『機装兵 イグナイトⅡ』
[解説]
聖華暦835年にカルマッド機兵工房の迷走部門たる開発1部が発表し、世に送り出した迷機。聖華暦600年代のカルマッド機兵工房を代表する機体である『イグナイト』を第六世代機兵としてリメイクした物。
この機体は、かつての『イグナイト』よりも若干軽量な機体重量と、かつての『イグナイト』より2割増しの推力を誇る強力な魔導スラスター、更には第六世代機兵用の中では最大級の出力を誇るカルマッド機兵工房のお家芸とも言える大パワー魔導炉を併せ持つ。
特に魔導炉は、エーテリック・アクセラレーターを搭載していない、燃焼型魔導炉を除く通常型魔導炉としては限界レベルの強力なエーテル出力を誇り、強大な推力の魔導スラスター群を支えている。
この機体は、かつての『イグナイト』よりも若干軽量な機体重量と、かつての『イグナイト』より2割増しの推力を誇る強力な魔導スラスター、更には第六世代機兵用の中では最大級の出力を誇るカルマッド機兵工房のお家芸とも言える大パワー魔導炉を併せ持つ。
特に魔導炉は、エーテリック・アクセラレーターを搭載していない、燃焼型魔導炉を除く通常型魔導炉としては限界レベルの強力なエーテル出力を誇り、強大な推力の魔導スラスター群を支えている。
これだけ書くと、良いところだらけの様であるが、そこは開発1部の製品のこと。ちゃんと、と言ってはなんだが落とし穴もきちんと存在している。
この機体は、かつての『イグナイト』の欠点である、『出力が一定に達するとエーテルが炉に逆流して大爆発を起こす』という致命的欠陥を、そのまま受け継いでいるのだ。そして開発1部はその解決策として、冒険者組合の兵器開発局(鍛冶師組合)と交渉の末にライセンス契約を結び、あちらが権利を持っている高度な脱出装置をこの機体に組み込んだのである。
いや、脱出できればいいって物でもないと思うのだが。
この機体は、かつての『イグナイト』の欠点である、『出力が一定に達するとエーテルが炉に逆流して大爆発を起こす』という致命的欠陥を、そのまま受け継いでいるのだ。そして開発1部はその解決策として、冒険者組合の兵器開発局(鍛冶師組合)と交渉の末にライセンス契約を結び、あちらが権利を持っている高度な脱出装置をこの機体に組み込んだのである。
いや、脱出できればいいって物でもないと思うのだが。
だがしかし、この危険なぶっ飛んだ機体は、『イグナイト』を愛用するファン層には熱狂的に受け入れられる。そしてそのファンたちが機体がブッ飛ぶ都度に買い替えたり修理(復元とか再建とか言った方が正しい)するために、市場として成り立つだけの需要が存在したのである。
そしてこの機体は、この後もときどきという程度の頻度で、戦場や冒険の現場で見受けられる事になる。コアなファンと言うものは、何処にでも居るものだ。
そしてこの機体は、この後もときどきという程度の頻度で、戦場や冒険の現場で見受けられる事になる。コアなファンと言うものは、何処にでも居るものだ。
ところでこの機体は、元々は調律計画に乗っ取って聖華暦833年に計画立案された。バフォメット事変により自由都市同盟が大打撃を受ける中、カルマッド機兵工房開発1部は設計を続けたが、聖華暦834年に調律計画は中止の憂き目に遭う。
しかしながら開発1部は執念で開発を進め、ついにカルマッド機兵工房の独力でイグナイトⅡは誕生するのであった。
しかしながら開発1部は執念で開発を進め、ついにカルマッド機兵工房の独力でイグナイトⅡは誕生するのであった。
ちなみに噂ではカルマッド機兵工房は、この機体を開発する際に用いたフラタニティ・フレーム相当のフレームを、アイオライト・プロダクション製のフレーム設計ツールキット『フレディック(FRame Design Tool Kit)』で設計したのではなく、どこか他所から購入したのだと言われている。それはもう、まことしやかに。
流石にそれは嘘だろうと言う識者も多いが、実際『イグナイトⅡ』のフレームは爆発事故を起こしても、結構な割合で機体の再建が可能であるほどに剛性が高く、出来が良いのも確かだ。これほど高性能なフレームを設計するには、『フレディック』の能力では基本不可能で、アイオライト・プロダクションが新たに独自設計する以外に方法は無さそうなのも確かなのである。
それ故にやはり、アイオライト・プロダクション製のフレームではないかと思わざるを得ないのだが……。肝心のアイオライト・プロダクション側は、この件についてはひたすらに沈黙を守っている。
流石にそれは嘘だろうと言う識者も多いが、実際『イグナイトⅡ』のフレームは爆発事故を起こしても、結構な割合で機体の再建が可能であるほどに剛性が高く、出来が良いのも確かだ。これほど高性能なフレームを設計するには、『フレディック』の能力では基本不可能で、アイオライト・プロダクションが新たに独自設計する以外に方法は無さそうなのも確かなのである。
それ故にやはり、アイオライト・プロダクション製のフレームではないかと思わざるを得ないのだが……。肝心のアイオライト・プロダクション側は、この件についてはひたすらに沈黙を守っている。
[裏話]
『イグナイトⅡ』のフレーム設計基をカルマッド機兵工房に融通したのは、ホーリーアイ武器工房である。ホーリーアイ武器工房は、本来であればアイオライト・プロダクションの秘匿大型電子計算機が無くば設計できないはずの高度なフレーム、それも最高レベルの物を、なんらかの手段で自社開発できるらしい。
ホーリーアイ武器工房がカルマッド機兵工房にフレームを融通したのは、自社製品の新型機用フレームを設計するにあたり、小手調べ的な意味合いがあった模様だ。ホーリーアイ武器工房ではカルマッド機兵工房の『イグナイトⅡ』開発プランを偶然に掴み、自社製品のテストケースとしてカルマッド機兵工房にフレーム提供を申し出た模様である。
これによって『イグナイトⅡ』は予定していた以上に性能が向上した上、機体再建まで容易となったのである。
なおアイオライト・プロダクションはこの事に脅威を感じ、自社の構える暗部組織によってホーリーアイ武器工房を内偵せんとした。だが冒険者組合庶務第三課の手によって、その陰謀は頓挫。更にはアイオライト・プロダクションの暗部組織自体もかなりの損害を被った模様である。
ホーリーアイ武器工房がカルマッド機兵工房にフレームを融通したのは、自社製品の新型機用フレームを設計するにあたり、小手調べ的な意味合いがあった模様だ。ホーリーアイ武器工房ではカルマッド機兵工房の『イグナイトⅡ』開発プランを偶然に掴み、自社製品のテストケースとしてカルマッド機兵工房にフレーム提供を申し出た模様である。
これによって『イグナイトⅡ』は予定していた以上に性能が向上した上、機体再建まで容易となったのである。
なおアイオライト・プロダクションはこの事に脅威を感じ、自社の構える暗部組織によってホーリーアイ武器工房を内偵せんとした。だが冒険者組合庶務第三課の手によって、その陰謀は頓挫。更にはアイオライト・プロダクションの暗部組織自体もかなりの損害を被った模様である。