『狂気の笑み』
_______________________________
812 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:39:20.82 ID:RJ2l1ZFXO
〈変えようの無い事実がある〉
〈逃れられない現実がある〉
〈そして、俺には何もない〉
〈決まってしまっている未来〉
〈決まってしまっている最期〉
〈そして、俺の運命も決まってしまっている〉
〈なら、何故俺は生きている?〉
〈簡単だ〉
〈死ぬのが怖い。ただそれだけ〉
〈死にたくない。怖い〉
〈怖い〉
〈怖いこわいコワイ〉
〈コワイコワイコワイコワイコワイ〉
〈コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ〉
813 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:42:25.18 ID:RJ2l1ZFXO
〈こわい〉
〈怖くて仕方がない〉
〈恐ろしい〉
〈自ら命を絶つ事も出来ない〉
〈希望があるからでは無い〉
〈諦めて無いからでは無い〉
〈俺はもう諦めている〉
〈臆病だから〉
〈勇気がないから〉
〈だから出来ない〉
〈ただそれだけの事〉
〈怒りに身を任せる事も出来ない〉
〈『あの野郎』は憎い〉
〈殺したい〉
〈でも出来ない〉
〈俺も死ぬから〉
〈だからできない〉
〈戦いは嫌いじゃない〉
〈戦ってる間は何も考えなくて済む〉
〈偽りである感情に身を任せて〉
〈ただ壊す〉
〈殺し続ける。楽しい〉
〈だけど俺には分かる〉
〈俺の体は、だんだんと動かなくなっていってる〉
〈それも怖い〉
〈501〉
〈ストライクウィッチーズ〉
〈わからない〉
〈俺とはまるで対照的〉
〈まるで、『あいつ』と一緒・・・〉
〈手の届かない存在〉
〈彼女らは違う〉
〈故郷のため…?大切な人のため…?〉
〈己の信念のもと戦っている〉
〈俺は違う〉
〈俺はただ、自分の保身のため戦っている〉
〈死ぬのが怖いから戦っているだけ〉
〈情けない〉
〈俺にとって、彼女らは眩しすぎる〉
〈俺には何もない〉
〈空っぽの心〉
〈どうせ決まっている運命。変えようの無い未来〉
〈ならいっそ―――〉
〈全てを放棄し、考える事をやめて自分を捨て、心まで完全なる『兵器』になるか〉
〈それとも〉
〈偽りでも構わないから―――〉
〈心の空間を満たし、彼女らと同じように『人』として生きるのか〉
816 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:48:17.89 ID:RJ2l1ZFXO
―――ロマーニャ基地、港―――
<D特殊実験戦闘部隊専用船・ラオホウ、調整室>
研究員A「―――データ採取終了。全て想定の範囲内です」
研究員B「グリア値及び体内物質異常なし、全て正常」
ダルシム「うむ、データ採取、及び『調整』を終了する」
俺「………………」
ギュウーーーー……ゥゥン…………
『調整用』のカプセルが停止し、俺中尉は外に出る。するとダルシムが問い掛けて来た
ダルシム「調子はどうですか?『プロト01』」
俺「…問題ない」
ダルシム「私が到着するまでの間、連中に余計な事を話したりはしていませんね?」
俺「当然だろ」
ダルシム「ふん……。まぁ、いいでしょう」
ダルシム「それにしても……、今回あなたに緊急用としてγ-グリフェプタンを渡しておいて正解でしたよ。渡しておかなければとんでもない事になっていました」
ダルシム「私も…………そしてあなたもね」
817 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 17:51:25.36 ID:Mkz0HW11O
支援
818 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:51:38.69 ID:RJ2l1ZFXO
俺「……………………」
ダルシム「まさかと思いますが、γ-グリフェプタンを服用する所を連中に見られていたりはしませんよね?」
俺「ああ……勿論だ」
ダルシム「それならいいんですよ」
テクテクテク……ピタッ
調整室の外に出ようとしていたダルシムが、ドアの前で背中を見せたまま言う
ダルシム「あの小娘共が余計な首を突っ込んでくると、こちらとしても困ります」
ダルシム「だから、馴れ合いはほどほどにする事ですね」
俺「………………」
ダルシム「それに、あなたの為でもあるのですよ」
ダルシム「あなたは彼女らとは『違う』。あそこに在る物は……、あなたには二度と手に入らないものだ」
俺「二度とも何も……、一度でも手に入れてた記憶なんてねぇよ」
ダルシム「……そうでしたね」
819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 17:53:09.59 ID:qIO6f+Z10
支援
820 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:55:10.35 ID:RJ2l1ZFXO
ダルシム「とにかく、中途半端に光に当たってしまう事はお勧めしませんよ」
ダルシム「あなたは自分が生きる事だけを考えていれば良いのです。自分の命以外に執着しない方がいい」
ダルシム「必要が迫られた時、自分が死にたくなければね……」
俺「………………」
ダルシム「まあ、そんな可能性は杞憂でしょうけどね」
ガチャン、キィッ・・・、ガチャン
俺「……………………」
俺「……クソジジィ」 ボソッ
822 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:56:28.03 ID:RJ2l1ZFXO
ガチャ
?「俺中尉」
俺「うぉっ!?」 ビクッ
?「……何をそんなに驚いているのですか?」
俺「なんだよ、助手かよ…。脅かしやがって」
ダルシムの助手(以下助手)「? …とにかく俺中尉、あなたまたMG-08壊しましたよね」
俺「あー、そういやそうだったな」
助手「そうだったなじゃありませんよ!何回目だと思っているんですか!」
俺「14回目」 ケロッ
助手「わかってるならしないで下さい!ただのMG-08と違って、あなたようにカスタマイズされた専用品なんですよ?製造費も通常の三倍はします!!」
俺「そんだけの素敵仕様なのに、何で一発ぶん殴っただけでぶっ壊れる残念設計なんだよ……」
助手「まず銃で殴るの止めて下さいよ…。MG-08改・百式は優秀な『銃』なんです。『鈍器』じゃありません」
823 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 17:58:27.74 ID:RJ2l1ZFXO
俺「じゃあさ、何か接近戦用の装備でも作ってくれよ。敵は撃ち抜くよりもぶん殴った方がスカッとするんだよなー」
助手「俺中尉…、あなたの実験コンセプトは『超加速・大出力の火力・規格外の最大速度』の3点なんです。接近戦をする必要性がありません。それにそんな理由で新装備なんて―――」
俺「そうだな……じゃあ剣作ってくれよ!でかーい奴な。大剣!」
助手「人の話を聞いてますか?聞いてませんよね」
助手「わざわざ実験コンセプトに合っていない、リスクが高い接近戦用の装備なんて作る必要がないんですよ!」
俺「ここの隊長は刀で戦っているらしいぞ」
助手「Σ えぇ!?ホント?」
俺「俺も実際には見たことは無いんだけどさー。宮藤が言うには刀でビームを弾くわ、ネウロイぶった切るわ、挙げ句の果てには――」
俺「れっっぷぅ~~~ざぁーーーん!!!」
俺「なんだってさ」
助手「何ですかそれ」
助手(扶桑の魔女って……)
824 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:00:13.14 ID:RJ2l1ZFXO
俺「なんかかっこいいよなー、そういうの」 キラキラ
助手「そうですかぁ?」
俺「ってなわけで大剣よろしくな」 グッ
助手「だから駄目ですって。どうせ剣も銃みたいに投げちゃうんでしょ」
俺「あー…。確かにやるかもな…」
助手「でしょう?14回の内、何回かは銃そのものを敵に投げましたよね。銃はそのまま壊れちゃいましたし」
俺「じゃあさ、投げても平気なようにワイヤーのアンカーでも付けてくれよ」
助手「ああ、それはいいかもしれませんね。……って作りませんよ!?」
助手「投げる前提で話さないで下さい……」
俺「いーじゃん別に」
助手「良くありません!だいたい俺中尉は武器に対する配慮がまるで足りません。足りないどころかマイナスですよ」
助手「『使い捨ての道具』とかじゃなくて、もっと大事に……」
助手「あっ…………」
俺「……おい」
助手「あ…、あの……」
827 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:06:46.44 ID:RJ2l1ZFXO
俺「おまえさ…」
俺「戦闘中の俺が、そんな事に気を使える程の状態だとでも思っているのかよ!!」
助手「」ビクッ
俺「友軍機の事だってまともに考えてちゃいられねぇ。下手したら一緒に撃ち落としてしまうかもしれねぇ…!」
俺「ましてや『 使 い 捨 て の 道 具 』の事になると尚の事な!!」
助手「す、すいません……。失言でしたっ……」
俺「………………」
助手「ごめんなさい……。わたしはただ、せめてもう少しだけ武器を大事に―――」
俺「おまえらがそれを言うのか?」
助手「!!」
俺「ふん……、いいよ別に」
助手「あの……、その……」
俺「…別にいい。そんなもんだよな?俺とおまえらの関係なんてさ」
俺「おまえも結局は、研究員の一員なんだしな」
助手「わ、わたしは……」
828 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 18:08:59.67 ID:mAZT3ZQ30
心理描写すごいなあ
思考の流れがわかるもんな
見習いたい
832 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:12:39.53 ID:RJ2l1ZFXO
俺「……もういいよ。その話は」
俺「とにかく、剣頼んだ」
テクテクテク
助手「あ、あの……今日の栄養補給がまだ」
俺「いらねぇよ。どうせ点滴だろ?」
俺「明日基地で朝飯貰うからさ」
助手「そ、そうですか…」
俺「今日はもう遅いから、基地には戻らねぇ。船の部屋で寝る」
ガチャン、キィッ…、ガチャン
助手「…………」 ハァ(溜め息)
助手(またやってしまった……)
助手「……剣、発注しとこうかな」
助手「確かそんな装備の開発企画もあったはず……」
833 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:17:44.55 ID:RJ2l1ZFXO
―――――翌日の朝・食堂―――――
俺「おかわりっ」 モッサモッサ
ルッキーニ「あたしもーっ」
宮藤「はーい」
ペリーヌ「まったくはしたない……」
バルクホルン「…………」 パクパク
バルクホルン「ごちそうさま」 ガタッ
ミーナ「待ってトゥルーデ。今日はこの後、実験対象である試作型の説明があるわ」
ミーナ「私と少佐が立ち会う事になっているんだけど、あなたも…」
バルクホルン「分かっているミーナ。勿論私も行くさ」
エーリカ「そんなんやるの?」 モグモグ
俺「あー、そういや助手が言ってたような」 ムシャコラムシャコラ
宮藤「…………」
835 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:24:31.22 ID:RJ2l1ZFXO
宮藤「あのー…」 おずおず
坂本「何だ?」
宮藤「私も行ってもいいですか?その説明」
ミーナ「宮藤さんが?」
宮藤「はい」
坂本「いいだろう、特に拒む理由も無いしな」
宮藤「ありがとうございます」
―――――数十分後・基地内ハンガー―――――
助手「今回試作型の解説をさせていただきます。D特殊実験戦闘部隊所属、助手軍曹と申します」
助手「よろしくお願いします」 ペコリ
ミーナ「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。よろしくお願いします」 ペコリ
宮藤(若い女の人……。もっとおじいさんみたいな人が来るのかと思ってた)
宮藤(……おっぱい大きいなぁ)
838 :-Prototype-試作品-4話2010/11/08(月) 18:30:38.59 ID:RJ2l1ZFXO
助手「まず今回の実験及び、試作型のコンセプトについて説明させていただきます」
助手「今回の試作型のコンセプトは、『超加速・大出力の火力・規格外の最大飛行速度』の三点です」
坂本「…なるほどな」
坂本「俺中尉のあの飛行速度、あの機動性、あの火力・・・あれが試作型の性能か」
助手「まずはこちらです」
ガシャガシャン!
バルクホルン「……大きいな」
ミーナ「宮藤さんの背くらいの大きさはあるわね」
宮藤「はい、すごく……大きいです」
助手「こちらがコンセプトの1つ、『大出力の火力』であります……」
助手「対ネウロイ専用強化型魔導変換ライフル、通称『バスターライフル』です」
バルクホルン「バスター…ライフル……」
841 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/08(月) 18:39:26.82 ID:fadhZAtD0
支援
842 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 18:42:13.47 ID:qmt8lbIA0
このスレ見てたら自分でも何か書いてみたくなる
843 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:42:36.65 ID:RJ2l1ZFXO
助手「使い手であるウィッチの魔力を高破壊力のビームに変換し、撃つことが出来ます」
助手「分離させることにより掃射、追加装備をつける事により超長距離狙撃も可能です」
ミーナ「量産の目処は、たっていないのですか?」
助手「それなんですが……、このライフルには欠陥があるんですよ」
宮藤「欠陥、ですか?」
助手「はい、魔力の変換率が調整できてなくて……。1回の射撃に平均的なウィッチの魔法力を、約80%以上消費します。勿論破壊力は折り紙付きですが」
宮藤「80%も!?」
坂本「バカな……。1回撃ったら、もうまともに戦えないじゃないか!」
バルクホルン「まるで現実的ではない……。試作型以前の問題じゃないのか?」
助手「……はい。ですので、こちらは現在俺中尉の専用装備となっております」
助手「俺中尉の固有魔法との相性が非常に良く、中尉は約半分の魔力での射撃が可能となっております」
ミーナ「魔力変換……」
助手「はい。その上、俺中尉の魔法力の潜在能力は平均ウィッチのおよそ2倍。充分実戦での使用は可能です」
坂本「2倍か…、なるほど」
バルクホルン「その固有魔法と魔法力の高さを買われて、テストウィッチに抜擢されたのか……」
847 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:49:07.77 ID:RJ2l1ZFXO
ガシャガシャン!
助手「そしてこちらが、『超加速』・『規格外の最大飛行速度』のコンセプトである……」
助手「YF-19ジェットバーニア、通称『テウルギスト』です」
宮藤(これも昨日の……)
助手「これは両肩の後ろに左右1機ずつ……。つまり背中に装着する仕組みになっています」
宮藤「あんな大きいライフルや、こんな大きいバーニアを背負ってまともに飛べるんですか?」
助手「ええ、飛べますよ。装備の重量によるデメリットは、全てバーニア出力で補っています」
助手「ストライカーユニットと組み合わせる事により空中での姿勢制御を行い、また高速飛行中に瞬時の加速方向転換を可能にします」
坂本「最大飛行速度は?」
助手「推定ではマッハ2はくだらないと―――」
シャーリー「マッハ2ぃぃぃっ!!?」 ヌッ
助手「ひゃっ!」 ビックリ
ミーナ「シャーリーさん」
848 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 18:51:23.23 ID:qIO6f+Z10
エクスカリバーキター!
849 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/08(月) 18:51:42.18 ID:sSUgsD4DO
バリアで殴れそうだな。
850 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:52:04.07 ID:RJ2l1ZFXO
シャーリー「それホントなのかぁ?マッハ2!」
助手「は、はい。最大加速実験はまだですが、推定ではマッハ2を越えるくらいだと思われます。」
シャーリー「うへ~・・・。凄すぎて逆に良くわかんないな」
バルクホルン「そのバーニアの形は、ジェットストライカーの技術の応用か?」
助手「いえ。これもライフルも、全く独自の概念で作られています」
シャーリー「でも確かにちょっと似てるよな~。それにしたってマッハ2だろ?マッハ2」
シャーリー「あのジェットストライカーみたいな危険性は無いのか?あれだってマッハにも満たないのに、乗り手の魔法力を吸い尽くすじゃじゃ馬だったろ」
バルクホルン「む………………」
助手「え?あ、はい。変換効率を大幅に改善する事により、普通のウィッチでも一応の使用は可能になっています」
シャーリー「じゃあさ!あたしにも使わ―――」
助手「そ、それは駄目ですっ!!」
バルクホルン(………………)
シャーリー「え~、なんでだよ。マッハ2出るんだろ?最大加速の半分でもいいからさ~」
助手「だ、駄目なものは駄目です……!」
851 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/11/08(月) 18:52:23.26 ID:qIO6f+Z10
よく見たらVFでなくてYFだったw
852 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:55:19.36 ID:RJ2l1ZFXO
坂本「それは、危険性が改善されていないからなのか?」
助手「危険性は改善されて……います。問題ありません」
シャーリー「じゃあなんでだよ?」
助手「それは……」 オロオロ
ピコーン
助手「こ、これは俺中尉の専用装備だからです!俺中尉以外の装着は禁止されています」
シャーリー「ちぇー、なんだよ。ケチくさいな~」
バルクホルン(何を隠している……?)
坂本「……そうか、わかった」
ミーナ「………………」
853 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 18:59:38.83 ID:RJ2l1ZFXO
――――――――――――――――――――
助手「―――以上で解説を終了させていただきます。それでは」 ペコリ
テクテクテク…
バルクホルン「ミーナ、彼女は……」
ミーナ「ええ、そうね」
宮藤「え?何がですか……?」
坂本「助手軍曹の事だ。あれはどう見ても嘘をついている者の目だった」
宮藤「嘘って……」
バルクホルン「シャーリーにテウルギストの使用を断った理由だ」
シャーリー「あの人絶対嘘吐くの苦手だよな~。あの時目泳いでたし」
宮藤「何か言いたくない事情があるのでしょうか…」
ミーナ「やはり、この実験には何か裏があるようね。もう少し広く情報を集めてみましょう」
坂本「…うむ」
バルクホルン「そうだな……」
860 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:09:12.02 ID:RJ2l1ZFXO
―――――その日の午後・基地周辺―――――
宮藤「ハァ…、ハァ…」 タッ、タッ、タッ、タッ
リーネ「ハァ…、ハァ…」 タッ、タッ、タッ、タッ
俺「ゼェー…、ハア"ァー…」 タッ、タッ、タッ、タッ
タッタッタッタ……
坂本(ダム・ダ・ダルシム大佐か……。何故だ、なぜあの顔と名前に覚えがある……?)
坂本(私はあの男を知っているのか……?まるで思い出せん)
宮藤「や、やっと終わった~」 バタリ
リーネ「もう、動けない…」 バタリ
坂本「よし!基礎訓練は終りょ―――って…」
坂本「おまえ達、俺はどうした?」
リーネ「あ、あれ……?」 はぁはぁ・・・
宮藤「ちょっと前まで…、少し後ろに…」 はぁはぁ・・・
865 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:17:22.60 ID:RJ2l1ZFXO
5分後
俺「ぜぇ…ハァ…」 バタリ
坂本「どうしたんだ?昨日より大分遅くなってるじゃないか」
俺「」 ガクリ
リーネ「ああ…、もう何も言わずに倒れるなんて……」
宮藤「俺さん大丈夫?」
俺「」 フルフル(無理)
坂本「はぁ……(溜め息)、おい俺」
俺「?」 クルッ
坂本「この3日間、おまえは宮藤やリーネと同着だった。ペースを合わせて走っていたのかもしれんから、それはまぁ良しとしよう」
坂本「だが今のおまえの有り様はなんだ?」
坂本「2人ともおまえより年下の女子。年上で男であるおまえが差をつけられて負けてどうする」
俺「だんじょ・・・さべ…つ……は、んたい………」 ゼェゼェ
坂本「まったく……、情けな―――」
?「本当に情けないな」
866 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:19:11.20 ID:RJ2l1ZFXO
俺「げ……!」 ゼェゼェ
宮藤「バルクホルンさん……」
バルクホルン「空中ではあんなに動けていても、地上じゃこの有り様か」
俺「お……おまっ……いつから……」 ゼェゼェ
バルクホルン「ほら、水だ」 ヒョイ
俺「」 バッ
ゴクッゴクッゴクッ・・・プハァー!
俺「はぁー……。で、軍規大尉は……じゃなくて大尉殿は何故ここに?」
バルクホルン「おまえに尋ねたい事があったのだが……、今は忘れよう」
俺「……は?」
バルクホルン「坂本少佐」
坂本「なんだ?」
バルクホルン「私に……、俺中尉を1から鍛え直させてくれ!!」
俺「……………」
俺「はぁ?」
869 :-Prototype-試作品-4話>>862スマン、サルらないくらいに急いで終わらせる[]:2010/11/08(月) 19:24:42.08 ID:RJ2l1ZFXO
―――――基地内ハンガー―――――
バルクホルン「……準備はいいか?中尉」
俺「問題ねーよ、さっさとやろうぜ」
バルクホルン「いいだろう……、今回で貴様のその慢心とひねくれた態度と根性!叩き直してやる!!」
バルクホルン「わかっているな、私が勝ったら……」
俺「いいぜ?おまえの特訓でもスパルタでも、何でも言うこと聞いてやるよ。 その代わり俺が勝ったらそっちも……」
バルクホルン「ああ。貴様がカールスラント軍人らしからぬ振る舞いだろうと、上官を上官と思わないような態度だろうと、私は一切貴様に干渉しない」
エイラ「なぁリーネ、宮藤。なんであの2人ストライカー履いて睨み合ってんダー?」
リーネ「え、えーと、さっきまで私達三人で坂本少佐の特訓を受けていたんです」
宮藤「それで基礎訓練であるランニングが終わって」
リーネ「みんなでへばっていたら、バルクホルンさんがやって来て、それから……」
ホワホワホワ~~~ン
871 :-Prototype-試作品-4話>>862スマン、サルらないくらいに急いで終わらせる[]:2010/11/08(月) 19:29:56.64 ID:RJ2l1ZFXO
~~~~~~~~回想~~~~~~~~
バルクホルン「私に俺中尉を、1から鍛え直させてくれ!」
俺「…………はぁ?」
坂本「大尉がか?」
バルクホルン「ああ、私がだ」
俺「えー、俺はいやだね」
リーネ「俺さん?」
俺「あんまり好きじゃねぇんだよ。軍規だ規律だって、そういう事ばかり言ってる奴」
宮藤「ちょ」
バルクホルン「中尉、貴様は規律以前の問題だと言っているんだ」
俺「………………」 ピクッ
バルクホルン「規律以前に、そのひねくれた態度、ねじ曲がった根性。カールスラント軍人以前に、貴様はウィッチとしての自覚が―――」
俺「うるせーゴリラ女。命令するんじゃねえよ」 ボソッ
バルクホルン「なっ!貴様ぁ!」
俺「なんですかぁぁぁっ!!?」
872 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:32:08.52 ID:RJ2l1ZFXO
~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~
宮藤「ってな感じでお互いにヒートアップしちゃって」
リーネ「
模擬戦で決着をつける事になったんです……」
宮藤「負けた方は条件を飲まなければならないって……」
エイラ「ふーん」
バルクホルン「………………」 バチバチ
俺「ちっ…………」 バチバチ
助手「あ、あのー……」 おずおず
俺・バルクホルン「「あぁっ!?」」
助手「ひっ!」
俺「なんだよおまえか……。何の用だよ」
助手「あ、あの俺中尉……。アレはよろしいのですか?」
俺「はぁ?」
助手「アレですよ。アレ…」 クィッ、クィッ
バルクホルン(…………)
874 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:34:52.35 ID:RJ2l1ZFXO
俺「……あぁ、テウルギストは使わねーよ。下がっていろ」
助手「は、はい……」 イソイソ
バルクホルン「ほぅ、殊勝な心掛けだな中尉。てっきりアレを持ち出してくるものだと思ったが」
俺「その上から目線が気に食わねー。使うまでもねえって言ってんだよ」
バルクホルン「なら……その判断が誤っていたと、すぐに後悔させてやる」
俺「はっ!望むところ―――」
ヴヴゥゥゥゥーーーーーン!!!!!
一同「!?」
宮藤「ネウロイ!?」
バルクホルン「馬鹿な……、昨日ネウロイが出たばかりだぞ!」
―――――基地内・指令室―――――
坂本「どういう事だ!?」
ミーナ「……おそらく、おそらくだけど」
ミーナ「本来の予報でネウロイの侵攻が予想されていたのは、もともと今日よ」
坂本「しかしその予報は外れ、昨日ネウロイが……」
875 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:38:21.22 ID:RJ2l1ZFXO
坂本「!……まさか」
ミーナ「ええ、予報は外れてなんか居なかった……。昨日現れたのは、イレギュラーだったのよ」
坂本「ネウロイの巣が、活性化しているとでも言うのか」
ミーナ「わからない。でもネウロイが遠くに居る段階で発見出来たのは、幸いだったわ」
坂本「ああ、出撃準備をする!」
――――――――――――――――――――――――――――
878 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:43:23.67 ID:RJ2l1ZFXO
――――再び基地内ハンガー――――――
俺「ち……!またネウロイかよ」 ガチャガチャン
愚痴りながらも、俺はバスターライフルとテウルギストを装着する
バルクホルン「中尉!先行は―――」
俺「しねーよ。する理由も無いしな」
助手「あのっ・・!俺中尉!」
先ほど突き放された助手が、俺のもとに駆け寄ろうとする。だが―――――
助手「きゃあっ!」 ステーン!
エイラ「あ、こけた」
助手「いったぁ~………っ!」
バルクホルン「……!」
他の人からは見えなかったが、バルクホルンの位置からは偶然見えた
転んだ助手の懐から、何かが落ちたのを
そしてバルクホルンは気が付いた
それが昨日基地に帰還した時に俺が飲んでいた、『何か』の入った容器だということに
880 :-Prototype-試作品-4話あと4つくらい[]:2010/11/08(月) 19:47:41.23 ID:RJ2l1ZFXO
すぐに坂本がハンガーに姿を現し、宮藤、リーネ、坂本、エイラ、バルクホルン、そして俺が出撃した
坂本「敵発見!距離15000、雲の中!」
坂本が魔眼を使い、ネウロイの位置を確認する
やがて、肉眼でネウロイを補足した
坂本「攻撃開始!…………俺!?」
俺「雑魚相手じゃ楽しめねぇんでなぁ……。ちゃっちゃっと殺っちゃいますかぁ!!」
バルクホルン(また変わっている……!?)
ろくな散開行動もとらず、俺中尉は真っ正面からネウロイに突っ込んで行く
ネウロイが発射するビームを、上下左右に滅茶苦茶な軌道で回避しながらも、そのまま速度は落とさずネウロイに肉迫する
宮藤「す、すごい……!エイラさんみたい」
バルクホルン「あれがテウルギストの機動性……!」
エイラ「滅茶苦茶じゃないカ!」
俺「あっははははははははは!すげえ、すげえッ!大ハズレだぁ!!」
あっという間にネウロイに取り付き、バスターライフルを突き付ける
接近中にチャージは終わっていた
881 :
もっさんと幼馴染みの俺[]:2010/11/08(月) 19:49:04.83 ID:K0HzLCxbO
支援。
ゆっくりと頑張って~
882 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 19:50:08.75 ID:RJ2l1ZFXO
俺「はぁい、終了ォ!サヨウナラ!!」
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォーーッ!!!!!
至近距離で撃ったにもかかわらず、発射されたビームはネウロイを丸ごと飲み込む
コアの位置を確認するまでもなく、ネウロイは光になり消えた。文字通りの一撃必殺だった
俺「へへへへへへへへへへ………、あははははははははははははっ!!弱えーっ!」
坂本「なんて奴だ……!」
エイラ「私達出撃した意味あったのカー?」
宮藤「俺さん……」
宮藤は怯えていた。俺中尉の戦闘能力にではない。以前俺中尉が宮藤達に見せた笑顔とはまるで違う―――
今の笑っている俺中尉の顔は、狂気の笑みを浮かべていたのだから
883 :-Prototype-試作品-4話さるってた>>881スマンありがとう[]:2010/11/08(月) 20:00:10.25 ID:RJ2l1ZFXO
<D特殊実験戦闘部隊専用船・ラオホウ、ダルシム私室>
ダルシム「素晴らしい……、素晴らしいぞ!予想以上だ!これならネウロイなど敵ではない!!」
ダルシム「私の研究が世界を救う……!私がだ!世界を救う!」
ダルシム「私の研究が……、ネウロイ共を滅ぼすんだ!!根絶やしにするのだ!!」
ダルシム「見ていてくれカオリ……!ふふふふふふふふふふ………、あははははははははははははっ!!」
彼もまた、狂気の笑みを浮かべるのだった
――――――――――基地・ハンガー――――――――――
バルクホルン「中尉!」
俺「なんですかぁー?命令違反なんてしてませんよ」
俺「ちゃんと攻撃開始!って言われてから仕掛けたましたからねえ」
バルクホルン「そうじゃない……!あの戦い方はなんだ、まるで捨て身じゃないか!」
885 :-Prototype-試作品-4話[]:2010/11/08(月) 20:01:36.55 ID:RJ2l1ZFXO
俺「それの何がいけないんですか?捨て身でもなんでも、敵を倒せればそれでいいじゃないですか」
バルクホルン「だが、あんな戦い方を続ければいずれ命を―――」
俺「……それで、あんたに迷惑がかかるのか?」
バルクホルン「なに……?」
俺「仮に俺がネウロイにやられて死んだとして、それであんたに迷惑がかかるのかよ」
バルクホルン「・・・!」
俺「そうじゃないだろ?自分の命をどうしようと俺の勝手だ。あんたの知ったことじゃない」
バルクホルン「中尉、おまえは…………」
俺「データ収集があるので失礼します。坂本少佐達によろしく」
冷たく言い放ち、俺中尉はバルクホルンに背を向けてハンガーを後にする
俺「ああ…!忘れてたけど大尉。今日はもう無理なんで、模擬戦は明日に」
バルクホルン「………………」
俺「……では」
そう言って俺中尉はハンガーから去って行く
バルクホルンには、彼の背中を見続けることしか出来なかった
最終更新:2013年01月29日 15:01