「機装兵 カヴァリエーレ」


[解説]
開発元であるカルマッド機兵工房は、当初アルカディア帝国に売り込みを掛けたが、帝国軍では自国に籍を置く企業、ジオニスタ重工業製の新型機、機装兵レガトゥスの採用を決定し、カヴァリエーレは不採用となる。
レガトゥスは従来機である機装兵レギオンの系譜であり、既に操縦槽の操縦系や部品の共有化を推し進めていた。
そのため生産ラインの転換も容易であり、整備性も高くなる事が見込まれていたのである。
残念ながら、他国の企業製である上にまったくの新型機であるカヴァリエーレは、この点において勝ち目が無かったのだ。
レガトゥスは従来機である機装兵レギオンの系譜であり、既に操縦槽の操縦系や部品の共有化を推し進めていた。
そのため生産ラインの転換も容易であり、整備性も高くなる事が見込まれていたのである。
残念ながら、他国の企業製である上にまったくの新型機であるカヴァリエーレは、この点において勝ち目が無かったのだ。
しかし戦後になって、カーライル王朝・聖王国より大口の発注を受け、なんとか採算が取れる。
聖王国ではハイ・ロー・ミックス思想のローの位置に置くべき機装兵は、ミーレスと言う注文通りな機体が存在したが、ハイの位置に置くべき機装兵ノヴレスは、希少な錬金金属イシルディンを大量に使用するため、量産不可能であった。
実際、既に建造された試作機や少数生産機のノヴレスタイプの機体だけで、聖王国に備蓄されていたイシルディンは使い切られていたのである。機装兵ノヴレスの配備を少数で断念した聖王国は、戦後の一時的な措置のつもりでカヴァリエーレを採用、配備したのだが……。
聖王国ではハイ・ロー・ミックス思想のローの位置に置くべき機装兵は、ミーレスと言う注文通りな機体が存在したが、ハイの位置に置くべき機装兵ノヴレスは、希少な錬金金属イシルディンを大量に使用するため、量産不可能であった。
実際、既に建造された試作機や少数生産機のノヴレスタイプの機体だけで、聖王国に備蓄されていたイシルディンは使い切られていたのである。機装兵ノヴレスの配備を少数で断念した聖王国は、戦後の一時的な措置のつもりでカヴァリエーレを採用、配備したのだが……。
しかしこの聖王国の決断によりカヴァリエーレの命脈は保たれる事となった。
そして幾ばくかのバリエーション機や、更に後世において名機と称えられる機装兵セレンザ、エクセレンザへとその血筋は繋がって行く事になる。
そして幾ばくかのバリエーション機や、更に後世において名機と称えられる機装兵セレンザ、エクセレンザへとその血筋は繋がって行く事になる。
なお聖王国においてはキャバリエーレと発音される。
綴りは同じcavaliereである。
綴りは同じcavaliereである。
ショートストーリー
開発2部の雑然としたオフィスで、開発主任ジャクソンは必死でカヴァリエーレの売り込み用資料を纏めていた。
周囲の人員は彼の鬼気迫る様子に、声もかけられない。
彼は資料の原稿に、顧客に対してのアピールポイントとなる操縦性の素直さや白兵戦能力の確かさなど、カヴァリエーレの優秀な点をこれでもかと言わんばかりに並び立てて、宣伝文句を連ねる。
無論、欠点が無いわけでは無い。新機軸のシステムを盛り込み過ぎた部分があるため、従来機との部品共有率など整備面に置いての安心度が、若干心もとないのだ。
周囲の人員は彼の鬼気迫る様子に、声もかけられない。
彼は資料の原稿に、顧客に対してのアピールポイントとなる操縦性の素直さや白兵戦能力の確かさなど、カヴァリエーレの優秀な点をこれでもかと言わんばかりに並び立てて、宣伝文句を連ねる。
無論、欠点が無いわけでは無い。新機軸のシステムを盛り込み過ぎた部分があるため、従来機との部品共有率など整備面に置いての安心度が、若干心もとないのだ。
「……レガトゥスには、それでやられた様な物だからな。」
ジャクソンは思わず愚痴を吐く。
カヴァリエーレは、当初アルカディア帝国軍への売り込みを目論んで設計された機体だった。
だが帝国軍は、自国の企業であるジオニスタ重工業が発表した機装兵レガトゥスを採用し、カヴァリエーレを購入しなかったのだ。
無論カヴァリエーレが性能面でレガトゥスに負けていたとは、ジャクソンは思わない。
しかし国内企業で開発され、なおかつ従来機レギオンの系譜であるレガトゥスは、生産ラインの従来機からの切り替えも容易であるし、部品調達なども簡単なために整備性も高く見込まれる。もしジャクソンが帝国の上層部に居たとしたら、彼もレガトゥスを推しただろう。
カヴァリエーレは、当初アルカディア帝国軍への売り込みを目論んで設計された機体だった。
だが帝国軍は、自国の企業であるジオニスタ重工業が発表した機装兵レガトゥスを採用し、カヴァリエーレを購入しなかったのだ。
無論カヴァリエーレが性能面でレガトゥスに負けていたとは、ジャクソンは思わない。
しかし国内企業で開発され、なおかつ従来機レギオンの系譜であるレガトゥスは、生産ラインの従来機からの切り替えも容易であるし、部品調達なども簡単なために整備性も高く見込まれる。もしジャクソンが帝国の上層部に居たとしたら、彼もレガトゥスを推しただろう。
愚痴を吐きつつもジャクソンは、売り込み用資料の作成を続ける。
カヴァリエーレの欠点である整備面についても包み隠さず記載し、それに関してはカルマッド機兵工房が全力でサポートする事で、信頼性を担保する。
だがしかし、営業部が要求してきたこの資料が、実際に役に立つかどうかは分からない。
提出先である都市同盟軍は、安価なリャグーシカの改良に躍起になっている。
先程終結した第三次聖帝戦争戦争に関わっていなかった以上、高価なカヴァリエーレを採用する余裕はあれど、実際にその気があるかは怪しいものだ。
カヴァリエーレの欠点である整備面についても包み隠さず記載し、それに関してはカルマッド機兵工房が全力でサポートする事で、信頼性を担保する。
だがしかし、営業部が要求してきたこの資料が、実際に役に立つかどうかは分からない。
提出先である都市同盟軍は、安価なリャグーシカの改良に躍起になっている。
先程終結した第三次聖帝戦争戦争に関わっていなかった以上、高価なカヴァリエーレを採用する余裕はあれど、実際にその気があるかは怪しいものだ。
「良い物を造れば、売れる……。そう思っていたのだがな。はは、イグナイトの方がまだ売れてるって、どういう事だよ。開発1部のマッドどもめ……。くそ、カヴァリエーレをこんなところで終わらせてたまる……。」
「開発主任!!」
「わぁ!?」
「開発主任!!」
「わぁ!?」
突然飛び込んで来たのは、営業部の人間だった。
ジャクソンら開発の者たちとのやり取りを、主に任されている男だ。
ジャクソンら開発の者たちとのやり取りを、主に任されている男だ。
一瞬で、開発2部のオフィスは歓声に包まれる。そしてそのまま乱痴気騒ぎになった。
ジャクソンは、その中心で呆然としていた。
しかし彼が嬉しくないわけは無い。
彼の頭の上で、狐耳が内心を表して、ピコピコと動いていた。
ジャクソンは、その中心で呆然としていた。
しかし彼が嬉しくないわけは無い。
彼の頭の上で、狐耳が内心を表して、ピコピコと動いていた。
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