「機装兵 レシディーヴ」





[解説]
アルカディア帝国の第七世代機兵代表である機装兵レギンレイヴの初号機ロールアウトは、聖華暦808年。
カーライル王朝・聖王国の競合機種である機装兵シュヴァリエルよりも1年遅れている。それには次の様な事情があった。
カーライル王朝・聖王国の競合機種である機装兵シュヴァリエルよりも1年遅れている。それには次の様な事情があった。
自由都市同盟のアイオライト・プロダクションが、エーテリック・アクセラレーターの開発に成功したのは聖華暦801年の事である。
その後の聖華暦802年には、実験機であった機装兵アマ・デトワールが武装を施され、実戦テストに送り込まれる。
この機体は様々なデータをアイオライト・プロダクションにもたらし、エーテリック・アクセラレーターの完成度は更に高められていった。
その後の聖華暦802年には、実験機であった機装兵アマ・デトワールが武装を施され、実戦テストに送り込まれる。
この機体は様々なデータをアイオライト・プロダクションにもたらし、エーテリック・アクセラレーターの完成度は更に高められていった。
同年の聖華暦802年半ば、アイオライト・プロダクションは莫大な金額と引き換えに聖王国へエーテリック・アクセラレーターの理論と設計図を引き渡し、そのライセンス生産を許諾する。
これによって聖王国は第七世代機兵の建造が可能となる。
聖王国では聖華鍛冶師協会にて開発中であった新型最高級機装兵の設計を急遽変更し、エーテリック・アクセラレーター搭載型とした。
翌年の聖華暦803年前半にその機体は完成する。
機装兵シュヴァリエルのプロトタイプ、クルスの誕生である。
これによって聖王国は第七世代機兵の建造が可能となる。
聖王国では聖華鍛冶師協会にて開発中であった新型最高級機装兵の設計を急遽変更し、エーテリック・アクセラレーター搭載型とした。
翌年の聖華暦803年前半にその機体は完成する。
機装兵シュヴァリエルのプロトタイプ、クルスの誕生である。
帝国の諜報部より知らせを受け、機装兵クルスの完成を嗅ぎつけた帝国当局は、アイオライト・プロダクションの担当者を呼びつけ、クレームをつける。
内容は、聖王国にのみエーテリック・アクセラレーターを売却し、帝国を無視した形になった事についてである。
だがアイオライト・プロダクション側の回答に、帝国当局は鼻白む。
アイオライト・プロダクションが言う事には、エーテリック・アクセラレーター開発者のディートフリート・フォン・ドレヴァンツ元帝国伯爵が、自分と自分の研究を見捨てた帝国に怨みを持っており、帝国への技術供与に強く反対したのが理由である、との事であった。
内容は、聖王国にのみエーテリック・アクセラレーターを売却し、帝国を無視した形になった事についてである。
だがアイオライト・プロダクション側の回答に、帝国当局は鼻白む。
アイオライト・プロダクションが言う事には、エーテリック・アクセラレーター開発者のディートフリート・フォン・ドレヴァンツ元帝国伯爵が、自分と自分の研究を見捨てた帝国に怨みを持っており、帝国への技術供与に強く反対したのが理由である、との事であった。
結局のところ、帝国とアイオライト・プロダクションは、アイオライト・プロダクション側が折れる形で……内実は、アイオライト・プロダクションが帝国に貸しを作る形で、決着する。
アイオライト・プロダクションは聖王国が支払ったのとほぼ同額で帝国にもエーテリック・アクセラレーター技術をライセンス供与し、さらに「余禄」も付ける事で帝国側も矛を収めざるを得なくなったのである。
アイオライト・プロダクションは聖王国が支払ったのとほぼ同額で帝国にもエーテリック・アクセラレーター技術をライセンス供与し、さらに「余禄」も付ける事で帝国側も矛を収めざるを得なくなったのである。
その「余禄」であるが、それは新型機に使用するフラタニティ・フレームの新規設計と最適化であった。
多少裏の事情を知っていればわかる事であるが、第六世代機兵や第七世代機兵に使用されているムーバブル・フレーム……フラタニティ・フレームもしくはその発展型は、聖華暦800年代初頭においてはアイオライト・プロダクション以外での新規設計は行えない状況にあった。
これはフレームの強度計算や最適化計算を行う事ができるのが、アイオライト・プロダクション所有の秘匿大型電子計算機だけであったからだ。
多少裏の事情を知っていればわかる事であるが、第六世代機兵や第七世代機兵に使用されているムーバブル・フレーム……フラタニティ・フレームもしくはその発展型は、聖華暦800年代初頭においてはアイオライト・プロダクション以外での新規設計は行えない状況にあった。
これはフレームの強度計算や最適化計算を行う事ができるのが、アイオライト・プロダクション所有の秘匿大型電子計算機だけであったからだ。
他の自由都市同盟企業や都市同盟軍の工廠、都市同盟軍研究所が新型機を設計、建造する際には、800年代初頭の時点では例外なくアイオライト・プロダクションに依頼してフレームを設計してもらっている。
更に帝国や聖王国においては、第六世代機兵以降の機体を新規設計する場合、同盟製フレームの完全コピーをベースに建造するしか無かったのである。
まあ、裏取引でアイオライト・プロダクションより新規フレームの設計を購入した例が無かったか、と言われれば首を傾げるしか無いのであるが。
そんな状況であったため、帝国としては完全新規設計で、要求仕様に対し最適化されたフラタニティ・フレームは、喉から手が出るほど欲していた物だったのだ。
更に帝国や聖王国においては、第六世代機兵以降の機体を新規設計する場合、同盟製フレームの完全コピーをベースに建造するしか無かったのである。
まあ、裏取引でアイオライト・プロダクションより新規フレームの設計を購入した例が無かったか、と言われれば首を傾げるしか無いのであるが。
そんな状況であったため、帝国としては完全新規設計で、要求仕様に対し最適化されたフラタニティ・フレームは、喉から手が出るほど欲していた物だったのだ。
そしてその結果、機装兵レギンレイヴ系列機が建造される事になるのだが、その前段階としてエーテリック・アクセラレーターを搭載し、魔導炉周辺の調整の方向性を探るための実験機として建造されたのが本機「レシディーヴ」であった。
レシディーブは旧人類の某国の言葉で、「再犯」を意味する。帝国が一度は見限ったはずであったエーテリック・アクセラレーター搭載機を再度建造すると言う皮肉が、この名には込められているのだろう。
この機体の開発において、アイオライト・プロダクションが多数技術者を派遣した事が確認されている。
レシディーブは旧人類の某国の言葉で、「再犯」を意味する。帝国が一度は見限ったはずであったエーテリック・アクセラレーター搭載機を再度建造すると言う皮肉が、この名には込められているのだろう。
この機体の開発において、アイオライト・プロダクションが多数技術者を派遣した事が確認されている。