「始まりは無職」



俺「・・・・・・。なぜだ・・・なぜ電話がかかってこない・・・。」

熱い真夏の昼、俺は一本の電話を待っていた

それはアルバイトの合格の有無

採用なら昼過ぎまでには電話がくるそうだ

だが・・・三時を回り・・・

俺「た、たぶんちょっと忙しいんだな。少し落ち着いてから電話をかけようと思ってるにちがいない!」

俺は待つ

そう決めたのがつい三時間前だ



      • これでバイトがおちたのは13回目、就職ができないと知ってバイトに切り替えてからだ

母親にもなぜそんなにできないんだと嘆かれたもんだ

たしかに俺はたいした大学も中退してしまったし、学も特にあるわけではない

人と接するのは苦手だから友達も特にいるわけないし、恋人もいるわけない

苦手なものは無数にあって、得意なものは一つもない

      • いや、昔に一つだけやっていたことがあったな

親父から日本刀のあつかいだけは教えられたっけ・・・

お前にはその才があるぞとかいいながら、勝手に天国行っちまいやがって・・・




俺「はぁ・・・この時代じゃ役にたたねぇよ、そんなもの・・・。もうしにたいな・・・。」

そう思って俺は浜辺にいる

なんとなく赴くままにふらふらとしていたらいつのまにかここにいた

俺「なぜだ・・・、なぜ誰も俺を認めやがらねェ!」ボスッ

大声をあげて小さな砂に向かってこぶしを放つ
しかしあたりの静かな空間に向かってむなしく吸い込まれてゆくだけである

俺「くそっ!くそっ!・・・もう死のう・・・。」



そうだ、確かに俺は死んだ方がいい部類の人間、いやゴミかもしれない

よく親戚や親や知り合いに言われたもんだ

なんで簡単なこともできないんだ、とか、役立たず、とか、死んでしまえ、とののしられたこともあった

そのせいか消極的で、昔からいじめられてて・・・ああ、思い出すだけでも嫌だ

友達なんてもちろんいないし、こんなやつにつきまとおうとする人間もいないのも当たり前

働こうと思っても、だれも雇ってくれないし、だれも見向きもしない

面接じゃ、今までなにやってたの?とか、やる気あるの?とか、果てには、うちじゃあキミはいらないよ、なんて直接言われたこともある

かといって、なにもしないでいると、つい最近隣人に、いい加減働かないの?と一昨日質問されたばかりだった



俺は足を動かし海に浸かっていく

俺「このままいけば確実に死ぬな・・・。まぁどうせだれも気にしないしいっか・・。」

とどんどん足を進めていくが、突如波のせいか体が足のつかないところに引きずりこまれる

俺「ぶががごぼぼぼぼb!(そういや泳げなかった!)」

もがきにもがくが俺の気持ちとは裏腹にどんどん沈んでいく

でもある異変に気づく・・・

俺「ごっぼごぼぼ!(おかしい・・・。海の下に光が見える・・・。あれが・・・竜宮城か!)」

と生死の間で馬鹿なことを考え付きつつ、なぜかその光に吸い寄せられていく


俺「(変だ・・・。なぜか、温かい・・・。)」


俺は手を伸ばす、その瞬間、突然空が目にはいり一気に視界が拓けた

俺「ごほっごほっ!どういうことだ・・・?なんでさっきまで夜だったのに・・・明るい空があるんだ?」


空に光が見え、俺の周りには大量の水、まぁ海があった

しかしさっきまであの浜辺にいたはずだが・・・どういうことだ・・・

もしかして死んだのか

そりゃあずいぶん馬鹿な死に方だな





?『ん?あれ、海を泳いでる人がいる。ミ-ナ、今から救助にはいるよ~。』

突如ある声が上後方から聞こえる・・・それに反応し振り向いてみると・・・

俺「な、なん・・・だと・・・?ウィッチ・・・?夢か・・・?」

いたのは俺の世界でアニメや小説によく出ていた可憐な少女であった

夢ならずいぶんといい夢だな、おい

セクハラしてもだいじょうぶなんじゃねぇの?

ズボン引き下げても大丈夫なんじゃねぇの?

?「ほい、手を伸ばして~。」

しかしこれがまたできないんだよ

俺「あ、ありえん・・・。」ザバッ

こいつぁ・・・驚いた・・・

?『救助できたよ~。今からそっち連れて行くよ!』

?2『ええ、お願いするわ。』

何でかって言われたら、自分が普段EMTとか叫んでたら無理だろ

俺「あ、あんた、もしかして・・・エーリカ・ハルトマンか・・・?」

エーリカ「私の名前知ってるの?」

俺「ああ、有名も有名だからな・・・。(俺の大好きな人だ・・・。)ところで聞きたいんだが・・・ここはどこで、今は何年だ?」

エーリカ「えーと、ここはここだよ!今はたしか・・・1945年のはずだよ。どうかしたの?」

俺「まてまて、落ち着いて素数を数えるんだ・・・。(・・・。あれ1って素数だっけ?)」

エーリカ「ほい、ついたよ~。」

俺「ハッ!こんなことしてる場合じゃねぇ・・・。」

ミーナ「フラウ、ありがとう。あなた大丈夫?はい、タオルよ。あとお風呂にはいりなさい。そのままじゃ風邪引くわよ。」

俺「あ、ありがとう・・・。ミーナ・ヴィルケ中佐・・・。」

ミーナ「・・・どうして私の名前を知っているのか知らないけど、とりあえず早く入ってらっしゃい。それから少し話しましょう。」ニコ

俺「あ、ああ。」


~風呂シーンはなにも起こらなかったので省略しまあぁっす~




執務室にて

ミーナ「大丈夫かしら?ええと、まず名前とか色々教えてくれるかしら?」

俺「信じられないことをいっても怒りませんか?」

坂本「あのな・・・、私たちは初対面の人間に突然怒るなどとそんなことはせん・・・。」

俺「わかりました・・・。俺の名前は『俺』です。出身は日本。歳は19。そして・・・俺のいた時代は・・・2010年。」

坂本「おまえ!ふざけてるのか!?今は1945年だ!」

俺「お、怒らないっていったじゃないですかぁ!・・・言ったことは本当です。俺はその世界で暮らしていました・・・。特になにをするわけでもなく。」

ミーナ「坂本少佐も落ち着いてね。それが本当ならなぜ海になんかいたのかしら?」

俺「俺もわかりません・・・。俺の世界で、ちょっとやろうとしたことがあって、海に入ったら、そのまま引きずられて、底に光がみえたから
  手を伸ばしてでたらここだったんです。」

坂本「・・・信じられんな。おまえ嘘はついてないか?」

俺「つくわけないじゃないですか・・・。坂本少佐も信じてください。それしか言いようがないんです。」

坂本「おまえなんで私の名を?」

俺「かくかくしかじか。」

坂本「そういうわけか・・・。ミーナどうする・・・?」

ミーナ「・・・仕方ないわね。少しの間ここにおいてあげましょう。彼はどこにもいけないし、なにも持ってないから、外に放り出してもどうしようもないわ・・・。」

俺「あ、ありがとうございます。さすがヴィルケ中佐!お優しいです!」



ミーナ「うふふ、ありがとう。でもただじゃおけないし・・・なにか得意なことはあるかしら?」

俺「なにもありません!!」

坂本「やっぱりこいつ放り出そう。」

ミーナ「な、なにかしてもらいましょうか・・・。そうね・・・掃除とか洗濯は・・・・?」

俺「掃除は・・・あんまり・・・。洗濯はボタン押すだけなら・・・。」

ミーナ「はぁ・・・。力に自信もあるわけじゃなさそうだし(頭もそれほどっぽいわね・・・。)一つだけでもなにか得意なことは・・・?」

俺「・・・強いて言うなら、剣ですかね・・・。親父に昔教えられていたんですけど・・・。」

坂本「ほう。じゃあ一回やりあうか?」

俺「いえ、遠慮しておきます。坂本少佐って大人気なく本気だしそうなので。」

ミーナ「・・・あなた魔法力は?」

俺「はい?ないと思いますよ・・・?俺のいた世界じゃ魔法力のある人間なんていませんでしたし。」

ミーナ「そうなの・・・。(言えない。あなた使えない、なんて言えない・・・。)ちょっと軽いウィッチ適正検査でも受けてもらいましょうか・・・。
     その間に私たちはあなたをどうするか考えるわ・・・。」

坂本「正気かミーナ?こいつ、つかえないぞ?」

俺「何度聞いたことがあるセリフでしょう・・・。まぁ受けましょう。」



~適正検査後~


ミーナ「驚きだわ・・・。」坂本「ああ、驚きだな。」

俺「?」

坂本「おまえかなりの魔法力があるぞ?よかったな、一つだけとりえができたぞ。」

俺「本当ですか!?おぉ!じゃあこれでおいていただけるんですね!?」

ミーナ「まぁいいでしょう・・・。補充員としておいといて、出さないようにすれば大丈夫でしょうね。戦力となるなら出したいけど。」

坂本「そうだな。俺、とりあえずそういうことにしておこう。でもお前には訓練に参加してもらうぞ。あと使い魔との契約も。
    それと・・・どうにかして帰る方法を考えろよ。私たちも頭をひねるからな。」

俺「ああ、契約はどっかでしてきます。ありがとうございます。」

ミーナ「まぁとりあえず、そろそろお昼ご飯の時間なので食堂に行きましょうか。みんなにも言っておきましょう。」

坂本「そうだな。俺、いくぞ。」

俺「はい!」





~食堂~

ミーナ「かくかくしかじか。というわけで俺さんをここで飼い、じゃなくて共に生活してもらいます。」

俺「み、ミミ、みなさんよろしくお願いします!オ、俺といいます。出身は日本!ここじゃ扶桑って言うみたいですが。と、歳は19です。オ、オネシャース!」

シャーリー「魔法力あるのか~珍しいな。私は俺「シャーロット・E・イェーガー大尉ですね!」

シャーリー「なっ!なんで私のことを!」

坂本「俺の世界には私たちがアニメーション?や本になってたりしてたんだそうだ。だから私たちのことはたいてい知ってるそうだ。」

シャーリー「ほえ~、これは驚いたな~。まぁよろしくな俺!私のことはシャーリーでいいよ。」

俺「オ、オネシャーーース、シャーリーさん!」



エーリカ「君魔法力あったんだね。で、私たちと一緒に戦うの?」

俺「イ、イェ、連携を乱す恐れがあるので、ただ名前だけ名簿に載せるそうです。正直俺使えませんからね。」

エーリカ「ふ~ん。さっき言われちゃったけど、私はエーリカ・ハルトマンだよ。よろしくね。」



バルクホルン「ゴホン、私はゲルトルート・バルクホルン大尉だ。まぁおとなしくしていてくれた方が助かる。役に立たないやつはいらんからな。」

俺「ウ、ウィッス!よろしくお願います!」



ルッキーニ「あたしはフランチャスカ・ルッキーニ!階級は少尉だよ!よろしくね!」

俺「よろしく!」



ペリーヌ「私はペリーヌ・クロステルマン中尉ですわ。変なことはなさらぬように。」

芳佳「私は宮藤芳佳です!階級は軍曹。よろしくおねがいしますね、俺さん。」

リーネ「リネット・ビショップです、階級は曹長です。お願いします。」

俺「三人のことも知ってるよ!よろしくね。」



エイラ「私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン、スオムス空軍中尉。サーニャにおかしなことしたらタダじゃオカネーカラナ!」

サーニャ「エイラ、初対面の人なのに失礼でしょ。私はサーニャ・V・リトヴャク、オラーシャ陸軍中尉です。お願いします。」

俺「二人の仲の良さも知ってるよ。よろしくね。」



坂本「さて、そのへんにして食べるぞー。いただきます。」

全員「いただきまーす」


~皆さんから特に質問がなかったため省略~


俺「うまかったな~。ひさびさに腹いっぱいご飯食べたよ。ありがとう二人とも!」

芳佳「いえ、そんな、あんなに食べてくださってうれしかったですよ!。」

リーネ「どうもです。俺さんはよく食べるほうなんですね。」

俺「まぁおいしいものはお腹にいくらでもはいるよ。あ、あと俺堅苦しいのとか苦手だから、普通の口調でいいよ!むしろそうしてほしい。」

芳佳「わかりました~。そういえば俺さんは訓練とか参加するんですか?」

俺「させられるみたいだ。正直体力とか自信ないけど。」

リーネ「そうなんですか~。じゃああとでまた訓練の時に。私たちは皿洗いとかあるので。」

俺「ん、いや俺がするよ。なにもできることないし、それぐらいしないとな。二人とも遊んでおいでよ。」

芳佳「そんなの悪いですよ~。」

俺「いいからいいから。ほらほら。」

リーネ「えっと、じゃあお願いします!俺さん、ありがとう。芳佳ちゃんいこ?」

芳佳「ありがとう、俺さん!まってリーネちゃ~ん!」タッタッタ

俺「さて皿洗いするか。」





夕方・・・外にて・・・

俺「皿を2枚割ってしまった。しかし気にしない。てか、本当どうしよう。」


俺は海を見つめながら一人悩む

正直俺の父親は天国いっちまったし、あの世界じゃ母親でさえも、だれも俺のことなんて気にしないから別にこの世界でいてもいいんだよな

しかし、本当にどうしようかと、なんとかしないとっていう気持ちはあるんだが・・・


俺「はぁ・・・。ここでもロクデナシな俺だな。魔法力あるみたいだし、ちょっとはがんばってみるか・・・。」

エーリカ「そうだよ~。少しはがんばってみなよ~。」

俺「うおっ!おどろかさないでください・・・。がんばりはしますけど、俺ってなにやってもうまくできないんですよね。」

エーリカ「まぁ一つぐらいとりえあるんだからいいじゃん。私だってそうだよ~。」

俺「ハルトマンさんは他にもたくさんできる可能性を秘めてますよ。正直うらやましいです。」

エーリカ「あ、そういえば私のこともたくさん知ってるんだったね。・・・そういえばトゥルーデにあんなこといわれてつらくなかった?」

俺「ん?いや、俺がおとなしくして、危害が及ばないならそれでいいと思うよ。あれはバルクホルン大尉が正しい・・・です。」



俺はこのとき質問をごまかした

当たり前だ、役立たずと同じようなこといわれて腹がたたない人間はいないし、ましてや、俺も男だ

女の人がいる前であんなことを言われたのはさすがに恥ずかしいものだ

でも、あそこで食って掛かれば俺の印象はわるいし、退いたほうが得策だし・・・心の中では実際とそう思ってたから我慢しただけだ



エーリカ「うーん、あんまり我慢とかしないようにね。私は初対面の人に向かってあんなこと言うのは悪いと思うけど・・・。
     でもトゥルーデも悪気があるわけじゃないんだよ。みんなのことを気遣って言ったんだよ。」

俺「・・・それはわかっているつもりですよ。あーあ、悔しいですけどね。」

エーリカ「私が代わりに謝るよ、ごめんね」ニコ

俺「ハルトマンさんはやっぱりかわいいですね・・・。別にハルトマンさんが謝る必要ないですよ。あれはバルクホルン大尉が正しいです。」


そこにうわさの影がさす


バルクホルン「当たり前だ。もしおまえが入って連携が崩れれば、私たちは危険な目にあう。それに訓練もしていないのだろう。
         そんなやつに背中を任せる気にはなれん。ハルトマンいくぞ。もうすぐミーティングだ。」スタスタ

エーリカ「わかったよ~すぐ行くよ。じゃあまたね俺。落ち込んでまた海にはいっちゃだめだよ~。」

俺「ハルトマン中尉!ありがとう。」

エーリカ「にゃはは、またね~。」タッタッタ

俺「どんだけ見透かしてんだよ・・・。・・・さて使い魔でも探すか。」





ちょうどいい、あそこに犬がいる・・・犬種はわからないが・・・

捕まえて無理やり契約とかしてみるか

俺「おりゃ!」ガシッ

犬「キャンキャン!」

      • なにを馬鹿なことやってるんだ

俺「ふう・・・よしよし。」ナデナデ

俺は少しばかり犬と戯れる

昔に大型犬に襲われたことあったな

俺「野良か。おまえも一人だな。ははっ、似てるな~俺たち。」

一人で海と犬に向かって笑う

自暴自棄にでもなっているのだろうか・・・まぁバイトもおちたし、ここでもできることはないし

犬「・・・。」

犬がなにか・・・もぞもぞしている

まさか!?と思って俺は手を離す

すると、トントンと身軽に足を取って俺の後ろに回って、尻にポンと手をあててきた


俺「なっ、契約!?」


まばゆい光と共に俺はその日・・・どっかの野良犬と契約した





その日は何事もなく終わりを告げる
今日はなにもしなかったな

さて、夜だし俺もそろそろ寝るか

今日はどこに寝ればいいかわかんないし、談話室のソファでもいいか

あそこなら大丈夫だろう、今日温かいし・・・



しかしあれだな・・・居候みたいな感じで、肩身がせまいな・・・
最終更新:2013年01月30日 15:03