第5話 『星空のステージ』

501本部 ミーナ執務室

坂本『サーニャの調子が優れないな、夜間哨戒の人員の補充が必要だ』

ミーナ『そうね、体調というより、精神的問題のようね』

坂本『悩みがあれば、相談にでも乗ってやりたいが、どうも他人に言えるたぐいの悩みではないようだな』

ミーナ『こういう時に力になれないのは、歯がゆいわね』

ミーナ『とりあえず、夜間哨戒には、サーニャさんとロッテを組んでいるエイラさんと、夜間での戦闘力の確認の意味を込めて俺さんにもついもらいましょう』 




501本部 近隣の湖

サーニャ『・・・』

湖面に浮かぶサーニャは、物思う、

エイラの事、自分の事、そして俺の事

サーニャ『!?』

頭に何かぶつかった

驚き、振り向けば、ステルスで身を隠していたのか、猟銃を構えた俺の姿があった

サーニャ『・・・・・』

俺『ああああああ、違います!違います!覗きとかじゃなくて!』

必死で身の潔白を主張する俺、そう、今サーニャは裸なのだ

俺『水鳥を狩ろうと思ってただけですから!!見てませんから!!』

サーニャ『クスクス』

サーニャ『・・・少し、お話しませんか?』 


湖 岸辺

俺(あ、服は着るんすね)

サーニャ『・・・俺さん、いつも基地にいないと思ったら、狩りしてたんですか?』

俺『はい、俺にとって狩りって生活の1部なんですよ』

俺『うち、貧乏だったんで、少しでも稼ぎが増えるように小さい頃から狩りに出されました』

サーニャ『・・・小さい頃から、銃を?』

俺『危ないですよね、でも狩りに出たおかげでイッルに出会えたんですから、感謝はしてますよ』

サーニャ『・・・聞いてます、初めて会った時も撃たれたって』クスクス

俺『びっくりしましたよ、誰もいないはずの森に女の子がいたんですから』

俺『妖精だと思うくらい綺麗でした・・・』

サーニャ『・・・・・・』(なんかモヤモヤする・・)

サーニャ(・・・不安なのかな?・・・何が?)

サーニャ(・・・わからない) 

サーニャ『~~~~♪』

俺『・・・とっても綺麗な歌声ですね、中尉の心みたいだ』

サーニャ『~~~~♪』(違う、私の心は綺麗じゃない)

サーニャ『・・・エイラの歌のほうが綺麗ですよ』

俺『いやいや、中尉の歌声に叶う人なんて俺は知りませんよ、それに歌声は心を写す鏡だってスオムスの古い言葉にあるんです』

俺『それに、俺自信、中尉の声が大好きです』

サーニャ『・・・・』////

俺『あ、でも中尉がイッルを褒めてたの、ちゃんとイッルに伝えてあげてください』

サーニャ『・・・私が?俺さんじゃなくて?』

俺『中尉が言うこそ、意味があるんです』(悔しいけどな)

サーニャ『??』

俺(最大のライバルはまだイッルの好意に気づいていない、まだ、チャンスはあるのかな) 




501本部 ハンガー 夜間哨戒、出撃前

エイラ『なんで俺も一緒なんダヨ』(この前は宮藤、毎回毎回、邪魔者が・・・)

俺『まぁ、夜目は効く方だしな、有事の時は援護できる奴が一人くらいいてもいいだろ』

サーニャ『・・・ごめんなさい、二人共、私のせいで』

エイラ『何言ってるんダヨ、サーニャのためならこんな事・・・』

俺『そうですよ、俺らは仲間なんですから当然です、そんな事言わないでください』

エイラ『おい、私のセリフを取ルナ!!』

サーニャ『クスッ』

エイラ『あ、やっと笑っタナ』

俺『中尉は笑った顔が1番ですよ、な、イッル!』

エイラ『わ、私に振るナヨ!』(私には、そんな事言ってくれた事も無いクセニー!!) 




アドリア海 上空 夜間哨戒中

サーニャ『~~~~♪』

エイラ『サーニャの歌を聴いてるトサ、まるでお母さんのお腹の中にいるみたいに心地イインダ』

エイラ『私は、この声が、大好きナンダ』ニコッ

俺『うん、わかるよ』(こりゃ、かなわんかもなー・・・)

ピコン

サーニャ『・・・!?』

それは突然の事だった、探知魔法により迫りくる熱源を察知したサーニャは、シールドを展開させるが間に合わず、ストライカーに被弾する

エイラ『サーニャ!!』

機動力を削がれたサーニャを支えるエイラ

突如しかけてきた敵は、再び雲海に隠れてしまう 

俺『今のネウロイ、あきらかに中尉だけを狙ってきたぞ』

エイラ『またか、以前にもサーニャの歌にネウロイが引き寄せられたことがあったンダ』

サーニャ『・・・敵の狙いは私、私を庇ったままでは、応援がくるまで持ちません』

エイラ『馬鹿な事を言うナヨ、サーニャ!』

俺『そうですよ、中尉を見捨てる、なんて選択肢は元からありません』

サーニャ『・・・なら、どちらか一人でも』

俺『それも選択肢に無いですね』

エイラ『そうダナ、二人じゃ無理ダケド、3人ならやれる』

エイラ『私達、3人ナラナ!!』

サーニャ『・・・3人なら?』

俺『つまり、敵は中尉の歌に引き寄せられてる、だから中尉をエサにして・・・』

エイラ『私の予知で回避、そしてネウロイが顔を出した所を、サーニャが装甲を破壊シテ・・・』

サーニャ『・・・俺さんの狙撃でコアを打ち抜く』 

俺『こいつは、3人が互いを信用しないとできない戦法だ』

エイラ『でも、私達ナラ』

サーニャ(・・・そうだ、私が羨ましくて嫉妬してのは、二人の信頼関係だったんだ)

サーニャ(・・・でももう大丈夫、私、わかったから)

サーニャ(・・・私も信頼されてる、信頼してる)

サーニャ(・・・だから、絶対)

サーニャ『・・・大丈夫』 




月夜の雲海の上、星空のステージでサーニャはエイラに抱えられ、歌っている

俺『さぁ、今宵のステージは、魅惑の歌姫に・・・』

サーニャ『・・・ダイヤのエースの未来予知』

エイラ『最後は白い死神の必中の魔弾でゴザイマス』

俺『お客様は、恥ずかしがりやのネウロイ様』

俺『お代は彼方の命で頂きます』

銃声が響く

当然、3人のステージはスターライトの喝采の中、成功に終わった 


501 談話室

俺『で、なんだこれは?』

エイラ『タンバリンという名の楽器だな、ほら、振ると音が鳴ルゾ』

俺『なんの真似だと聞いている』

サーニャ『・・ふふふ』

サーニャ『・・・今日はとってもいい気分だから、一緒に歌いませんか?』

エイラ『サーニャがピアノ弾いてくれるんダゾ、こんな幸せな誘い断らないヨナ』ズイッ

俺『う、うん』(なんつう迫力だよ・・・)

ピアノの音が鳴り響く、サーニャとイッルのハーモニーが美しい、音楽にはきっと幸せな気分を作る力があると俺は思う、中尉と歌うイッルはとても楽しそうだ

俺(イッルはやっぱ中尉と一緒にいると幸せそうだな)

俺(俺にできること・・・)

俺(銃を撃って、命を奪うことしか・・できない・・・)

俺(俺じゃ、あの笑顔を作れないか・・・) 




サーニャ(・・・なんて馬鹿な事で悩んでいたんだろうか)

サーニャ(・・・私が欲しかった物は、とっくにこの手にあったのに)

サーニャ(・・・それを気づかせてくれた二人に、思いを伝えよう)

サーニャ『・・・エイラ、俺さん、大好きです』ニコッ

エイラ『サ、サ、サーニャーーーー!!』

俺(こ、壊れた!?) 




501 俺自室前

俺『はぁ・・・なんか疲れたな・・早く寝よう』

エイラ『俺!!』

俺『ん?なんだイッルか』

エイラ『なんだとはごあいさつダナ!!』

エイラ『そうだ、そんなことより、ゴホン』

エイラ『ニコッ』

満開の笑みを顔に浮かばせるエイラ

俺『・・・』 

エイラ『感想は?』 ニッコリ

俺『え!?』

俺『いや、なんか・・』

エイラ『うんうん』(さぁ、私にも『笑顔が一番似合う』って言エ!!) ワクワク

俺『急に不気味だぞ、お前』

エイラ『・・・』 ゲシッ

俺『痛って!!』

エイラ『バカヤロ―!!』

タッタッタッタッタッ

俺『俺にも、あんな笑顔・・見せてくれるんだ』

俺(ああ、もう!!)

俺『あきらめられねぇじゃねえかよ・・・』 




最終回予告

サーニャのため、単身ネウロイの大群に立ち向かおうとするエイラ

エイラ『サーニャは、絶対に私が助ける!!』

白い死神の選択は?

俺(初恋が叶わないってマジだったんだなー)

エイラの選択は?

エイラ『わ、私は、サーニャの事を・・あ、あい・・』

恋の行方はどうなるのか?

俺『集中しろ!俺が外せば、イッルが傷つく!!』


最終更新:2013年01月29日 14:35