「機装兵 レギンレイヴ」

[解説]
聖華暦808年に初号機がロールアウトした、800年代における帝国軍の最上位機装兵の1つ。
通称で、レギン系と呼ばれる事が多い。
エーテリック・アクセラレーター搭載型魔導炉を用いた第七世代機兵。強力無比なその機体は、自由都市同盟都市同盟軍の某軍高官を恐怖させ、機装兵バロンを生み出すきっかけになったと言われる。
通称で、レギン系と呼ばれる事が多い。
エーテリック・アクセラレーター搭載型魔導炉を用いた第七世代機兵。強力無比なその機体は、自由都市同盟都市同盟軍の某軍高官を恐怖させ、機装兵バロンを生み出すきっかけになったと言われる。
閑話休題。
この機体に用いられている骨格は、アイオライト・プロダクションがわざわざ新規設計し最適化を行った、新型のフラタニティ・フレーム……厳密にはその発展改良型である。
このフレームを自由都市同盟の企業であるアイオライト・プロダクションが帝国軍の軍工廠に提供するにあたっては、ちょっとした裏の事情が存在した。
事はアイオライト・プロダクションがエーテリック・アクセラレーターを完成させ、それを搭載した新型魔導炉を実用化した時にまで遡る。
このフレームを自由都市同盟の企業であるアイオライト・プロダクションが帝国軍の軍工廠に提供するにあたっては、ちょっとした裏の事情が存在した。
事はアイオライト・プロダクションがエーテリック・アクセラレーターを完成させ、それを搭載した新型魔導炉を実用化した時にまで遡る。
当時アイオライト・プロダクションは、完成したエーテリック・アクセラレーター搭載新型魔導炉の理論や設計図とそのライセンス生産の権利を、カーライル王朝・聖王国へと売却した。
アルカディア帝国を無視する形で。
帝国当局の詰問に対しアイオライト・プロダクションの担当者は、まったく悪びれた様子も無しに語った。
エーテリック・アクセラレーター開発者のディートフリート・フォン・ドレヴァンツ元帝国伯爵は自分を見捨てた帝国を怨んでおり、その彼が帝国への技術供与に強く反対したのだ、と。
アルカディア帝国を無視する形で。
帝国当局の詰問に対しアイオライト・プロダクションの担当者は、まったく悪びれた様子も無しに語った。
エーテリック・アクセラレーター開発者のディートフリート・フォン・ドレヴァンツ元帝国伯爵は自分を見捨てた帝国を怨んでおり、その彼が帝国への技術供与に強く反対したのだ、と。
実のところ、それは言い訳に過ぎなかった。
アイオライト・プロダクションの思惑は、帝国と聖王国の軍事バランスを崩し、しかし崩しすぎない様に調整することで、双方の戦いを煽りたいと言う物であったのだ。
まさしく死の商人らしい行いであった。
アイオライト・プロダクションの思惑は、帝国と聖王国の軍事バランスを崩し、しかし崩しすぎない様に調整することで、双方の戦いを煽りたいと言う物であったのだ。
まさしく死の商人らしい行いであった。
そしてアイオライト・プロダクションは、適当なところで折れて見せる。
帝国に対し、エーテリック・アクセラレーターの理論やそれを搭載した魔導炉の設計図、ライセンス生産の権利を莫大な代価と引き換えに、売却したのだ。
聖王国との軍事的均衡を崩し過ぎない様に調整するため、新型機装兵用に調整され、最適化された最新型のフラタニティ・フレームを譲渡すると言う巨大な「オマケ」付きで。
帝国に対し、エーテリック・アクセラレーターの理論やそれを搭載した魔導炉の設計図、ライセンス生産の権利を莫大な代価と引き換えに、売却したのだ。
聖王国との軍事的均衡を崩し過ぎない様に調整するため、新型機装兵用に調整され、最適化された最新型のフラタニティ・フレームを譲渡すると言う巨大な「オマケ」付きで。
更にアイオライト・プロダクションは、帝国軍の軍工廠に優秀な技師を多数派遣する。
新型魔導炉の実験機、機装兵レシディーヴをはじめ、新型フレームを用いた試作機である機装兵ヴェルニルなど複数の機体が、この時生み出された。
その際得られた実験や運用のデータ類はコピーを取られ、アイオライト・プロダクションへと流れたらしい……。
新型魔導炉の実験機、機装兵レシディーヴをはじめ、新型フレームを用いた試作機である機装兵ヴェルニルなど複数の機体が、この時生み出された。
その際得られた実験や運用のデータ類はコピーを取られ、アイオライト・プロダクションへと流れたらしい……。
本当であれば、このまま正式タイプが開発完了し、フレームを自国のみでどうにかしようとしていた聖王国の機装兵シュヴァリエルと、ほぼ同時期に完成するはずであったのだが……。
ここで足を引っ張ったのが、帝国内部の貴族たちである。
軍権を皇帝ジークハルトと奪い合い、軍議においても衝突する事の多いラズール公爵家が、新型機の建造権を握ろうと画策。
ラズール公爵家に追従する多数の貴族も、尻馬に乗った。
ここで足を引っ張ったのが、帝国内部の貴族たちである。
軍権を皇帝ジークハルトと奪い合い、軍議においても衝突する事の多いラズール公爵家が、新型機の建造権を握ろうと画策。
ラズール公爵家に追従する多数の貴族も、尻馬に乗った。
泥沼の権力争いを経て、最終的には新型機の建造権は従来通り、皇帝派閥の帝国軍軍工廠が握る事になる。
だが完成した実機の数割をラズール公爵家派閥へも流さねばならなくなってしまった。更に権力闘争をしている間、開発は停滞し、設計はともかく実機の完成は遅れに遅れる。
まあ紆余曲折はあったが、聖王国の機装兵シュヴァリエルに遅れる事約1年。
ついに帝国軍の最上位機装兵、レギンレイヴが完成したのである。
残念ながら新型魔導炉炉心まわりのコストが異様に高くつき、量産には不向きであったのだが……。
だが完成した実機の数割をラズール公爵家派閥へも流さねばならなくなってしまった。更に権力闘争をしている間、開発は停滞し、設計はともかく実機の完成は遅れに遅れる。
まあ紆余曲折はあったが、聖王国の機装兵シュヴァリエルに遅れる事約1年。
ついに帝国軍の最上位機装兵、レギンレイヴが完成したのである。
残念ながら新型魔導炉炉心まわりのコストが異様に高くつき、量産には不向きであったのだが……。
それでもこの機体は、聖王国のハイエンド機装兵たるシュヴァリエルと互角か、わずかながらも凌駕する高性能機である。
後にはこの機体の設計をベースに強化改修し、暗黒騎士専用の超強力なカスタマイズ機が多数造られる事となった。
後にはこの機体の設計をベースに強化改修し、暗黒騎士専用の超強力なカスタマイズ機が多数造られる事となった。
ちなみにラズール公爵家率いる貴族派閥に渡った50機弱のレギンレイヴだが……。
聖華暦834年のハウゼンシュトリヒ攻防戦にその2割が参加し、そして自由都市同盟の冒険者義勇軍に加わっていた機装兵イエロー・ジャケットの魔力型電磁加速砲によって、参戦機の大半が討ち取られてしまっている。
これは単に敵との相性が悪かっただけ、とも言えるのだが……。
せっかくの新型機を多数失った貴族派閥は、大きく面目を損なう事となる。
聖華暦834年のハウゼンシュトリヒ攻防戦にその2割が参加し、そして自由都市同盟の冒険者義勇軍に加わっていた機装兵イエロー・ジャケットの魔力型電磁加速砲によって、参戦機の大半が討ち取られてしまっている。
これは単に敵との相性が悪かっただけ、とも言えるのだが……。
せっかくの新型機を多数失った貴族派閥は、大きく面目を損なう事となる。