つなぎな私中尉5




~空、3番機~




相変わらず金属の音が空に高らかに響いている


私「はぁ・・・はぁ・・・!てやぁぁ!(やつの動きが速い・・・っ!)」シャキン カキィン

アレース3「・・・!」キィンキィン

もっさん〈このままじゃジリ貧だ。〉


〈みたいだな。・・・ビームでの攻撃が来る。今!〉


私は坂本の前にシールドをはり、針のような光線を防ぎつつ思考を読み取る



〈私がやつと一人でやる。なんとかして隙を作るからそこを狙って斬ってくれ。〉

もっさん〈むちゃくちゃだな・・・。だが退く気もないか・・・。わかった信じよう。〉




私「いくぞ!うおおおおぉおぉぉ!」ガキィィン キィン

アレース3「・・・。」キィンキィン プシュー

私「撃たせるか!」


私はシールドを前面にはりだし、紫電改をふかせ3番機に体当たりをかます


ビームは全て跳ね返され、アレースは体勢を崩す

そこを狙って刀で力をこめ、敵の左腕を切り落とす

しかしすぐ再生にかかり、さらに右腕をもって私を赤き刃のもとに切り伏せようとしてくる


      • 私の行動の方が速かった


私はストライカーユニットの片足だけに魔法力を注ぎ込み、まるで蹴りをはなつようにアレースの腹部に叩き込んだのだ



私「おらあぁぁぁぁッ!」ドゴォォォオ ドガァァアン



もちろん紫電改の片脚は爆散し、アレースはひるむ



白くきれいな脚がむきだしになってでてきて、ひゅるりと落ちていく


〈じゃ、頼んだよ。〉



「無茶しおって!だが、お前の尊い犠牲は無駄にせん!烈・風・斬ッッ!!」



坂本の烈風丸から、青白く光った閃光の一閃が放たれる


恐ろしくとがれた刃の化身は、黒い男に向かって迷うことなく飛んでいく



確実にやった



と思っていたが、白い期待はすぐ黒に塗りつぶされる

やつの刀、右腕が赤黒く光り、大きくその迫り来る斬撃に向かって振ると、切っ先から真っ赤に染まった烈風斬と酷似したものが放たれる

そして蒼と紅の斬撃が交錯したと思った瞬間、魔法力の爆発が起きる・・・




ドォォォォォォォォォォン!!



坂本「くっ!相殺されただと?」

アレース3「・・・。」シュゥイン ドシュゥ カン

坂本「くっ!」キン



〈まさかやつが同じようなものを使うとは・・・。〉

坂本〈悠長に構えていられないぞ。・・・どうする?〉

〈・・・・。あれは連発して使えないようだな・・・。使えたらなら、何発も放っているはずだ。とすると・・・。美緒、私に一度だけチャンスをくれ。〉

坂本〈いいだろう!今度は私が隙を作る。〉

〈私が一撃を叩き込む。あの斬撃に関しては・・・私がどうにかする。〉

坂本〈ふっ、わかった。信じているぞ。・・・おまえならできるとな。〉






      • カチャ・・・ガガガガガガ!


どこからともなく雨のような弾丸が3番機に降り注ぐ


アレース3「・・・・!」ズダダダダ ヒュン

坂本「ミーナ!向こうは終わったのか!」

ミーナ「当然よ!さっきのも見てたわ。こいつは厄介ね・・・。みんなももうすぐ来るわ」

アレース3「・・・。」シュゥィン ドシュゥ

私「くっ!ミーナ、あぶない!」カキィィン



ミーナに襲い掛かろうとしたアレースの一撃を私が、なんとか片翼だけ羽ばたかせ、かばうことができた


ミーナ「さっきのと機動力がけたちがいね・・・。っ!私さんストライカーユニットが!」

私「気にするな!自ら翼をもいだだけだ。しかし出力が足りない・・・。・・・・。ミーナ、私を高いところに運んでくれ。」

ミーナ「わ、わかったわ。」

私「美緒!頼んだぞ!」

坂本「ふふ、胸が熱くなるな。いくぞ!」




また金属の高い音が鳴り出す

私はそれが戦闘中は心地よい

かといって私は戦闘狂ではない・・・

しかたない、あれをつかうか・・・




ミーナ「この辺でいいかしら?」

私「ああ。ありがとう、やつを認識できるな。あと一つ頼みたいんだが、シャーリーがルッキーニにやってるように私にやってくれないか?」

ミーナ「えぇ!?あの放り投げるのを?できるかしら・・・。」

私「私と美緒とミーナ三人で思考を共有する。美緒が一回だけやつに隙を作る。その瞬間に私と共に降下してあいつに向けて放り投げてくれ。」



ミーナ「ならタイミングはわかりそうね・・・。さっきの斬撃はどうするの?」

私「私がどうにかできなければ私が真っ二つになるだけだ。頭から股にかけてな。」

ミーナ「なっ!そんな不確実なこと許可できません!」

私「ふふっ、絶対できるさ。私にはわかる。斬られるのはあの戦闘機械だとな。保障しよう。絶対できる。」

ミーナ「一体どこからそんな自信が・・・。わかりました、あなたを信じます・・・。」



私「いい度胸だ。〈美緒、頼んだ。〉」




坂本〈部下に頼られたんだ。ふふっ、かっこいいところをみせないとな。〉




その眼下では何度も影が交錯するのが見える

あんな格闘戦をするネウロイなどいなかったから、不謹慎だが少し新鮮だ。

その証拠に美緒も少し笑っているように見える・・・私の勘違いじゃなければ・・・。



坂本「はぁぁぁ!」カキッィン

アレース3「・・・!?」キキ

坂本「感謝するぞ!この機械を作った人間に!そしてすまない!お前を壊す!」


坂本はそういうと一気に力をこめ、アレースを押し返し、弾き飛ばす

そしてわずかにとった時間に鞘を背中からとり、刀を鞘に収めて、腰に携える


そう、居合いの構えである・・・


短い時間だが、坂本の精神は水面のように静かにおさまってゆく・・・あらゆる音が消え、この世界には自分と相手しかいなくなる錯覚を覚える


アレースが流れを断ち切るように斬りかかる


それに対し・・・常人では見切れない神速の居合いを戦闘機械に向けて放つ



坂本「――さらばだ。」シャキン ズバッ


恐ろしく鋭い刃の軌跡は、アレースのとてつもない硬さの刀と装甲を通り過ぎ、次の瞬間にはアレスの右腕が肩からまるごと吹き飛ばした




~敵機上空~



私「今だ。やつに目掛けてたのむ!」

ミーナ「ええ!うまくできなかったらごめんなさいね!」ヒュゥン

ミーナ「それっ!」ブン




私が弾丸のようにまっすぐスピードをのせて投げ出される

空を駆け下りていくうちの風の気持ちよさに心地よくなる

アレースはもう私に気づいている

そして刃も先ほどと同じように赤色に染め、今か今かと構えて間合いに入るのを待っている




しかし私は逃げるつもりは毛頭ない


あの人の前で強くなった私をみてもらいたい


戦う意思とあの人に追いつくという意志とともに




アレース3「・・・!」キュィィィィン バシュゥゥゥ

アレースも迎撃姿勢をとり、左腕を大きく振り、先ほどの恐ろしい赤き斬撃を飛ばしてくる


私は静かに目を閉じ刀に残った魔法力を全部ぶち込む



ああ、そういえば長い間扶桑の春の美しい桜をみてないな・・・

また帰ってみてみたいものだ

これを終わらせれば見にいけるだろうか?



さて、終わらそうか。



私「お前の負けだッ!はあぁぁぁぁぁぁぁ!」キィィィィィィィィィィン




「秘剣・桜花ッッ!!!」






刀から魔法力があふれ出る

空さえも断つように振り下ろした一閃はこちらに向かってくる赤いビームの一閃と激しく衝突するが、それを見事に真っ二つにする

アレースはもう逃げれない、超速で迫る私の間合いである



私「終わりだぁぁぁぁぁ!」



刀を突きの形に構え、突撃する


幻覚だろうか、私の周りに魔法力の渦が巻き起こる


桜吹雪のように


黒き者もなんとか剣でふさごうとするが、無駄であった



一人と一機は轟轟とした爆音と共に、正面から衝突する


散らすは桜、舞うは吹雪


      • 相手の剣もろとも、装甲、そしてコアをも貫いた



すべてを破壊する・・・



また轟音をたて爆発が起こる

あたりは爆散したアレースの結晶で包まれ、視界がさえぎられる





「はは・・・撃墜完了だ・・・・。だめだ、疲れてもう飛べない・・・。」




しかし、私の声は坂本とミーナに聞こえない



坂本「おい!私!どこだ!」

辺りいったいが白い吹雪に見舞われなにも見えない

もちろんその中で私の姿を視認することはかなわず、見つけられない・・・



ミーナ「美緒、私ので探すわ。・・・・・・・・・・・・。」フォン

もっさん「頼む。それなら見つけられるはず。」

ミーナ「見つけた・・・!あそこ!海に向かって真っ逆さまよ!」



私「(敵をやっつけたんだ・・・。よかった、みんなを守れた・・・。ん、美緒が前に見える。ああ、でも眠たいや・・・。・・・・。)」

坂本「私!おい!・・・ん?」

ミーナ「・・・寝てるみたいね。ふふっ、かわいい寝顔じゃない。全機基地へ帰還してください。」

坂本「まったく、無茶しおって。ふふふっ、今日は許してやるか。さぁもどろう、ミーナ。」




もっさん『さぁて帰ったらとりあえず、あの男たちの所業を上層部にまで言わないとな。』

ミーナ『そうね。あんな人間は減らないものね・・・。これを私さんは一人でやろうとしてたなんて、驚きだわ・・・。』

もっさん『こいつは昔から一人でなんでも背負い込む癖があってな・・・。それも変わっていなかったな。』

シャーリー『本当におどろきだよな~。まぁ最後には私たちを頼ってきてくれてよかった、かな。』

バルクホルン『仲間の頼みなら断るはずもないのに、なぜこうも言うのが遅れたのか・・・。』


サーニャ『きっと、みなさんを巻き込みたくなかったんだと思います。でも最後には一人じゃ無理だと気づいたんではないでしょうか。』

エイラ『素直じゃないやつダナ~。』

シャーリー『エイラがそれをいえるのか~。』ニヤニヤ

エイラ『ナ、ナンダヨ。』

ミーナ『まぁでもたぶんそうでしょうね。ふふっ、こんなかわいい寝顔をしているのに、難しいことばかり考えていたなんて、おかしい話ね。』


もっさん「ふっ、確かにな。』




私「すー・・・すー・・・。」スヤスヤ





最終更新:2013年01月28日 16:31