流星Ⅱ 1
531 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:15:31.38 ID:zhe7qJGw0
あらすじ
第501統合戦闘航空団"ストライクウィッチーズ"ができる前――北欧の地、森と湖の国スオムス。
ここには各国から"優秀な"ウィッチが集められた、"スオムス義勇独立飛行中隊"があった。
扶桑のエースとおちこぼれレズコンビ。ブリタニアの不良スモーカー。
リベリオンのお気楽巨乳。カールスラントのメガネ無口。
スオムスの苦労人。
この6人こそスオムス義勇独立飛行中隊。通称"いらん子中隊"であった。
そんな個性的すぎるメンツに俺は7人目のいらん子として飛び込んだ。
少しずつ、少しずつこの隊に馴染んでいく――いや、馴染んでしまう俺。
今日も俺はため息を吐きながら姉の形見の箒に乗り、ほうき星になるのだった。
「流星」 第二章 『虹色の乙女?』
532 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:20:28.44 ID:zhe7qJGw0
俺「赤いリボンー?」
1940年2月21日。
昨日行われたヴォスク鉄橋への爆撃は無事に成功し、
次の作戦――明後日まで、今日という日を休日にする運びとなった。
ハルカ「そうなんですよ。今日の朝ちょっと早く起きたんですけど、そんな女の子を見まして」
今は朝食の時。並ぶ食事はいつものメニュー。
そこで迫水ハルカは話題を振ったのだった。
智子「ふーん‥‥朝ねぇ」
キャサリン「皆おつかれだったんじゃないかねー」
エルマ「寝てましたね」
ビューリング「赤いリボン‥‥か」
智子「寝ぼけてたんじゃないのー?」
一口サイズにちぎったパンを口に放り込みながら智子は言う。
533 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:25:10.36 ID:zhe7qJGw0
ハルカ「うーん、そうだったんですかねえ」
俺「お化けでも見たんじゃないかー」
どうでもいいとばかりに適当な受け答えをすると俺はスープを口へ運んだ。
ハルカ「お、おばけ!?」
ガタッと机を揺らすハルカ。スープが溢れ、不機嫌な目になるウルスラ。
ハルカが予想以上に萎縮したのをみて、キャサリンの中の悪魔が目を覚ます。
キャサリン「この基地で昔落とされたウィッチね~‥‥
飛べなくなった無念で、落ちこぼれのウィッチにとって代わろうとしてるね~‥‥」
両手をその豊満な胸の前で垂らし、いつもより低い声で演技している。
テンプレって感じ。
ハルカ「ひぃー!」
悲鳴と共に隣に座っている、今しがた朝食を食べ終わった智子に抱きつく。
智子「ちょっ‥‥そんなに怖がらなくても――ひゃぁ!」
もはや聴き慣れた声を耳にする。
ハルカの手はスカートの中に滑りこんでいた。
その手さばきは目で追うのがやっとだ。
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:27:47.61 ID:1z6imQtl0
流星ktkr
週末はスタゲさんも来るかもだしハイレベルな面子が揃いそうだなw
535 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:30:18.59 ID:zhe7qJGw0
すぐさま智子の拳がハルカの脳天に落下する。
ハルカの瞳が星型に変わった。
智子「あんたはほんとにもー!」
首をブンブンと振り普段の可愛らしい顔に戻るハルカ。
ハルカ「えへへ‥‥でも本当にあれはなんだったんでしょうか。ま、まさかほんとに」
キャサリン「ハルカは気を付けないといけないねー!」
俺「落ちこぼれって意味だったら、おまえもあまり他人ごとじゃないんじゃないか」
ウルスラ「非科学的」
智子「ま、第一中隊の子が今日から付けだしたとか、そんなんでしょ」
ハルカ「うーん‥‥」
どうにもハルカは納得がいかない様子。そんなに気になるもんなのか?
‥‥赤いリボン、ねぇ‥‥
536 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:36:07.22 ID:zhe7qJGw0
………
……
…
俺達は朝食を食べ終わると、さっそく訓練をするため格納庫へ向かった。
前回の爆撃時のように、重たいものを持ったときの回避を学ぶらしい。
俺「それで? これなんだよ」
目の前には背丈の半分ほどのドラム缶が3本並んでいる。だいたい先日の爆弾と同じようなサイズだ。
智子「訓練で本物の爆弾使うわけにはいかないでしょ」
俺「まあ‥‥それで?」
智子「だからコイツに雪を詰めた奴を変わりに使うのよ」
俺「それでも重さがぜんぜん違うだろう」
前回作戦で使用した爆弾は60キロ爆弾。このドラム缶の重さは知らないが‥‥
ビューリング「何だ知らないのか」
俺「は?」
ビューリング「この隊にはなんでも出来てしまう魔法使いがいてな」
俺「‥‥」
12個の様々な色の瞳がこちらを見つめる。ため息。
537 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:40:22.44 ID:zhe7qJGw0
エルマ「お、おねがいします! 訓練のためなんです!」
俺の表情を読んだエルマが頭をさげる。
ほんと、エルマはいい子だなあ。年上だけど。
キャサリン「減るもんじゃないねー」
俺「バッチリ魔法力が減るんだが」
ハルカ「お願いします!」
俺「‥‥はぁ」
この溜息は肯定のため息だ。仕方ない、という意味が込められている。
俺「‥‥‥‥雪を圧縮すればいいのか?」
ビューリング「たのんだぞ」
そんなセリフを吐く彼女の顔は憎たらしい笑顔だった。
‥‥今度火がほしいって言ってきたら意地悪でもしてやろうか。
538 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:45:16.80 ID:zhe7qJGw0
………
……
…
リュウセイが魔法を使いドラム缶に雪を詰めている。
人の手でやってもいいがこっちのほうが早いと言ってると、
いつものため息と共にやってくれた。
なんだかんだで頼めばやってくれるあたり便利‥‥いや、さすがに失礼か。
こんど酒でもおごってやろう。好きらしいからな。
‥‥わたしも変わったな。こうやってマジメに訓練にも参加しているし、人に酒をおごろうとまで考えている。
あの頃のわたしが知ったらどう思うだろう。
そんなことを思いつつタバコを咥え――
またやってしまった。今わたしのライターは雪を詰める作業をしている。
交流にもなるだろうと今まで頼んでいたが、やはり一人で好きに吸えないのは拷問に等しい。
いや、あいつがそばにいるのが嫌というわけでもないのだが‥‥
‥‥わたしは何を言っているのだろう。
今日の午後は久々に訓練をサボって買いにでも行くか。
と、彼がこちらを見ていた。‥‥こちら一人の都合で彼の作業をいちいち止めるのも悪い。買いに行こう。
そう決意するとわたしは息を吸いながら目配せし、彼の指の音を待った。
‥‥仕返しでもしてくるかと思ったが、そんなこともなかったな。
539 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:50:14.01 ID:zhe7qJGw0
………
……
…
俺達は基地上空へ来ていた。
智子「じゃあとりあえずわたしからやるわ」
ハルカ「じゃあわたしもやります!」
三人がまずドラム缶を持って爆撃役をやる。
他の四人がネウロイ役をやるという寸法だ。
智子「じゃあ最後の一人は‥‥ウルスラ、お願い」
ウルスラはコクンと頷く。
俺「じゃあ三人とも、ドラム缶持って」
ドラム缶3本は全て俺が魔法で持ち上げている。
正直今日は魔法力を使い過ぎている。午後は休ませてもらうつもりだ。
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:51:00.44 ID:0T8ZbbBu0
クソッ
ビューリングとくっつける気満々じゃねーかクソッ
542 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 23:00:19.63 ID:zhe7qJGw0
三人がしっかり持つのを確認すると浮かせる魔法を解除する。
ハルカ「おわっ! きゅ、急に重くなりましたね‥‥」
智子「これぐらい造作も無いでしょ、ウィッチなんだから。
それじゃあ始めましょう」
キャサリン「10数えるねー!」
キャサリンは大きな声で数字を数えだした。
まるで子供みたいだ。
その間にドラム缶を持った三人はそれぞればらばらの方向へ逃げる。
544 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 23:05:31.51 ID:zhe7qJGw0
キャサリンが10を数え終わる。
俺「さて、どうす――」
キャサリン「待つねー!」
俺「お、おい!」
相談しようとした矢先、キャサリンはハルカの逃げた方向へ飛び出していってしまった。自分の実力をよく分かっているらしい。
ビューリング「‥‥まあいいだろう。あのイノシシ、いや牛か? ――にはハルカを追い回してもらおう」
エルマ「そ、そうですね‥‥」
俺「じゃあ残りはウルスラ、そして智子か‥‥」
エルマ「わたし、智子中尉に追いつける気がしません‥‥」
シュンとするエルマ。かわいい。
俺「だろうな、俺も自信ない。じゃあエルマはウルスラを、俺とビューリングで智子でいいか」
ビューリング「まあ、アイツ一人を退屈させるのもあれだしな」
そういうとビューリングは顔つきが変わる。
スイッチが入ったようだ。隊のエース相手ともなれば本気を出してもいいと踏んだのだろうか。
エルマ「じゃあ決まりですね。行きましょう」
各々がそれぞれの顔を一瞥すると、それぞれのターゲットへ向かって飛翔して行った。
732 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:20:08.54 ID:izl/qcEN0
>>544から
………
……
…
キャサリン「まつねー! ハルカー!!」
ハルカ「待てっていって待つ人は居ませんよー!!」
ハルカとキャサリンという、いらん子の逆2トップの世紀の対決がここに実現した。
爆弾という重りを持っているので、ハルカのほうが速度が遅い。
グングンとその距離は縮まり、キャサリンはハルカを射程圏に入れた。
今回は背中にタッチされると撃墜とするルールとなっている。
キャサリン「いくねハルカー! とりゃー!」
まっすぐハルカに突っ込む。敵に突撃する合図を送るとは、ずいぶんと律儀なネウロイである。
もちろんというか、横に避けるハルカ。
733 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:25:07.73 ID:izl/qcEN0
キャサリンは勢い余って、急降下してしまった。
避けたハルカも持っている爆弾の重さに引っ張られバランスを崩し、よろよろと空中をさまよう。
キャサリン「おーっと! 勢いつけすぎたねー!」
大きく旋回しふたたび上空へ移動するキャサリン。
一方ハルカはなんとかバランスを修正し、安定した。
遠目で見るとあんなんでウィッチをやっているのが甚だ疑問であるかのようにフラフラと飛行する二人のウィッチ。
もはやいらん子のマスコットなのではないか。
遠くから見ていた智子はそう思いつつ頭をかかえるのだった。
734 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:30:13.79 ID:izl/qcEN0
と、後ろから音が聞こえてくる。
振り返ると、リュウセイとビューリングが近づいてきていた。
智子「ちょっと、私には二人がかりなの?」
ビューリング「そうでもしないとエース様には手が届きそうにないんでね」
俺「余裕だろ? 巴備前さんなら」
ふたりとも微妙な笑顔を浮かべている。
口元だけなら笑っているようだが、その目は獲物を狙う目だった。
こいつら‥‥
智子「こっちは爆弾なんて持ってんだから手加減しなさいよね!」
そう吐き捨てると、出力を上げた。
735 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:35:20.18 ID:izl/qcEN0
速度を上げると二人も付いてくる。
重りがあるため普段より遅いらしく、簡単に追いつかれてしまった。
‥‥振り切ることは不可能。ならば技術でかわし続けるしか無い。
水中の獲物に狙いを定めるように、上空から見下ろす二人。
と、リュウセイがまっすぐ突撃してきた。
智子「直線的すぎるんじゃないの!」
ギリギリまで引きつけ、体を振る。
手で持つ重りによる余剰な力を考慮して、適切な力で避けた――はずだった。
突撃すると思われていたリュウセイは直前で宙返り。
その影からビューリングが迫っていた。
736 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:40:10.85 ID:izl/qcEN0
智子「くっ‥‥」
智子の動きを見てからビューリングは加速をかける。
智子「なら!」
急減速。すると普段よりも速い速度で落下していく体。
だがこれだけでは振り切れ――
と、ビューリングはまっすぐ過ぎ去ってしまった。
智子「ふふん、なによ。おじけ――」
俺「どこを見ている!」
ほぼ垂直に落下してきたリュウセイの手が私の背中に触れた。
737 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:45:09.89 ID:izl/qcEN0
………
……
…
エルマ「てぇーい!」
上から降りてくるエルマをウルスラは軽く右へかわす。
エルマ「うわっとと」
勢いが少しつきすぎていたエルマは高度を維持しようとする。
その上の空間へウルスラが陣取った。
エルマ「うっ‥‥その重し、落とさないでくださいよ?」
肯定も否定もしないウルスラにエルマは少しだけ、ほんの少しだけ恐怖した。
追う立場だったはずなのに、いつの間にか振りきらなくてはならない状況になってしまっている。
なんとかしないと。
エルマは体を左右に揺らし、隙をついて上昇した。
今度はこっちが上を取る! と、ウルスラの居た方を見るともうだいぶ距離を離されていた。
あわてて、ウルスラを追い始めるエルマ。
この間、ウルスラは涼しい顔をしていた。
738 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:50:22.58 ID:izl/qcEN0
………
……
…
キャサリン「もらったねー!」
ハルカ「ひゃー!」
さっきから変わらない調子でフラフラと、まるで虫が飛ぶように規則性のない動きで飛び回る二人。
もう何度目かわからないキャサリンの降下をハルカはすんでのところでかわそうとした。
が、伸ばしたキャサリンの手が爆弾という名のドラム缶に当たってしまった。
ハルカ「うわあ!」
キャサリン「あうち!」
急に別の力が加わったドラム缶は、ハルカの手を離れ空中に放り出されてしまった。
慌ててドラム缶を追うため降下するハルカ。
キャサリンはどうやら不意にあたったドラム缶が痛かったらしく、手に息をふきかけている。
ドラム缶は予想以上のスピードで落ちていく。
ハルカも追いつこうとスピードをあげる。
739 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:55:13.02 ID:izl/qcEN0
ハルカ「――っとどいた!」
ドラム缶を両手でしっかりと挟む。
白色の地面はもうすぐそこまで迫っていた。
ハルカ「やばいやばいやばい!」
すぐさま急ブレーキ。が、ウィッチは急に止まれない。
白い地面がぐんぐんと迫る。
下に向けたユニットから生まれる風が雪をケチらしていき、その吹き飛ばされる雪がどんどん多くなる。
ハルカは思わず目をつぶった。
ハルカ「止まってえええ!」
ユニットの先端が雪に届き――そこでベクトルの向きが変わった。
ぐんぐんと上昇するハルカ。
ハルカ「はぁ~‥‥」
今まで肺に止めていた息を全部吐き出す。全身の力を抜き、ただただユニットに身をまかせる。
と、肩を叩かれた。
振り返ると満面の笑みを浮かべた少女の顔があった。
キャサリン「ハルカの負けね!」
740 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06:57:18.76 ID:izl/qcEN0
………
……
…
エルマ「なんとか捕まえられましたー‥‥」
他の組から遅れること数分。エルマもウルスラの背中を触ることができたらしく、
俺たちが集まっている地点まで来た。
キャサリン「おそかったねー」
エルマ「ウルスラさん意外とすばしっこくて‥‥」
俺「へぇ、やるもんだな」
ウルスラは少しだけ口をすぼめ、俺から視線をそらす。
‥‥もしかして照れているのだろうか。
エルマ「あれ? 智子中尉とビューリング少尉は?」
ハルカ「あっちです」
ハルカの指差す先には、ドラム缶を持ったビューリングを智子が追い回す画があった。
俺「智子に火がついちゃってさ」
俺は呆れたように肩をすくめ、お得意のため息を吐いた。
741 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:01:50.92 ID:izl/qcEN0
エルマ「智子中尉も結構熱くなりやすいタイプですよね」
俺「この隊で一番なんじゃないか?」
キャサリン「ウルスラも負けてないねー!」
ウルスラの方を見る。
ウルスラ「かもしれない」
彼女にしては珍しいセリフが聞けた。
確かに何度失敗しても、爆発しても、
諦めずに兵器開発する姿勢は、熱くなりやすいからこそ、なのかもしれない。
ハルカ「たしかに熱くなりやすいですよねー‥‥」
その顔は赤く、半目でどこか遠くを見つめている。
一瞬なんのことかと思ったが、俺の脳内でもすぐになんのことか分かった。
俺「ああ、たしかにそうだな‥‥」
あの夜のことを思い出して不覚にも赤面する。
キャサリン「毎晩お盛んねー」
これにはキャサリンも苦笑い。
742 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:05:37.62 ID:izl/qcEN0
エルマ「それに比べてビューリングさんはクールですよね」
ハルカ「そうですねー」
クールというか無口というか。ビューリングはこれでも交流するようになったほうらしい。
今以上って‥‥それこそウルスラレベルなんじゃ。
いや、ウルスラは自分からしゃべらないだけで、誰かと一緒にいることは多い。
ビューリングはそれこそ猫のように気まぐれに一人でどこかへ行ってしまう。
それが今以上‥‥それで部隊として成り立っていたのか甚だ疑問である。
キャサリン「最近はよくリュウセイと一緒にいることが多いねー」
ハルカ「だめですよリュウセイさん」
急に俺の顔を見て頬を膨らませるハルカ。
俺「は? なにが?」
ハルカ「二股ですよ二股」
今日はやけにため息を吐く機会が多い。
エルマ「わ、わたしはそんなんじゃないですよ!」
エルマもエルマで赤面し動揺している。そんなんじゃ否定に見えないんだよエルマ。そんな態度だと、悪魔が目をさますぞ?
キャサリン「またまたー」
ほらな。
743 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:10:32.94 ID:izl/qcEN0
キャサリン「で、ビューリングとはどんな関係ね」
俺「どうって‥‥火付け役だよ。そのまんまの意味のな」
そのまんまタバコに火をつける役。そのためだけに俺はビューリングと一緒にいる。
ハルカ「わたしはてっきり‥‥」
――はずだったのだが‥‥最近は一緒にいないと寂しいと思ってしまう節もある。
どうなんだ? 俺はアイツが‥‥あんなへんちくりんなやつが‥‥
俺「ないない」
頭を振りながら自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
智子「何がないのよ」
いつの間にか決着がついたらしい二人が戻ってきていた。
俺「なんでもねーよ。さ、帰ろうぜ。もう俺の魔法力も持たない」
実際かなり消費しており、もし午後からネウロイの来襲があるんだとしたらそれなりにまずい。
キャサリン「じゃあさっさとかえってご飯でも食べるねー」
智子「一勝一敗ね」
ビューリング「そうだな」
銀髪の彼女は興味なさそうに答え、基地へと向かった。
745 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:15:14.89 ID:izl/qcEN0
………
……
…
着陸後のメンテがない俺はさっさと食堂に来ていた。
魔法力は一気にぶっぱなすよりも常に使い続けている方が辛い事を改めて実感する。
すっかり馴染んだいつもの席に腰掛け、腕を伸ばしテーブルへと倒れこむ。
俺「やっぱり魔法力鍛えないとだめだなー」
鍛えると言って、そう簡単に上がらないのも魔法力ではあるのだが。
ストライカーという補助装置が全くない俺は、他のウィッチよりも消費する魔法力が激しい。
これでも小さい頃から欠かさず訓練はしているので、多少は自信があるのだが‥‥
ため息をひとつ吐くと俺はいつの間にかまぶたを閉じていた。
746 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:20:10.64 ID:izl/qcEN0
――――――――
―――――
―――
薄暗い。
ビューリング「やめろ‥‥やめてくれ‥‥」
俺は空を飛んでいた。目の前にはビューリングがいる。
その表情はいままでに見たことのない恐怖の表情だった。
彼女の手にはいつも常備しているナイフがある。
見ると、俺の右手にもナイフがあった。
ビューリング「来るな! く、来るなぁ!」
俺は無意識のうちに前進しているようだった。
彼女の目の前まで来る。
すると、彼女は持っていたナイフを捨て、両手で耳を抑え丸くなってしまった。
ビューリング「許してくれ‥‥赦し――」
俺はナイフを持つ右手を高く掲げる。
そしてそのまま彼女の後頭部へ――
747 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07:25:07.42 ID:izl/qcEN0
ガタンッ! という音と共に体を跳ねさせていた。
キャサリン「あっはっは! あるある!」
俺「‥‥」
どうやら眠ってしまっていたようだ。
見ると皆戻ってきている。
右手にも感触はない。
ハルカ「あーありますよねー、わたしも授業で居眠りしたときはよくなってましたよ」
エルマ「どうしてああなるんでしょうね」
ウルスラ「浅い眠りから深い眠りに移行するときの筋肉の緩み」
智子「へぇ、詳しいのね」
ウルスラ「勘」
智子「あ、そうなの‥‥」
俺はビューリングの顔を見る。
なんてことはない、いつもの凛々しく美しい顔がそこにはあった。
ビューリング「ん?どうした」
俺「あ、いや、なんでもないんだ」
‥‥人を殺すなんて、夢だけであってほしいね。少なくとも、俺はそう思った。
749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/27(土) 07:27:37.34 ID:tiRq01rm0
乙
例のごとくクヲリティ高ぇわ投下早いわ恐れ入る
最終更新:2013年01月30日 14:51