労働意欲旺盛無職俺3

「空で待つ。」



翌日

日が上がる頃、談話室にて

サーニャ「あ、あの俺さん?こんなところでいると風邪ひきますよ。」ユサユサ

俺「・・・んん?んぁ・・・だれ・・・?もう朝?」

サーニャ「私です・・・。こんなところで寝てはだめですよ・・・。」

俺「ん・・・。ふぁぁぁ~。どこで寝ればいいかわかんなかったから、ここでねたんだ・・・。」

サーニャ「えっ?あの・・・部屋なら用意されていると思いますが・・・・。確かにここの方が似合ってますが・・・。」

俺「あれ?そうなのか?いや教えられてなかったから、知らなかったんだ。それよりリトヴャク中尉眠そうですね。」

サーニャ「ん・・・はい、今戻ったばかりで・・・。もう寝るつもりです・・・。ふぁぁぁ~。」

俺「ははっ、俺は大丈夫だよ。リトヴャク中尉も早く寝てくださいね。」

サーニャ「はい・・・では、もう行きますね・・・おやすみなさい。」フラフラ

俺「おやすみ。・・・さて目が覚めてしまったな。よし!なにかしよう!」


俺「よーし一発抜いてから・・・!いや、ここではやめておこう。とりあえず外行くか。」





俺「ん、あれは少佐か。おーい少佐ー!」

もっさん「ふっ!ん?俺か。どうしたんだ?早起きじゃないか。」

俺「いえ、ちょっと目が覚めちゃいまして。なにしてたんですか?」

もっさん「素振りだ。おまえもどうだ?ほらっ木刀だ。」ヒュッ

俺「いいでしょう。久しぶりですね。」パシッ

      • 本当に久しぶりだ。親父がいっちまってからだからかれこれ一年は振るってないな。

なつかしいな、この感じ。別にかなり深い思い入れはないけど・・・。

俺「ふっ!はっ!」ブン ブン

もっさん「なかなか筋がいいじゃないか。そういやしていたんだったな。」

俺「もう1年ぐらいしていませんでしたよ。」

もっさん「あまりブランクらしきものは感じられんぞ?そうだ、私とやらないか?」

俺「(アーッ!じゃないな。)一応聞きますが、なにをですか・・・?」

もっさん「一手仕合おうという意味だが。どうだ?」

俺「また今度でお願いします。まだ感は取り戻せてないので・・・。」

もっさん「ならそのときに付き合ってもらう。楽しみにしているぞ。」ブン ブン

俺「(突き合って!?)了解しました。そのときはお受けいたしましょう。」ブン ブン




昼過ぎ

ミーナ「俺さん。今日も飛行訓練するみたいだけど、あなたのストライカーユニットを届けてくれるそうよ。」

俺「へ?俺にですか?」

ミーナ「ええ。なんでも扶桑からだそうよ。坂本少佐が取り合ってくれたそうね。」

俺「俺なんかのために・・・。ありがとうございます!」

ミーナ「うふふ、それは坂本少佐に、ね。」

俺「はい!(こ、これで俺も仕事が決まるんじゃないか!?ついに無職とはおさらばか!?)」ニヤニヤ

ミーナ「まぁくるまでは零式艦上戦闘脚を使用してくださいね。」

俺「了解!」





ハンガーにて

俺「さて、今日も飛行訓練するか。そういやだれか一緒に飛んでくれないかな・・・。」

そう考えていると、ふとある暇人が目に入る

エーリカ「あっづ~。あ、俺、なにしてんの?」

俺「いえ、今から飛行訓練でもしようかと思って許可をとったはいいものの、さすがに一人は怖いんでだれか一緒に飛んでくれる方を探していたんです。
  けど・・・。」


エーリカ「う~ん、あ、そうだ。私が一緒にとんであげようか?」

俺「・・・ちゃんと教えてくれますよね?」

エーリカ「あたりまえじゃん。これでも中尉なんだよ~。」

俺「じゃあお願いします!」




と、いうことで俺は今ハルトマン中尉と中空にただよっている

まだ空を飛んで二回目だが、やはり気持ちがいいものだ

空と海は美しく、隣の女性は天使

このまま天国にでもいけるんじゃないかと思っていた





俺「あの~、ハルトマン中尉?なにか教えてくれませんかね?」

エーリカ「ん?いやいやこうやってやっているのもいいことなんだよ!ほら、空と一つになるんだ、海も大地も空もストライカーユニットも君なんだよ~。」

俺「まじですか!そいつはすげぇ。空も海も大地も俺なんて、上下左右のアングルが完璧じゃねぇか!のぞき放題じゃないか!」

エーリカ「よくわかんないけど、まぁ気楽にね~。俺には今なれることが必要だよ。」

俺「そんなもんですか。ただ・・・確かにこうやってるのも悪くはないですね・・・。」

エーリカ「でしょ?それと俺、私のことは別に中尉とかつけなくていいよ~。なんか堅苦しいのとか苦手なんだよね~。」

俺「そうですか・・・。えっと、じゃあエーリカとか、か。まてよ、少しなれなれしいな。」

エーリカ「ん?別にそれでいいよ。。あ、あと普通にしゃべってもいいよ。俺の方が年上でもあるしね。」

俺「うーむ、じゃあエーリカそうさせてもらうわ。」

エーリカ「その方があってるよ。俺はそういうの苦手そうだったし。」

俺「まぁ敬語とか丁寧語とかまともに使えないから無職だったんだけどね。(これでも鍛えたんだよ。)」





<ウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!>



俺「警報!?」

エーリカ「俺は早く着陸して基地の中で待ってて!」



俺「でも!」


エーリカ「俺は今なにもできないでしょ。今回は早くおりて。」


俺「なんで!?・・・・くっ、わかった・・・。くそっ!」





なんだよ、これ・・・

この胸糞悪い感じは・・・

なにもできないのか、俺は・・・

くそっ、とにかく邪魔しないように降りないとな・・・



エーリカ「俺!」


俺「・・・ん?なんだ?」



エーリカ「空で待ってるからね。今回だけはおとなしくね!」




空=戦場にくるのを待ってるってか・・・


まーた的確に俺の心を撃墜しにくるね





俺「ははっ!まかせたぞ。俺も今度はいけるようにするさ!エーリカのためにすぐに空にいくさ!」

といって俺は急いで降りて、ハンガーに戻ったときにはみんながもう出撃するところだった




ミーナ「俺さん!基地でいつものように暇そうにおとなしくしといてください!」

俺「了解!みなさん!ご武運を祈ります!」

もっさん「フッ、感謝する。いくぞ!」

全員「了解!」




全員がハンガーをでて空高く舞い上がっていく

俺はりりしい顔をした少女たちを、ただ、遠くに見えなくなるまで呆然と眺めていた

あの少女たち・・・鉄の翼をもった世界を守る戦士、人々の憧れの的



そう、あれが・・・



俺「――ストライクウィッチーズか・・・。」







ストライクウィッチーズがネウロイを撃墜して基地に帰還したようだ

聞くところによると今回は大型一体であったらしい


俺「おつかれさまです、みなさん。」

もっさん「ああ、すまんな。そういえば俺、ストライカーユニットの件だがおまえにも用意したぞ。少しばかりすれば物資と共にくるそうだ。」

俺「もっさん少佐・・・本当にありがとうございます!」

もっさん「わっはっは!気にするな。それよりも早く戦えるようにならんとな。それとその名前で呼ぶな。」

俺「は、はい!がんばりますよ!ご指導よろしくおねがいします。」

もっさん「意気やよし!まぁとりあえず明日は出撃予定もないと思うから、明日やるか。」

俺「はい!」



みたかい?この俺の素晴らしい対応のよさを。

何冊面接マニュアルや人との付き合い方などの本を熟読したと思ってる?

何回壁相手に一人でやったと思う?

でもバイトすら受からないんだぜ

世の中って厳しいよな。


俺「・・・。さて一旦なにかするか~。」

ペリーヌ「あら、あなた手空いてますの?」

俺「あ、はい。暇ですけどどうかしましたか?」

ペリーヌ暇だと思ってましたわ。少し手伝っていただけるかしら?」


~~~~~~~~~


外、花畑?ペリーヌと

俺「ここの土を耕せばいいですね。」

ペリーヌ「ええ、ここの日当たりはいいですし、なにか植えれば美しいと思いまして。」

俺「わかりました。おまかせください。クロステルマン中尉は花がお好きなんですね。」ザクッ ザクッ

ペリーヌ「ええ、私の家にも昔はたくさんあったんですのよ。あなたは花がお好きなのかしら?」ザクッ

俺「花のことはあまりわかりませんが、好きですね。なんというか心が安らぎます。」ザクッ・・・

ペリーヌ「あなたのことは最初無粋な人だと思ってましたけど・・・殿方にしてはなかなか理解のあるかたですわね。ちなみに好きな花は?」

俺「えっと、ライラック・・・リラの花ですね。」

ペリーヌ「なかなか見所ありますわね。それにリラと言い換えたことも好評価ですわ、ふふ。」



俺「ははっ、いつか、一面に生えた場所を見えてみたいものです。」

ペリーヌ「・・・ガリアを必ず復興させて、できればそういうこともやりたいものですわ。」

俺「できますよ。人の力は偉大です。よければ俺も見に行っていいですかね?」ザクッ ザクッ

ペリーヌ「え、ええ、もちろんいいですわよ。そのときは私が案内してさしあげますわ。」ザクッ

俺「感謝します。えっと、クロステルマン中尉、これってどこまでやればいいですかね?」ザクッ ザクッ

ペリーヌ「ここまででいいですわ。あと・・・私のことはペリーヌでいいですわ。みなさんもそう呼んでらっしゃいますし。」

俺「ははっ、わかりました。ペリーヌさん。またいつでも必要あらば、なんなりといってくださいね。」

ペリーヌ「ありがとうございますわ。ふふっ、今度ティーでもいれてさしあげますわ。」

俺「楽しみにしときますよ。では。」



ペリーヌ「面白い方ですわね。私が色々と話してしまうなんて・・・。ふぅ、とりあえず、最後までやりますか。」



俺「ふむ・・・こういう農業系の職も悪くはなさそうだな・・・。」






ハンガーにて

俺「もぐもぐ。それにしてもここって自由だよな~。改めて思うわ。」

整備兵「おーいそこの!ちょっと手伝ってくれ!」

俺「ん?俺ですか、今いきますよー。」タッタッタ

俺「どうしました?」

整備兵「いや、ここの荷物を運んでくれないか。ちょっと整備に邪魔になってるんだが量が多くてな。よければのけるを手伝ってくれないか?」

俺「ああ、ぜんぜんいいですよ。・・・ふん!(お、おもっ!ニートだった俺にはこたえるぞ・・・!)」グッ

整備兵「よっと、すまないな。そういや、おまえ名前なんていうんだ?俺は整備兵っていうんだ。」

俺「お、おお、俺ですよ。ちょっと事情があってここにおいてもらっています。」ドサッ

整備兵「へ~、大変そうだな。まぁがんばれよ、俺が暇なら話相手にでもなんでもなってやるぞ。ここは上官だし女性だしでつらいと思うからな。」

俺「(なにこの整備兵。そっけないふりしてかっこいいですけど。)ああ、ありがとう。俺も今度から整備兵のお世話になりそうだ。
  俺のストライカーユニットもくるらしい。」グッ

整備兵「ん?俺そのストライカーユニットの担当になったんだが、おまえだったのか。俺下っ端であんまりできないけど整備がんばるさ。」

俺「俺もぜんぜん飛べないけど、頼む。」ドサッ





俺と整備兵はなにが入っているかわからない荷物何回か往復して邪魔にならぬであろう場所に運んだ

その間中話がはずんだが、ひさびさに男とはなしたってことに気がついた

最後のガラスをぶちやぶって見慣れた景色を蹴散らしてこっちの世界に来てよかったとつくづく思う





夕食にて

俺「うおっ、今日は肉じゃがか~。なつかし~。ありがとう宮藤。」

芳佳「そうなんですか?えへへ、喜んでくれてうれしいです。」

シャーリー「おっ、宮藤奥さんみたいだな~。」ニヤニヤ

芳佳「そ、そんな俺さんに失礼ですよ!」

俺「い、いや芳佳のほうに失礼だろ!す、すまない芳佳。」

芳佳「い、いえ私のほうこそ・・・。」

バルクホルン「リベリアン・・・あまりからかうな。」ハァ

シャーリー「なんだぁ、カールスラントのカタブツが俺の奥さんになりたいのか。」

バルクホルン「んなわけあるか!まったく・・・食べるぞ。」

俺「バルクホルン大尉もすみません・・・。俺なんかで本当にすみません・・・。」

ペリーヌ「まったく、あなたはちょっと落ち着きなさい。食事中でしょう。」

俺「あ、すみません・・・。」

ミーナ「あらあら、うふふ。俺さん人気ね。」




バルクホルン「リベリアンのいつものくだらんからかいだ。別に気にするな。」

俺「はい・・・。まぁ俺に奥さんなんて2009年の春に出るっていうことくらいありえませんけどね!・・・おっ、これはうまい・・・!」モグモグ

もっさん「わっはっは!俺も馴染んだな。」モグモグ

エイラ「サーニャに近づいたらタダじゃおかネーゾ。」

俺「それ二回目ですね。大丈夫ですよ。・・・あ。リトヴャク中尉で思い出しました。俺の部屋ってありますか・・・?」

ミーナ「もちろんあるけど・・・どうしたの?」

もっさん「そういえば、どうせ基地のことも知ってると思って案内してなかったな・・・。だから部屋を教えてなかったんだな・・・。」

ミーナ「ご、ごめんんさい。忘れてたわ。あとで言うわ・・・。聞くけど、昨日はどうしたのかしら?」


俺「あ、談話室のソファで寝させてもらいました。ここはそんなに寒くありませんし、かたいところで寝るのは慣れてますので。謝らないでください。」

エーリカ「うわ~俺よくやるな~。」

俺「エーリカも半分床で寝てたりするだろ・・・。部屋を用意してくれてありがとうございます。」

ミーナ「ええ、本当ごめんなさいね。・・・あら、フラウと俺さん名前で呼び合うなんてなにかあったの?」

俺「飛行訓練中に別にそれでかまわないといってくれたもので。おかわり~。」

リーネ「あ、はい。どんどん食べてくださいね。」



ミーナ「うふふ、仲いいわね~。」

エーリカ「堅苦しいの苦手だしね~。」

バルクホルン「ハルトマン・・・貴様にはやはりカールスラント軍人としての・・・」

エーリカ「まーたはじまったよー。トゥルーデも飽きないなぁ・・・。」






騒がしくも楽しい食事の時間が過ぎていき、空に星がまたたき夜が訪れをつげる

ここにきてよかったと思うが・・・少しだけあっちの世界のことが気になる。

ドアの鍵をしめたかとか、電気消したかとか、・・・自分の母親はどうしているのかとか。



ここに来てわかったことがある。まぁあらかじめたいていは知っていたが・・・それを再確認した感じだ。


別に不幸勝負なんかしていないが、俺は幸せものだ。

ここのみんなに比べてかなり幸せな世界にうまれ、はるかに豊かに過ごしてきた。

それがわかったからこそ、元の世界の方が気になるのだろうと思い始めた。

だけど・・・一度戻れば二度とこの世界にこれないんじゃないか、という疑問が不安と共に心をよぎる。



それは・・・俺は嫌だ。ここは楽しい。戦争があってもこの場所はいて、心地いい。


向こうの世界じゃ味わえなかった安心感がある。




      • でも俺は本来向こうの人間だ。




俺は・・・深い闇の中で一人その狭間で打ち震えていた。
最終更新:2013年01月30日 15:04