「蒼穹の絆2-6」
―風の種を撒く者―
朝。まだ太陽は昇らない。整備ピストの片隅で筋力トレーニングをしている俺。徐々に身体が汗ばんできた。
湯気が上がる。空が明るくなってきた時点で、ランニング。背中にはM1ガランド小銃を背負い、両手に
バックを持っている。往復5キロを終えたとき、時間は6時前。皆も起床した時刻。そのまま、射撃場に
行き射撃練習を始める。
俺「おはよう。グラマーちゃん。ルッキーニの探索かい?」
俺の周りは空薬莢と空クリップで埋まっている。イアマフを取り外し、銃を置く。
シ「うん。あいつ、今朝は何処で寝ているんだろうな?」
俺「流石に寒いから中だろ?てっきりシャーリーに抱きついて寝ていると思ったけど」
シ「居なかったんだよ~。樹じゃないよなあ、幾らなんでもなあ」
射撃場も一面雪で覆われている。まさか。
シ「整備ピストとかハンガーとか見てみるよ。ありがとう。じゃ!」
ああ、と手を振る。新しいクリップを込める。膝撃ち。皮のスリングはビンと張られている。
8発を速射。クリップが蹴りだされる。手探りでクリップを押し込み、器用に指を抜いた。自動的に
ボルトが閉まる。構えを戻し撃つ。繰り返すうちに、銃身ガードが焦げた匂いを発していく。尻尾が
ないから、ノーマル状態だ。
射撃練習を終え、空薬莢等をバックにしまった俺はまた駆け足でテントに戻る。
急げばシャワーを浴びる時間はある。のんびりすると、女性隊員と鉢合わせる。
着替えを持って風呂場へ。誰も居ない。今のうち。
ヒゲもあたってさっぱりした顔でテントにぶらりと戻る。と、シャーリーが中に居た。
ベッドの下を覗いている。
俺「どうした?シャーリー?」
シャーリー「シッ! ここ見てみろよ」
ベッドの真下。本を積んだところにルッキーニが寝ている。何時から居たんだろう?
俺「ありゃまー。寒かっただろう。俺のベッドに潜り込めばいいのに・・・」
ガスヒーターを持ってきて点火。
シャーリー「おーい。こんな子供でも狙うのかよw」
俺「妹だw!妹と寝るなら文句ねーべ?俺も暖かいだろww?」
くすくすと笑いあう。椅子をヒーターの脇に置く。
俺「シャーリー、ここに座れよ。あと、背中に毛布掛けとけよ、ホレ。コーヒー淹れるわ」
コールマンのガソリンコンロに点火した。初めはとろかったが、ポンプで活を入れると結構な轟音と共に
蒼い炎となる。 パーコレーターを用意して、コンロに掛ける。
俺「ルッキーニちゃん、ここで一晩寝たのかねえ?」
シャーリー「多分ねー。あの本を読んでいたのかな?」
指差したところには、俺が持ってきた海生動物図鑑。カラーの奴だ。
俺「あー。読んでいて寝ちまったかw」
シャーリー「昆虫とか大好きなんだよ、あいつw」
女の子が?そうなんだよ、と二人でくすくす笑う。お、沸いてきた。火を少し弱める。
シャーリー「男の子みたいだよ。活発でさ、怖いもの知らず。オッパイ大好きだしww」
俺「おー!将来が楽しみだ!スタリオンズに引っ張るかなw」
シャーリー「いやー!お前んちだと完全に変態にされちゃうよ!」
思わず爆笑。ひでぇな!
ルッキーニがそれで目を覚ましちまった。ごめん!
ルッキーニ「んァ?・・・・おはよ、シャーリー、ラスカル。あれ?起きれない??」
俺「おいおい。コットベッドの布に頭ぶつかってるよw。そのまま這い出して来いよ」
匍匐前進で出てきた。例の本は抱えている。そしてシャーリーの胸に抱きついた。ほんと、シャーリー
ラブだね。シャーリーも少女というより母の顔になってるし。
俺「コーヒー、ミルクと砂糖は?」
シャーリー「お、サンキュ♪わたしブラック、砂糖なしで」
ルッキーニ「ミルクタップリー!砂糖もタップリー!」
それならば、とコンデンスミルクの缶を銃剣で穴を開け、コーヒーにタップリいれる。テーブル代わり
に薬莢の木箱を持ってきて、それにカップを置いた。ビスケットの缶詰も出す。
シャーリー「お、美味い!」
ルッキーニ「甘くておいしーぃ!」
よかった。俺も啜る。
俺「ルッキーニは動物が好きなんだ?」
両手に持ったビスケットを齧りながら『うん!』と頷く笑顔が可愛い。
俺「じゃあ、それもっていって読めよ。他にも図鑑はあるはずだ。それもいいぞ?」
シャーリー「よかったなぁ。ルッキーニ」
わーい!とはしゃぐ姿は・・・本当に子供。ちと胸が痛くなる。こんな妹がいたらなあ。妹にしちまうか?ふむ。
リーネ、ペリーヌ、エーリカにサーニャ。エイラもいるなw。シャーリーは・・・ちと微妙?胸が立派過ぎ?
ミーナは2歳下だな。ああ、トゥルーデも居るし。ミオは・・・うーん。
まあいい、全員まとめて妹だ!わお。家族が増えた!でも。俺のスタイルにはなあ?今までどおりで外面飾る
としよう。うん。海兵はエロく無くてはいかん!伝統の海兵隊スタイル!
シャーリー「しかし!奥までぎっしりだな!本の虫なのw?」
俺「ああ。本は好きだな。将来は、歴史小説を書いてみたいと思ってるんだけどさ」
オオーッと二人が驚く。何でだよw
シャーリー「戦争小説じゃないのか?経験を積む為に海兵隊にはいったのかと一瞬思った」
俺「うんにゃ。ヒューマンドラマは悪くないけど、あまりに血なまぐさすぎる。みんなの悲しい思い出を
ダシにするのは、嫌なんだ。今の戦争は駄目だ。500年とか200年とか時間が経たないと、さ?」
ルッキーニ「家族が死んだ人や、仲間を喪った人も多いから、でしょ?」
そうだよ、それは哀しい事だろう?と思わずルッキーニの頭を撫ぜてしまう。解るか?妹よ。
俺「海兵隊に入ったのは、冒険ができると思ったからさ。これは正解だった。けど、仲間が死ぬことが
こんなに多いとは・・・・大誤算だった・・・・」
「子供の頃から、天才だのなんだの言われてな。こっちはそう思わない。只のガキなのに。それに反発
して、みんなと同じことをやって見たかったんだ。それだけ」
「だから。魔力を偶然手にしたときには嬉しかった。金や権力の為じゃあなく、純粋な目的で周りに
奉仕できることになったからね・・・」
シャーリー「・・・今の生活は楽しい?」
俺「楽しくは無い。苦しい。哀しい。でも、一人のウィッチとして行動した結果、何人かを救えたら。
それで満足だよ。仲間を喪うくらいなら、俺が身代わりになる。それでいいんだ。約束だから」
ルッキーニ「誰と約束したの?」
俺「死んだ仲間と」
三人とも黙りこくる。コーヒーの湯気だけが動いている。
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―新装備―
リベリオンから補給を積んだC-47が着陸した。ハッチから資材がどんどん運び出される。一端ハンガー脇
に積み上げられ、補給部将校と俺が相互にチェックリストを確認する。
俺「あ!隊長!いいものが届きましたよ。皆喜ぶでしょう。誰か回してください」
ミーナ「ええ。手配しますね。中身は?」
俺「新鮮な果物!最近欠品だったでしょう?」
あっという間に隊員が押しかけ、ワッショイワッショイと運び去られた。
一方、俺は武器弾薬関係の箱を飛び回る。弾薬、予備兵器と交換部品、そして・・・。
にんまり笑うと、細長い木箱を抱えて室内へ。戻ってきて、比較的小さい箱をまた運ぶ。
昼食の席で、ミーナから全員に午後1時からの新兵器講習会が告げられる。全員参加。
*
俺「では、始めますか。今日は新兵器、というか、新装備の講習会です。まず最初にこれ」
2挺の短機関銃を掲げる。M3だ。皆によく見えるように体を回す。
俺「こっちの傷だらけの奴は私が使っているもの。口径45だね。で、こっちは海兵隊クォンティコ基地の
武器担当者が皆さんへのプレゼントとして作ったもの。口径9ミリ。30発弾倉。レシーバーもプレスでは
なく、軽合金を削り出した特製。グリップやトリガー位置などを皆さんの手のサイズに合わせて握り
やすくリサイズ。銃身は予備兵器として携帯するのに邪魔にならないサイズに。
では、皆に配るから実際手にとって見てくれ」
机の前から後ろに回してもらう。弾無しのマガジンとスリングが装着されている。ミーナも受け取った。
俺「皆さん全員が携帯しろとは言わないよ。自分で判断してくれ。さて、操作は簡単。一緒にやって
みて?マガジンを抜くにはここを押す。引っ張ると抜ける。入れるときは強くまっすぐ押し込む。オケ?
ボルトカバーをあける。これは安全装置も兼ねているよ。このフタを閉めれば撃てない。開けて見える
ボルトに開いた穴、これね、ここに指を入れて後ろに引っ張る。後ろで止まったら指を離す。これで
射撃準備完了。蓋を閉めれば安全装置が掛かる、と。ここまでいいかな?
どう?滑らかに動くだろう?俺のはゴキゴキ動くんだけどさw ストックは引っ張るとでてきてロック
される。ここを押して収納と。なんだよ、ここも俺のより出来がいいな!」
皆笑う。よく見れば、相互の違いがわかる。形が同じに見えるだけで、完全に別物だ。
俺「乙女たち専用と聞いて、野郎共気合入れまくったな。さて、蓋を開いて。では、念のために銃口を上に
向けて引き金を引いてみて。 はい。感じはどう?」
ボルトも引き金もとてもスムーズ。何度試しても同じ。しっかり作られている。ボディの側面には打刻で
『口径9m/m Para.』そして『Present for you! From Marine's.』
ミーナ「質問してもいいかしら?なんで口径を変えたの?」
俺「欧州で手に入りやすいこと。反動が弾頭重量できつくなる45口径より扱いやすいだろうこと、皆さんも
9ミリのサブマシンガンを使った経験のある人は多いでしょ? あと、携行弾数が重量と比較して有利。
最後に、発射レートを反動などの面で9ミリなら上げることができ、移動目標を主目的とするウィッチに
有利と判断。それをクォンティコに提言して、乙女のファンな変態武器担当が皆さんのために必死になって
実用化してくれたわけ」
ミーナ「俺さんが?有難う!」
皆も口々に礼を言う。男用に作られた兵器ばかり渡されてきた彼女達。勲章もこういう使い方がある。
俺「愛する彼女達の為ならば!任せとけっ!」
バルクホルン「・・・・このスリングは?一本じゃないね」
俺「俺の発明w。こう使うんだ」
実演開始。携帯時には邪魔にならず、プラスチックで出来たフックをワンタッチで外すと、銃だけぶら下
がる。両手どちらでも振り回しは自在。
俺「あとで撃ちまくってもらうから。それで各自判断して。個人的には、サーニャとリーネは持って欲しい。
今は大型専用兵器だけだろ?あれで小型とかを相手にするのは無理がある。これを持っていれば心強いかな
と、ね」
ミーナ「そうね。大型に対する武装しか持っていないから・・・」
サーニャとリーネも真剣に聞いている。既に胸に抱き締めている。
俺「では次。大型ネウロイに使う特化兵器。これだ」
木箱から、長いパイプを取り出した。1メートルちょっとか。下にグリップと引き金が付いている。
俺「軍からの試供品w。89ミリ・スーパー・バズーカ。口径89ミリ。炸薬量500グラムの成型炸薬。分厚い装甲
のネウロイ用特製品。一般兵の有効射程は200ヤード。でも、ウィッチなら600ヤード以上。ざっくり550メートル
以上。最大射程は1マイル弱、約1.5キロ。信管は魔力対応の近接及び衝撃。最大射程で自爆するから高度さえ
あれば下は気にしないでいいだろう。こいつの一番の特徴は、再装填が簡単に出来る」
皆、前に出て手にとって見ている。中を覗き込んでもただの筒。これが新兵器?
俺「開発の理由は、シシリー島での陸戦。60ミリのバズーカが今ひとつでね。まあ、一般兵が使用してだが。
アフリカでも使っている筈だ。まあ、不満が出た。もっと俺たちを活躍させろってね。
それで、より大口径高威力にして、一般兵の戦力を高めてウィッチ隊の負担を減らす目的で開発中。
その試作をベースにウィッチ専用の特製とした。ロケット砲弾も特製のきつい奴」
別の箱から、全体が黄色くぬられた訓練弾を取り出した。
俺「ロケット砲弾がこれ。ここから先が爆薬。後ろは推進薬。これをケツからこう入れながら、ここにある
クリップ付きの電線を引き出す。これをここに差し込む。後ろが同じ高さになるまで入れたら発射準備オケ」
「この照準装置で狙う。落差計算が出来るウィッチ専用の照準装置だね。あとはトリガーを引く。電気信号で
発射される。二人で射手と装填手に分担すれば、一分間に8発以上撃てる。一般用は鉄製だけど、航空ウィッチ
は優しい扱いをしてくれるから特殊軽金属でボディが作られているよ。魔力で正確に狙えるから、全長も
一般兵用よりぐっと短く出来た。魔力様様だね。本体の重さは6ポンド、ざっくり3キログラム弱、砲弾は一発
2ポンド、900グラムだね」
シャーリー「使用はどのように仮定して?」
俺「サーニャのフリーガーハマーで難しい相手」
エイラ「でも、フリーガーハマーは9発だゾ?一発一発装填するよりいいんじゃないか?」
俺「そう。最大の利点だ。欠点は一発あたりの破壊力の差。まとめて同弾着とする必要が出ると厳しい。あとは
再装填が事実上難しいことだろうな。なんで、両方を適宜使い分けるのがいいかなと思う」
バルクホルン「サーニャに持たせる?厳しいんじゃないか?さっきのM3も携帯するんだろう?」
俺「ああ。厳しいね。なんで、他のものに持たせる。例えば俺、エイラ等など。撃つときに手渡す」
「まあ、一番ロケット砲になれているのがサーニャだからね。射手はサーニャ、携帯したものが装填役が理想
かな?まあ、テストしてから考えよう。使えないなら倉庫に放り込めばいいさw」
押し付ける言い方を一切しないので、全員気楽に笑う。
早速、射撃場へ。M3を撃ちまくる。合間に45口径のオリジナルも撃って比べる。みなの前には装填済み
の弾倉が山と積まれている。皆、尻尾が楽しげに揺れている。
ミーナ「9ミリのほうが、やっぱり私には扱いやすいわね。グリップも手頃だわ!」
サーニャ「楽です・・・・撃ちやすいし、軽いです」
エイラ「いいな、コレ。ストックが邪魔にならないネ。軽いシ」
リーネ「不恰好ですけど、当たりますね!」
ペリーヌ「木をまったく使わないというのは・・・リベリオンだからでしょうか?でも、コンパクトですね」
ルッキーニ「キャハー!これ!たっのしーぃ♪」
シャーリー「トンプソンより小さくていいな!気に入った!」
バルクホルンは片手撃ちで遊んでいる。ハルトマンはアクション付きでやっている。
俺「あはは。流石俺の彼女達だ!どんどん撃て♪銃のスペアも沢山有るぜ!」
ミーナが首をかしげる。私達全員彼女?さっきも何か言っていた。新手のリベリアンジョークかしら?
次は海上にポンツーンで設置された大口径用の的に移動。距離500メートル。浮きの上部に着いた赤い的
が波に揺られている。
俺「サーニャ。俺が装填手やるよ。肩を俺が二度叩いたら、装填及び発射準備ヨシと考えて撃ってくれ」
膝撃ちでサーニャが砲を水平に構える。魔導針に耳と尻尾が出た。肩の当たり位置などを修正し終わった
のを見て、俺が後ろでゆっくりと作業。
サーニャの尻尾を踏まないように注意して左後ろに体をずらし、後ろを最終確認。覗き込んでみていた
エイラとルッキーニを引っ張って真横に退ける。
俺「言わなかった俺が悪い。ここには絶対居ちゃ駄目だw 死ぬぞ。皆も砲尾から左右直角以降に出ない
でな。体が千切れる」
もう一度確認してから、肩をぽんぽんと叩く。
鋭い轟音。砲がかすかに持ち上がる。砲の背後をバックブラストが吹き抜ける。
ルッキーニ「キャォー!すっごい!」
全員、急いで砲弾の行方に目を移す。急速に加速していった砲弾がポンツーンの右手前に着弾。
凄まじい水柱を吹き上げる。水柱が収まるときには、水蒸気だらけ。
皆、唖然としている。フリーガーハマーの9発の同時着弾より凄いぞ!サーニャは尻尾をパタパタ。
青くなっているのはルッキーニ達。ヤバかった!
俺「サーニャ。次行くぞ?」
俺がスピードアップして装填開始。後方確認も含め、8-9秒でサーニャの肩を叩いた。
鋭い発射音と爆風。命中!赤的だ。ドラム缶のポンツーンが歪な姿で空高く吹き上げられる。
大歓声。皆サーニャを褒める。
初めて撃つ砲を二発で覚えた!脇でエイラが踊っている。
俺「サーニャ。すごいな。修正ばっちりじゃないか!」
サーニャ「いえ・・・・フリーガーハマーで慣れていますから。加速がよくてまっすぐ飛びますね。
・・・・あとは魔導針で先に補正して・・・/////これ、凄い。気に入りました」
俺「いや、見事だった!サーニャ、流石おれの恋人だ!そうか!気に入ってくれたか!」
エイラ「やめろォォォ!サーニャに触るなァ!ラスカル!ドサクサ紛れに訳解んないこと言うなァァァ!」
俺に握手を求められ、真っ赤になって応じるサーニャ。エイラがラスカルに文字通り噛み付いた。
周囲から口笛や冷やかしが笑いを交えて飛ぶ。
バルクホルンが硬い表情をして横目で見ているのをハルトマンが気付いた。ハテ?何か問題で?
どれ。
ハルトマン「私もラスカルの彼女でしょ?ほれ、握手握手♪」
リーネ「私も・・・・////握手してください」
ちらりとトゥルーデを見る。目が怒ってるね。あららー。悪い病気が・・・。
皆、我先にと練習する。射手と装填手を交互に。気が付いたときには、四回交換したポンツーンの影も
形も無い。最高の射手はサーニャ、装填手にはエイラがよい、と結論が出た。二番手はバルクホルンに
ハルトマン。
発射後、顔面に吹き付けるブラストが怖い、という人ほど順位が落ちる。
ペリーヌ「だって!あれで髪型が滅茶苦茶になっちゃうんですのよ!」
俺「乱れた髪形も野生的で好きだぜ?ペリーヌ♪どれ、こうすれば・・・・」
言いながらぺりーヌの髪を手で梳いてやる俺。真っ赤になるがされるがままのペリーヌ。
全員爆笑。 いや、一名だけ笑いが引き攣っている。心配げにみるハルトマン。
*
夕食。昼も補給されたばかりの果物に人気が集中したが、今も人気だ。皆、新鮮な果物を欲していた。
シャーリー「この!オレンジは!私のだ!」
バルクホルン「いや!私が先に触ったから!グググ!私のだ!手を離さんか!リベリアン!」
ハルトマン「はいはい。お姉ちゃん?仲良くしてね?」
ビクッと手を引っ込めた瞬間、シャーリーがオレンジをゲット。
シャーリー「いっただきーぃ♪ああ、うめー!フロリダの味だぁ!」
バルクホルン「ハルトマン!余計なことを言うな!大体私はあんな下品な妹を持った覚えは無い!」
シャーリー「あれ?私のほうがお姉ちゃんだろ?ほれほれ」
オレンジを咥えたままで、胸を上下させるシャーリー。周りから笑いが漏れる。
バルクホルン「!ぐぬぬっ!」
俺「ほら。まだあるから。皮剥いておいたぞ?バルクホルン」
顔を赤くしたままで受け取るバルクホルン。三つも剥かれている。パイナップルのざく切りも。
渋々、食べだした。
テーブルでは皆がオレンジ、バナナ、葡萄、パイナップル等に舌鼓を打っている。皆笑顔。
バルクホルン「有難う。ラスカル」
俺「ん?可愛い俺の彼女達が喧嘩するのは心が痛むw。俺は罪な男だwww」
エイラ「エー!こんな変態ガ?サーニャは違うゾ!駄目ダ!私もナw」
テーブルが笑いに包まれる。否、バルクホルンだけは真面目な顔をしている。
ミーナ「エイラさん?駄目ですよw?『変態だ』なんて言っては」
エイラ「エー。ラスカル弄ると楽しいんダ。ね、サーニャ?」
サーニャ「ウン・・・・お兄さん・・・・」
エイラが安心した顔で激しい同意を示す仕草にまた笑いが起きる。
俺「嗚呼!またふられたw!お兄さん?フム。妹? それもいいじゃないか!あはは!」
一同笑う中、バルクホルンがツイと席を立った。余り気にするものはいない。ハルトマンだけ
心配そうな目で見送る。
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最終更新:2013年02月02日 12:06