『ただ今は、一人の為に』 その2
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398 :試作な俺-21話:2011/05/12(木) 16:13:44.69 ID:H3XnPXXWO
《こんな三下相手に何を手こずってんだ。トロ臭くて見てらんねぇよ》
(てめえ、こんな時に何の用だ・・・!)
頭の中に響くと言っても、目の前の人型とは違うもう1つの『声』
度々俺の頭に直接語りかけてくる、正体不明の謎の声だった。(※6、7、11、16、18話)
この声については俺自身もよくわかっておらず、「時々頭に直接響く誰かの声」くらいにしか認識していない
《何かあの人型は見ててイラつく。不愉快極まりないんだよ。だからさっさとぶちのめせ》
(てめえに言われなくてもわかってんだよ、失せろ・・・!)
《はいはい。それじゃあ精々頑張れよ、「臆病者」》
フッ!
推奨BGM的な物
俺「ちっ・・・」
人型ネウロイ《どこを見ている!》 ブンッ!
俺「!」
ドゴォッ!!
人型のクローによる攻撃。会話の不意を突かれた為に躱しきれず、シールドを張って防ぐが体ごと吹っ飛ばされる
続けざまに人型が追撃する。伸縮するクローと刀剣の連撃が来るが、武器を破壊された俺は避け続けるだけだ
人型ネウロイ《戦闘中に立ち尽くすなんて、白昼夢でも見てたのか?》
俺「テメェみてえに頭ん中でうるせーのがもう1人居てな。そいつの相手してた」
俺「・・・だが、もう頭ん中で話されるのはうんざりだ。そろそろ終わりにさせてもらう」
人型ネウロイ《ふん、残念だったな。キサマでは我々に勝つことは出来ない》
俺「また上から目線かよムカつくな。とことん気に食わねぇ野郎だテメェはよ・・・!」
人型ネウロイ《事実を述べたまでの事。武器が使えなければ我々に勝つことは無理な話だ》
人型ネウロイ《それとも、その背中のライフルを使うか? だが知っているぞ。こんな所でそれを使えば、この街もただでは済まな───》
バキィッ!!
人型ネウロイ(っ!!?)
俺「武器が無ければ、拳を使えばいいじゃないか」 ブンッ!
ドガッ!!
人型ネウロイ(殴った……? 馬鹿な。コイツの拳はさっき我々を殴り続けた事により、既に深刻なダメージを受けているんだぞ!?)
人型ネウロイ(痛みでまともに動かす事も出来ない筈だ。なのに何故こうも・・・!)
俺「はっはははぁ!」
そんな人型の考えとは裏腹に、俺は強化した拳で人型を殴り続ける。
既に両拳の皮は剥がれ落ちて血が滲み出、肉も傷だらけになっていた
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 16:22:16.88 ID:V3KsGKhI0
支援
401 :試作な俺-21話 支援ありがとう:2011/05/12(木) 16:25:55.54 ID:H3XnPXXWO
俺「飛べオラァ!」 バキィ!
人型ネウロイ《ぐっ・・・》
拳をマシンガンのように叩き込まれ、人型の表面装甲は既にボロボロになっていた。
このまま再生が追いつかなくなれば、彼(彼女?)の命運はそこで尽きる事になるだろう
人型ネウロイ(このままでは…………ん?) チラッ
ふと人型はすぐ真下に広がる街に意識を向ける。そしてあるモノに気が付いた
人型ネウロイ(これは……) ニヤリ
この人型には口が無い。だが今人型は、確かに心の中で口元を歪めた
ガシャン
焼け石に水状態だった反撃を止め、刀剣を右腕に収納する
バキィッ!!
再び殴り飛ばされ、俺と人型の距離が大きく開く。その一瞬の隙を突いて人型は、下の街に向けて自由になっていた右手を翳した
俺(は? どこを狙って……) チラッ
ビーム攻撃が来ると思った俺はバーニアの向きを変更し、回避行動に移っていた。しかし狙っているのは下の街。まるで見当違いの方向。視線を向けるとそこには───
逃げ遅れた少女「ひっ・・・」 ガクガク
俺「!!!」
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 16:28:02.66 ID:V3KsGKhI0
しえーん
403 :試作な俺-21話 支援多謝:2011/05/12(木) 16:32:42.00 ID:H3XnPXXWO
考えるよりも先に体が動いた。
人型の狙いが少女だと気付いた俺は即座にバーニア変更を行い、瞬間的に超加速する。瞬間加速はテウルギストの十八番だ。
そして人型と彼女の間に入り込み、シールドを張る。それと全く同時にビームが発射された
ビシュゥン!
俺「ちっ!」 パキィン!
少女「きゃっ!」
しっかりとビームを受け止め、少女を守る。そして無関係な少女を狙った事に怒りを覚えつつ、ビームを撃った本人を睨みつけ────
俺(! いない!?)
既にそこに人型は居なかった
俺「あの野郎、どこに─────っ!」 クルッ
本能的に振り返り後ろを向く。すると人型が左腕の大型クローを構え、俺に襲いかかっている最中だった
俺(この距離なら・・・!)
早めに奇襲を察知した事により、まだ両者の間には僅かに距離があった。これだけの距離。普通のウィッチなら無理だが、テウルギストを装備している俺なら余裕で回避出来る。
俺はテウルギストを噴射させて攻撃を回避しようとする。
だが───
テウルギスト「」 プス・・・プスン
俺(オーバーロードッ!?)
404 :試作な俺-21話:2011/05/12(木) 16:38:50.20 ID:H3XnPXXWO
酷使に耐えきれず、テウルギストは白煙を噴き出して機能を停止させる。
元々整備が万全で無い状態の緊急出撃。そして基地からローマまでの最大加速と戦闘中のエクストリームブースト連続使用により、テウルギストは既に悲鳴を上げていたのだ
俺(くそ!)
回避は不可能。
ごく短時間のこのやり取りの中でそう悟った俺は、防御の為に手を翳してシールドを───
ドゴッ・・・
しかし……一歩遅かった。
人型の大型クローは、寸分の狂いも無く俺の体に叩き込まれる
そして人型は、俺の体をクローで巻き込むような形でそのまま慣性のままに飛び、勢いよく俺の体を塔の外壁に叩きつけた。石壁が砕かれ破片が下に落下していく。
俺「…………っ!!」
掴まれた状態で叩きつけられた為に力の逃げ場はまるで無く、容赦ない衝撃が俺を襲っていた。
俺は人型のクローの中で、壁に押し付けられたままグッタリと項垂れる
人型ネウロイ《他人になど構っているからこうなる》
俺「・・・・・・」
人型ネウロイ《甘いんだよキサマは。この甘さを捨て切れないから、こういう無様な事になる。我々の誘いも断る》
人型ネウロイ《地獄の底で後悔し続けるといい。甘さを捨てられなかった自らの愚かさをな》
俺「・・・・・くははっ……」
人型ネウロイ(! コイツ・・・まだ意識が!)
完全に仕留めと思い込んでいた人型は、すっかり面食らう
俺「はは……、こんなに・・・こんなにズダボロにやられてるってのに・・・」
俺は
狂気の笑みを浮かべる。壊れた人形のように笑い始めた
俺「なのに……………………それなのにさあああああぁっ!!!」 ガシッ
俺が塔に突っ込まされて激突した事により、その外壁も破壊されて壁の中の資材が一部剥き出しになっていた。
自分の顔の直ぐ左側で突き出した状態になっている、補強の為であろう直径1cm程の丸細い鉄筋を右手で掴んで数十cm程の長さで折ると───
ドスッ!
人型ネウロイ「――――――!」
俺(「爆」・・・!)
それを人型の左肩に突き立て、固有魔法の魔力変換で鉄筋に”爆発力”を注ぎ込む。突き刺さった鉄筋は、あっという間に1つの強力な”爆弾”と化した
突き刺した事により僅かに拘束が緩んだ隙に、俺は左腕で人型の顔面にストレートを叩き込み、続いて回し蹴りをお見舞いしてぶっ飛ばした。両者の距離が開く
俺「爆ぜろ!!」 クンッ
ドガアアアァァァァァァァァァンッ!!!
距離が離れた所で俺は起爆の合図を送る。
突き立てた鉄筋が爆発を引き起こし、大型クローである人型の左腕を吹っ飛ばした
人型ネウロイ《ぐっ……キサマアアアァッ!!》
俺「あはっ、ぎゃはははははははははははははははははは!!」 ドゴッ!
人型ネウロイ「―――――!」
人型の左腕はゆっくりと再生を始める。しかしその間にも、俺は高笑いしながら激しく殴りかかる。負けじと人型も反撃する
俺「小賢しい真似が大好きみたいだなぁネウロイさんよォ!! ダメだろ? テメェは俺だけの相手をしてくれなくっちゃさぁッ!!」
人型ネウロイ《小賢しい? 何を言っている!》 バキッ!
人型ネウロイ《我々は有効な戦法をとっているだけに過ぎない。しかしこうするといつも人間は、口を揃えて「汚い」だの「卑怯」だの言う。理解出来んな!》
俺「それはそいつらが人間で……テメェがネウロイだからだよぉ!!」 ブンッ!
ドゴォ!
俺「っ・・・!」
もう一度人型を殴り飛ばした所で、俺はある事に気が付く
俺(左腕が……うまく動かない・・・?)
人型ネウロイ《ようやく気が付いたか》
俺「…何がだ」
人型ネウロイ《その左腕、さっき塔に叩きつけた時に折れてたんだよ。気が付いたんじゃなかったのか?》
俺「ああ、通りで……。うまく動いてくれないみたいだと思ったぜ」
人型ネウロイ《……何を言っているんだキサマは。腕が折れたんだぞ? 何だその淡白な反応は》
俺「別に・・・。こっちが使えなくても、こっちがあればまだ戦えるだろ」 グッ
そう言って俺は、握りしめた右拳を突き出す
人型ネウロイ《・・・驚いたな。今まで我々が殺めて来た人間共は、骨の一本も折られれば大抵の者は激痛に悲鳴をあげた》
人型ネウロイ《四肢の一つでも捥いでやれば、泡吹いてショック死するか、無様にも痛みに転げ回り我々に慈悲を乞うかのどちらかはした》
俺「………悪趣味だな」
人型ネウロイ《なのにキサマは悲鳴の一つも出さず、苦悶の表情すら全く浮かべない。それどころか、声をあげて笑ってしまっている》
人型ネウロイ《キサマ・・・本当に人間か?》
俺「人間じゃねぇよ」
迷いの無いキッパリとした口調で、俺は人型の問いに答える
俺「俺はどっちかって言うと・・・テメェら寄りの化け物だ」
人型ネウロイ《フン……、同類と言う訳か》
俺「おっと、だけど俺はテメェ個人と一緒にされるのだけは御免だ。テメェは心底気に入らねぇ」
人型ネウロイ《そう言うな。別に我々は、キサマが強大な力を秘めていて、心の奥底にそういう感情を抱いていたからだけで同志に勧誘したわけではない》
人型ネウロイ《キサマからは、微かに我々と同じ匂いがする》
俺「匂い…?」
人型ネウロイ《いや、匂いと言うよりかは気配……、親近感のようなものだ。キサマの中から、我々に近い何かを感じるんだよ》
俺「・・・そいつは不愉快な話だな」
人型ネウロイ《認めたくないか? 悔しいか、悔しいよな》
人型ネウロイ《しかし、もう全て手遅れだ。恨むなら我々の誘いを拒絶した間抜けな自分を恨むといい》
人型は再び、俺を挑発し始める
人型ネウロイ《キサマは愚かだ。目の前の甘い夢に、偽りに酔い痴れていたからこそ、現実に引き戻された時のダメージがより一層大きくなる》
俺「・・・・・・・」 ピクッ
人型ネウロイ《人形風情が、分不相応な望みを持つからそうなる。夢から現実に引き戻された瞬間はどんな気持ちだった?》
俺「・・・・・・・」
人型ネウロイ《井の中の蛙が勘違いして、仲間入り出来たつもりになっていただけだったんだ。惨めなものだな》
俺「・・・・・・・」
人型ネウロイ《どんなに足掻いた所で、キサマと奴らは”違う”》
人型ネウロイ《所詮キサマは首輪に縛られている存在に過ぎん。キサマが奴らと共に歩む事など、そんな絵空事は永遠に───》
俺「囀るな」 ギロッ
人型ネウロイ《!》 ゾクッ…
俺に睨まれた事により何かを感じ、人型は思わず言葉を噤む。
それは紛れもなく「恐怖」と言う感情なのだが、その事に人型が気づく事は出来ない
俺「いつまでもぺちゃくちゃとやかましい野郎だな。テメェのお仲間なんて『―──――!』くらいしか言わないってのによ」
人型ネウロイ《……フン、粋がるな。そんな事を言った所でも、状況は何も変わりはしない》
人型ネウロイ《既に片腕も剣も潰され、ジェットも使えないキサマが我々に勝つ事は不可能だ。それこそ奇跡でも起きない限りはな》
俺「ふっ、くくっ・・・、奇跡……『奇跡』ねえ…………」
人型ネウロイ《・・・何がおかしい》
俺「オイ、1つ教えてやるよ。お喋り糞野郎」
人型ネウロイ(お、お喋り糞野郎・・・?)
俺「奇跡はなぁ……、起きないんだよ」
410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 17:08:39.69 ID:bDTHAFiYO
支援支援
411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 17:11:14.89 ID:hzAFougj0
次のセリフは・・・予想がつくぜ。支援
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 17:12:35.85 ID:Jp3Ds4UvO
会話のネタを探るのに精一杯だw
支援
413 :試作な俺-21話 支援多謝:2011/05/12(木) 17:16:24.20 ID:H3XnPXXWO
人型ネウロイ《何・・・》
俺「『実は物凄い力を秘めていました』だとか、『土壇場で失った力が覚醒しました』だとか、『諦めなければ勝てる』だとか、そういう好都合な事は起きねぇ。起きちゃくれねぇ」
俺「現実は非常だ。失った力は二度と戻らない」
俺「物事の本質ってのは……定めってのは、絶対に変えられないようになっているんだよ」
人型ネウロイ《…………》
俺「何度だって断言出来る。奇跡は起きねえ・・・!!!」
人型ネウロイ(・・・なるほど、この男の過去は読ませて貰っている)
人型ネウロイ(我々も全てを見た訳ではない。だが過去に幾度もあれ程の絶望を味わえば、このような考えに到っても不思議では無い、か……)
人型ネウロイ《・・・なら、その理論で言えばキサマが我々に勝つ事は出来ない。奇跡でも起きない限り、我々に勝つのは不可能───》
俺「テメェをぶちのめすのに、奇跡なんざ必要ねぇ」
人型ネウロイ《強がりを言うな。根拠でもあると言うのか?》
俺「テメェみたいな小細工に依存しっぱなしの野郎が、俺に勝てるわけねぇだろ」 ジャキッ!
人型ネウロイ《!》
そう言って俺は、背中に残されていた最後の武器を……、ツインバスターライフルを右手に持つ
俺(バーストモード……!) ガチャン!
人型ネウロイ(馬鹿な・・・こんな場所でアレを撃つつもりか? 我々の背後には街があるんだぞ。確実に巻き込まれる……!)
人型ネウロイ(まさか、この街ごと我々を葬り去るつもり───いや、それは有り得ない。コイツは甘さを捨てられない人間だ。撃てるわけがない・・・・・!)
俺「これ以上、テメェの与太話に付き合うつもりはねぇ」
俺「二度と無駄口が叩けないように、永遠に黙らせてやるよ・・・ッ!」 ギュオッ!
俺はライフルを撃たず、そのまま人型に向かって行く
人型ネウロイ(何だ・・・?)
しかしその姿は、どう見てもライフルで「殴りかかろうとしている」ようにしか見えなかった
人型ネウロイ(破れかぶれか・・・!?)
俺はそのまま、正面から人型に突っ込む
人型ネウロイ(武器の本質すら忘れて突っ込んで来るとは・・・血迷ったか!)
人型ネウロイ(なら、これで終わりにする・・・!) ジャキン!
右腕に格納していた刀剣をスライドさせ、俺を迎え撃つべく構える。
狙いは俺の首。首を斬り飛ばして終わりにするつもりだ
俺「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」 ギュオオッ!!
人型ネウロイ《もうキサマは消えていい!!!》 ブンッ!
ズ バ ァ ッ ! !
415 :試作な俺-21話:2011/05/12(木) 17:27:57.96 ID:H3XnPXXWO
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!
鮮血が迸る。刀剣が首を斬り飛ばした
俺は首を切り落とされて、切り口から大量の血を吐き出すだけのモノと化した
人型ネウロイ《勝った・・・!》
俺を殺して見事勝利を勝ち取った人型は、勝ちの余韻に浸り───
ズギャァッ!!
人型ネウロイ《!!? なん、だと・・・》
突如響く、金属が金属を食い千切るような不快な音
バスターライフルの並んだ2つの銃口が、人型の腹部に深々と突き刺さっていた
人型ネウロイ《銃口を突き刺して─────!!!》
俺「……」
それをやったのは当然俺だった。首は取れていない。右手に持ったバスターライフルの銃口を、しっかりと人型に突き刺している
………しかし彼の体に本来ついているべき左腕は、もう”無かった”。
416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 17:29:25.22 ID:/q8He6T10
あえて言おう、支援であると
ところで《もうキサマは消えていい!!!》ってシロッコのせりふだったっけ?
417 :試作な俺-21話 >>416:確かそうです2011/05/12(木) 17:30:38.22 ID:H3XnPXXWO
そう。俺は左腕を差し出してそれを犠牲にする事により、代わりに刀剣から首を守っていたのだ。
首を斬り飛ばされて俺が死んだのは、人型の瞼の裏だけの出来事。実際に切り落とされたのは左腕だった
俺「上向けオラ」 グルッ・・・!
俺は銃口に突き刺さった人型ごと、バスターライフルを持ち上げて直上に向ける。
その先にあるのは空だけだ。これなら当然街に危害は及ばない
人型ネウロイ「――――――!!」 (ぬ、抜けない!!?)
銃口に”牙”を使っていた為、そう簡単には抜けない。そして勿論、既にチャージは完了していた
人型ネウロイ《まっ、待て─────》
俺「 消 し 飛 べ 」
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォーーッ!!!!
人型ネウロイ≪うおおおおおおおおおおっ!!?≫
バスターライフルから空へ向けて放たれた夥しいエネルギーの奔流は、地上から逆向きに落ちて行く流星のように、天へと昇って行く
人型ネウロイ《終わりだ……。どの道”アレ”が動けば・・・、”アレ”が動けばキサマらなどおおおおおおおおおおおオオオおおおおおおおおおおっ!!!》
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォーーッ!!!!
バキィンッ! パシュゥーーン……
やがて、バーストショットの長い長い照射が終わる。
雲を散らし、天へと還って行く流星に飲み込まれた人型ネウロイは、欠片1つ出す事すら許されず、「跡形も残らずに」消滅した。
俺「なまじ知性があるから調子に乗るんだよ。バカが……」
418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 17:32:46.61 ID:bDTHAFiYO
ラストシューティングッ!
支援
419 :試作な俺-21話 支援感謝です:2011/05/12(木) 17:36:53.42 ID:H3XnPXXWO
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俺(左腕……無くなっちゃったか…………)
人型の刀剣をモロに受け止めた為に左腕を切り落とされてしまい、上腕の途中から先が無くなっていた
切り落とされた腕の行方はいざ知れず、今も傷口から出血している
俺(・・・まぁ、いいか。今更腕の一本くらい安いモンだ……)
俺「とりあえず、今は止血を───」
《よくやったなオイ》
(……またかよ。何の用だ)
《なぁに。イラつく野郎をぶちのめしてくれたから、ちょっとしたサービスにな》
(・・・別にてめえに頼まれたから戦ったわけじゃねぇよ。いらねーからさっさと失せろ)
《そういうなよ。サービスはサービスでも、特別サービスだ》
(特別サービスだろうが何だろうが、いらねぇって言ってん────っ!!?)
異変に気が付き、左腕のついていた所に目をやる
(腕が・・・・!??)
切り口から腕が再生をし始めていた。まるでネウロイが再生する時のように
420 :試作な俺-21話:2011/05/12(木) 17:42:46.26 ID:H3XnPXXWO
光が集まって腕の形を成していき、30秒もせずにあっという間に切り落とされる前の元通りに復元された
《あの野郎は俺も気に食わなかったからなぁ。今回だけの特別サービスだ》
(お、おい! どうなってんだよこれは!)
(何で・・・何でこんな事が出来る? おまえ本当に何なんだよ・・・!?)
《前に言ったじゃねぇか。俺はおまえの一部みたいなモンだって》
(はぐらかすな! そんなお伽話みたいな事、有り得るかよ・・・!)
《信じないなら別にそれでいいけどな。それじゃ、精々早死にしねぇ事だ》
フッ!
(あっ、おい!)
呼び止めるも虚しく、”声”は遠くに行ってしまった
俺「・・・何がどうなってんだよ、一体…………」
俺(………………)
俺(俺はもう本当に……人間じゃないんだな・・・)
再生して元通りに動くようになった、新品のような左腕を見てそう思った。(ついでに骨折も治っていた)
<公園>
俺「良かった・・・。無事でしたか」 スタッ
俺はバルクホルンの落とされた公園に着陸する。彼女は依然気を失ったままだったが、ウィッチAも2人共無事だった。寝かされているバルクホルンと、その横に立つウィッチAの正面に立つ
ウィッチA「ああ、何とかな。それにしても凄いなその装備は……。君は一体何者なんだ?」
俺「・・・すいません、機密事項なんッスよ。答えられません」
ウィッチA「そうか・・・。今救護を呼んだ。すまないがもう少しの間、我慢していてくれ」
俺「・・・いえ、お気遣いは嬉しいんですが、怪我の手当ては基地に戻ってからにします」
ウィッチA「な、何を言っているんだ。君は怪我してるじゃないか・・・!」
俺「ははっ、大丈夫ッスよ。こんなの全然痛くありませんから」
俺「基地に戻れば、治癒魔法の使える仲間が戻っている筈なんです。
俺の傷は彼女に治してもらいますから、あなた方は被害状況の確認や、市民の救護の方の応援にまわってあげて下さい」
ウィッチA「し、しかしだな……」
俺「ごめんなさい。俺達は、もう戻らないといけないんです」
ウィッチA「・・・事情があるのか?」
俺「・・・はい。とても複雑な事情が」
ウィッチA「・・・わかった。そういう事なら仕方ない。行ってくれ」
俺「ありがとうございます」
ウィッチA「ふふっ、そんな真剣な目で頼まれては、断れないものだ」
俺「わ、わかりました……。じゃあ、後はよろしくお願いします」 ペコッ
俺「それと、トゥルーデを守ってくれて、ありがとうございました」
ウィッチA「ほらっ。こっちはもういいから、早く行った行った。彼女をちゃんと送り届けるんだよ!」
俺「は、はい!」 ビュゥーン……
肩と膝裏に腕を添えてバルクホルンを抱きかかえ、俺は公園から飛び去っていった
ウィッチA(・・・さて、BとCを探して手伝わさせないとな。アイツらどこに落ちたんだ? まさかくたばったりしてないだろうな)
草むら「」 ガサッ
ウィッチA「?」
少女「……」 ヒョコッ
ふと、Aの目の前の草むらから6歳くらいの少女が姿を現す。恐らくは逃げる途中で親とはぐれ、怖くて草むらに隠れていたのだろう
ウィッチA「君、大丈夫? 怪我はない?」
少女「うん、へいきだよ・・・」
ウィッチA「よかった。じゃあ、名前を教えてくれないかな? 君のパパとママを探さないと・・・」
少女「あのう・・・お姉ちゃん」
少女がAに不安気な表情で尋ねる
ウィッチA「ん、なぁに?」
少女「今そこにいたお兄ちゃんの事なんだけど・・・」
ウィッチA「あ、見てたんだ。でもあのお兄ちゃんは秘密のヒーローだから、誰にも言っちゃ駄目だよ?」
少女「う、うん。それでねお姉ちゃん。あのお兄ちゃんのことなんだけど……」
ウィッチA「うんうん」
少女「何でお背中に・・・ぼうが生えてるの?」
ウィッチA「え・・・?」
少女に言われ、飛び立った俺を見る。既に大分小さくなってしまっていたが、その背中が確認出来た
ウィッチA「!!! あ・・・、ああぁ…………」
――――――――――――――――――――
<移動中>
バルクホルン「・・・・・・・」 スー、スー……
俺「・・・・・・・」
俺は今、テウルギストの通常モードで、バルクホルンに負担のかからないくらいの速度で基地へと向かっている。
彼女は未だに眠ったままだ。余程疲労が溜まっていたのだろう
424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 18:01:43.47 ID:/q8He6T10
なんかエヴァ破っぽい感じがしてきたなーっと思ってたらこれだよ支援
425 :試作な俺-21話:2011/05/12(木) 18:06:36.21 ID:H3XnPXXWO
俺(ごめんな・・・。俺がもっと早く来れたら、こんな事にはならなかったんだよな)
俺(・・・いや、そもそも俺のせいで、トゥルーデはこんなに無茶していたんだ。俺がトゥルーデに無理させたんだな……)
俺(あの人型は、俺の事を狙っていた。じゃあトゥルーデは、餌にされたって事なんだ。俺のせいで巻き込まれたんだ……)
俺(ははは・・・、なんだよ。よく考えたら全部俺のせいじゃねぇか…………)
バルクホルン「・・・・・・」 スー、スー……
俺「結局・・・浮かれた馬鹿が1人で勘違いして、現実から逃げていただけ、か……」
――――――――――
<ロマーニャ基地・ハンガー>
宮藤「俺さん!」
ミーナ「トゥルーデ!」
事情は通信で先に説明済み。バルクホルンの無事と自身の健在と人型の撃破の経緯を簡易的に報告しておいた。その為、治療の為に宮藤達が既にハンガーで待機していた。
どうやらミーナや坂本達の方も、無事にネウロイの波状攻撃を乗り切ったそうだ
俺「宮藤、トゥルーデの事を頼む。怪我してるんだ。どこか骨が折れているかもしれない・・・」
宮藤「うん、わかったよ!」
ミーナ「俺さん、あなたもよ。あんな事のあった直後なんだから」
俺「ははっ、大丈夫ッスよ。ほら、俺は全然大・・・じょ、ぅ…………」
427 :-Prototype-試作品-21話-ただ今は、1人の為に:2011/05/12(木) 18:12:48.64 ID:H3XnPXXWO
ドサッ・・・!
バルクホルンを引き渡した直後、俺は役目を終えて力尽きたかのように倒れる
ミーナ「俺中尉!?」
宮藤「俺さ─────・・・っ!!?」
テウルギストを外した俺の背中。その背中から、何か棒のようなものが生えていた
違う。正確には突き刺さっていた
ミーナ「そんな・・・・・」
宮藤「い・・・いやあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」
恐らくは人型との戦闘中、塔の壁に叩きつけられたあの瞬間
人型の肩に突き刺して爆破させた、直径1cmくらいの細めの鉄筋
それと同じ長さ20cm弱ものが俺の背中に突き刺さり、軍服の背中を血で真っ赤に染め上げていた
俺(トゥルー……デ…………)
薄れ行く意識の中、最後に思い浮かべたのは、彼女の笑顔だった
最終更新:2013年01月29日 15:28