第3話 『エイラ、その運命の輪を回す時』


第501本部 ミーナ執務室

坂本『白い死神か・・・名前どおりだな・・・正直、噂以上だ』

ミーナ『ええ、同じ人間とはとても思えないわ』

ミーナ『正確な射撃、冷静な判断、これ以上ないくらい優秀な戦士ね』

坂本『戦力が大幅に強化されて、油断が生じる頃合いだな、気を引き締め直さねば』

ミーナ『そうね、そっちは美緒に任せるわ』

ミーナ(このまま、何事もなければいいけど・・・)






501本部 食堂

リーネ『どうすれば、そんなに正確な射撃ができるんですか?』

俺『練習だ』

リーネ『コ、コツとか・・・』

俺『そうだな・・・強いていえば』

エイラ『無駄ダナ、そいつの射撃の腕は子供の頃からのカモ猟の成果ダカラナ』

エイラ『知ってルカ?カモって信じられないくらい速く飛ぶんダヨ』

エイラ『そいつと、小さな頃から生活を懸けて戦ってきた努力の結晶ダカラ、それがただ事じゃないこと知ってるから忠告する、無駄ダナ』

俺『イッル!そんな言い方』

エイラ『ふん』ガタ

俺『おい!待てよ、っとリネット曹長、イッルは練習しかないって言いたかったんだよ、悪気は無かったはずだから、すまない!』

リーネ『あ、はい、わかってます大丈夫です、それよりエイラさんを』

俺『サンキュ』

芳佳『エイラさん、最近様子おかしいね、大丈夫かな?』






第501本部 廊下

俺『イッル!どうしたんだよ、お前最近おかしいぞ!』

エイラ『最近?お前が私の最近をどれだけ知ってるんダヨ』

俺『・・・』

エイラ『ウィッチになったことだって連絡しない、501に来ることだっていきなりダ』

エイラ『そんな奴に私のことをとやかく言われたくナイネ!』

俺『手紙送ってはずだぞ、全部』

エイラ『あんな直接的な書き方して、検閲で全部塗りつぶされて読めルカ!』

俺『マジ?あ、検閲忘れてた・・・』

エイラ『馬鹿、それにそれだけじゃなくて、他の隊員とデレデ・・・』(あれ?なんでこいつが他の隊員と話して私が不機嫌になってンダ?これじゃ・・私・・・)

俺『?』

エイラ(私はサーニャが・・・うん、そう私はサーニャが好きだ、問題ナイ)

エイラ『まぁ、そんなとこダナ、わかればヨシ』

俺(なんかよく解からんが、機嫌直った?)

エイラ『じゃあ、食堂に戻ろう、リーネに謝らないトナ』

俺『あ、別に怒ってなかったぞ』

エイラ(そう、これでいい、私達の関係はいつだって・・・)

ペラ

エイラ(運命の輪の逆位置、その意味は惰性)

エイラ(私の占いは・・よく当たる・・ね)

俺『また占いか、飽きないねぇ』

エイラ『お前のカモ猟よりはマシダロ』

エイラ『なぁ・・・お前だったら、受け入れられない運命が待ってたら、ドウスル?』

俺『俺にできることをするまでさ、どうしても納得いかなかったら・・・』

俺『その運命の輪を、ひっくり返してみるかな?』

エイラ『それができないから聞いてんダヨ!!』

エイラ(運命の輪の正位置、その意味は前進、発展)

エイラ(私の運命の輪は回るのカナ?)






サーニャ(・・・エイラと俺さん、やっぱり仲良いな)

サーニャ(・・・羨ましいな・・)

サーニャ(・・・エイラが?・・それとも、二人の関係が?)

サーニャ(・・・どうすればいいの?)






ロマーニャ付近 上空

坂本『敵ネウロイは中型が多数、この先には小さな集落がある、なんとしてもここで食い止めるぞ!』

坂本『各々、ロッテを組んで散開、攻撃に当たれ!!』

坂本『俺は私の援護についてくれ、コア持ちを捜す!!』

『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』

エイラ(サーニャの動きがいつもより悪い、嫌な予感がスルナ)

ペラ

エイラ(死神の正位置!?その意味は・・死・損失)

エイラ『サーニャ!』

振り向けば、サーニャの高度が落ちている、精神の状態が魔力に直結しているのだろう


その間にも、サーニャにネウロイが接近していく

一瞬、エイラの予知魔法が最悪の未来のヴィジョンを見せる

エイラ『嫌ダ!!あきらめたくない!!』

エイラ(あいつは言った、どうしても納得行かないなら、その運命をひっくり返すって!!)

エイラ『サーニャは私が守るンダ!こんな運命、ひっくり返してヤル!!』

エイラ『うぉぉぉぉぉー』

ダ!ダ!ダ!ダ!ダ!ダ!

予知を使い、敵の攻撃を回避しながら全速力でサーニャに追いつき、迫るネウロイ共を手にした銃の掃射で殲滅するエイラ

サーニャ『エイラ、ダメ!私を庇ったままじゃ、エイラまで!』

エイラ『嫌だ!絶対にあきらめナイ!!』

エイラ『こんな運命!認めナイ!!』



魔眼を輝かせた坂本がエイラとサーニャの危険を察知する

坂本『まずい!二人の背後にネウロイが!しかも、コア持ちだ!!』

俺『距離700、問題無い』






芳佳『エイラさん、サーニャちゃん!後ろ!ネウロイが!!』



芳佳の声を聞き、急いで振り向くサーニャ

そんな彼女と対象的に、ダイヤのエースは前を向いたまま落ち着いている

それは、未来予知の結果か、『彼』への信頼の結果かはわからない

バンッ!

聞き慣れた、猟銃の銃声

エイラ『サーニャ、前にも言っタロ?あいつの射撃は外れナイ』

ペラッ

エイラ『それに、もう結果は変わってる、死神の逆位置』

その意味は、危険の回避・希望を取り戻す

そう呟く、エイラとサーニャの背後で、ネウロイの消滅音がした





シャーリー『おいおい、今の距離700はあったよな?』

ルッキーニ『かっけー!!』

ゲルト『あの男の腕なら当然だろう』

エーリカ『結局、認めてるじゃん、トゥルーデ』

サーニャ『・・・エイラ、ありがとう』

エイラ『サーニャ////』

エイラ『よっしゃーー!!』

サーニャ『・・・それと、俺さん、守ってくれた』

サーニャ『・・・・・』

ステルスで身を隠している俺の姿はサーニャの魔道針でも探知できない、




エイラ『占いの結果、未来なんて手を伸ばせばこんなに簡単に変えることができるんダ・・・』

俺とエイラの関係を示す、運命の輪の逆位置のタロットを見つめながら、エイラは呟く

エイラ(惰性・・・納得、できないヨナ)






第501本部 食堂

エイラ『あ、俺ここにイタカ、体調不良を隠して出撃した件で少佐に怒られてる可哀想なサーニャのためにお菓子作るから手伝エヨ』

俺『料理なんてできないぞ、知ってるだろ?』

エイラ『それでもいいんだ、いいから付き合エヨー!!』ダキッ

俺『はいはい、わかったからひっつくな』

芳佳『エイラさん、元気になったみたい』

ペリーヌ『というより、元気になりすぎですわ、全く殿方に抱きつくなんてはしたない!』

俺『おいイッル、妙にご機嫌じゃないか、いい事でもあったか?』

エイラ『別に、いい事なんてナイサ』

エイラ『でも、10年間、ほったらかしにしてた運命の輪ってやつを回してみようと思っテナ』

俺『はぁ?意味わからんぞ説明しろよ』

エイラ(自分の気持ちもまだはっきりわからない、でも惰性なんて嫌だ)

エイラ(納得できない、だから回そう運命の輪を)

エイラ(どんな未来かはわからないけど、きっとこのまま何もしないよりかはいい未来のはずだから)

エイラ『ふふふ、ダメダナ』ニッコリ






501本部 近隣の湖

サーニャ『・・・エイラと俺さんがくれたお菓子、美味しかったな』

サーニャ『・・・二人で作ったのかな?』

サーニャ『・・・胸が、痛い』






エイラが占う未来

エイラ『はぁ・・・』 ガックシ

驚愕の事実に震える大尉

ゲルト『なに!?エイラ、お前妹なのか!?』

雷が近づける二人の距離

エイラ(安心する、もう怖くなんてナイ)

二人の関係の変化がもたらすものとは?

エイラ(今日だけダカンナー)

最終更新:2013年01月29日 14:34