691 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 01:52:37 ID:IAy3g8j.
黒いロングコートを羽織った一人の男がこつこつと音を鳴らしながら廊下を歩く
つい最近まで入院していたせいか、体が少しだけ衰えているように感じる
病室でもできるだけのことはしていたが、やはり衰えは浮き出てきていた
そしてある木のトビラの前で止まり、ノックをして声を待つ
扉の向こう側から、入れ、との透き通った声が聞こえたので、遠慮無く開け中に入った
上官「よっ。退院おめでと。」
俺「ありがとうございます。実に退屈でしたよ。」
上官「看護婦でも誘えばよかったのに、ベッドに。」
俺「愛しの人が許してくれませんよ。さて……冗談はさておき。」
上官「うむ。俺中尉、いや、俺大尉。昇進おめでとう。特段大して言うこともないが、これからも精進するように!」
上官「そして退院おめでとう。本当にご苦労だった。」
俺「はい!ありがとうございます!」
上官「貴官には引き続き第501統合戦闘航空団で活躍をしてもらうことになる。異論は?」
俺「ありません。」
上官「うむ。では、改めて。現在をもって俺大尉、前線復帰を了承。501に再度行け。」
俺「了解!!」
692 :氷男Ⅱ、ここってさるないんだよね?:2011/01/13(木) 01:55:39 ID:IAy3g8j.
上官「ついては、後で輸送機で飛んでもらうことになる。その前に・・・」
俺「はい?なにかあるんですか?」
上官「いつものだ。まぁうちは基本実験・研究部隊であって開発のほうには手をあまりだしてないんだが・・・。」
俺「今回はだしたものがあると?」
上官「そういうことだ。それはあとで送る。また別に、おまえのストライカーユニットにもう組み込んでいるが、新システムだ。」
俺「……オーバードライブシステムみたいなものは勘弁ですよ。」
上官「ブーストシステムの強化版だ。説明は不要だな。」
俺「出力があがったと思ってもいいんですかね?あと今回の魔法兵器は斬艦刀ですか?」
上官「ほら、使用書に研究書。色々あるから見ておけ。自分で考えろ。」
俺「あ、了解。で、上官はいい男みつかりましたか?」
上官「いないよ、まったく。やっぱり私はかわいく美しい可憐なウィッチと生涯を遂げる運命なのかもしれんな。」
俺「ただ単にふられているだけでしょうけど。では、今から501に向かいます。お元気で!」
上官「ウィッチになにかしたらぶっ飛ばしてカールスラントに特攻させてやるよ、覚えておけ。」
俺「り、了解!」
ガチャ タッタッタ……
693 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 01:58:02 ID:IAy3g8j.
上官「ふぅ……。騒がしい男だ。」
イスに腰を深くかけ、ため息をつきさきほど出て行った男に聞こえない言葉を贈る
肩までかかったさぱさぱとした赤髪がきれいになびき、目は優しく移り変わる
机にばらばらになった資料の中から少しばかりがさがさとあさり、ある紙を取り出す
それに書かれているのは、ある男の身体診断書に、魔法力検査の結果
上官「もう長く戦える体ではないだろうに……よく無理をする。ふぅ……彼奴に幸おおからんことを。」
~Ju52内、501行き~
俺「ようやく復帰か……。まさか1ヶ月以上もかかっちまうとは……。」
ため息をふうと吐きすて、あと何時間でつくだろうか、と考えるが無駄だと思いすぐにやめる
今まで501にいたせいか、実に病院でも退屈だったし、今この輸送機内でも退屈だ
つい一週間前に退院し、自分の親に会いに行った後、もどってきたのだが……
心配したミーナ中佐や坂本少佐、トゥルーデがまだ戦線に戻すべきではないと判断してしまったのだが
我が上官の口づてによりつい昨日復帰が決まった
694 :名無しの俺:2011/01/13(木) 01:58:05 ID:Tev3snjQ
さるないよー
でも投下間隔開けて米待ちしたってイインダヨ?その辺は好みで
695 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 02:00:01 ID:IAy3g8j.
俺「向こうじゃ退屈しなさそうだ……。」
そうだ
あの場所が俺の居場所になった今あそこにいて退屈するということもないし、満たされないということもない
反対に俺には未だにもったいないくらいのいい場所だ
だから存外自己満足であそこにいると言ったほうがいいだろう
ふと手にもった研究書に意識しないまま目を通し、軽く内容を読み取っていく
俺「(斬艦刀に……魔法粒子収束波動砲?なんだ、これ。)」
斬艦刀に関して言えば、俺が以前にちょっとだけ試用をしたことがあり存在を知っているのだが
この波動砲ってのはまったく聞いたこともないし、加えてこの研究書にかいてあることも理解出来ない
……つくづく研究者は天才で変態だな、と思う
頑張って理解に努めてみたが、魔法粒子を蓄えながらウィッチによる固有魔法使用時の固有魔法粒子へと変換
さらに、それを収束させビームとして放つ、とでも言ったほうがいのだろうか
696 :名無しの俺:2011/01/13(木) 02:01:16 ID:Dx9QeBYo
いやっほう!久しぶりの氷男だ!
697 :氷男Ⅱ、待ってる人がいるからできるだけ速く投下する:2011/01/13(木) 02:03:24 ID:IAy3g8j.
俺「わかんねぇや……。まぁたぶん固有魔法仕様のビームライフルみたいなもんか……。」
ぱさりと地面に投げ捨てて、ふうとまたため息を吐く
また退屈になってしまった
そういえば、あの扶桑の……坂本少佐の戦友も呼び出されて帰っちまったな……
ならがんばって俺が皆をまもらなくちゃな
~501基地、快晴、昼~
俺「ふう、ちょっとしたフライトだが毎回楽しいな……。う~ん……。」
滑走路に降り立ち、うんと背伸びすると、どこからか元気で快活な声が飛んでくる
ルッキーニ「おかえりぃぃぃぃぃ!」
元気な娘たちがぼさっとつったっている俺に向かって走ってきている……
その遠くではエイラとサーニャ、ミーナ隊長がにこやかに雑談しているようだ
目を横に移すと、少佐と芳佳にリーネ、ペリーヌが訓練をうけていて、今にも倒れそうだが、こっちに気づき手を降ってきた
698 :氷男Ⅱ、覚えている人がいた…だと…?:2011/01/13(木) 02:04:55 ID:IAy3g8j.
そして……その近くでトゥルーデとエーリカがこちらを見つめてくる
いやエーリカがなにやらからかっているようだ
しかし、優しい目をした後に口を動かす
"やっと帰ってきたか"……
とトゥルーデがつぶやいたようにみえた
シャーリー「おれー!とりゃー!」ダキッ
ルッキーニ「うりゃー!」ダキッ
俺「うおっ!」
シャーリー「おかえりー。久しぶりだな!」
俺「いや入院中あっただろ。まぁ・・・ただいま。」
ルッキーニ「おかえり~♪うじゅじゅ~、今晩は芳佳のごちそうだって!」
俺「まじか!?よし、こりゃ腹を空かすしかないな・・・!」
699 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 02:06:21 ID:IAy3g8j.
その後みんなに一人づつただいま、と挨拶をしてコートをハンガーに置いてから久しぶりに少佐の訓練に参加したが
俺だけ特別訓練メニューなので途中でヘタレてしまった
体力の衰えがやばい
さっさとた立て!貴様はそれでも男か!と言われたが、むちゃくちゃだろうと内心つぶやいていた
終了後またいつかのようにごろりと滑走路に寝転がり少しばかり目を閉じ休息した
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~晩、食堂~
俺「……つかれたー。」
芳佳「私もです……。あ、でもご飯には腕によりをかけて作ってますよ!」
リーネ「今日は俺さんの復帰祝いだもんね。」
俺「二人ともありがとな」ナデナデ
芳佳・リーネ「い、いえ///」
俺「まだ少し時間がありそうだから、ちょっと着替えてくるよ。」
と言い残して食堂をでて、すたすたとなるべく足早に自分の部屋に向かった
700 :名無しの俺:2011/01/13(木) 02:06:58 ID:Tev3snjQ
フランカとシャーリーにおかえり言ってもらえるなんて……羨ましいな!氷
701 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 02:08:30 ID:IAy3g8j.
~自部屋~
服を脱ぎ、ベッドに投げ捨て、新しい服を持ってきたかばんの中からだし着替える
着替えた後、部屋をでようとするとこんこんとドアが鳴り響いたので開けると……
俺「あ、トゥルーデ。」
トゥルーデ「え、えと、体はもう大丈夫か?」
俺「もう治ってるよ。全くみんな心配しすぎだ。」
トゥルーデ「ふふっ、そりゃそうだ。俺はもう私たちの家族なんだからな。」
俺「ははは、そりゃどうも。トゥルーデ、心配させて悪かった。」ナデナデ
トゥルーデ「い、いや別にいいんだ、俺が無事でさえいれば……///」
俺「ありがとな。」
おでこにかかった髪を少し右手で持ち上げ、おでこにキスをする
ボッと真っ赤になったトゥルーデが目を逸らしたので、嫌だったか、と聞いてやると
い、嫌ではない、むしろ……と耳まで真っ赤にし言葉をごにょごにょと返してきた
俺「はははっ、トゥルーデはかわいいな。」
トゥルーデ「か、からかうな!さ、さっさと食堂にいくぞ!もうご飯は出来ているはずだ!」グイッ
俺「おわっ!」
702 :氷男Ⅱ、まぁ俺の妄想の塊ですから!:2011/01/13(木) 02:10:29 ID:IAy3g8j.
腕を引っ張られ、食堂に連れて行かれた
なにやらもう皆すでに集まっているようで、食堂に入ってきた俺たちに視線を投げかけてくる
シャーリー「遅かったじゃないか。なにしてたんだ??ニヤニヤ
トゥルーデ「な、なにもしていない!俺がとろとろとしているからだ!」
ミーナ「うふふ、さぁ席について。トゥルーデも俺さんも。」
言われるがまま席につくと、テーブルに並べられた病院食とは違う豪勢な食事に目がとらわれた
俺「す、すごいな。これ全部食べていいのか?」
芳佳「もちろんです!俺さんの復帰祝いですよ!」
エーリカ「いや~、一ヶ月もいなかったんだね~。トゥルーデが寂しがってたよ。」
俺「まじかよ。ごめんな、トゥルーデ。」
がたっと席を立って、そそ、そんなことはないぞ、と詰まりながらも興奮し否定するトゥルーデだが
みんなが席についているのを改めて勘付くと、またいすに座りなおす
703 :名無しの俺:2011/01/13(木) 02:11:35 ID:Tev3snjQ
おや?急に寒くなってきた。壁は……
704 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 02:14:53 ID:IAy3g8j.
坂本「では、俺。復帰祝いだ。ま、私が作ったんじゃないが存分に食べろ。病院食はそこまでいいものではなかっただろう?」
俺「そうですね……。決してまずい、とか言うわけじゃなかったんですが、やはり物足りなかったですね。」
ミーナ「じゃあ、退院おめでとう。明日からまたがんばりましょうね。」ニコ
坂本「よし、いただきます!」
全員「いただきます!」
そのあとテーブルに並べられたとてつもなくうまい料理の数々を口に放りこみ
味わいながら、至福の時間を過ごしたわけだが……
改めて飯はうまいものに限ると、そして家族と一緒に食事をするのは非常に楽しいと、内心思ったのだった
この体は一体どこまでもつだろうか
いや、もつ限り、俺の命がある限り、あの約束を果たし続けよう
そう、守る、ということを……
705 :氷男Ⅱ:2011/01/13(木) 02:18:43 ID:IAy3g8j.
さて、ここで止めるっさ
試作さんに影響され、ちょっとばっかし魔道兵器をだしてみたかっただけなんです、すみません
なにやら覚えていてくれる人がいるみたいで、ほんとうれしい
いちゃいちゃはいちゃいちゃのままでいきたいと思ってるんで、特段エロはないよ!
今回は「前線復帰」でしたが
次回は「鈍った体」です
基本暗い話はなしにして、ちょっとくらい明るくいきたいと思う
最後にトゥルーデちゅっちゅなでなで
706 :名無しの俺:2011/01/13(木) 02:20:07 ID:Dx9QeBYo
おちゅん
帰ってきてくれてうれしいぜ
707 :名無しの俺:2011/01/13(木) 02:20:36 ID:Tev3snjQ
乙! 家族って……いいよね……
次も楽しみに待ってるよー
最終更新:2013年01月29日 13:43