フラタニティ・フレーム
[解説]
フラタニティ・フレームとは、聖華暦700年代に出現した第六世代以降の機兵に、一部の例外を除いて用いられている、機兵用の新型骨格を指して言う。
このフレームを用いる事により、機兵は各関節の可動域が大幅に拡大し、更には別形態へと変形する機体も開発された。
しかしこのフラタニティ・フレームが開発されるまでには、かなりの紆余曲折が存在した。
このフレームを用いる事により、機兵は各関節の可動域が大幅に拡大し、更には別形態へと変形する機体も開発された。
しかしこのフラタニティ・フレームが開発されるまでには、かなりの紆余曲折が存在した。
もともと機兵は幻装兵の時代から、ムーバブル・フレーム構造を採用してきた。
骨格となるフレームに、魔力収縮筋や転換炉、魔導炉、操縦槽を組み付け、更にその他補器や装備品も搭載して機体を構成する。
その基本的構造は、4.5世代機兵から第五世代機兵にかけて流行したモノコック・ボディ構造を採用した機兵群を除いて、大筋で変わりは無い。
骨格となるフレームに、魔力収縮筋や転換炉、魔導炉、操縦槽を組み付け、更にその他補器や装備品も搭載して機体を構成する。
その基本的構造は、4.5世代機兵から第五世代機兵にかけて流行したモノコック・ボディ構造を採用した機兵群を除いて、大筋で変わりは無い。
その歴史を振り返りつつ、フラタニティ・フレームの開発経緯について語りたい。
幻装兵の時代、機兵のフレームは極限まで高度な科学技術により、強靭で軽量な特殊金属製の素材を用いて造られていた。
また、高度な演算能力を持つ電子計算機の助けを借りて緻密な強度シミュレーションが行われ、構造的にもそれこそぎりぎりまで突き詰められた設計が為され、完璧と言う言葉ですら生ぬるいレベルのフレーム構造が使われていた。
また、高度な演算能力を持つ電子計算機の助けを借りて緻密な強度シミュレーションが行われ、構造的にもそれこそぎりぎりまで突き詰められた設計が為され、完璧と言う言葉ですら生ぬるいレベルのフレーム構造が使われていた。
続く精霊機の時代には科学技術の排斥により、大幅に科学技術に頼る部分が減らされた。
だがまだこの時代には、そこまで完全に科学技術が使われなくなったわけでは無い。
と言うよりも、この時点ではある程度科学技術に頼らねば、機兵の建造は困難だったのだ。
だがまだこの時代には、そこまで完全に科学技術が使われなくなったわけでは無い。
と言うよりも、この時点ではある程度科学技術に頼らねば、機兵の建造は困難だったのだ。
ある意味それが逆に幸いし、大概の精霊機に使われているフレームは、幻装兵の物の完全に近いコピーである場合が大半である。
当然フレームの性能は、幻装兵の物に準じて高かった。
ただし機種ごとの最適化シミュレーションは行われていないため、一部を除いた大概の精霊機は、幻装兵に勝てるほどの性能を持っていないのである。
当然フレームの性能は、幻装兵の物に準じて高かった。
ただし機種ごとの最適化シミュレーションは行われていないため、一部を除いた大概の精霊機は、幻装兵に勝てるほどの性能を持っていないのである。
第二世代機兵の時代には、ヒステリックなほどの科学アレルギーとも言えるレベルにまで、科学技術の排斥が進む。
フレーム素材も一部の超高級機(フレーム素材に特殊金属や特殊合金、錬金金属などを用いている場合もあった)を除いては、普通の鉄である。
しかも構造も、おおまかに人間の骨格を模しただけで電子計算機による強度シミュレーションなどは行われ様がなかった。
フレームの強度は、純粋に各々の機兵を造った鍛冶師の経験則と職人芸により保たれていたのである。
フレーム素材も一部の超高級機(フレーム素材に特殊金属や特殊合金、錬金金属などを用いている場合もあった)を除いては、普通の鉄である。
しかも構造も、おおまかに人間の骨格を模しただけで電子計算機による強度シミュレーションなどは行われ様がなかった。
フレームの強度は、純粋に各々の機兵を造った鍛冶師の経験則と職人芸により保たれていたのである。
だが第五世代機兵において、一大変化が起きる。
バーニア(噴射式推進装置)を搭載するという目的のために、機体を軽量化し、なおかつ機体剛性を確保するという相反する必要が出たのである。
その目標を達成するために、第五世代機兵(厳密には4.5世代機兵あたりから)ではフレーム構造を廃しモノコック構造が採用されたのである。
この際に、各関節の可動域が狭まるなどの問題点が出たが、それは職人芸的な技術者たちの努力で誤魔化していた。
しかし関節の可動域の問題はやはり残り、このためフレーム構造タイプ機兵の研究も、細々とではあるが続くことになる。
バーニア(噴射式推進装置)を搭載するという目的のために、機体を軽量化し、なおかつ機体剛性を確保するという相反する必要が出たのである。
その目標を達成するために、第五世代機兵(厳密には4.5世代機兵あたりから)ではフレーム構造を廃しモノコック構造が採用されたのである。
この際に、各関節の可動域が狭まるなどの問題点が出たが、それは職人芸的な技術者たちの努力で誤魔化していた。
しかし関節の可動域の問題はやはり残り、このためフレーム構造タイプ機兵の研究も、細々とではあるが続くことになる。
そして第六世代機兵の時代。
ここでフレーム構造が復活する。錬金術にブレイクスルーが起きて、強靭さと軽量さを兼ね備えた高価な錬金金属イシルディンを、安価に量産する事に成功したのだ。
これにより、実用レベルのムーバブル・フレームを、モノコック構造を超える実用性で実現することが可能になったのである。
ここでフレーム構造が復活する。錬金術にブレイクスルーが起きて、強靭さと軽量さを兼ね備えた高価な錬金金属イシルディンを、安価に量産する事に成功したのだ。
これにより、実用レベルのムーバブル・フレームを、モノコック構造を超える実用性で実現することが可能になったのである。
また当初は幻装兵のフレームをその錬金金属でコピー生産したものを使う案も出たのだが、自由都市同盟ではアイオライト・プロダクションがこっそり確保していた電子計算機を使用し、高度な強度シミュレーションを行う。
そして現在の機兵に最適化されたフレームを完成させた。
……フラタニティ・フレームの完成である。
そして現在の機兵に最適化されたフレームを完成させた。
……フラタニティ・フレームの完成である。
ただし当該フレームを採用した初号機であるノヴレスMk-Ⅱは、フレーム構造自体は画期的であったものの、その他の部分が旧態依然とした技術で構成されていた事もあり、せいぜいが「優秀」止まりであった。
事実、単純な戦闘能力では性能比較対象として選ばれた、モノコック構造でイシルディンを構造材兼装甲材に使用した傑作機、重機兵ガーラルとどっこいどっこいであった。
事実、単純な戦闘能力では性能比較対象として選ばれた、モノコック構造でイシルディンを構造材兼装甲材に使用した傑作機、重機兵ガーラルとどっこいどっこいであった。
同盟と共同でノヴレスMk-Ⅱを研究開発していたカーライル王朝・聖王国は落胆する。
そしてノヴレスMk-Ⅱの権利と研究データを高値で同盟に売り払い、研究から手を引いた。
これによりフラタニティ・フレームの未来は閉ざされたかに思われたのだが、ノヴレスMk-Ⅱの試験操手の1人であったカトル・ビーダーフェルトが自作の実験装備である浮揚装甲を用い、対地効果による長時間の浮揚飛行実験を成功させる。
そしてノヴレスMk-Ⅱの権利と研究データを高値で同盟に売り払い、研究から手を引いた。
これによりフラタニティ・フレームの未来は閉ざされたかに思われたのだが、ノヴレスMk-Ⅱの試験操手の1人であったカトル・ビーダーフェルトが自作の実験装備である浮揚装甲を用い、対地効果による長時間の浮揚飛行実験を成功させる。
カトルは更に、その実験データを基に浮揚形態に変形する可変型機兵「ジータ」を開発した。
これにより、フラタニティ・フレームの有用性は証明され、これ以後の第六世代機兵、第七世代機兵にはフラタニティ・フレームが当たり前の様に用いられる事になったのである。
これにより、フラタニティ・フレームの有用性は証明され、これ以後の第六世代機兵、第七世代機兵にはフラタニティ・フレームが当たり前の様に用いられる事になったのである。