「蒼穹の絆3-8」

―志願―

 整備ピストの脇で、場所と工具を借りて作業中。
 内容は、リベリオンのM1カービンをベースにして、パラトルーパーの折りたたみストックに
 改造することと、トリガーのシアを弄くってセミ/フルの切り替えにしようと。ストックは
 俺の手にあわせてグリップを長くした。太い割りに短いんだ。

 図書館でシャーリー君に機械設計のレクチャーをしつつ、自分でもその図面を書いた。そう
 すれば、エンジン系以外の図面を彼女は見て学べるし。今、彼女は横でバイクのエンジン
 ヘッド用ガスケットを銅合金の薄板から切り出して楽しんでいる。

 整備部に頼んで焼入れ・焼き鈍しをしてもらった部品をオイルストーンで丁寧に磨き、摺り合
 わせ。只のフルオートにすることも考えたが、楽な代わりに芸が無い。日本人気質。リアの
 ピープサイトも直径を広げて、スナップ射撃がしやすいように。あと、銃口をちょっと切断して、
 これまた設計製作したマズルバッファを取り付けた。発射ガスを真上に出すマズルブレーキとは
 違う。左右上方の後ろ側に噴射するようにして、反動の軽減と跳ね上がりを防止する。まあ、
 前の世界ではアメリカ市場で人気の商品のパクリだ。なんの自慢も出来ない。

俺「よっしゃ。こんなもんだな。射撃場で試してくるよ」

シャーリー「お!出来た?じゃあ、私も見に行くよ」

 四枚目のガスケットを作っていたシャーリーが立ち上がる。あんた、一体何度ヘッドを組みなおす
 積もりなんだ?OHVで高回転ってのは、かなり無理があるぞ。2ストのバイクも持っているんだから、
 チャンバ・マフラーの原理、今度教えるか。

 射撃場で試作品の30連弾倉をつけて撃ち捲る。魔力を併用すれば、楽にコントロールができる。
 これでヨシ。45口径のパンチも捨てがたいが、弾速が遅いし。下手すりゃ、弾が眼で確認
 できる遅さ。

シャーリー「へぇー。いい感じだね。軽いしさ」

俺「そ。軽いに越したことは無いさ。でも、このワイヤーストック、収まりが悪いな」

シャーリー「パチンとはめ込むのを作れば?ちゃんとロックできたほうがいいよ」

俺「だなぁ。よし、やっちまおっと」

シャーリー「それ、私にも作ってよ。いや、図面だけ貸して?面白そうだから自分でやる!」

俺「おう。やってみ」

 工作机に戻って、整備兵から使えそうなジャンクパーツをいただく。はい、完成。整備兵もそれを
 弄くって遊んでいるところに電話が鳴った。隊長がお呼びだ。   


俺「俺です。入ります」

ミーナ「あ、待っていたわ。入ってください」

 室内には幹部が勢ぞろいしている。

ミーナ「俺さん。マルタ島にネウロイが進出。巣を作りました」

 ポーカーフェイスを保つ。半島が上下から挟まれたか。アフリカにも近いぞ。

ミーナ「巣の状況を知りたいと本部から依頼がありました。写真がこれです。見てください」

 ああ、強行偵察。渡された大判の白黒写真数枚を見る。これが巣?

俺「今まで見た巣と違いますね。ドーム状ですか? ああ、完全に覆っているんだ」

ミーナ「ええ。ドームなの。この巣は、地図のここにあるバレッタ港に出来ています」

 マルタ島の地図を見せる。大きい島の北東か。

ミーナ「最大の都市、ビルマキカラの市民は・・・殆どが脱出できませんでした」

 人数は聞かないことにしよう。冷静さを喪ったらだめだ。

ミーナ「受けてくれるなら、コマンド訓練をしてもらってから出撃となりますが―」

俺「コマンド訓練は何処で受けますか?」

ミーナ「!」

坂本「まて。良く考えろ。特攻隊だぞ。それもお前一人。危険だ」

ミーナ「ええ。そうなの。あなたは義勇兵扱いです。何とか断る方途も―」

俺「誰かがやらなきゃいかんのでしょう?遮ってばかりで済みません。やります」

バルクホルン「大丈夫か?」

 一言だけ聞かれた。沢山の問いかけが含まれた一言。彼女の眼をまっすぐ見て答える。

俺「死ぬつもりは全く無い」

 トゥルーデが頷く。安心しろといっても難しいだろうが、信じてくれ。勝算は有る。

俺「隊長。本部に一つだけ条件をつけてもらいたいんです」

ミーナ「なんでしょう」

俺「作戦の立案には、私の意見を取り入れること。これをごり押ししてください」

**

 ミーナ隊長の頑張りで、条件は飲んでもらった。

 ロマーニャの本部に出向き、詳細を検討する。ああ、こりゃ普通のやり方では駄目だ。
 映画程度の知識しかないが、どうせ航空機で接近、ジャンプさせるつもりだろう。迎撃・
 撃墜されるのがオチだ。

 方眼紙を貰い、縮尺を確りしてマルタ島の断面図を何枚か描く。高低差が少ない島だ。
 益々やりにくい。それにあわせて、航空部からの資料に基づいて敵ドームを描く。
 最後に、図面に描かれた島の最大標高点とドームの先端を線で結んでみる。

 なるほど?結構いいレーダーサイトだな。土地の標高が少ないから死角が少ない。畜生。

 もう一枚作る。敵ドームから見て、北北西にある二つの島、ゴゾ島とコミノ島を入れた図面。
 ほお?かなり影ができるな。
 よし。これでいくか。

 横で黙って見ていたトゥルーデに概略を説明する。暗かった彼女の眼が少し明るくなった。
 ね?俺ってそんなに馬鹿でもないだろう?

 二時間後、本部が立てた計画を聞く。俺は素人だけど、それって幸運に頼りすぎでしょうが。

 許可を貰って反論する。
 1.航空機で接近するにも、敵の探知にモロに引っかかる。これが島の主要断面。ここから
 下だけが探知の死角。島の周囲にはどこにも無い。つまり、来た瞬間から探知される。
 「ジャンプ」の範囲に入る前に撃墜されます。あやふやなデーターでジャンプをすることは
 私が死ぬことを意味します。
 2.脱出を海軍の艦船で拾うと言うが、近所に来てもらわないと俺が其処にたどり着けない。
 近所に来てもらうと撃沈されます。
 3.私の能力はストライカーユニットで増幅されて、皆さんが知っているものとなります。
 それ無しでは、微々たるものです。かといって、ユニットを装着して、見た事のない空域に
 ジャンプするにはある程度の高度が必要です。それは探知・迎撃されることを意味します。
 隠密行動は無理です。
 以上から、別の作戦を提案します。

 参謀本部の御偉い天才が真っ赤になっているけど、しらんがな。俺の命と参加する将兵の命
 だぜ?大事にしますわ。

参謀「君は私の立てた計画が使えないというのか?」

俺「無理が多すぎ、かつ幸運に頼りすぎでしょう。大丈夫と思うなら御自身でどうぞ」

 横の席でトゥルーデがヒクヒクし出した。おやおや。後で怒られるかな。カールスラントっぽい
 制服着てるし。ごめん、俺、こういう奴嫌いなんだわ。

参謀「私はコマンド訓練を受けていない!」

俺「私も空を飛ぶしか能が無いんです」

参謀「だから訓練を提供する!空挺の技術も!破壊工作の技術も!」

俺「あ、それを受ければ、参謀殿も行けますね。どうぞ、私にお構いなく。それに巣を壊すお考え
 なのですか?偵察でしょう?1トン爆弾でも抱えてパラ降下するんですか?私には無理ですね」

 右横でヒクヒクが激しくなったような気がするが。彼女に怒られるならいいや。

参謀「貴様!上官を愚弄するか!」

俺「あなたは今までに何機の敵を撃墜しましたか?ここにいる私の上官は250機超えです。私も
 お蔭様で30くらいだったかな?その程度の能力なので、参謀殿――」

提督「失礼。君の累計撃墜数は48機。その内大型が17機。経験は2ヶ月に満たない。大したものだ」

将軍「本当にその前は戦闘経験が無いのかね?」

 だれだっけ。紹介受けたけど忘れたな。

俺「正確な数をお教えくださり有難うございます、閣下。 はい。ドシロウトです。ですので、
 有能かつ経験豊富なあちらの参謀殿でしたら、私より適任でしょう」

 横で変な音がした。なんだ?
 あ、トゥルーデ!君が笑ったら不味いって!

 会議室が笑いに包まれた。ほっとする。トゥルーデ、駄目だよ。
 参謀の顔はどす黒くなってるけど。まあいい。拳銃ぶっ放したりしないだろ。

将軍「静まってくれ。さて、俺少尉。君の案を聞かせてくれたまえ」

俺「まだ草案ですが。よろしいですか?」

 将軍と提督が顔を見合わせ、頷いた。お、よしよし。

将軍「やってくれ」

 先ほどの方眼紙をチャート板にはりつけ、指示棒でもう一度説明する。

俺「以上の点で、先ほどの案を蹴りました。で、私の案ですが。提督閣下。ロマーニャ海軍に
 二人乗りの特殊潜航艇がありましたね?潜水艦から発進可能だったかと?」

提督「ああ。『マイアーレ』か。とろいドン亀だが、使えるぞ?潜水母艦から発進できる」

俺「安心致しました。それを往路に使いたいと思います。黒板をお借りします」

 適当にシャカシャカ書く。マルタ本島。ちょっと大きい外れのゴゾ島。間に挟まれる小さい
 コミノ島。マルタの巣を赤いチョークで。できるだけまっすぐゴゾ島の最大標高へ結び、その
 線を海面とした線まで黄色チョークで引っ張る。出来た。

俺「もうちょっと正確な図がこちらです。どうぞ。えー。ここが探知の死角となります。電波
 は直進ですからね。ここまで潜水母艦で進み、特殊潜航艇でゴゾ島に上陸。資材をデポします。
 明るくなったら単身で『ジャンプ』をし、資材をデポしなおすとともにマルタ本島へ進出。
 かなり迂回路を辿りますが、まっすぐ突っ込んで撃墜されるより確度は上がるでしょう。資材
 は艇首の爆薬貯蔵部分にある程度押し込みます。バラストもいれることで、吊りあいは保てます。
 開閉時、当然海水が浸入しますので、その分のバラストを荷物を出した後、投棄して帰路に
 ついてもらいます」

将軍「撤収はどうする?」

俺「ストライカーユニットを使います。最初の揚陸から持ち込み、敵本拠の最寄のデポ地に隠匿。
 用が済んだら、さっさとそれでケツをまく――失礼、脱出します」

提督「脱出前に感づかれたら、迎撃されないか?」

俺「デポ地を事前に破壊されない限りは危険は少ないです。飛んでしまえば『ジャンプ』を
 繰り返せば、誰も追いつけません。奴等がジャンプ出来るなら別ですが。他には何か質問は
 ございますか?」

提督「特殊潜航艇は、帰りは一人だね。運行できるかな?」

俺「内部に乗り込んで、ではなく、外側にへばりついていく形です。仰ることが『トリム』の
 事であれば問題は無いはずです。操縦要員は一人です。ご確認ください。海中装備に関しては、
 訓練は必要です。窒息したくありません」

提督「君は何処でその情報を?」

 やっぱりそうきたか。

俺「雑学が好きなので、新聞やら雑誌から情報を集め、繋げただけです」

 シレッとして言いぬける。どうやっても、スパイとして立証できるわけが無い。俺の知って
 いる世界の史実を述べたら、踊りだすだろうけれど。この提督。

提督「大したものだ。私は駆逐艦畑なのでな。詳細を専門部署に問い合わせる」

将軍「コマンド訓練はどうするか。確かに戦闘技術云々以前の問題だぞ?時間が勿体無い」

俺「戦闘技術ではありませんが、大物猟で山野を渉猟したことはあります。まあ、連中は
 撃ってきませんが、」

 また室内が笑いに包まれた。例の参謀はそっぽを向いている。我関せず、か。自信を発散しろ。
 欧米人には謙虚は認めてもらえないぞ。

俺「大型のクマであるヒグマとは何度か対峙しました。その経験が役に立つでしょう」

将軍「ヒグマ?どれくらいなんだね、大きさは」

俺「私の獲ったものは350キロが最大です。400超えも居るらしいですね」

提督「やはり獰猛?」

俺「リベリアン北部北極圏寄りにいるグリズリーの仲間です。決して紳士的な相手ではありません」

 二人と右横から嘆息が漏れた。よし、こんなもんだろう。

俺「見つかった時点で作戦は失敗です。そうなったら、最終脱出となりますから必要はないと思い
 ます。戦って活路を開くのでは無く、目前から消えますからね。無線連絡も必要有りません。
 電波を発したら馬鹿でしょう。なので、暗号教育も不要です」

参謀「スパイと一緒か。こそこそするネズミ?」

俺「空の戦士です。陸と海は管轄外なんで隠れますよ」

将軍「そのほうが利口だね」

 室内に笑いが溢れた。

*


バルクホルン「お前は参謀をいたぶり過ぎだぞ。どれだけ危ない橋を渡っていたか気付いて
 いたのか!」

俺「すまない。俺も生きて帰るつもりだから、バカの言うことは粉砕しないと。どこまでも
 嘴を突っ込んでくると思ったんだ」

バルクホルン「限度と言うものがある!」

俺「うん。やりすぎたな」

バルクホルン「まあ、私もああいう頭でっかちは嫌いだ。現場を知らん!ああいうバカが口を
 突っ込んだおかげでどれだけ前線が苦労するか。何人犠牲になったやら!おい!俺!絶対この
 作戦を成功させろ!失敗したら私が許さん!」

俺「必ず成功させて帰る」

 左手で彼女の手を握る。帰りの車内でそれ以上会話は出なかった。

**

 報告を終え、食事を済ます。今日は皆と居たい。談話室に腰を落ち着けた。酒をちびちび飲み
 ながら、車から移設したCDの音楽に耳を傾ける。雑多に組み合わせたCDだ。皆にも結構好評。
 トゥルーでも横に座った。余り語ることもなく、静かに酒を飲む。俺の挺身作戦は、既に皆が
 知っている。

ハルトマン「俺。歌聞かせてよ!」

俺「ええ?嫌だ、歌は得意じゃないよ」

サーニャ「私がステレオの曲を伴奏します・・・」

俺「え!あのCDのを覚えたの?マジ?」

サーニャ「はい・・・」
エイラ「サーニャは天才だゾ!私も歌いたいのあるんダ。サーニャ、一緒に・・・いい?」
サーニャ「うん」

ミーナ「じゃあ、私から歌おうかしら。そうしたら、俺さんも歌ってくださる?」

 なんだか、はめられたような気もするが。引けないか。

俺「解りました。笑わないで下さいよ?」

 事実、俺はカラオケは嫌いだ。流行り歌より、好きな曲はある。カラオケで歌うと周りの反応が
 嫌なんだ。

シャーリー「じゃ、私も!隊長の後がいいな!」

俺「おりゃ、一番最後でいいぞ」

ハルトマン「じゃあ!全員で歌おうよ。グループでもソロでも!」

 ピアノの前に座ったサーニャ君にミーナさんが囁く。頷いたサーニャ君が伴奏を始めた。ヘイリー・
 ウェスタンラの『Amazing Grace』。皆も結構気に入っている曲だ。
ttp://www.youtube.com/watch?v=rs7MlrxOOWg
 綺麗な声。本式の発声?サーニャ君の肩に手をかけた姿で歌っている。演奏も素晴らしい。多彩な
 才能の持ち主が集まったと見える。ただただ聞き惚れる。

 大喝采が起こった。アンコールの声。俺も促す一人だ。

ミーナ「ありがとう。じゃあ・・・『To Love You More』いいかしら?サーニャさん」
ttp://www.youtube.com/watch?v=SMRs61AOduE
ペリーヌ「ミーナ中佐。あの、私もご一緒させていただけませんか?大好きなんです」

 手招きされたペリーヌが顔を赤らめながら前に出る。サーニャ君が伴奏を開始。ペリーヌ君が緊張
 しているが、歌い始めて落ち着いたようだ。ペリーヌ君も上手いじゃないか。リフレイン部では
 自然にミーナさんが上、ペリーヌ君が下を上手くやっている。大したもんだ!バイオリンがないが
 サーニャ君のピアノだけで十分すぎる。うぁー。なんだ、この子達!

シャーリー「じゃ次私ね。ねえ、リーネもお出でよ!ルッキーニも歌うから!」

 もじもじしていたリーネ君が、宮藤君に押し出された。何を歌うんだろう?ああ、オリビアね!
ttp://www.youtube.com/watch?v=nBWcZkuurQI 『Have You Never Been Mellow』

 シャーリーが、両脇の二人の腰を軽く叩いてリズムを取る。へえ、クリスタルボイスで歌うんだ。
 かなり意外だ。上手いなあ。
 また、アンコールの声が出る。うん、もっと聞きたい。

ルッキーニ「シャーリー、あれやろう?カントリー・ロード!リーネも好きじゃん!」
ttp://www.youtube.com/watch?v=PT_ZzUg19U8 『Take Me Home Country Roads』

 シャーリーがメインで歌いだす。リフレインの部分で、上をルッキーニ君、下をリーネ君がパート。
 自然と皆から手拍子が。皆も口だけ動かして口ずさむ。

シャーリー「ありがとぉ!さて、次誰にする?リーネ」

リーネ「えーと、じゃあ、芳佳ちゃん!」

宮藤「えっ!私? 恥ずかしいよぉ・・・歌は苦手だし。あ!坂本さん!一緒にお願いします!」

 坂本少佐もモジモジしているが、腹を決めたようだ。なに歌うんだろう?興味津々。ハウンド
 ドッグとかいいかもね。ふふふ。

坂本「早いリズムは苦手なんでな。サーニャ、すまないが村下幸蔵の『ゆうこ』を頼めるか?宮藤、
 いいか?」

サーニャ「私も好きです。メロディラインが綺麗・・・」
宮藤「あ!好きです!大丈夫です!」
ttp://www.youtube.com/watch?v=EsxHpoYKL0E&feature=related

 ああ、サーニャ君の指が鍵盤をすべる。静かに歌いだした二人が徐々に力を入れて歌いだした。
 日本語の綺麗さが栄えたつよなぁ。    俺が歌いたかったけど、ま、いいや。
 皆、シンとして聞いている。トゥルーデは眼を瞑って聞いている。

 アンコールが起きた。村下さんもいい曲を作ったよなあ。

宮藤「えへへ。ありがとうございます。ねえ、坂本さん、陽だまりもやりましょうよ!」

坂本「あ?ああ、大丈夫と思う。歌ってみようか」

 ぐぉー。止め刺された。ま、いいや。
ttp://www.youtube.com/watch?v=ItvrrARgOdc&feature=related  『陽だまり』
 サーニャ君がポップ調でピアノを奏で、二人が歌いだした。これも綺麗な歌詞なんだよな。
 ・・・『石が川面を跳ねるようにときめいた。君を想って』か。ちらりと横を見るが、また眼を
 瞑っている。ひらひら、止めとこう。訳解らんよな、みんなには。

ミーナ「扶桑語の歌って、流れるように聞こえるわ!素敵!!」
ハルトマン「リズムがあるのに、硬い音がないよね」
俺「歌い手がいいんだよ。聞き惚れたよ!お二人さん!」

 歌い終わってのほうがテレが激しいな。あはは。

ミーナ「じゃ、次は俺さんね。どうぞ?」

 ぶっ!俺かよ。

ハルトマン「もう曲は決まってるよね」
シャーリー「歌ってもらおうな」
エイラ「俺にこそ相応しいナ。サーニャ?」
ttp://www.youtube.com/watch?v=T3o4NsRCHrI
 え?・・げげ!ちょっとそれ!待て!何ノリノリで鍵盤叩いてんだよ!中途半端だと恥全開か!

 やったるわ!21世紀人の意地見せてやる!ああ、コピーしてるよ、フレディの身のこなしは!

 I was born to のbornで合いの手まで入る。ありがとうねえ。サーニャ君も笑いながらピアノを
 奏でている。うぁ。間奏まで完璧プラス自己アレンジしてるし。すげー。
 トゥルーデがニコニコしながら口ずさんでいる。

 どーもどーも。提供はノエビア化粧品。ああ、恥通り越してさっぱりしたわ。

サーニャ「俺さん、お上手です。楽しかった・・・アンコール」

 うう。あれ、トゥルーデまで押し出されてきた。彼女になにやらせんだよ?

ハルトマン「次も決まってるんだよね」
ミーナ「ええ。楽しみだわ」
坂本「ああ」
シャーリー「あれしかないよね」
ルッキーニ「イッケー!」
リーネ「わぁ!あれですね!!男の人が歌うのって!わぁ!」
宮藤「え?え?え?」
エイラ「あれカ!じゃあ、2回弾いてよ!サーニャ!二度目は私達!」

 サーニャ君が顔を赤くして頷いた。そんな曲あったか?演奏を始める。
ttp://www.youtube.com/watch?v=OTqEVgaq-GY 『Can't Take My Eyes off you』

 はは。これか。男が最初のパートだな。覚悟を決めて、彼女を見よう。
 彼女に歌うんだ。しっかりやれ!眼を見ながら、俺の地声でいい!
 次がトゥルーデのパートだよ。
 お・・・おおおお。甘い声。上手だ。彼女も俺の顔を見て歌ってくれる。わー。感激だ。
 さ、一緒に。俺下!彼女の腰に手を廻しちまえ。

 即興の間奏になった。ヤンヤ喝采を浴びながら、エイラ君とサーニャ君にバトンタッチ。
 エイラ君顔真っ赤。大丈夫か? ん?なに?

バルクホルン「恥ずかしかった・・・けれど、嬉しかった」
俺「俺も。トゥルーデの歌声に痺れた」

 なんとか倒れずにエイラ君も歌い、サーニャ君のクリスタルボイスにまた拍手喝采。

ハルトマン「じゃ!最後は私だ!ミーナ!トゥルーデ!一緒に歌おう!」
ttp://www.youtube.com/watch?v=XZE-j6ZWpZo&feature=related  『Dancing Queen』

 おお。この名曲を。サーニャ君が笑いながら鍵盤を流した。おお、完璧!
 はもりも綺麗だ。やるなあ、フラウも。三人の声が綺麗にあう。いいなあ。三人其々が軽く
 身体をスイングさせてる。絵になるな。

 やんやの喝采を浴びて三人が戻る。はあ、緊張が解けたよ。あ。
 フラウ達を見ると、こっちを見てにっこり微笑んだ。皆、気を使ってくれたんだ。有難う。

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最終更新:2013年02月02日 12:14