そしてまた月はめぐり・・・

---俺の部屋---

深夜0:00

またあの少年がやってきた。

アニマ「やぁ、元気だったかい?」

俺「お前か・・・もうそんな時期だったか・・・」

アニマ「今日はね、ちょっと話したいことがあるんだ。」

俺「なんだ?」

アニマ「やってくる『終わり』について少し思い出したんだ。」

俺「あまり穏やかな話しじゃなさそうだな・・・」

アニマ「そうかもね。でも、少し話させてくれよ。」

アニマ「『終わり』はもうすぐやってくる。」

アニマ「それがどういう『終わり』なのか、まだ僕には分からない。」

アニマ「ただ、君が満月に現われるネウロイを倒すたびに僕の記憶が少しずつ戻ってきてる。」

アニマ「もしかしたらあのネウロイたちと『終わり』は何か関係してるのかもしれないね。」

俺「よくわからないな。」

アニマ「そうだね・・・でも『終わり』っていうのは誰にでも訪れるもののことだと思うんだ。」

俺「誰にでも・・・?」

アニマ「うん・・・ごめんね、また何か思い出したら話すよ。」

俺「そうか・・・じゃあ、待ってるよ。」

アニマ「ありがとう。あ、今回は2体同時だよ。そして、『運命の輪』は『隠れる者』によって隠される・・・」

俺「?」

アニマ「それと、運命の輪の決めた運命には逆らえないよ。」

アニマ「じゃあね。」スー…

アニマはそのまま消えていった。

俺「隠れる・・・者?運命の輪?」


それから3日後の朝・・・

---ブリーフィングルーム---

ミーナ「今日で満月も6度目かしら・・・」

ミーナ「・・・それで、今日予測される敵は・・・・・」

エイラ「『隠者』・・・と出るとしたら『運命』・・・」

俺(なるほど・・・隠れる者と運命の輪ねぇ・・・)

ミーナ「そうね。それと以前現われた『グレゴリ』の2人の妨害も考えられます。十分に気をつけてください。」

ミーナ「では以上です。各自、夜に備えてください。」

そして夜

---バルト海上空---

俺「クシュン!」

サーニャ「大丈夫ですか・・・?」

俺「あ、はい・・・大丈夫っス・・・」ズルズル

ゲルト「この気候の変化についていけんようでは、まだまだだな。」

俺「はい・・・精進します・・・」

そして・・・

深夜0:00

俺「来たな・・・」

魔導針の色が変わる。

サーニャ「敵ネウロイの反応を確認・・・!数は2体です・・・!」

エイラ「『ハーミット』と『フォーチュン』ダナ・・・」

数分も立たないうちに眼前に黒々とした物体が現われる。

フードをかぶった人ような姿のハーミットと、まるでルーレットのような姿をしたフォーチュンだ。

フォーチュンのルーレットの目には1から22までの数字が刻まれており、盤面は1から順番に黒、赤、黒、赤・・・と交互に色分けされている。

ミーナ「アレね・・・全機、フォーメーション・・・」

ミーナが指示を出そうとした瞬間ネウロイが先に動く。

突如、ルーレットのような姿をしたネウロイ、フォーチュンの姿が、靄がかかったように霞んだ。

リーネ「な・・・何!?」

サーニャ「フォーチュンの反応・・・消えました・・・」

俺「まずはあいつを倒せってか・・・」

靄のかかったフォーチュンの体が回転を始める。

シャーリー「ルーレットしよう・・・ってか?」

ゲルト「クソっ・・・ふざけるな!」

ゲルトが仕掛けようと前に出ようとする。が・・・

ゲルト「なんだ!?動け!!」

エーリカ「どうしたのトゥルー・・・ってあれ・・・?動かない!?」

ペリーヌ「な・・・なんなんですの!?」

なぜかストライカーが前へと進まず、ただプロペラが回転し浮遊する事だけしかできない。

全員、動けなくなってしまった。ネウロイも一向に動く気配を見せない。

エイラ(もしかして・・・)

突如エイラが叫ぶ。

エイラ「ストップ!」

するとルーレットの回転が次第に遅くなり、1つの目の上で止まった。

エイラ「あれは・・・」

止まった目は黒の盤面。盤面に刻まれた番号は15。

その後途端に動けるようになった。

ゲルト「どういうことだ?」

ミーナ「なんにせよこれで攻撃できるわね・・・全機フォーメーション・アルファ!」

全員「了解!」

それと同時にハーミットも動き出す。

サーニャ「今度こそ・・・」

そう言ってサーニャがフリーガーハマーを構える。

と・・・そのときに気づく。

サーニャ「軽い・・・?」

いつもより武器が軽い。

が、かまわず照準をさだめ発射する。

バシュ!バシュ!

ハーミットの機動はそれほど速くなく、捉えるのは容易だった。

ロケット弾はハーミットに命中し、爆発する。

ギュオオオオオオ!!

サーニャ「やった・・・!」

しかし装甲が硬いようで思ったほど傷を負わせる事ができない。

ここでもう1つおかしなことに気づく。

俺「あいつ・・・装甲が再生してない・・・」

ネウロイの装甲が再生しない。

奇妙なことであったが、有利なことには変わりない。

瞬間、再びフォーチュンの体が回転を始める。

エイラ「またカ!」

そして再び全員、その場から動けなくなる。

ルーレットが回り始めた。

ルッキーニ「こんどはあたしがやるー!ストーップ!」

しかし、ルッキーニの言葉にはまるで反応しない。

ルッキーニ「え~なんでー?」

ミーナ「恐らく、今回のあのネウロイはサーニャさんとエイラさんにしか倒せないのね・・・エイラさん、お願い!」

エイラ「わかっタ!ストップ!!」

すると再びルーレットが止まる。

今度は赤色の盤面。示された番号は16。

するとハーミットの頭上に雨あられとビームが降り注ぎ、装甲がさらに削られる。

俺「そうか・・・」

俺「エイラさん!」

エイラ「なんダ!?」

俺「エイラさんの能力で狙った目で止められるはずっス!」

エイラ「え?」

俺「未来予知が出来れば、こっちは被害を受けることはないっス!」

エイラ「被害?そんなもの・・・」

俺「さっきの節制で止まったとき、俺らの弾薬がわずかながら減ってるっス!」

エーリカ「そういえば・・・道理で軽くなったと思ったら・・・」

俺「そのときの盤面は黒。そして塔で止まったときは赤・・・」

俺「つまり、盤面が青のときに止めれば相手になんらかダメージが与えられるっス!」

俺が言い終わると全員が動けるようになる。同時にハーミットも行動を再開する。

エイラ「わかっタ、やってみる!」

エイラ「サーニャ!!」

エイラがサーニャの元へ駆け寄る。

サーニャ「エイラ!」

サーニャも応えるかのように駆け寄った。

エイラ「サーニャ、一緒にあいつを倒そう!!」

サーニャ「うん!」

2人のコンビネーションは隊内でもずば抜けていた。

エイラの未来予知、そしてサーニャのもつフリーガーハマーの火力。

この2つが合わさり百発百中のロケットランチャーが完成する。この火力の前では並大抵のネウロイは耐えられない。

エイラ「いいか、サーニャ。さっき、節制のアルカナが出たとき弾薬が少し減ったはずダ。」

サーニャ「うん・・・軽くなったから、なんとなくわかってた・・・」

エイラ「さっきのでお前は2発うっちまったダロ?だから多分残りは4発程度・・・」

エイラ「チャンスはあっても2回。やれるカ?」

サーニャ「エイラとなら・・・できるよ・・・!」ニコ

エイラ「ああ!」ニッ

俺「俺も忘れてもらっちゃこまるっス!」

そう後ろから飛んでくるのは俺。

俺「俺が出来る限り活路を開くっス、お2人はチャンスが出来たらそいつをぶち込んでやってくださいっス!」

エイラ「ああ、頼むゾ!」

サーニャ「俺さん・・・お願いします!」

俺「グッドラックっス!」ニッ

彼は急速にハーミットへと接近する。

俺「いくっスよ、ヨシツネ!ベルゼブブ!!」

そう言って拳を構える。

俺「ぶっとべ!!」ビュォン!

手甲のはめられた腕から一直線に黒い竜巻が放たれる。

ハーミットは躱すこともままならず、そのまま命中。

竜巻は強力な鎌鼬を起こし、ガリガリと音を立てながら装甲の半分ほどをもっていった

俺「思った以上だな・・・」

と、ここで再びフォーチュンがルーレットを召喚する。

敵も味方も動きが止まる。

俺「エイラさん!!」

エイラ「まかせロ!」

エイラは意識を集中する。

エイラ「まだダ・・・まダ・・・」

近未来のヴィジョンが鮮明に映し出される。

エイラ「いまダ!ストップ!」

エイラの言葉に応えルーレットが止まる。

止まった盤面は黒の1。途端、全身を温かな感覚が包み込む。どうやら魔力が回復したようだ。

俺「ナイスっス、エイラさん!」

再び、見えない束縛が解除された。

俺「おっし!オーディン!!」

銃の照準をハーミットへと合わせる。

俺「ちょっと止まってくれよなッ!」

ガガガガガガガガガガガガガガガ!!

紫電と魔法力を帯びた弾丸の嵐。

グオオオオオオオ!!

それによりコアは完全に露出する。

俺「いまっス!お2人とも!!」

エイラ「よし!いくゾ、サーニャ!!」

サーニャ「うん!」ガチャ!

2人でハマーを構える。

エイラ「大丈夫・・・ワタシたちなら出来る!」

サーニャ「当たって!!」バシュ!バシュ!

当然のように2発ともヒット。

パリーン…

ハーミットのコアは爆風に巻き込まれ粉々に砕けた。

俺「さすがっス!」

エイラ「やったナ、サーニャ!」

サーニャ「うんっ!ありがとう、エイラ!」ニコッ

エイラ「お・・・おう・・・///」

俺「さて・・・残るは・・・」

ハーミットが消滅したことでフォーチュンを包んでいた靄が消える。再び、魔導針がフォーチュンの存在を捉えた。

俺「エイラさん、いけるっスか?」

エイラ「誰に物言ってるんダ?」

俺「そうっスね・・・じゃあいくっスよ!」

と意気込んだ瞬間フォーチュンが回転を始める。

俺「タイミング悪いんだよ・・・」

よく見るとルーレットの盤面の9割5分が黒く染められていた。

エイラ「おい!ずるいゾ、コレ!」

しかし非情にもルーレットは回り続ける。

エイラ「集中・・・集中・・・」

しかし先ほどから予知能力を使い続けているためエイラの魔法力も限界が見え始めていた。

エイラ「ストップ!」

ルーレットが止まる。

ルーレットはギリギリ赤の目で止まる・・・はずだった。

ガタン!

という音がするとルーレットの針が止まった目から大きくずれる。

エイラ「そんなのありかヨ!?」

止まった盤面は黒。刻まれた数字は12。

その直後、俺のストライカーが煙を噴き始める。

俺「・・・え?お・・・おい!」

そのまま海へと真っ逆さまに落ち、

ドポン

海へ着水した。

サーニャ「俺さん!!」

エイラ「俺!!」

俺「ゲホ!ゲホ!だいぶ水飲んだな・・・」

ミーナ「無事だったのね!」

ゲルト「まったく・・・ヒヤヒヤさせる・・・」

サーニャ「よかった・・・」ホッ…

俺「すんませんっス。ただ、これだとちょっと飛べそうにないっスね・・・宮藤さん、いけそうっスか?」

芳佳「はい!いけます!」

俺「お願いするっス。」

ここで、見えない束縛から解放される。

ミーナ「エイラさん、宮藤さん、頼みます!」

エイラ&芳佳「了解!」

2人はフォーチュンへと向かう。

サーニャ「エイラ・・・頑張って・・・」

フォーチュンはその場にとどまったまま動く気配を見せない。

エイラ「くらエ!」ガガガガガガガガガガ

エイラの持つスオミM1931が火を噴く。しかし装甲は硬いと言うどころか傷一つつかない。

芳佳「わたしがいきます!」シュンシュン!!

宮藤は火線を収束して放つ。

しかし彼女の放ったビームですらダメージを与えられない。

芳佳「そんな・・・」

フォーチュンの体が再び回転を始める。先ほどとは違い、盤面の比率は均等になっていた。

エイラ「よし・・・」

再びエイラが集中を始める。

エイラ「ストップ!」

ルーレットが止まる。

出た目は赤の16。

その瞬間フォーチュンの頭上に赤いエネルギーの束が降り注ぐ。

ギュオオオオオオオオオオ!!

フォーチュンが悲鳴を上げる。盤面の大半が剥げ落ち赤い光が漏れ始めている。コアまであと一息といったところだ。

再び動けるようになった途端2人は削れた部分へ集中砲火を浴びせる。

エイラ「サーニャはワタシが守るんダ!!」ガガガガガガガガガガ

芳佳「やああああああ!!」シュンシュン

装甲はみるみるはがされてゆきついにコアが露出する。

エイラ「いまダ!」

そう言って引き金を引く。しかし・・・

カチッ

エイラ「え?」

弾薬が出ない。

俺「まさか・・・弾切れ!?」

エイラ「そんな・・・あと少しなのに・・・」

サーニャ「エイラ!!」

絶望に苛まれる中、大好きな親友の声が聞こえる。

エイラ「サーニャ!!」

サーニャ「エイラ!」

サーニャ「私たちなら・・・できるよ!」

そう言って、フリーガーハマーを構える。

エイラ「サーニャ・・・うん!」

エイラはサーニャに体を寄せ、一緒にフリーガーハマーを構える。

サーニャ「これで・・・」

エイラ「終わりダぁぁぁぁ!」バシュ!バシュ!

残りの弾をすべてをフォーチュンへと発射する。

ズドォォォン!!

パリーン…

屹立した煙が次第に晴れる。その場所に、フォーチュンの姿はもうなかった。

サーニャ「やったね・・・エイラ・・・」

エイラ「うん・・・アリガトナ、サーニャ・・・」ギュゥ

2人は勝利を喜び、抱き合った。

エイラ「これからも・・・よろしくナ。」

サーニャ「うん・・・!」

こうして6度目の試練は無事幕を閉じた。

俺「クシュン!・・・あの、はやいとこ引き上げてもらっていいっスか・・・?」

---俺の部屋---

俺「うー・・・さぶい・・・」

机にはいつものようにカードが置かれている。

俺「今日は隠者と運命か・・・」

カードには確かに【HERMIT】と【FORTUNE】と書かれている。

カードを一瞥し終えると、カードは光を放ちながら1つになる。

俺「コレは・・・」

カードには星が描かれていた。アルカナ名も【STAR】となっている。

また頭の中に声が響く。

―――ん?・・・ここはどこだ・・・?――――

俺(?)

明らかにいつもとは雰囲気が違う。

――――なあ、君。イーノックを知らないか?――――

俺(は?イーノック?)

――そうだ、金髪ロングでいつも「大丈夫だ、問題ない。」とか言ってるやつなんだが・・・―――

俺(心当たりないっス・・・)

―――そうか・・・まあいい。――君のそばにいればそのうち見つかるだろう――――

俺(えっと・・・あなたは・・・?)

――自己紹介がまだだったな。私はルシフェル――――――

―――イーノックが見つからない間は君のサポートをしよう。――――

俺(は・・・はぁ・・・)

――――どうした、私のサポートが心配なのか?―――――

俺(いえ、別に・・・)

―ならいい。では、よろしく頼むぞ。―――――

声の主は消えた。

俺(なんなんだろうなぁ・・・)

俺「クシュン!」

俺「・・・もう寝よう・・・・・」


続き→ペルソナ10
最終更新:2013年01月29日 14:15