「蒼穹の絆2-9」
―ブリタニア上陸戦2―
用心深く目だけ出して様子を伺う。
バレンタイン型が4基。他は・・・残骸ばかりだな。マチルダの残骸もある・・・。
動く敵、隠れている敵はいないな。
匍匐前進で接近。念を入れないと生き残れない、訓練担当のガーニーが吼えてた。先輩の意見は
尊重するものだ。わき腹の傷を弾倉が突きやがる。クソ。
バレンタインまで25ヤード。彼女達が円陣を組んで、その中で何かやっているのがはっきり解る。
ユニットに搭乗しているのが二名。後二名は降りて、地面に伏せている何名かの手当てをしている
らしい。どれ。声を掛けるか。
俺「ヤホー!お嬢さん達?バッキンガム宮殿に行きたいんだ。タクシー乗り場何処?」
あはは。一斉にサブマシンガンやら拳銃構えてるよww。真剣な顔も素敵だ!
俺「撃つなよw。道に迷った哀れなリベリアンの好青年だぞw。デートしようやw」
ようやく、向うの顔に笑顔が戻った。笑うべきだよ。女性はね。
俺「このまま匍匐で近づく。そっちへ南東から向かうから。早まらないでな!」
?「よし。ゆっくりだ!」
5分後円陣にはいれた。ほっと一安心。おおー!ハーレムか!
?「お前は?リベリオンの海兵隊か?靴はどうした?」
俺「やあ、かわいこちゃん。501の俺大尉。リベリオン海兵隊。朝方撃墜喰らってね。靴は基地」
?「501? あ!色男か!今朝の!」
俺「だれだっけ?美人は一度見たら忘れないのが自慢だったけど・・・?」
ジョゼフィン「ジュリー1だよ。ジョゼフィン・マッコーネル少佐 ブリタニア陸軍陸戦ウィッチ」
俺「ああ!あの時のセクシーボイスだ!いい女だなあ!あ、前線だから敬礼は失敬するよ?
エクセレント・ジョゼ?」
周りがくすくす笑う。しかし、直ぐに止まった。
ジョゼ「あの時は有難う。そのあと墜とされたのか?」
俺「ああ。6匹のゴキブリがジュリー達のケツを狙っていたから吹っ飛ばした。その時撃墜されて、陸戦で
6匹追加。あとは仲間が7匹潰してくれて、ここに転げこむことができた、ってわけ」
ジョゼ「あ!夜明け前の大爆発?仲間が7匹は今さっきの?」
俺「うぃうぃ」
ジョゼ「有難う。礼を言う。済まなかった、助力できなくて・・・」
俺「いいよ。当然のことをしたまで。そっちは負傷者か?」
ジョゼ「ああ。二人いる・・・」
覗きこむ。フム。重症だ。モルヒネ打たれているな。あ、そうだ。
俺「
シャーリー、ラスカルだ。合流した。そっちはどうだ?」
シャーリー「ああ、大体調べた。大丈夫と思う。着陸していいか?」
俺「頼む!負傷者がいる。搬送を願いたい」
シャーリー「直ぐに行く!」
シャーリー達の着陸を誘導。M1やらなんやら持って来てくれた。ありがたい。
ジュリー1とシャーリーを交えて相談。二人で一人づつ搬送し、我々は移動することを提案する。
シャーリーから現在の戦況を聞く。状況は有利。現在、当初の兵力と応援兵力を入れ替えている状態と。
ふんふん。タバコ失礼。吸うか?いらんかw。
俺「バレンタインの弾薬の残りは?」
ジョゼ「もう余りないな。破壊されたユニットからも移したんだけど」
俺「無線も逝かれているし」
ジョゼ「ああ。着弾のショックで真空管がイカれたよ。支援も衛生班も呼べなくてね」
俺「それで、か。よく一晩頑張ったな。皆・・・」
負傷兵を見る。もう少しだぞ!
ジョゼ「イェーガー大尉、皆さんにお願いできますか?急いで病院での手当が必要なのよ」
シャーリー「シャーリーでいいよ。任せとけ!」
静かなうちに、ということで急いで運んでもらうことにする。余裕をかます時間はない。
俺「じゃあ、頼む。我々は途中まで後退、援軍を待つ。前線本部に報告して、準備を手配して
もらえるかい?」
シャーリー「オッケー。じゃあ、地図を見て。今はここ。本部はここ。兵站はこっち。何処に動く?」
ジョゼを見る。彼女が決めるべきだな。
ジョゼ「ここだろうな。ここでハードポイントを形成・確保する」
指差したのは、ここから南東に1マイルほどの地点。
シャーリー「うん!解った!本部には間違いなく伝える!」
この間に、他の隊員が廃材等で救急のタンカを作ってくれた。腹部負傷だから・・・。気が利く。いい
仲間意識だ。
前後を二人づつ担当して、負傷兵とシャーリー達が去った。手を振って見送る。頼むぞ!
さて、何が来たかな?シャーリー達が届けてくれた荷物に取り掛かる。お!保温水筒もあるじゃないか!
コーヒーだ!2つあるぜ!あとサンドイッチ4包み、キャンディバーもチョコレートもある。有り難い。
いいぞ!インカムのバッテリーもある。気が利くよ、ほんと。
俺「ほら!先に君たちが飲めよ!あと食うんだ!腹減ったろ?」
ジョゼ「有難う//」
皆が暖かいコーヒーとサンドイッチをやる間に、俺は靴を履く。足の裏が痛むが、無視だ。
ライフルにも装填。弾薬パウチは3本。よっし!M3の弾薬パウチも二つ。タバコも2パック。ありがたや!
あれだけ爆弾抱えていたのに、よくこれだけ運んでくれたもんだ。
ジョゼ「あなたも飲んで」
どうもどうもと受け取る。ふう。生き返るわ。サンドイッチ一切れを食って、タバコを一服。
俺「さて。俺が先導するよ?左右警戒を主にしてもらえるかな?」
ジョゼ「了解。距離は?」
俺「あっち方面は疎林だったとおもう。100でどう?」
ジョゼ「了解。お願いするわ」
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―地上戦 2―
基本訓練でリーコンの基礎は習った。ぶっつけ本番だよw。
俺が見つけた奴はM1の速射で破壊する。俺が見落とした、又はその後接近した奴をジョゼ達が75ミリで
吹き飛ばす。いいコンビだぜ。
しかし。ウジョウジョいるわ、ゴキ。母機の野郎、何体吐き出しやがった。近い奴はM3をも多用する。
火力自慢の海兵隊だ。撃ち負けはしないぜ。
1500.ようやく合流予定地に着いた。ほっと一息。
ジョゼ達は、また円周防衛陣。俺は少しだけ小高いところで偵察中。シャーリー達は、ちゃんと野戦病院
まで飛べたよな・・・。無事だといいが・・・。無線にはあちこちの部隊通信がはいる。501はなし。
1600 夕焼け。さて、夜戦だな。来るならこいや。美少女を守る海兵隊の底力、思い知らせてやるぜ。
何時でもどこでも誰とでもベッドイン!
夜間、休む間もなく敵襲。しつこい奴らだ。何とか撃破。味方部隊がちらほら見える。
しかし、リベリオン陸軍の影も形もありゃしねえ。腰抜けども!母ちゃんのおっぱい吸うのが忙しいか!
てめえらのタマはいらねーが、弾もってこい!ボケ!
夜明け。何とか皆踏ん張っている。味方部隊も周囲に増えてきた。橋頭堡の役割をいつの間にか果たした
らしい。本部からつまらねえ感状とやらが送られて来た。全員で激怒。俺は無線とビールと寝袋それに
プレイボーイもってこいバカヤロー、と怒鳴りながらM1でゴキブリを撃破。ジョゼ達はお風呂に入りたい、
暖かいベッドで寝たい、髪の毛をブラッシングしたい、下着を替えたいと騒ぎながら75ミリ砲をぶっ放し
ている。
1130 懐かしい501の仲間が空爆を掛けに来た。インカムの電池が切れそうで、通信がよく聞こえない。
ムカッパラ。でも、数を数えて9人いるので安心。シャーリー達は無事に帰還できたわけだ!タバコが
美味いぜ!しかし、地表からではズボンも見えねえ。つまらん。帰ってしっかり見てやるべ。誰のから
見ようかね。
1500 支援部隊到着。ようやく後退できる。バレンタイン隊もへばっている。けど笑顔だ。気丈な
娘っ子達。お疲れさん。皆でハグして祝福。
俺はジープで後方へ下がる。彼女達は自走だと。クソだな、ブリタニアの陸軍は。帰路使う弾薬まで
支給してやがる。馬鹿野郎。鬼だ手前ら。
ごめんな、ジョゼ達。ちゃんと手紙書くからさ。待っててよ、戦友よ!
1550 本部に到着。エーリカとリーネが迎えに来てくれていた。三人で抱き合って喜ぶ。
こんなに可愛かったっけ?いい香りだなぁ。思い切り息を吸い込み、どさくさにまぎれて首筋にキス。
感度良好!喘ぎ声で元気が出たぜ。ああ、泥まみれでごめんよ。
本部のクソ共、俺に状況報告を求めやがった。泥まみれ、血まみれの俺が見えねえのか?貴様等!戦闘
服に汚れ一つ付いてねえな!硝煙の匂いも忘れてるだろ!合衆国海兵の伝統に従って毅然と説明。
リベリオン海兵隊を舐めるんじゃねえ。糞拭き紙共!
事後、ぶっ倒れた。らしい。
2100 基地病室のベッドで気付く。501に二人が運んでくれたんだとさ。
クソ軍医!足の手当てとわき腹そのほかの銃創の手当てだけしてくれりゃいいんだよ!なんだよ!あの
注射!馬にぶち込むようなシリンジ取り出しやがって!ケツにブッ刺しやがった!可愛い看護婦が俺の
手足上半身を押さえつけて。なんだ?あの恥辱プレイは!ケツの穴丸出し?ふざけろゴラ!
さて。紳士に戻ろう。基地に戻ったし。
その後、お見舞いの皆と共にリーネが夕食持って来てくれた。お代わり三回。空腹で堪らなくてね。
お食事を上品に食べる俺を見て、ミーナさん以下大笑い。酒は駄目?残念至極。
腹がくちくなったら熱烈に愛を囁くんだが、身奇麗にならんといかんな。風呂にも入ろう。
うっかり、口を滑らせてミーナさんにわき腹の怪我で説教を喰らう。私に黙っているとは何事かと。
お返しに『今日のブラジャーの色は何色?』と聞いたらば即座に沈黙。真っ赤になった彼女はいとおしい。
いや、それ以上の存在だ。弄り甲斐がある。トゥルーデは『シルクの黒』、そしてエーリカは『シルクの白』
思わず親指を突き立てた。シャーリーはピンクだと。よいよい。結構結構。イッルがスカイブルーを着用して
いることは、サーニャちゃんからの情報を得ているので聞く必要もない。サーニャちゃんは白の上下だそうな。
そうそう、白に始まり白に戻る、といったら微笑を返してくれた。ペリーヌとリーネは姿を消していた。何処
に行った?フム。危機探知能力があると見える。ルッキーニはもじもじしていた。要調査。
一服してから大いにもめる。俺は風呂に入りたい。彼女達は駄目だという。どうしても入浴させてくれない
なら、全員の服を剥ぎ取って生まれたときの姿にして差し上げよう、と丁重に説得したら許可が出た。
リベリオン紳士として、正式にお願いすれば不可能はないのだよ。看護婦にプラスチック袋を改造した物で
銃創を密閉してもらう。これでよし。お湯が入ってもいいさ。美女の入ったお湯なら治りも早い。そう言った
らば、変態扱いされた。失敬だな。
風呂場のスライドドアが開いて、シャーリーとルッキーニちゃんが顔を出す。頭と背中を流してくれると
微笑んだが、既にしっかり洗ってしまっていたのだ。彼女達の厚意に答えることが出来ない自分の不甲斐なさ。
絶望のあまり仁王立ちしてしまった。彼女達は非常に喜んでくれた。人に喜んでもらう。これは紳士の基本
行動原理である。
さて、寝るか!自分の寝床は最高だ。
帰って来れたよ。皆、有難う。
夜中前、ルッキーニちゃんがコットに潜り込んできた。毛布を提供。この妹は大変暖かい。
ブラジャーは着用していない。背中を抱いて確認。推測で行動するのは愚。
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退院後、またテントに戻って飛行業務以外の勤務をするラスカルの元に、今まで以上に遊びに行く隊員が
増えた。あるものは本を借りに行く。真面目な学術書もあれば、軽く読める類の小説もある。
リーネは、モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズを読みふけり、男女の年齢差による恋愛感の相違を訥々と
ラスカルと話し合う。
ルッキーニはロフティングの『ドリトル先生』シリーズに嵌った。とはいっても自分で読むより、シャーリー
に読み聞かせてもらうことを好む。夜の団欒時間、娯楽室での読み語りは名物となる。その傍らで、サーニャ
がミュートを聞かせたピアノ曲を話の内容に合わせて自在に奏でる。
バルクホルンはオラーシャ文学に傾注。レフ・トルストイ全集に取り組んだ。トルストイはサーニャも、
つられてエイラも読み出す。「戦争と平和」を好むバルクホルン、サーニャは「アンナ・カレーニナ」。
ハルトマンは心理学書。片っ端から読んでいく。
ペリーヌは、美術大全。特に古代美術に興味を示す。其処を端として、歴史書にも手を出した。
一方、皆が好んだのがテントでそれらの話題を中心として話しをしつつ楽しむラスカル特製のココアだった。
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最終更新:2013年02月02日 12:08