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俺が目を覚ました後、俺の様子を見にみんなが医務室までやってきてくれた。
 ・・・無茶をしたことに対しての叱責や、傷の心配など、みんなが俺にかける言葉は様々だったが、
それらの言葉の全てがありがたかった。・・・やっぱり、ここが俺の居場所なんだ、と改めて実感した。

 ・・・先日の戦いにおいての俺については、ルッキーニ曰く「かっこよかった!」
エイラ曰く「弾丸斬るとかありえないダロ」・・・とのことだ。

宮藤達が担当していたネウロイの群れは、ペリーヌの活躍ですぐに片付いたそうだ。
ちなみに、坂本の言葉にペリーヌの名が出てきたとき、当の本人は少し赤面していた気がする。

あと、折れた刀については・・・慣れ親しんだあれはもう使い物にならないが、
新しい刀はまだあるから心配するな、とのことだ。

それと、人型ネウロイが最期に俺を助けたことについて、

『脚部と本体は、それぞれ別の意思を持っていたということか?』

と、バルクホルンから質問されたが・・・
言う気になれなかったので「さあな」と答えた。・・・彼女の想いは、俺の中だけにしまっておこうと決めたから。
彼女の新しい居場所に、余計な口出しをされることのないようにしよう、と決めたから・・・

さあ、早く傷を完治させて、これからもみんなと戦い続けよう。ネウロイの脅威からこの世界の人々を守るために・・・
俺はそう思った。

だが、・・・それらの想いとは別に、何か嫌な予感がした。
根拠はないのだが、・・・俺に関係して、再び何かが起こる。

 ・・・そんな気がした。

―――――――――

「・・・この辺りで間違いないな?」

「はい。記録によれば、この海域のはずです」

「よし・・・早速だが、探索を開始してくれ」

「はっ・・・」ドボン

「・・・」ドボン

「・・・」

 ・・・

 ・・

 ・

―――――――――――ある日の夜・俺の部屋
訓練を終えて夕食も食べ終え、風呂にも入り、あとは寝るだけになった俺は、
いつものように、ベッドに寝転びながら以前買った本をめくっていた。最近俺が気になっているのは、
 ・・・ネウロイのことだ。いや、今まで気にならなかったわけではないのだが、最近は特にだ。

 ・・・ネウロイについてのことは、あまりわかっていないようだ。

 ・・・突然世界各地に出現した、正体・目的共に不明な謎の生命体で、
建造物を一瞬で破壊する圧倒的な攻撃力を持ち、瘴気を撒き散らしながら侵攻するため通常の人間では遠距離からの攻撃でしか為す術がない。

 ・・・この程度のことしか。

俺「正体も目的も不明・・・」パラリ

全く、謎が多すぎる。ネウロイの技術は二つの世界の壁を乗り越えさせるなんてわけのわからないことまでできるし。

 ・・・二つの世界を乗り越える。

俺「・・・」

そういえば俺は突然ロマーニャの上空から落ちてきたんだっけ。

俺「・・・ん?」

その時、俺の頭にある一つの考えが浮かんできた。

 ・・・『突然現れた』。

俺「・・・」

 ・・・これって。

俺「俺と同じ・・・?」ポツリ

 ・・・もしかして。

ネウロイは、俺と同じように別の世界から来たのではないのだろうか、と、俺は閃いた。
だとすれば、世界を繋ぐ装置くらいつくれてもおかしくはないような気がする。

 ・・・また喋るネウロイが現れたら、尋ねてみようかな・・・そのときにそんな余裕があればの話だけど。

 ・・・もう、寝るか。

 ・・・

 ・・

 ・

――――――――――

「すぐに発見できて良かったよ」

「・・・その刀の破片などで、本当にそんなことが?」

「あくまでも可能性の話だ。・・・第一、鍵となるものはこれくらいしかないだろう」

「・・・まあ、確かにそうですね。本人に頼んでも拒否されるでしょうし」

「これに宿っている魔力は、異世界からやってきた証なんだ。手がかりはあるはず」

「・・・しかし・・・」

「なんだ」

「本当にやらなくてはならないことなのでしょうか?」

「今更何を言う?・・・欲しくはないのか、あの力を。・・・我が国の物にしたいとは思わないのか」

「・・・」

「・・・ネウロイとの戦いが終結し、人同士の争いの時が来たならば」

「・・・」

「あの力は、圧倒的な戦力として我が国に敵対する国に立ち塞がることになる。
攻めるならばこの世に存在するあらゆるものを破壊する刃となり、守るならばあらゆる攻撃を跳ね返す無敵の盾となる、
世界すら制することができるはずの力だからだ。・・・それに、あの力以外で、あの異世界の少年に対抗する手段はない」

「・・・それはわかっています。私が心配しているのは・・・」

「裏切り、か?」

「・・・はい」

「召喚される側にとっては迷惑極まりないことだろうし、確かにその心配もあるが、・・・そうだな。
仮に、異世界の人間が裏切ったとしよう。そうしたところで、その人間はどうなる?野垂れ死ぬだけだろう。
そして、こちらにとっては貴重な戦力なのだ。こちらも無下に扱うわけがない。
 ・・・つまり、異世界の人間には我々に従う以外の選択肢など存在しない」

「・・・」

「わかったな?」

「・・・はい」

「とにかく、異世界の魔力は手に入ったのだ。ストライカーユニットも準備してある。
あとは、解析して召喚の方法を探すのみだ。・・・頼りにしているぞ」

「・・・はい、おまかせください」

 ・・・

 ・・

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最終更新:2013年01月28日 16:10