『もう一度、ここから』 






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



353 :試作な俺-27話 :2012/01/23(月) 15:38:08.82 ID:V6rZ1LNJ0


<某国・某大型研究所>


兵士「これが、最後の資料になります」

将官ウィッチ「……構わないね?」

俺「はい」

将官ウィッチ「では、廃棄を」

兵士「了解しました」

俺「…………」

─────


俺「すいません。無理を聞いてもらって……」 ペコッ

将官ウィッチ「いや、構わないよ。君にはあの場に立ち会う資格があったんだから」

俺「…はい。ありがとうございました」

将官ウィッチ「これでもう、君や他の試作体のような犠牲者たちが生まれることは二度と無い」

将官ウィッチ「しかしそれまでに、沢山の罪の無い人間がこの計画の犠牲となった。 ……だがどうか、 ” 今更 ” だなんて思ったりしないでくれ」

将官ウィッチ「これは間違いなく……君たちが勝ち取った結果なのだから」


354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/23(月) 15:40:00.48 ID:RdUrZYwSO
しえんぬ


355 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/01/23(月) 15:42:14.90 ID:V6rZ1LNJ0

俺「俺なんて、何もしていませんよ」

俺「みんなが居たから、みんなが動いたから……俺は今こうしてここに居る。生きることが出来たんだと思います」

将官ウィッチ「そうか……いい仲間に巡り会えたな」

俺「ええ。本当にそう思いますよ」

将官ウィッチ「……さて、先ほどの話の続きをしよう。元実験部隊たちのこれからの処分の話だったな」

俺「はい」

将官ウィッチ「……まず、驚くかもしれないが聞いてくれ。あの出来事は『なかったこと』になった」

俺「え・・・?」

将官ウィッチ「恥ずかしい話だが・・・今回私たちは反乱の兆しに気がつけなかった。完全にアルタネィティブに騙されていた」

将官ウィッチ「もしも君たちが動かなければ私たちはきっとそのまま大将に騙され続け、そして彼の目論見通りに強化ウィッチが量産されていただろう」

将官ウィッチ「そして何時しか、その矛先が人間に向けられていたかもしれない。彼は多くの情報を操り我々を欺いていた。強化ウィッチについても勿論だ」

俺「…………」

将官ウィッチ「一歩間違えれば、何かが違えば反乱は起きてしまっていた。世界は壊されていたかもしれない。今回は首の皮一枚でギリギリ繋がったんだ。
        だがそんなことになっていたにもかかわらず、軍上層部は騙されていた。計画自体を知っているのが上の人間だけだったとはいえ、何とも間抜けな話だろう?」

将官ウィッチ「そんなことが外部に知られれば、軍の面目はまさに丸潰れだ。そして上層部は体面を重視し、あの一連の出来事を『なかったこと』にした」

将官ウィッチ「強化ウィッチ製造計画、研究、試作体、選別、被検体……。それらの存在したことを否定し、全てを闇に葬ることにしたんだ」


356 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 15:44:44.23 ID:V6rZ1LNJ0

俺「ぜ、全部なかったことにって……」

将官ウィッチ「存在否定と言っても安心してくれ。口封じで命を奪うだとか、そんな真似をするつもりはない。ただ、口外しないと約束してくれれば───」

俺「そんなことじゃありませんよ・・・!なかったことにするって、そんなの有りですか!?」

俺「それじゃあ、今まで犠牲になった奴らは・・・!」

将官ウィッチ「……そのことについては本当に申し訳ないと思っている。すまない。私にはこうすることくらいしか出来ない」 ペコッ

俺「……! やめて下さい。あなたが頭を下げたって、何にも……」

将官ウィッチ「…………」 スッ

俺「……すいません、そうですよね。ここで俺が何を言ったって、何かが変わる訳じゃない。例え軍が事実を公表したとしても、死んだ人間が生き返ったりはしない……」

俺「だけど、そんなの……簡単に割り切れないですよ……っ」

将官ウィッチ「……君はさっき私に言ったね。資料を処分開始する前に私だけに打ち明けた」

将官ウィッチ「自分がダルシム大佐の実の息子だと言うことを。そして、親の罪は子が背負うべきだろうかと」

俺「……はい」

将官ウィッチ「結論から言おう。そうする必要はない。大佐の罪を君が背負うことなんて無いんだ」

将官ウィッチ「君は君であって、彼ではない。例えそれが親子でもだ。自分は自分でしかないんだ。
        ありもしない罪で人を裁くなんて、一体誰が出来ると言うんだ?」

俺「…………」


357 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 15:47:31.23 ID:V6rZ1LNJ0

将官ウィッチ「君の親子関係を知っている人間はもう殆どいない。調べて分かったんだが実験部隊の初期の隊員……
        つまり、君の素性を知っていた隊員の殆どは、過去の実験途中の暴走事故で死亡していた」

将官ウィッチ「恐らく現在で事実知っているのは、君自身と私。そして生き残りの研究者たちと、ストライクウィッチーズ内の数人くらいだろう」

俺「……それが、何だって言うんですか」

将官ウィッチ「つまり、君は誰かに強いられることは無い。これからは自分自身で未来を選ぶことが出来るんだ」

将官ウィッチ「そして既に私は君に伝えている。多くのことを話し、君に教えた。君は知ることが出来た」

将官ウィッチ「過去を変えることは出来ない。失われた時間は嘆いたって戻って来ない。君が犠牲者たちを想うのなら……。
        これから重要なのは、全てを ” 知った上で ” 、君がこれからどうしたいのか。そういうことじゃないか?」

俺「…………」

将官ウィッチ「聞かせてもらえないか? 君がこれから先、どうしたいのかを……」

俺(俺の未来……、俺自身がこれからどうしたいのか……)


俺「俺は───」



─────



<数日後・ロマーニャ近海>


ビシュゥン!ビシュゥン!!

大型ネウロイ「─────────!!」

サーニャ「っ……」 ドシュドシュドシューン

ドガドガドガァァァァァン!!!

大型ネウロイ「─────!───────!!」 キュウイィィ・・・

エイラ「また再生したゾ」

シャーリー「ああもう!しつこい……!」

ズガガガガガガガガガガ!!

子機ネウロイ「」 パシューン

バルクホルン「この程度の敵、今まで戦ってきた奴らに比べれば……!」

坂本「……俺、バスターライフルのチャージまでの時間は?」

俺『大丈夫だもっさん。たった今終わった!』

坂本「もっさんじゃない!……よし、各員は即座に射線上から退避! 俺は確認次第撃て!」

俺『了解!』


359 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 15:53:54.58 ID:V6rZ1LNJ0

大型ネウロイ「─────────!!」

俺「装甲も再生速度も関係ない……」


俺「直撃させれば そ れ で 終 わ る」


ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォーーッ!!!!



大型ネウロイ「─────────……・・・」 バキィンッ!パシュゥーーン……


サーニャ「ネウロイの撃破を確認。増援の反応はありません」

シャーリー「ははっ、相変わらずすっげー。やったな俺っ♪」

俺「うっ・・・」 グラッ

シャーリー「お、おい俺。大丈夫か?」

俺「あ……ああ、何とか、な…………」

俺(くそっ、バースト一発でこのザマか・・・。情けない)

バルクホルン「俺。やはりバスターライフルを実戦に投入するのは無茶だ。一発撃つ度に毎回こんなに魔力を消耗していたら、体が持たないぞ」

俺「ああ……。悔しいけど、もうコイツは俺の手に余る代物だ。今回こそ上手く行ったが、あまり実戦で使うべきではないな……」


360 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 15:57:54.06 ID:V6rZ1LNJ0

<その日の夜・基地内食堂>

俺(疲れ"た……)

リーネ「お疲れ様です、俺さん」

俺「ああ……リーネもお疲れ」

宮藤「だいぶ参っているみたいだね、俺さん。やっぱり昼間の戦闘でバスターライフル使ったせい?」

俺「んあー……そうだな。アレは生身の人間が扱うモンじゃないって、撃ってみて改めて痛感したよ」

俺「やっぱり、新しい戦い方を身につけるしかないよなぁ」

リーネ「新しい戦い方?」

俺「ああ、俺はもう人間だからさ。強化ウィッチの時と比べて弱体化は避けられないし、みんなの足を引っ張らないように戦い方とか考えなくちゃって」

俺「今までは武器メインで固有魔法が補助だったけど、これからはどっちも使えるようにならなきゃなぁ」

宮藤「そういえば俺さん、先週2、3日くらい出掛けてたよね。確か……」

俺「向こうの研究所にな。データ廃棄に立ち会って、お偉い方のウィッチの人と話して来た」

俺「一部のデータはまだ捜索中みたいだけど、強化ウィッチ関連のデータは全て処分出来たから、もう俺達みたいなのは二度と生まれて来ないってさ」

リーネ「良かったぁ。じゃあ、もうこれで終わったんですね」

俺「いや……まだ終わってなんかいない」


361 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 15:59:38.52 ID:V6rZ1LNJ0

リーネ「え……?まだ何か……」

坂本「我々にはまだ叩くべき敵がいる。……『インペラトール』だ」

ミーナ「本日付けで正式に、私たちがインペラトールの撃墜任務を一任することになったわ。とにかくあの機体を何とかしなきゃ」

俺「……」 コクッ

シャーリー「ああ、アイツかぁ。あたしもすっかり忘れてた」

バルクホルン「能天気だぞシャーリー。奴はネウロイと同じくらい危険な相手なんだ。何とか見つけだして破壊しなければ……」

宮藤「でも、その肝心のインペラトールはどこに行っちゃったんでしょう?」

ミーナ「あの人たちの報告によれば、恐らく現在もインペラトールは暴走状態。こちらからの機能停止は不可能。直接出向いて停めるしかないわ」

ルッキーニ「(モグモグ)だけど、あれから一度もあのロボット襲って来ないよねぇ? 結構時間も経ってるのに」

サーニャ「私も何度か索敵しましたが、一度も捕捉できませんでした」

ミーナ「そう、この二週間インペラトールは発見できないままよ。目撃情報は0。そして、アレによって齎されたと思われる被害も0よ」

ペリーヌ「つまりどこかに隠れているだけだと。でも、何故ですの……?」

坂本「それは分からん。確かに奴は今のところ被害を出していない。……だが、それだけで無害な存在とは言えん。自らに敵対しよう者には容赦しないだろう」

ミーナ「もし事情を知らない船が近くを通過してしまったり、あの機体の移動コースに街があったりしたら大変なことになるわ」

坂本「何にせよ、アレを野放しにはしておけない。見つけ出して確実に破壊しなくてはな……」


362 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 16:04:25.41 ID:V6rZ1LNJ0

<翌日早朝・基地近辺海岸>

俺(トゥルーデはああ言っていたけど、奴は……インペラトールはそんなレベルの相手じゃない)

俺(本調子じゃなかったとは言え、みんなが10人掛かり押されていたと聞く。並のネウロイよりもずっと危険な相手だ。それに……)

俺(あの兵器にはあの男が開発に関わっている。つまり……あのクソジジイが作ったモンだと言える)

俺(アレを仕留めなきゃ、計画が終わったとは言えない。俺も前へと進めない。その為にも───) スウゥ

俺は魔法力を解放し、使い魔を発現させる。烏の真っ黒い羽が側頭部に生えた

俺(このままじゃ駄目だ。強化ウィッチとしてのアドバンテージを失った今、俺自身も新しい戦い方を生み出さなければ……)

俺(インペラトールに勝つためにも、これからの戦いのためにも……!) グッ……

──────────

コンコン

バルクホルン「起きろ俺。いつまで寝ているんだ。もう朝食の時間だぞ」

バルクホルン「……開けるぞ」 ガチャッ

ガラーン・・・

バルクホルン「居ない……?(ビシュゥン!)」

バルクホルン「! 今の音は……」


363 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 16:07:06.10 ID:V6rZ1LNJ0

<海岸>

ビシュゥン!


俺「ハァ……ハァ……! 威力を上げて、もう一回……!」 スッ

指を開き、左手を前方やや上方に突き出す

俺(魔法力を開放……魔力変換開始)

俺(体内魔力の流れを操作、左手に集中……変換…………) ヴォン"!

俺(光球体状に具現化。続けて変換。圧縮……圧縮…………圧縮………………!)

俺(変換完了。腕先に魔法陣を展開。射線を固定。目標を確認……)


俺(発射……!)


ビシュゥン!!


左手先の魔法陣から収束された青白いビームが発射され、高速で真っ直ぐ進んでいく

その狙いは岸から離れた先方の海上にある、射撃訓練用の的だ


364 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 16:11:04.10 ID:V6rZ1LNJ0

が・・・駄目っ・・・・・!

俺「あっ……!」 グニャァ

ビームはターゲットのやや右上を通過し、目標の角を少し消滅させただけだった

俺「くそっ、ダメだ。狙いが逸れやがる……」 パタン

力が抜け、俺は浜辺に仰向けで寝転んだ

俺(これで何度目だ?くそっ……。魔力を増やすと命中率が下がる。隙もデカくなる。こんなんじゃ敵に当たる訳がない)

俺(でも減らしたら減らしたで豆鉄砲だ。命中率を殺さずに、破壊力を上げるにはどうすれば…………ああもう)

俺「つ、疲れた……。喉渇いた……」

ピタッ

俺「つめたぁっ!?」 ガバッ

バルクホルン「朝早くから精が出るな、俺」

俺「トゥルーデか……びっくりした。いつから見てたんだ?」

バルクホルン「少し前からだ。それよりも喉が渇いたんだろう? 水を持ってきたぞ」 スッ

俺「あ、ありがとう……」 パシッ

俺(キンキンに冷えてやがる・・・ありがたい)


365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/23(月) 16:11:45.76 ID:RzRBBapu0
支援な俺

366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/23(月) 16:12:33.30 ID:R3uWRih+O
支援

367 :試作な俺-27話 支援ありがとう:2012/01/23(月) 16:13:29.04 ID:V6rZ1LNJ0

俺「(ゴクッゴクッ)プハァ……生き返った」

バルクホルン「調子はどうだ?俺」

俺「まぁまぁかな。それよりも、トゥルーデは何でここに?」

バルクホルン「先ほどお前が訓練しているのが見えたのでな。しかしアレは何なんだ? 遠目では腕から光線を放っているように見えたのだが……」

俺「ああ、簡単なことだよ」 スタッ、スッ……

俺は立ち上がり、先ほどと同じように左手を突き出す

俺「(ヴォン"!)魔力を変換……………………圧縮して…………………………」

バルクホルン(俺の左手に、光が集まっていく……)

俺「…………シュート!!」 ビシュゥン!

バルクホルン「!」

再び青白いビームが腕から放たれる。先ほどより大分細い。
今度はちゃんと的に直撃し、数秒かけて溶解。程なくして完全に蒸発させた

俺(……全ッ然ダメだな、こりゃ。実践的じゃない)

バルクホルン「すごいじゃないか俺!」 パチパチ

俺「えっ、あ、そう?」


368 :試作な俺-27話:2012/01/23(月) 16:16:03.16 ID:V6rZ1LNJ0

バルクホルン「ああ、驚いたぞ俺。お前そんな技が使えたんだな。知らなかった」

俺「使えたと言うか……また使えるようになったと言うか」 ポリポリ

バルクホルン「……? これはお前の固有魔法である、魔力変換なのだろう?」

俺「一応ね。でもそれはあくまで補助であって、やっていること自体は初歩的な魔力の操作だよ。大したことじゃない」

俺「ただの昔やっていたことの真似事さ。こんなの全盛期に比べれば、本当カスみたいなモンだ。バスターライフルにも遠く及ばないし」

バルクホルン「そんなに卑下することないだろ。バスターライフルと比べるなんて、まずその前提がおかしい。アレは完全に規格外であって、個人と比較する対象ではない」

バルクホルン「それに、力が不完全だと言うのならば、これから欠点を補って行けばいいだけの話だ。その為に特訓していたんだろう?」

俺「……ああ、わかっているさ。勿論そのつもりだ」


バルクホルン「そうか、それなら良かった。……ところで俺。先ほどの腕からの光線は、初歩的な魔力の操作だと言ったな」

俺「言ったけど?」

バルクホルン「ならそれは、特訓すれば私たちにも出来るようになることなのか?」

俺「なるぞ。変換能力者じゃないから少し仕様が変わるけど、一応撃てるようにはなるな」

バルクホルン「おおっ、それなら私にも教えてくれないか? うまく行けば、隊全体の火力を上げる事が出来る♪」

俺「いいよ。ただし魔法は尻から出るけど」

バルクホルン「やめておくか」


217 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 17:52:34.85 ID:9301snCc0

<数日後>

ビシュゥン!!

俺「駄目だ……。どうにも安定しない」

俺(これじゃバスターライフルどころか、MG42ぶっ放してた方がよっぽど効率的じゃないか)

俺(……いや、諦めてたまるか。アイツが消える直前に言っていたように、力は戻っている筈なんだ)

俺(能力のせいじゃない。問題があるとすれば、俺のやり方だ。それならいくらでも変えて行ける) スッ

俺(使ってみせるさ……。昔できていたことが、今できない筈がない!) ビシュゥンッ!

ビシュゥン!ビシュゥン!ビシュゥン!

俺「…………ふぅ」

バルクホルン「俺、今日はそれくらいにしておけ」

俺「あ、トゥルーデ」

バルクホルン「もうそろそろ夕食の時間だぞ。これ以上は明日の活動に響くし、やめておいた方がいい」

俺「そうだな……、そうするか」

バルクホルン「予報では明日ネウロイが出るらしい。無理は禁物だ」

俺「大丈夫。わかっているさ」


218 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 17:54:01.88 ID:9301snCc0

<夕食後>

テクテク

俺(……ん?)

「待っていたぞ、01」

「……いや、もう01ではなかったな。俺中尉」

俺「お前……意識が戻ったんだな」

研究者A「ああ、今朝早くに。今度こそくたばると思ったんだが、また死に損なっちまったようだ」

俺「……その眼は?」

研究者A「些か血を流し過ぎたみたいでな。少しばかり、物が見辛くなった」

俺「そうか……」

研究者A「おっと。こんなことを伝える為に、体引きずってまで会いに来たんじゃねぇよ。お前に話があるんだ」

俺「……何だよ?」

研究者A「だがその前に一つ聞く。お前、俺が憎いか?殺したいか」

俺「別に」

研究者A「へぇ、そりゃ一体どういう了見だ」


219 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 17:55:41.69 ID:9301snCc0

俺「色々な目に遭ったが……今更お前を殺したって虚しくなる。それだけだ。クソジジイも言いたいこと言って死んじまったし」

俺「第一、元々は俺自身の身から出た錆みたいだからな……。どうしようとも思わねぇよ」

研究者A「随分と淡泊だなオイ」

俺「ほっとけ。正直に言って、もうお前みたいなのには関わりたくないってのが俺の気持ちなんだよ」

俺「それとも何だ。まさかお前もアイツみたいなことを言うんじゃないだろうな。……いや、そんな訳ないか」

研究者A「アイツみたいなことだ?」

俺「何でもない。……それで、本題は何だ。俺としては、いつまでも長々とその顔を見ていたくはないんだけど」

研究者A「じゃあ本題に移るか。……ダルシム大佐のことだ」

俺「…………」 ピクッ

研究者A「教えてやるよ。お前が言うその、『身から出た錆』とやらの真実を」

俺「…………!」


────────────────


俺「い……今の話は」

研究者A「勿論、全て事実だ。今更お前に嘘を吐く必要なんざない」


220 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 17:57:30.83 ID:9301snCc0

研究者A「……何だ。またショックで記憶喪失にでもなんのか」

俺「ならねぇよ。ならねぇ、けど…………」

研究者A(ショックだったのは確かってか)

俺「……もう、自分自身でも何が何だか分からない。頭ん中がグチャグチャだ」

研究者A「俺が言いたかったのは以上だ。確かに伝えたぞ」

研究者A「真実を知ってどうしたいかは、じっくり考えるんだな」

テクテクテクテク……

俺「…………」

俺(父親、か・・・)


───────────────


<翌朝・基地内の一室>

助手「はい、今日の分のクスリです」 スッ

俺「うん……」 パシッ

助手「……どうしたんですか? 思い詰めたような顔をしていますが」

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 17:58:58.29 ID:nArVSyoi0
支援っと

222 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 17:59:00.82 ID:9301snCc0

俺「いや、何でもない。それよりさ、研究者Aがどこにいるか知らないか? 少し話したいことがあるんだけど、部屋分からないし」

助手「え……、AさんならBさんと一緒に、今朝一番の飛行機でこの基地を発ちましたよ」

俺「……えっ?」


<移動中・航空機内>

研究者B「…………」

研究者A「『全てなかったこと』に、ね。何か都合良すぎねぇか? てっきり死刑だと思ってたんだが」

研究者B「とは言っても極刑を免れただけで、俺らが何の罪にも問われない訳では無いが。一研究者として生きて行くことを強いられるだろう」

研究者A「またまた研究漬けの日々が続くってことか……。まぁ別にいいけどな。今までと大差はない」

研究者A「死に損なっちまったからには仕方ない。また世界の為に働くとするさ。今度は咎められないようなやり方でな」

研究者B「……ああ、そうだな」


───────────────


俺「そうか、飛行機で向こうへ……」

助手「はい。あちらの研究機関に所属して、厳正な指導と管理のもと新たな研究に臨むようです。人材としては非常に有能で貴重らしいですから」

俺(まだ……聞いてみたいこととかあったのに)


223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:00:30.74 ID:PWcl9r4g0
支援


224 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/01/27(金) 18:04:15.51 ID:9301snCc0

俺「……って、あれ? あんたはアイツらと行かなくていいのか?」

助手「そのことなんですけどね」 クルッ

俺「?」

助手「本日付けで正式に、第501統合戦闘航空団専属対特殊兵器技術補佐兼、俺中尉専用医療長となりました」

俺「それって……」

助手「インペラトールを撃破し、あなたの体がクスリを必要としなくなるまでは、もう少しだけここに居ると言うことです」

俺「そうなんだ」

助手「何か悩みがあったら言って下さいよ?何でも相談に乗ります。だって私は、俺だけのお医者さんなんですからっ」

俺「……あ、ああ。覚えておくよ」

俺(相談、か…………)

俺(でもこればっかりは、誰かに気安く言えることじゃない)

俺(これは……俺とあの男の問題なのだから)

────────────────────


225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:08:05.85 ID:jxsJb/2U0
支援


226 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/01/27(金) 18:08:23.10 ID:9301snCc0


<その日の夜・基地近辺海岸>

ビシュゥン!ビシュゥン!ビシュゥン!

俺「ハァ……ハァ……!」

俺(まだまだ、もう一回……!) ビシュゥンッ!

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ…………

バルクホルン「俺、今日はもう遅い。そろそろ切り上げた方がいい」

俺「……悪いなトゥルーデ、今いい所なんだ。切り上げにはまだ早い」

バルクホルン「どう見たってフラフラじゃないか。はっきり言って、その状態でまともな訓練になるとは思えない」

俺「…………」

バルクホルン「今日は出撃もあったんだ。いい加減に休まないと体を壊すぞ」

俺「それでも……俺はやらなくちゃならない」 フラッ

バルクホルン「……何故だ?」

俺「こうでもしないときっかけが掴めない。何も得られねぇんだよ、普通のやり方なんかじゃ」

俺「無茶は承知だ。でも……そんな悠長なことを言ってられないんだよ」

バルクホルン「…………」

俺「トゥルーデは戻ってくれ。俺はもうしばらくやって行くからさ」 ビシュゥンッ!

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:12:19.37 ID:C0nIpimZO
しえんぬ

228 :試作な俺-27話 支援ありがとう:2012/01/27(金) 18:13:20.33 ID:9301snCc0

<二時間後>

俺(流石にもう……限界…………) ドサッ

俺(結局これと言ったような成果は無し、か……)

バルクホルン「よし、これで今日は終わりだな」

俺「っ……トゥルーデ? まだ居たのか。ひょっとしてあれからずっと……」

バルクホルン「一応な」

俺「そうなのか……。ごめん、何だかんだで付き合わせちゃったみたいで」

バルクホルン「何、気にすることはない。私が勝手にやったことだ」

バルクホルン「それよりも中に戻ろう。もう日付を跨ぐぞ」

俺「ああ、そうだな」 スタッ

─────

バルクホルン「それじゃあ、また明日」

俺「ああ。おやすみトゥルーデ」

バルクホルン「俺、お前は…………」

俺「?」

バルクホルン「……いや、やっぱり何でもない。おやすみ、俺」

テクテクテクテク……

俺(? 何を言いかけたんだろう)

俺「……さて、寝る、か……?」 クンクン

俺(うわ、汗臭っ……。寝る前に風呂にでも入るか。この時間なら誰も居ないだろうし)


229 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:19:36.57 ID:9301snCc0


<浴場・露天風呂>

俺「…………」

バルクホルン「…………」 バッタリ

いざ俺が湯船に入ろうとすると、既にそこにはタオル一枚のバルクホルンが浸かっていた

俺「……なるほど。考えることは一緒ってわけか」 (タオル持ってて良かったー)

バルクホルン「うっ、うわわわわああああああ!!」 ザパン!

俺「ごめんトゥルーデ。俺は出るよ」 スタスタ

バルクホルン「!! ちょ、ちょっと待て!」 ザパッ、ガシッ! グィッ!

俺「うおぁ!?」 ツルンッ

バルクホルン「え?」

俺(急に引っ張られたからバランスが……!)

俺・バルクホルン「うわああああああああああああああああ!!?」


     ザッパーン!


急に腕を力強く引っ張られたことでバランスを崩し足まで滑らせた俺は、バルクホルンを巻き込んで盛大にずっこける。
幸いなことにその先は石床でなく、2人で重なるように湯船に倒れた

俺「(ブクブク)ぷはぁっ!はぁ……! だ、大丈夫かトゥルーデ……」 ふにょん


230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:19:54.62 ID:C0nIpimZO
さて何がでるか

231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:19:59.92 ID:51YU39aa0
しえんしえん

232 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/01/27(金) 18:23:38.39 ID:9301snCc0

「ひゃっ……!」

俺(あれ、何だコレ……) ムニュムニュムニュ

「ん、あ、あっ……」

俺「あ、柔らか───って」

バルクホルン「俺ェ……!!」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣・・・!

俺(あれ、何かこれデジャヴ)

バルクホルン「何をするんだお前はぁーーーーーーーっ!!!!!」 バキィ!!

俺「ぐぼァ!」 ゴロゴロドサッ!

バルクホルン(あっ、つい全力で……)

─────

俺「……痛い」 ヒリヒリ

バルクホルン「…すまない俺、やりすぎた」

俺「はぁ……。だいたいトゥルーデのパンチは殺人級なんだからさ。もう少し手加減ってものをだなぁ」

バルクホルン「むっ……それは、お前がいきなり私のむ、胸を揉んだからだろう!」

俺「なっ……あれは不可抗力だ。第一、俺を引っ張って転ばせたのはトゥルーデだろ!」


233 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:29:32.96 ID:9301snCc0

バルクホルン「…………」

俺「…………」

俺「……はぁ、やめやめ。不毛な争いは止めようぜ。ただただ疲れるだけだし、誰も得しねぇって」

バルクホルン「……そうだな。全く持って同意だ」

俺「て言うか、何で俺達はいつの間にか、仲良く一緒に風呂入ってんだろうな」 カポーン

バルクホルン「……!! わ、わあぁ!? コッチを見るな!!」 バシャバシャ!

俺「わぷっ……!あんたさっきまで平気だったくせに───や、やめろよ湯をかけるな!」

バルクホルン「うぅー……」

俺「……湯気でよく見えないから安心しろって。どっちにしろ、俺はもう出るから」 ザパァ

バルクホルン「あっ、ま、待て!」 ガシッ、グィッ!

俺「うおあぁっ!?」 フラッ

先ほどと同様に、湯船から上がろうとした俺の腕をバルクホルンが突然引っ張っる。またもや転びそうになったが今度はギリギリで耐えれた

俺「な、なにするんだよトゥルーデ!同じ過ちを繰り返す所だったじゃねぇか!」

バルクホルン「あっ……す、すまない」 シュン

俺「……い、いやぁ。別にいいけども」

234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:31:31.35 ID:dL56u5xh0
しえんぬ

235 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/01/27(金) 18:33:04.23 ID:9301snCc0

俺「それで……?何で俺が風呂から出ちゃいけないんだよ。話でもあるのか?」

俺は再び湯に浸かる。今度は外を向き、彼女に背中を向けた。バルクホルンも反対を見て、背を向けあったまま2人は話し始める。
夜遅くの野外露天風呂。静寂に包まれたその場所で、月明かりが2人を照らしていた

バルクホルン「話というか、少しだけ聞きたいことがあるというかだな……」

俺「?」

バルクホルン「……いや、やはり直球で訊く」


バルクホルン「おまえ私に……いや、私たちに何か隠しごとをしているだろう」

俺「…………」

俺「へぇ。そりゃまた何でそう言った考えになったんだ」

バルクホルン「それなりの付き合いだからな。何となく、かな」

俺「…………」

バルクホルン「それで、どうなんだ」

俺「……別に。みんなに話さなくちゃいけないこと秘密にしているとか、そう言うのは何にも無いよ」

バルクホルン「そうか。じゃあ、質問を変えるぞ」

バルクホルン「俺、お前は今……何か大事なことで悩んでいないか?」


236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:33:57.28 ID:PWcl9r4g0
しえん

237 :試作な俺-27話 支援ありがとう:2012/01/27(金) 18:36:57.15 ID:9301snCc0

俺「…………いや、特に何も」

バルクホルン「では、何故今日の訓練の時、あそこまで焦っていたんだ」

俺「少し熱中してただけだろ。トゥルーデは心配しすぎだよな。ホントに何でもないから」

バルクホルン「……そうか。本当に、か?」

俺「ああ、ホントだよ。特に何も───」

バルクホルン「嘘だな」

俺「え・・・いや、だからホントに───」

バルクホルン「はっきりとわかった。お前は嘘を吐いている。私には分かる」

俺「デタラメだ。何でそれで分かるって言うんだよ」

バルクホルン「それなら!(クルッ) 私の目を見て、嘘じゃないとはっきり言ってくれ!」

俺「っ…………!」

バルクホルン「どうしたこっちを見れないのか。やはり嘘なのか」

俺「トゥルーデ……」

バルクホルン「……もうやめてくれ、1人で抱えこんだりするのは。問題があるなら相談して欲しいんだ」

バルクホルン「もう……あの時のような思いは二度としたくない」

バルクホルンの記憶に新しい、1ヶ月ほど前の出来事。彼女が異変に気がついた時には、俺は重度の感覚消失に体を蝕まれていた

238 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:40:28.41 ID:9301snCc0

そしてほんのその翌日。
世界を救う礎になるという偽りの大義で死を受け入れようとした俺は、突如彼女に別れを告げて基地を去った

バルクホルン「お前にも話せない事情があったのはわかっている。だけど、もう……」

切なそうな細い声で、俺の背に語りかけるバルクホルン。直接顔を見なくとも、その声で俺は彼女の思いを感じていた

俺「……話したんだよ、今日。実験部隊の研究者Aと」

バルクホルン「あの男か……?確か昨日意識を取り戻して、今朝にはここを発った……」

俺「アイツは、あのジジイと……ダルシムと、実験部隊が出来る前、いや・・・国がネウロイに壊される前からの知り合いだったんだ」

バルクホルン「! それはつまり……」

俺「ああ、アイツは知っていた。野郎のこと。母さんのこと。そして……記憶を失う以前の俺のことを」

バルクホルン「…………」

俺「色々沢山のことを話したよ。家族関係とか、過去のこととか……」

俺「それでさ、色々話を聞いてるうちに実感が湧いてきたんだ。俺がどう思っていたって、あのジジイは俺の父親……。それは、変えようのない事実だって」

バルクホルン「そのことで悩んでいたのか……?」

俺「直接的にはそうじゃないよ。でも、結構関係ある」

バルクホルン「……それは」

俺「トゥルーデは知っているか? インペラトール……あの機体の開発には、野郎が深く関わっているって」


239 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:44:29.42 ID:9301snCc0

バルクホルン「ああ、話には聞いている」

バルクホルン(インペラトール。実験部隊によって作られた、高機動強襲用無人人型航空兵器。非公式的にはウォーロックのカスタム機……)

俺「そして俺はあいつの息子だ。だから……!」

俺「インペラトールは、絶対に俺の手で仕留めなくちゃならない!それが奴との俺のけじめ。俺がやらなくちゃならないことだ」

バルクホルン「…………」

俺「だから……迷ってた。これは俺の戦いだ。あまりみんなを巻き込みたくはない。だけどそれじゃ、俺はまた……!」

ゴツン
俺「いてっ!?」

バルクホルン「少し落ち着け」

俺「す……すまん」

バルクホルン「・・・お前の言いたいことはわかった。私たちに対する配慮もな。そこで1つ提案だ」

俺「提案?」

バルクホルン「私もお前に協力する。それならいいだろう」

俺「えっ……」

バルクホルン「あの時に言っただろう。もうお前は独りではないと」

バルクホルン「忘れるな、俺。お前の戦いは、もう私の戦いでもあるのだから


240 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:47:39.21 ID:9301snCc0

俺「トゥルーデ……」

バルクホルン「同じ舞台に上がるんだろう? それは、私も同じなんだからなっ」

俺「……ははっ、そうだな。そうだった。あーあ、やっぱりあんたには敵わねぇや」

俺「わかった。インペラトールは、俺とあんたの2人で倒す。それでいいか」

バルクホルン「ああ!」

俺「よしっ、決定だ。これはもう絶対だから、あとでキャンセルとか無しだかんな?」

バルクホルン「わかっている。やってやるさ」

俺「OKだ。……あ、一応言っておくけど、何もいきなり俺1人でインペラトールに突撃しようだとか、そんな物騒なことは考えてなかったからな? 悩みって言ってもどうしようか少し考えていただけで───」


ムギュッ・・・

俺「っ! トゥッ、トゥルーデぇ!?」

突如バルクホルンが、俺の背中に抱きついてきた。俺は驚き振り向きそうになる

バルクホルン「ふ、振り向くな!そのままそっちを向いていろぉ!///」

俺「あっ、ごめん。……って、それなら何で抱きついたんだよ」

バルクホルン「それはその…………い、勢いで」

俺「勢いかい」


241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:49:01.50 ID:rqABdZJC0
寒い……
支援……
寒い……
壁……


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 18:51:47.63 ID:C0nIpimZO
寒い時期になってから壁を殴らせるとかあんたは鬼か(褒め言葉)

支援


243 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/01/27(金) 18:52:45.39 ID:9301snCc0

バルクホルン「ぜ、絶対に振り向くなよ。カールスラント軍人の誇りにかけて振り向くな。恥ずかしいのだから……!」 タプッ

俺「あ、ああ。わかってるって」

バルクホルン(こうしていると、不思議と落ち着くな……)

俺(……当たってるんだよなぁ、何かが背中に。本人気がついていないみたいだけど)

薄布一枚の状態で密着されている為、刺激がほぼダイレクトで背中に伝わっていた

バルクホルンの胸「」プルンッ
俺(……いかんいかん心を沈めろ。落ち着くんだ俺。俺っていうか……もう1人の俺)


バルクホルン「お前も言っていたけどな、私だって守られっぱなしは好きじゃないんだ。後ろで指を咥えてみているだけなんてのは嫌だ」

バルクホルン「私が立ちたいのは、お前の後ろではない。お前の……隣がいい」

俺「ははっ、なんかそれ……口説き文句みたいだな」

バルクホルン「なっ……い、言うな!何だか恥ずかしくなってくるじゃないか……!///」

俺「……あ、そうだ。最後に聞きたかったんだけどさ」

バルクホルン「な、何だ?」

俺「何でトゥルーデは、俺が嘘を吐いているってわかったんだ?それが気になって」

バルクホルン「ああ。それは……」

俺「それは?」


244 :試作な俺-27話:2012/01/27(金) 18:58:13.47 ID:9301snCc0

バルクホルン「それは……!」

俺「そ、それは……」 ゴクッ

バルクホルン「内緒だ」

俺「」 ガクッ

俺「なーんだ、教えてくれないのかよ……」

バルクホルン「教えてしまったらつまらないだろう。だから俺には内緒だ」

俺「くっそぉ~知りたかったなー」

バルクホルン「ふふっ……」

バルクホルン(やっぱり無自覚だったんだな、俺……)


バルクホルン(実はお前には、嘘をついている……もしくは、本心からの言葉じゃない時に、「本当」という言葉を「ホント」と発音してしまう癖があるんだ)


バルクホルン(これは恐らくお前自身も気がついていない、私だけの小さな秘密……)


バルクホルン(私だけが知っている、お前の秘密だ) フフッ


背中に抱きついたまま俺から見えないように、バルクホルンは小さく微笑むのだった

──────────


245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/27(金) 19:00:53.97 ID:0oSZzVjL0
支援でおじゃる
最終更新:2013年01月29日 15:39