最上の空陸両用 14



455 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:23:17 ID:GFELXvXs
というわけで始めます最上さん@14回


ぶっちゃけた話、最上さんは投下の時には完全スルーでいいと思う
あとでwikiでイッキ読みしたほうがきっとラクだよ、と身も蓋もない事を言ってみるテスト

別に「俺のなんてつまんないから」みたいな謙遜めいたたわけた話じゃなく
話の作り自体がそういう雰囲気に持って行こうという意図があるので。

一応書いてる時に意識してるテーマが「アニメ SW1.5期」だから基本は一話完結ですけど。

456 :最上の空陸両用 あらすじパート:2011/07/12(火) 20:24:58 ID:GFELXvXs
副長「艦長。ご要望の、本日の朝刊ですが、とりあえず二紙ほど用意してみました」

艦長「ご苦労。
    …おお、朝刊一面だな、なになに…『魔女の救急車!ストライクウィッチーズ、医者を搬送』か。
    写真はイェーガー大尉とルッキーニ少尉が病院に着いた場面のショットか」

副長「こっちの紙面は…『医療資材搬送の輸送機、軍事基地に不時着』か。
    なるほどなるほど、部隊名はともかく、基地の所在地やら写真は秘匿情報扱いですな。
    さりげなく報道管制がしっかり成されているあたりはさすが501のヴィルケ中佐、というところですか」

艦長「しかし、それにしても…やっぱり<俺>くんの写真、ないねえ。せめて名前くらいあればと思ったが」

副長「まあ基地での事ですから、仕方ないですかねえ。
    しかし、人命救助とは言え記録に残ってない実績をどうやって考課表に反映させたものか…。
    撃墜報告書ならともかく、輸送機を担ぎ上げてどっこいしょ、なんてどう採点しましょうかねえ」

艦長「うーん…まあ、そっちのほうはどうにかしよう。最悪、証明その他はヴィルケ中佐に手伝ってもらうか。
    ところで、<俺>くんのFw61はどうかね。ずいぶんな壊れようだったが、大丈夫かね」

副長「飛行隊の機付員と、あとは船の整備班のなかでストライカーをイジレる人間を総動員して、
    今日の朝まででまぁなんとか問題なく飛ぶところまでは修復できました。
    大根おろしにされたのが先端の着陸ユニットまでで済んでたのがよかったようです」

艦長「そうかそうか、それはよかった。
    …整備士たちには一日の休養をやるように」

副長「了解しております。すでに。
    あと、昨日の事件で採取できた耐衝撃データ、過重耐久性その他のデータは兵器廠のほうに…」

艦長「うん、そちらも任せる」

457 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:26:24 ID:GFELXvXs
晩ご飯
………
……

俺「やっとネコペン姿から解放されたー。
  ありがとう、宮藤」

宮藤「いえいえ、そんな…でも、あの格好、私は結構可愛くて好きですけど」

エーリカ「私もっ!」

俺「カンベンしてくれー」

リーネ「でも、あの着ぐるみかわいいですよね」

ペリーヌ「まぁその、確かにあの着ぐるみはキュートですし、それをいい歳した殿方が着てるというギャップは
      ある意味ではコケティッシュなのかも知れませんけど…あの格好で歩き回られると反応に困りますわ」

ミーナ「ふふ、確かにそうね。
     でもエイラさん、さすがにあの格好じゃストライカーを履けないから、もう同じことしちゃダメですよ」にっこり

エイラ「は、はいっ」びくっ

バルクホルン「まったく、ここは対ネウロイの最前線だというのに、みんな緊張感が足りないぞ」

シャーリー「ほーう、いかにもカタブツのカールスラント軍人らしいコメントだね。
       …だが、アイツが着ぐるみ姿で中庭で昼寝をしてるのをみて『か、かわいい…』と
       しみじみつぶやいていた、どこかの誰かさんが言っていいセリフなのかな?」

バルクホルン「な…!?」

458 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:27:54 ID:GFELXvXs
エーリカ「そーいえばトゥルーデ、ちゃんと<俺>に言っとかなくちゃ。
      この前クリスから返事帰ってきたよね?」

宮藤「あ、クリスちゃんからお手紙届いたんですか?」

俺「それってこの前話してもらった、妹さんへのお手紙のお返事ですよね」

エーリカ「そーそー、<俺>がY島に行ってる間にだしてたものなんだけど。
      で、で、実はトゥルーデが書いたその手紙に<俺>についても書いてあってさ、
      だから一言いっといたほうがいいな、って思って」

バルクホルン「んぐ!
         あ、ああ…そうか。そういえば<俺>の事も書いてあったか」

シャーリー「ほほう、このカタブツが<俺>の事をなんと書いたのか非常に興味があるな」

エーリカ「お菓子一週間分で」

シャーリー「のった!」

バルクホルン「のるな!
         え、エーリカも、勝手にばらしたら承知せんぞ」

エーリカ「ちぇー」

俺「俺は、知りたいような、知るのが怖いような。あははは…」

459 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:30:08 ID:GFELXvXs
ミーナ「<俺>さんって、トゥルーデの妹の事を知っていたのね、いつの間に…?」

エーリカ「この前トゥルーデが相談のために教えたんだよ。それというのも、<俺>の妹をクリスにもがが」

バルクホルン「こここ、こら、エーリカ!みんながいる場所でそんな…」

エーリカ「もごご…今更恥ずかしがるような事じゃないじゃん、悪いコトしてるわけじゃないんだし」

バルクホルン「それはそうだが、私にもカールスラント軍人としての面目というものがな…」

エイラ「大尉の妹好きっぷりなんてみんな知ってるし、別に今更そっち系の行状がバレたって、なんともないって」

バルクホルン「ば、馬鹿な…」

宮藤「それで、クリスちゃんと<俺>さんの妹さんはお友達になれそうなんですか?」

俺「いやー、それが、俺の妹とクリスちゃんじゃちょっと歳が離れすぎててなあ…」

エーリカ「でさでさ、やっぱり<俺>本人には手紙を読む権利ってあると思うんだよねー」

バルクホルン「む、むぐぐ…しかし、まあ確かに、エーリカの言うことも一理あるな。
         <俺>少尉、もしよかったらあとで私の部屋に来てくれ」

俺「えっ? あ、ああ、はい。
  な、なんか緊張するなあ、あははー」

エーリカ「だいじょーぶだよ、トゥルーデも、別に悪い風に書いてたわけじゃないから」

俺「そ、そう?」

460 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:31:24 ID:GFELXvXs
俺「んーと…わかりました、バルクホルンさん。それじゃあ後でお邪魔します」

バルクホルン「うむ、わかった」

俺「あの、バルクホルンさん」

バルクホルン「な、なんだ?」

俺「ど、どうかお手柔らかに」

エイラ「あはは、なんだそりゃ」

シャーリー「<俺>、ちょっとこっちこいこい」手まねき手まねき

ルッキーニ「こーいこいっ」

俺「ん、なんですかシャーリーさん」てけてけ

シャーリー「よくきた<俺>。うーんとな…あとでコトの詳細を報告、これ上官命令な」ひそひそ

俺「えええー…。
   いや、さすがに上官命令とはいえ…人様のプライベートのお手紙っていうのは、ちょっと」ひそひそ

エーリカ「おっぱい一週間分で、と少尉は申しております」ひそひそ

シャーリー「フフン、のった!」ひそひそ

俺「ぶっ!!!」

バルクホルン「き、貴様ら…!」

461 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:34:26 ID:GFELXvXs
バルクホルン、エーリカの部屋
………
……

俺「失礼します。
  ……、えと、相変わらずメリハリの利いたお部屋ですね」

エーリカ「そんなに褒めなくてもいいよ」てれてれ

バルクホルン「誰が褒めているものか、まったく!
         …まあいい、そこに座れ。茶を淹れてくる」

俺「ああ、ありがとうございます。
  …そういえば、宮藤から聞いたんですけど、俺の部屋に茶器を置いてくれたのバルクホルンさんですよね?」

バルクホルン「ん? ああ、あなたがY島に行っている間にな。
         さすがに茶くらい自室で飲めればよいかと思い置かせてもらったものだが、邪魔になってないか?」

俺「いえいえ、部屋で茶飲めるようになってありがたいですよ。
  どうもありがとうございます。まぁ、せっかくだし自分でもっと旨く淹れられるようにならないと、と思っとります」

バルクホルン「そうか、気に入ってもらえるのなら、なによりだ。
         …さ、淹れてきたぞ、どうぞ」

俺「いただきます」

バルクホルン「エーリカ。お前もその巣から出てきてこっちに来い。
         どうせ放っておいても勝手に覗きこみに来るんだろう?」

エーリカ「にゃはは、あんがと」

462 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:36:30 ID:GFELXvXs
俺「ああそうだバルクホルンさん…なんだかんだでちゃんとお礼を言うタイミングがなかったので。
  昨日、っていうか今朝はありがとうございました。
  バルクホルンさんがいてくれなかったら、俺やエイラはもちろん、あの輸送機もどうなっていたか…」

バルクホルン「滑走路で火花をまき散らしながら滑走しているあなたを見たときにはさすがに肝が冷えたぞ。
         いくらシールドがあるとは言え、航空機を抱えて降りてくるとは」

エーリカ「うひゃー。ざっと話は聞いてたけど、ハデなコトするなあ。
      <俺>のストライカーもずたぼろになってたし、かなり危ない橋渡ったのかなとは思ったけど」

俺「いやあ、さすがに無茶が過ぎました」

バルクホルン「まったく…まあ、エイラも言っていたとおり、あの状況では打てる手もなかったんだろうが…
         しかし、なにかあれば自分の命だって危なかったんだぞ」

俺「ええ、その、まぁ…でも、見捨てるわけにいかなかったし、最終的にはみんな無事で、結果オーライという事で」

エーリカ「そーいうの、<俺>のいいところなのかもしれないけど、私はちょっと好きじゃないなー…」

俺「え?」

バルクホルン「エーリカ?」

エーリカ「にゃはは、なんでもないなんでもなーい。
      それより、手紙てーがみ」

バルクホルン「む、ああ…これだ、<俺>少尉」

俺「あ、ああ…どうも、お借りします」
  (ハルトマンさんの今のセリフがちょっと気になるけど…まぁ今は、手紙だ)

463 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:37:23 ID:GFELXvXs
俺「へえ…まん丸くて可愛らしい字ですね」

バルクホルン「そうか」

俺「で、内容は…………むにゃむにゃ、と」

バルクホルン「むにゃむにゃ、とはなんだ」

俺「えと…あははー、俺カールスラント語読めません」

バルクホルン「なんだ、読めないのか。
         …こほん、仕方ないな、私が読んでやろう」

エーリカ「はいはいはーい!
      私が読むよ、トゥルーデ」

バルクホルン「ん。別に構わないが、何故だ?」

エーリカ「だってトゥルーデに読ませると、読んでる間に感極まって泣いちゃったりするかも知れないからね」

バルクホルン「だ、誰が泣くかばかっ!
         まったく…ちゃんと真面目に読めよ?」

エーリカ「わかってるって」

俺「よろしくお願いします、ハルトマンさん」

464 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:39:17 ID:GFELXvXs
エーリカ「こほん、じゃ、読むよー。
      『拝啓、ゲルトルート・バルクホルンさま

       お姉ちゃんへ。
       お手紙ありがとう、いつもお姉ちゃんからの手紙を楽しみにしています。

       こちらでの生活はずいぶん落ち着いてきています。
       もうちょっとしたら病院に通院しなくてもよくなるよ、ってお医者さんも言ってくれました。
       お姉ちゃんが見守ってくれたおかげだよ、ほんとうにありがとう。

       たまにブリタニアの新聞にも、お姉ちゃんたち501航空団の活躍が載っています。
       この前も、ネウロイの基地をやっつけた、っていう記事が一面で載ってました。』だって」

俺「新聞かあ…ブリタニアなら、ここから割と近いし、501の事も結構情報が行くんですね」

バルクホルン「ああ…。だが完治したらいずれ、ノイエ・カールスラントに疎開することになるだろう」

俺「ノイエ・カールスラント…欧州からだとずいぶん距離もあるし、手紙のやり取りとかも大変になりそう。
  それに、会いたいと思ってもすぐには会えないところに行ってしまうと思うと、ちょっと寂しいですね」

バルクホルン「そうだな。
         だが暮らしやすさを考えれば、やはり祖国の人間がいる土地に行くのは良い事だと思う」

エーリカ「まあ、多少時間はかかっても手紙のやりとりはできるし、ね…。
      それはそーと、クリスの手紙に書いてあるこの新聞記事ってひょっとして…」

バルクホルン「ああ、多分オペレーションサラマンドラの記事だろうな。そういえば、あれもう半月も経ったのか」

俺「ずいぶんと昔の事のような気がするけど…そんなもんなんですね」

465 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:40:45 ID:GFELXvXs
エーリカ「じゃ、続き読むよん。
      ああ、ここはお待ちかねの<俺>について書いてあるところだね。

     『そういえば、新しい隊員さんが来たってかいてあったよね。
      ちょっと調べてみたんだけど、男の人のウィッチってとても珍しいんだって。
      それにオトナの人なんだよね、どんな人なのかなあって気になってます。

      とても珍しいウィッチの人だし、ひょっとして特別なワザとかあるのかな?
      それとも筋肉ムキムキで、お家だって持ち上げられちゃうようなお姉ちゃん以上の力持ちとか。
       それとも目からビーム!…とか。さすがにそれはむちゃくちゃだよね、ごめん。

      でもお姉ちゃんやミーナさんもそうだけど、ウィッチって前の女の子ばかりだから
      オトナの男の人って、いるだけでとっても頼りになりそうだよね』」

エーリカ「確かに、普段あんまり意識してないけど、<俺>みたいなオトナの男の人がいるってのは
      わたしたちの生活からすればちょっと珍しい状況ではあるよね」

俺「同じようなこと、ここにくる前にもどこかで言われたなあ。
  まあウィッチって、どこの軍集団でもほぼ部隊まるごとウィッチだけで固まってるし、周り中みんな男ばかりだから、
  その反動でたいていウィッチの部隊は結束が固いけど、かわりに排他的というか警戒心が強くて…」

バルクホルン「なかなか苦労もしてきたようだな」

俺「いや、苦労していたのはたぶん彼女たちのほうかな…俺はどうしても女の子のデリカシーってのがわからなくて。
  それに、たまたま同じ作戦で一緒に飛ぶ、程度の結びつきがほとんどだったし。
  生活まで一緒にするほどに密接にウィッチと関わってるのって今回が初めてじゃないかって思います」

俺「ところで、肝心のバルクホルンさんの出したお手紙には、俺の事ってどう書いてあったんですか?」

バルクホルン「…軍事機密だ」

466 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:41:50 ID:GFELXvXs
俺「それにしても頼りになる、どころかむしろ俺がバルクホルンさんたちに頼ってるなんてちょっと言えないですね。
  特別なワザもないし、なんだか期待を裏切ってクリスちゃんには申し訳ないな」

バルクホルン「いや…確かに、<俺>少尉はウィッチとして特別な能力を持っているわけではないかもしれないが
         だが、男性だからこその…いや、それだけではなく経験豊富な兵士としてのタフネスを備えた
         信頼できるウィッチである、と私は思っているぞ」

俺「は。
   え…えーとあの、ありがとうございます、大尉」

エーリカ「…へー」

バルクホルン「……なんだ、エーリカ」

エーリカ「いやー、トゥルーデがそういう風に素直に人を褒めるのって、ひさしぶりにみたかも」

バルクホルン「!」

俺「俺も、ちょっとびっくりしました」

バルクホルン「なっ!?
         わた私だってだな、普段からホメるべき時にはちゃんとホメてるだろう」

エーリカ「あー、はいはい」

俺「続きおねがいしまーす」

エーリカ「おっけー」

バルクホルン「お、お前たちは…!」

467 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:44:19 ID:GFELXvXs
エーリカ「続き読むよー。
      『ミーナさんやハルトマンさん、それにヨシカちゃんたちもお元気ですか。

       新聞記事とか雑誌のインタビューとかでも、お姉ちゃんたちが頑張ってることはよくわかるけど、
       やっぱりお姉ちゃんから直接お手紙をもらうと、今日もお姉ちゃんは元気なんだって安心できます。
       だからこれからもお手紙くれるとうれしいです。

       ハルトマンさんたちが見ててくれるから大丈夫だと思うけど、自分の体をだいじにしてくださいね。
       ネウロイなんていなくなっちゃえばいい、って思うけど、私が一番心配なのはお姉ちゃんの事です。
       無事でいてくれればネウロイなんてやっつけなくてもいいから、ぜったい無理しないでね。
       (こんなこと書いたら怒られちゃうかな?ごめんね)

       また今度、時間ができたら遊びに来て下さい。

       どうか、お姉ちゃんたちも、それにあたらしいお兄ちゃんも、これからも無事でありますように。
       クリスより、大好きなお姉ちゃんへ

       クリスティアーネ・バルクホルン』
       …だってさ」

バルクホルン「…うん」

俺「いい…いい妹さんですね」

エーリカ「…あ。<俺>、泣いてる」

俺「!!
  え、えな、ちが、ちがいます、これは目が乾いてただけでノーカン!ノーカンです」ごしごし

エーリカ「にし、ノーカンってなんだよ」

468 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:45:28 ID:GFELXvXs
バルクホルン「<俺>少尉は、案外と涙もろいのだな。少し、意外だ」

俺「だ、だからノーカンですって…うー、ちょっとだけ涙腺が弱くて油断をするとほろほろと。
  あー、まぁ、やっぱりアレですね、男が泣くだなんて、ちょっと女々しくて情けないですね」こしこし

バルクホルン「あ、いや、そんな事はない。感情表現が豊かなのは、悪いことではないだろう」

エーリカ「でもさー、<俺>ってけっこー泣き虫だよね。
      まだひと月も一緒にいないけど、結構泣いてるところ見てる気がする」

俺「まさか。いやいや、そんな事は…」

エーリカ「そーだよ」

バルクホルン「そうか?」

エーリカ「トゥルーデはにぶいよねー、どっちの時も一緒にいたじゃん」

バルクホルン「うーん…いや、まったく覚えがない」

エーリカ「もー…一回目はさっきちょっと話に出てたオペレーションサラマンドラの帰り道。
      二回目はほら、<俺>と一緒に哨戒行った時だよん」

俺「えっ!?
  俺泣いてたあの時?自覚なかったんだけど…」

エーリカ「えーっ!
      ぜったい泣いてたよー」

俺「……あー、言われてみれば、たしかにひょっとするかもしれない、の、か?うーん」

469 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:46:43 ID:GFELXvXs
バルクホルン「この前の哨戒…というと、増援にきていた艦隊をネウロイから防衛したときの事か?」

エーリカ「そーそー。
      泣いてるのごまかすためにわざわざ海に飛び込ませてあげたのに、<俺>は薄情だなあ」

俺「うっ…そうだったのか。それはその…すいません」

バルクホルン「なんだ、あれはいつものようなただのおふざけじゃなかったのか」

エーリカ「うわ、ヒドイ言われようだよ。
      敢えてバツだってちゃんと受けたのにさあ」

俺「あはは…あの、ありがとうハルトマンさん。
  なんか、思った以上にいろいろ気を遣ってもらってますねえ」

エーリカ「…まあ、わかればよろしー」

バルクホルン「しかし、あの日の任務には特に問題はなかったように思うが、何かあったのか?」

エーリカ「たぶん、あの駆逐艦でのこと、だよね」

バルクホルン「だから、なんだそれは」

エーリカ「いやいや、それはさすがに…<俺>の目の前じゃ、ねえ?」

俺「別に隠すほどの事じゃないですけど、目の前でやられるとさすがにちょっと恥ずかしい、かな」

エーリカ「あとでこっそり教えてあげるよ、トゥルーデ」

バルクホルン「む…まあ、それでいい」

470 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:48:44 ID:GFELXvXs
俺「そういえば、話の流れで思い出したんですけど。
  あの時ハルトマンさんが言ってた言葉がちょっと引っかかったんですが」

エーリカ「ぎく。わ、わたしなにか言ってたっけ?」

俺「俺が、バルクホルンさんに似ててちょっと心配、とかなんとか」

バルクホルン「私に?」

エーリカ「げっ」

俺「あれってどーいう事なのかな、ってなんとなく気にかかってたんですけど。
  まぁいろいろあってうっかり忘れてたんですよね。いったいあれは」
エーリカ「わー、えっと、<俺>!
      夜も遅くなってきたし、クリスの手紙も読んだんだからそろそろ帰ってもいいんじゃないかな」

バルクホルン「そうか? まだそれほど遅いわけでもないような…」

俺「ああ、じゃあせっかく淹れていただいたこのお茶だけ飲んでから…」

エーリカ「いいからいいから」ぐいぐい

バルクホルン「お、おいおいさすがにそれは歳上の人間に対して失礼だろう」

エーリカ(ごめん、その話はちょっと…)ひそひそ

俺「う、うーんと…まぁ、女の子のお部屋にあまり長居するのも悪いですし、今日はこれで失礼します。
  バルクホルンさん、ハルトマンさん。今日はありがとうございました」

バルクホルン「そうか、たいしたもてなしもできなかったが…では、また明日な。おやすみ」

471 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:50:14 ID:GFELXvXs
翌朝、基地敷地内。訓練中(持久走)
………
……

俺「昨日はなんかいきなり追い出されちゃったけど…なんか妙なトコ踏んだかなあ」たったったっ

坂本「訓練中にひとりごととはな、この内容では退屈か、<俺>?」

俺「うわっ坂本少佐!?」びくっ

坂本「まったく…ひょっとして先週までの疲れが溜まっているのか?」

俺「いえ、そういうわけでは…。 申し訳ありません、真面目に取り組みます」

坂本「そうか。ならいいが…午後は模擬戦訓練だからな、しっかりやるように」

俺「うわ、模擬戦ですか…」

坂本「<俺>少尉」

俺「うっ! は、はい」

坂本「勝利のみならず、敗北から学ぶことも多いという意味では、模擬戦とは単純に勝率を競うものではない。
    だが、貴官の場合は他の隊員とくらべ著しく勝率が低い。もっと精進しろ」

俺「は…はい」

坂本「うむ、行って良し」

俺「は、はい!では失礼します」たったったっ…

472 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:52:31 ID:GFELXvXs
坂本「やれやれ…」

ミーナ「ご苦労様、坂本少佐。
    みんなの調子はどう?」

坂本「不満だ」

ミーナ「…なにか、問題でも?」

坂本「<俺>少尉のことだ」

ミーナ「<俺>さん?そういえば私が来たとき、何か話し込んでいたみたいだけれど、訓練をサボったり、とか?」

坂本「いや、そういう事ではないんだが。
    …そうだな、ミーナの目からは、ヤツはウィッチとして、その戦力をどう見ている?」

ミーナ「そうねえ…自分の能力に通底しているウィッチ、というところかしら。
    魔力が少ない事はマイナス要因ではあるけれど、よく工夫してカバーしていると思うわ」

坂本「自分の力量を能く理解している、という面では有能かもしれんがな、いまの私にはそれが不満だ」

ミーナ「ど、どういう事かしら…?」

坂本「なまじ自分の力量がわかっているだけに、出来ることと出来ないことを自分で判断できる。いや、してしまう。
    …実戦ではそれは生存のために必要な能力だが、訓練でも同じというのではダメだ」

ミーナ「自分の限界を自分で区切ってしまっては、成長は望めない。そういう事ね」

坂本「どうしたものかな…」

473 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:54:52 ID:GFELXvXs
午後、訓練(模擬戦)
………
……

俺「…当たれッ!」ガガガガッ

バルクホルン「くっ!」ひょいっ

バルクホルン「小手先だけの小細工なぞ、私には通用しないぞ、お返しだ!」ドガガガッ

俺「がふっ」ばちちち!
……

エーリカ「おっつかれー」

俺「うー…やっぱりバルクホルンさんには勝てない、か」

エーリカ「トゥルーデは容赦ないからねー。
      まぁ結構いいトコ突いてたと思うよ、<俺>も」

俺「ははは…ふぅ、やれやれ」

坂本「次、ペリーヌと<俺>。ハンガーに行って準備にかかれ」

ペリーヌ「わかりました」

俺「了解です」

坂本「……。
    バルクホルン、ハルトマン。ちょっといいか」

474 :名無しの俺:2011/07/12(火) 20:57:01 ID:uIVmBMh.
あらやだ、投下中に遭遇とはついてるな

475 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 20:58:21 ID:GFELXvXs
バルクホルン「少佐」すたすた

エーリカ「なになにー」とてててっ

坂本「ご苦労、ふたりとも。
    まずバルクホルン、さっきの<俺>少尉との模擬戦はどうだった」

バルクホルン「そうですね…なかなか手強かったと思いますが、だいぶあのトリッキーな機動にも慣れてきたな、と。
         不意を突かれると危険ですが、そうでなければ遅れは取らない、と思います」

坂本「なるほどな。ハルトマンはどうだ、ヤツとやりあうとして、勝率はどのくらいになりそうだ」

エーリカ「まぁ7、8割がたは勝てるかな、100パーはないと思う。3回やれば1回はもってかれるかも」

坂本「だろうな」

バルクホルン「…少佐、なにを考えているんだ?」

坂本「うん、実はおまえたち二人と<俺>で、戦闘演習を組もうと思っていてな」

バルクホルン「<俺>少尉と…?」

エーリカ「戦闘演習…って、模擬戦と何が違うの?」

バルクホルン「やること自体は模擬戦と同じだ。だが…」

坂本「通常の模擬戦より交戦域に関する制約は緩くなるし、
    使用する弾丸こそ模擬弾だが武器、ストライカーも個人の判断での変更が許される。

    そしてもうひとつ、戦闘演習は501のメンバー全員で観察することになっている」

476 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 21:04:25 ID:GFELXvXs
バルクホルン「僭越かも知れないが、少佐。 わたしたちと<俺>少尉では、実力に開きがある。
         この状況で<俺>少尉と戦闘演習を行っても、意義ある訓練になるとは思えない。
         戦闘演習とは、実力が拮抗している者どうしが行うことで意味がでるものだろう」

エーリカ「そうなの?」

バルクホルン「実力がある側が一方的に相手を叩きのめすだけでは見る人間には参考にならないだろうが。
         能力の近い両者がやりあう姿を観察する事で、見る側にとっても有意義な演習になるんだ。
         …って、士官なのになぜこんなことも分かっていないんだ、お前というヤツは!お前というヤツは!」

坂本「実力差があることは十分に承知している。だからこそこの演習を構想したのだからな」

バルクホルン「わからないな…模擬戦ならともかく、やはり戦闘演習の組み合わせとしては適切とは思えない。
         まさか、私たちを当てることで<俺>少尉の鼻っぱしらを折ろうとでも考えているのか」

エーリカ「折るほど高くないと思うけど、鼻」

バルクホルン「茶化すな、真面目な話をしているんだぞ」

坂本「私も真面目だ、大尉」

バルクホルン「む…少佐が冗談を言わない性格だという事は理解しているが。
         その、少佐にも考えがあってのこと、という認識をしてもかまわないのか?」

坂本「もちろん、そうだ。必要なら後でいくらでも説明してやる」

エーリカ「ま、面白そうだしわたしはやるけどさ、でもわたしたち対<俺>ひとり、なわけないよね。
      <俺>のペアはいったい誰?」

坂本「ああ、それならもう決めてある…いまちょうど飛んでいる二人が、ペアだ…そう、つまり」

477 :最上の空陸両用:2011/07/12(火) 21:05:02 ID:GFELXvXs




             坂本「戦闘演習は二日後、<俺>と組むウィッチは、ペリーヌだ」






478 :最上の空陸両用 〆パート:2011/07/12(火) 21:07:50 ID:GFELXvXs
――――
エイラ「…え?」

サーニャ「戦闘演習…だって」

エイラ「坂本少佐はなに考えてんだ。
     いくらなんでもあのカールスラントペア相手じゃ、誰がやってもボッコボコじゃないか?」

サーニャ「そう?」

エイラ「そりゃそーだ。私だって勝てるかどうかわかんないくらいなんだぞ。
     <俺>と、それにペアがツンツンメガネじゃ、もうこりゃやる前から勝負ついてるようなモンだって」

サーニャ「でも、勝負はやってみるまでわからないと思う…」

エイラ「そっかなー、明らかに無茶だと思うけど…でも、サーニャの言うことだもんな。
     なら私のタロットで占ってみよう」

サーニャ「うん」

エイラ「むむむ…えいっ!」

エイラ「ジョーカーだ。 これの意味は…って、アレ?」

サーニャ「ジョーカーって、トランプの、だと思う…」

エイラ「だ、だよな…なんでこんなものが出てきたんだ。
    なんか波乱の予感だナ」

(・×・)お、おわりだナ

479 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:10:26 ID:GFELXvXs
というわけで今日はここまでです

戦闘演習っていうのはまるっきりでっち上げの訓練方式だけど、
とりあえず上手いことダマされてくれるとこっちはラクなので、よろしく。

ではまた

いちおう、「他人に見せる事を意識した訓練」というのは現代においても多くの軍隊で
実際に行われている訓練ではあります。
陸自の富士総合火力演習を始めとしたイベントの色が濃いものから、
一般的な報道には乗らないような国内の駐在武官向けの示威行為としてのものまでイロイロと。

…という言い訳まですればきっと許されると思うんだ。

480 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:15:21 ID:JK/.Z/rw
乙乙!

22時から投下します

481 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:17:31 ID:uIVmBMh.
乙乙

482 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:25:04 ID:6H/ZRywU
おつん!

483 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:26:16 ID:xZDq8xaw
乙!

続き待ってるぞ

484 :名無しの俺:2011/07/12(火) 21:38:17 ID:RD86.ElI
最終更新:2013年01月30日 14:17