で座り、寝る寸前の美緒に尋ねてみることにした。
ミーナ「……ねぇ美緒、少し匂い嗅いでもらえるかしら?」
坂本「別にいいが、何かあったのか?」
ミーナ「特に何も無いけど……」
坂本「まあ良いけど」
そう言って突然美緒は肩を引いて、胡座の上に座らせ首筋に這わせるように匂いをかぐ。
突然の事に驚きつつも、何時も彼女の突然の行動に驚かされてきた私には、まだ余裕が幾分かあった。
坂本「……普通に何時ものミーナのいい匂いだが、どうしたんだ?」
ミーナ「い、いえ、何でもないわ」
何時もの、という事は彼女は何時も私の匂いを意識していた、ということかしら。
そう思うと、少し恥ずかしいような気がしてきた。
坂本「どうしたんだ、一体いつも通りいい匂いじゃないか」
ミーナ「っ!馬鹿!」
坂本「ハッハッハッ」
そう言って胡座から抜け出し、さっさと布団に入って仕舞う。
……?何か背中が暖かい……?
坂本「じゃあ寝ようか」
ミーナ「!?ち、ちかっ……」
坂本「電気消すぞー」
ミーナ「……もうっ!」
同じ布団とは言え、いつもより近い気がする。
彼女の恐ろしいところは、意識しているのかしていないのか、気がついたら直ぐそこにまで踏み込まれていることだと思う。
そう思いつつ、さり気無く回された腕に少しドキドキしつつ、夜は更けていった。
最終更新:2013年01月28日 15:21